「ルース……テメエ一体どういうつもりだ…?」
「………」
「おい、何か言えよ!!今日のアレはなんなんだよ!?真面目にやる気あんのかよ!!」

 酒場の席でベインが怒りも露わに俺にくってかかる。みんなは何も言わないが、内心はベインと同じ思いだろう。
俺がみんなに迷惑をかけたのはまぎれもない事実だ。だがなぜこんなことになったかは言えない、言えるわけがない。
すべては俺自身の心が招いたことなのだから。


俺がフィニィを抱いた翌日、俺たちパーティーはワードナの迷宮に挑んだ。
しかし、結果はさんざんだった。その理由は俺だった。
戦いの最中や探索中にありえないミスやドジをやらかしたのだ。
おかげでたちまち危機的状況に陥った俺たちは予定より早めに冒険から引き上げたのだ。
みんな不満げだったが特に腹を立てていたのがベインだった。
日頃なにかと俺と張り合い、くってかかるこの男がこんな時に黙っているはずがない。当然、激しい罵倒の嵐になった。
俺は何も言わなかった。ただ黙ってベインの言い放題にさせていた。
しかしそれも気にくわないのか、奴はさらに激しい暴言を吐いてくる。

“とっとと謝ればいいのに……”
俺を見るみんなの目が告げている。
確かに謝ればその場はそれなりに収まるだろう。だが、ベインをなだめるために謝る気にはなれなかった。

「もう、そのへんにしときなよ」
一方的な状況を見かねてか、フィニィが割って入ってきた。
「何だよ、そのヘタレ野郎をかばうのかよ!?」
「ベイン、アンタが怒るのもわかるけど少し調子乗り過ぎしゃないの?」
「ハァ?コイツが反省も謝りもしないシカトしてるから俺がみんなの代わりに言ってんじゃねぇか!!」
「アンタがウルサいからかえって言いづらいんじゃないの?少し落ちついたらどう?」
「オマエ何エラそうに俺に指図してんだよ、ルースに気に入られたからってオマエもリーダー気取りか?」
「なに、それ…?」
ベインの言葉にフィニィの表情がやや険しくなった。
「いいか、俺はオマエを仲間にするつもりはなかったのに、それをルースのヤツが勝手に決めてみんなが
なあなあで見逃していたから冒険に連れてやってたんだ、でなけりゃオマエみたいな自惚れ女こっちから願い下げだ!!」
「おい、ベイン!!」
「なんてこと言うんだよ!!」
ベインの暴言に仲間たちがたまらず声を上げる。
「彼女のおかげで冒険ができるようになったんじゃないか!なのにその言いぐさはないだろ!」
「そ、そうですよ、僕たちこれまでずっと彼女に助けてもらってたんですよ!」

「なぁーにが助けられただ、バカバカしい、」
フィニィを擁護する仲間たちをベインは鼻で笑った。
「まともに戦うのはいつも前衛で後ろは魔法で援護だろ。で、ソイツは何をしてたんだ?何もしてないじゃないか」
ベインの言う通り、戦闘中盗賊はアイテムを使うか、何らかのアクシデントで前衛が戦えなくなった時以外は戦いに参加することはない。
「宝箱を手に入れたときくらい働くのは当たり前じゃないか、そうでなけりゃこんな女ただのお荷物さ」
「!!……」
俺を罵倒していたはずが、いつしか矛先はフィニィに向いていた。
それを聞きながらフィニィの顔が怒りで次第に強張っていく。

“いけない!”

俺の中で嫌な予感がざわめきだす。
「だいたい最初に会ったときのこの女の格好覚えてるか?ありゃあ冒険者っていうより連れ込み宿の…」

「やめろ!!!!」

次の瞬間、ベインのセリフをさえぎって俺は叫んでいた。
「!?」
「ルース…!」
頑なに黙っていた俺が突然叫んだことに、ベインもフィニィも仲間たちも皆一様に驚いた。

「な、なんだよいきなり!!もうシカトは終わりかよ!?」
「ベイン、俺が悪かった。本当にすまない。みんなにも迷惑をかけた、今日みたいなことはもうしないから許してくれ、頼む…!」
俺はベインに、みんなに頭を下げ許しを乞うた。もとは俺のせいなのだから当然なのだが。

「まあそう謝られちゃ仕方ないね」
「ホント、しっかりしてくれよルース」
「まったく一時はどうなるかと思ったよ」
「ああ、今日はもう寝たいよ」
みんなは俺の謝罪を受け入れた。このままベインの暴言を聞かされるより早くこの場を収めたかったのだろう。
もっとも、ベインはその気などなかったのだが、足早に立ち去ったみんなを見て意気を削がれたらしく、舌打ちながら
自分も酒場を後にした。

「よく言ったね、ルース」
フィニィが声をかける。
「ホントあたしまでどうなるかと思ったわ〜〜、せっかくだからあたしと一杯付き合わない?」
「いい…ひとりにしてくれ…」
「え?…ルース?」
フィニィの誘いを振り払った俺は酒場を出て、あてもなくさまよい歩きだした。



 いったいどこをどう歩いたものか、俺はいつしか街を見下ろす塔の上で一人泣きじゃくっていた。
大の男がこんな風に泣いているなんて、とても恥ずかしくて見せられるものではない。
朝、鑑定さんから言われたことが、ベインが吐いた暴言が、心をさいなみ、とめどなく涙を流させる。
自分がとてもたまらなく惨めで情けなかった。
俺はベインを口うるさいウザい男と内心小馬鹿にしていたが、俺自身はどうだったのか。
冒険者になりたかった女の子を娼婦みたいに抱き、本当のことを言い当てられ動揺したせいで仲間を危険にさらした。
俺はどうしようもない最低のクズ野郎だ、そう思うと涙が溢れかえり、嗚咽をまた繰り返してしまう。
そうして俺はただただ泣き続けていた。


 どれくらい時間が経っただろうか。
「ルース、ルース、」女の声が俺を呼んでいる。

顔を上げると、横でフィニィが心配そうに俺を見ていた。
「フィニィ!なんでここに…!」
「ちょっと様子が変だったから気になったのよ。アンタたちより街には詳しいからすぐ見つかったけどね」
「そうか……じゃあ見られていたのか…ほんと情けないな……」
「ううん、あたしが来たときには泣き疲れて眠ってた。でも、そんなことはどうでもいいの」
そう言ってフィニィは俺の手を取り、握った。
「鑑定さんから今朝のこと聞いたよ。彼女に相当言われてヘコんでたんだね」
「………」
「鑑定さんはあたしの事情を知ってるし、彼女も色々あったから思わずあんなキツいこと言っちゃったけど、あんなに
気にしてたなんて鑑定さんも意外だったみたい」
「フィニィ、俺は…」
「ルース、アンタあたしから誘ったこと言わなかったのね。それにあたしの裸を見て何て言ったのかも」
「そ、それは…その…」
「あたしね、本気でルースとしたかったから自分から誘ったし、ルースにキレイだって言われてとても嬉しかったんだよ。
だからルースが自分を責めることなんかないの、それに……」
「それに…?」
「ベインがあたしを娼婦みたいって言いかけたのを止めたよね。あれ、あたしのためにしてくれたんでしょ?」
「さあ、それはどうかな……正直言うと俺もベインと同じこと考えていたから…」
「それでもね、あんなボロクソに言われても頭を下げてちゃんと詫びるなんて、やはりルースは優しくて立派な男だよ」
「お、俺が?優しくて立派??冗談だろ!?」
フィニィの歯の浮くような言葉に俺はまたしてもみっともなく動揺してしまう。
ありえない、俺はフィニィが言うようなそんな男じゃない。だがフィニィはなおも言い続けた。
「ルース、あんたは信じられないかもしれないけど、みんなアンタのこと頼りにしてるんだよ。なぜだかわかる?」
「そんなのわからないよ」
「あんたが優しくて強い男だからよ。いつも仲間のことを考えて自分から真っ先に動いて決断してきたから、
みんなあんたを信頼してあんたをリーダーのように思ってるの。ベインも態度はあんなだけど、本当は
アンタをリーダーとして認めてるからあんなにアンタに突っかかるのよ」
「ああフィニィ、俺を慰めるためにわざわざそんなお世辞を言わないでくれ、俺がそんな男じゃないのは
俺がよくわかってるんだ、だからもう俺のことはほっといてくれ!」
取り乱した俺はフィニィの手を払いのけた。

(嘘だ、ウソだウソだ、フィニィは俺を慰めるためにこんなことを言ってるんだ、きっとそうだ!)
俺はすぐにでも目と耳をふさぎ、床にうずくまろうとしていた。が、しかし───

払いのけた手がすかさず俺の肩をつかむ。
そして次の瞬間、フィニィの唇が俺の唇と重なった。

「ッッ…!!」
突然の出来事に俺は目を白黒させたまま何もできなかった。
フィニィは俺の頭に手を回し、さらに深い口づけをしてくる。
彼女の吐息に、柔らかい唇の感触に、俺の中のかたくなな気持ちが、次第にほぐれてゆく。
やがて俺が力無くへたり込むと、フィニィは唇を離した。

「ねぇ、落ちついた?」
「……ああ」
フィニィが並んで俺の横に座る。彼女の肌とぬくもりが腕に触れた。

「なんでだよ…」
「ん?」
「なんでそんなに俺に構うんだよ」
「おかしい?」
「だって冒険者のくせに、男のくせに、クヨクヨしてこっそり泣いてたんだぜ?そんなのの面倒を見なきゃいけない
理由でもあるのか?」
「あるよ」
俺の疑問にフィニィは真顔できっぱり答えた。
「だって、あたしのことを思って悩んでたんでしょ。そんなのほっとけるわけないじゃない」
「いや…それは…」
「普通なら娼婦だった女と寝ても気になんかしないのに、ルースはそのことをすまないって思ってたんだよね。
ルースにはツラい思いさせたけど、あたしそれがとても嬉しかったの、」
そう語るフィニィの顔はなんだか照れくさそうだった。
「嬉しかった…?」
「そのせいでルースやみんなが迷惑したのはわかってる……けど、ルースは娼婦だったあたしを冒険者として
仲間として認めてくれてた、それがわかって嬉しかったの、だからルース、もう自分を責めないで。
いつものルースに戻って」
「フィニィ…」
「あたしは金のためでもイヤイヤ仕方なくあんたに抱かれたわけじゃないの、わかるでしょ…?」
俺を見つめるフィニィの目の端に何かが光っている。
涙だ。フィニィは本気で俺を心配している。

そうだ、俺が抱いたのは娼婦ではなくフィニィという女の子なんだ、彼女が求めたから俺は彼女と一つになれたんだ。
娼婦だと知らされても、驚きこそしたが軽蔑できなかった。フィニィは俺たちの仲間で立派な冒険者だったからだ。
それにフィニィみたいな女の子とエッチしたいのは俺たち若い男にとって夢であり憧れでもある。
フィニィに選ばれた俺がそのことで悩んでクヨクヨするなんて、それこそ彼女に失礼なんじゃないのか?
そう思った瞬間、俺の中のわだかまりがみるみる解けていくのを感じた。

「ありがとう、フィニィ」
指でフィニィの涙をぬぐいながら彼女に告げた。
「ルース…」
「まさか一晩エッチしただけの男にここまでするなんて思ってもみなかった。本当にありがとう」
「礼なんていいよ、ルースが立ち直ってくれたらそれでいいの」
「でもさ、俺、あの晩のことがまるで夢のようだったんだ。君と本当にあんなことをしたのか信じられなかったんだ」
「そうなの…?」
「今まで女の子とエッチするのがあんなに気持ち良いなんて知らなかったから、まるで夢を見ていた気分だったんだ。
そこに鑑定さんにあれこれ言われて混乱して勝手に落ち込んで……いや、本当に心配かけて悪かった」
「ふふ、ルースはホント正直だね」
俺の告白を聞きながらフィニィが微笑む。可愛い笑顔だった。

「さあ、もう気を取り直して明日から頑張らないとな」
そう言って俺は立ち上がった。
「もう大丈夫なの、ルース?」
「ああ、大丈夫さ」
気づかうフィニィに応えてみせた、その時だった
「そう……じゃあエッチしようか!」

「……はい…?」

俺は一瞬耳を疑った。
「大丈夫だって言うんならエッチしよ、今すぐここで♪」
そう言うフィニィは屈託のない、満面の笑顔だった。

「ちょっと待てフィニィ、」
突然の誘いに俺はためらった。
「なんでそうなる!?立ち直ったからってなんでエッチしなきゃならないんだ!?」
「ん〜、だってルースが落ち込んだのはあたしとエッチしたからでしょ? だけどそれってルースの思い込み違いからだよね?
もし立ち直ったなら今あたしとエッチしても問題ないよね?」
「まあそうかもしれないけど……けど、さっきの今で言うことか!? それにここをどこだと思ってるんだ、いつ人が来るかわからないんだぞ!?」
そう、ここは街を見下ろす展望塔の真上、いつ誰かが来てもおかしくないのだ。
ていうか、さっきまで真面目に俺に諭して涙まで見せていた、アレはなんだったんだ!?

「えへへ、じゃあ早くしなきゃないといけないよね、見つかる前にね♪」
「ホントにやるのかよ!?」
「やっちゃうよ、だってあたしは娼婦じゃないんだしね♪」
フィニィが慣れた手つきでたちまち俺のズボンを下ろし、イチモツをさらけ出す。
そして俺の了解もないまま、イチモツを手に取り、しごき始めた。

「ッッ…!!」
「うふふ、ルースはこうすると勃つんだよね〜〜、ほらどんどんビンビンになっちゃうよ〜?」
柔らかい手の中で刺激されるイチモツが、みるみる硬くみなぎり反りたってゆく。
娼婦は辞めても、この手際の良さは間違いなく娼婦だ。

「あはっ、勃った勃った、夕べも見たけどやっぱルースのモノってスゴくイイよね〜〜」
「そりゃどうも……」
限界まで勃ち上がったイチモツをトロンとした目でフィニィが眺める。
興奮で顔を赤らめ、唇を舌でしきりに舐め回すその様子は、まさにエッチ大好きな女の子そのものだった。
「じゃあいただきまぁ〜す、ふぁ…」
「っく…!!」
熱く濡れた舌がイチモツに触れる。
スジを、竿を、丹念に味わうようにフィニィの舌が舐め上げる。
たちまち快楽の刺激が俺の背筋を電流のように駆け上がった。
「うふふ、気持ちいい?気持ちいいのルース?」
「なんの、これくらい…!」
「ならもっと気持ちよくしてあげる♪」
その直後、敏感な先端にフィニィの舌が襲いかかった。
張り詰めた先やカリ首に絶妙な舌使いを受け、俺の中の快感が一気に跳ね上がる。
「お、お、おおお、」
「ふふふ、どう、ルース、イキそう?イキそう?どうなの?どうなの?」
昨晩まで童貞だったイチモツは怒涛の快感に今にも暴発しかけていた。
「ふふ、もうギンギン〜、もう少しで出ちゃいそう〜〜」
鈴口からにじみ出た先走りをネトネト舌先にからめ、前歯で張り詰めた先端をカリカリなぞる。
もはや俺は達する直前だった。
「フ、フィニィ、俺もう…」
たまらず限界を訴える。だがそれを聞いてフィニィは意外な行動に出た。

「だぁ〜め、ルースにはもっと気持ちよくなってもらうんだから♪」
そう言うと、フィニィは上着の裾に手をかけ、一気にまくり上げた。
ブルンと弾みながらたわわな乳房がまろび出る。
ゆうべ存分に揉みまくり、ねぶり回し、吸いまくった魅惑的な乳房だ。
ゴクリと喉を鳴らす俺の前で、フィニィが乳房の間にイチモツを挟み込んだ。
「お…ぉおおぉおッ…!」
「えへへ、これは初めてだよね?おっぱいにはこんな使い方もあるんだよ?」
柔らかく、それでいてムッチリとした乳肉が、イチモツをギュウギュウと包み込む。
アソコとも口の中とも違う未知の快感に、たまらず声を上げ、のけ反った。
「くぅぅッッ!!うおおおー!!」
「ねぇルース、あたしのおっぱい気持ちいい?どう、気持ちいい?」
「ああッ、いいよッ!フィニィのおっぱいは最高だッッ!!」
「あははっ、ホントにぃ?」
「本当だッ!!本当に最高だッッ!!」
「ふふふっ、そう言われるともっとしたくなっちゃう〜!」
乳房を抱える手が更に動きを増す。フィニィの乳房はより甘美な快感で俺のイチモツを包み、責め立てた。
「ああ、フィニィ、フィニィ、俺もうダメだ、ガマンできない、」
「もうイッちゃうの?うふふ、いいよ、あたしのおっぱいでイッて、ルース!」
乳房の間から出たイチモツの先にフィニィがキスをする。その刺激が呼び水となり、俺の快感が弾けた。

「うおおおおおおお━━━ッッッ!!!!」

雄叫びとともにイチモツが脈打ち、熱いほとばしりを吹き上げる。
ビュッ、ビュッ、と放たれる精液がフィニィの顔や乳房にぶちまけられ、白い肌はネットリとした白濁に汚されていく。

射精がようやく治まると、フィニィはすっかり精液まみれになっていた。
「うわあ……ちょっと出しすぎたかな……」
自分の出しっぷりに我ながら驚いてしまう。他人はどうなのかはあえて知りたくはないが。
しかしフィニィの反応は違っていた。
彼女は顔や乳房にかかった俺の精液を指ですくい、口元に寄せて舐めていたのだ。
「ふああ……こんなにいっぱい……ステキ……ああん…!」
指に絡む白濁をしゃぶり、濃厚に臭いを嗅いで感嘆の声を上げるフィニィ。
床にへたり込み、ウットリとした表情で精液を味わう彼女はすごく淫らで、そしてキレイだった。

(本当にエッチが大好きなんだな……)

娼婦は嫌だが、エッチは大好きというフィニィの言葉は本当なんだとつくづく実感してしまう。
誰も誘ってこなくて待ちくたびれたとも言っていたが、もし誘われてたら誰でもよかったのだろうか。
ラルフ、デイル、クレイ、カイル、こいつらならまだしもベインでもよかったのか。
恋人でもないフィニィが誰としようと構わないのだが、もしベインが俺より先にフィニィとやっていたらと
思うと、頭が痛くなりそうになった。どう良い方に考えても今より10倍はウザくなるのは間違いないからだ。
もっとも、俺たちにフィニィを誘う度胸がなかったおかげで俺はフィニィとエッチすることができたわけで、
彼女に選ばれたのはラッキー以外のなにものでもない。
この時もこうして俺はフィニィとエッチをしているが、これで俺とフィニィが恋人同士になったかと言われると、
なんか違うとしか言いようがなかった。
部屋に誘ってもらって、筆下ろしをしてもらって、落ち込んだ自分を励ましてもらってその上またエッチしてくれたのに
恋人じゃないというのは自分でもおかしい気がするが、そういうのは俺とフィニィには当てはまらない、そんな気がしてならなかった。
いささか身勝手な考えとも思えるが、それは後になって正しかったと俺は知ることになる。


「ねぇ、ルース…」
精液を堪能し、オンナに火のついたフィニィが俺に迫ってくる。
「アタシももう我慢できないの…こっちにも熱いのちょうだい…」
フィニィは下半身の着衣を脱ぎ捨て、指でアソコをいじくりだした。
クチュクチュと卑猥な音を鳴らし、内股にタラリと淫らな汁が垂れる。
「ああ、わかってるよフィニィ、今すぐ入れるから尻をこっちに向けてくれ」
「うん、はやく入れて入れて♪」
後ろを向いたフィニィが尻を突き出す。乳房に負けず劣らず白い肌にムッチリとしてまろやかないい尻だった。
「入れるぞフィニィ…」
「ああん、じらさないでぇ…はやくぅ、はやくぅ…」
再び反り返ったイチモツを手にし、俺はフィニィのアソコに狙いを定めた。

ひくつく肛門の下で、フィニィのアソコが顔をのぞかせる。
ぷっくりと肉厚の会陰を開くと、真っ赤に充血した花びらが濡れて艶をおびていた。
秘所の中心には上から膣口とオシッコの穴、そしてフィニィが“お豆”と呼ぶ敏感な部分が並んでいた。
膣口はイチモツが入るのを待ちわびてヒクヒクわななきながら淫らな汁を垂らしている。
ゆうべ、フィニィがベッドの上で自ら広げて俺に見せたとおりだ。

俺のイチモツの先が膣口に触れる。ヌチャリと熱く濡れた感触を先端に感じる。
「ああ、はやくぅ、ルース、ルースぅぅ!」
「ほらよ!」
腰を突き出すとイチモツが膣口にズブズブ入ってゆく。最後まで入る寸前で腰を引くと、思いっきり腰を打ちつけた。
「はぅゔゔゔゔゔゔ〜〜!!!!」
歓喜の声を上げ、フィニィが仰け反る。
俺は更に腰を使い、イチモツの先で膣奥の行き止まりを小突くと、フィニィはおうおうと叫びながら首を振り、床をひっ掻いた。
「あああああいい、おくいい、ガチガチチンポでもっと突いてえええええ〜〜!!!!」
火照った肌に浮かぶ玉の汗が周りに飛び散り、フィニィの身体がイチモツを求めて打ち震える。
フィニィの腰を抱え、角度をつける。そして俺はひたすら腰を使った。

ジュブジュブと濡れた肉をえぐる音と腰と尻とがパンパン打ち合う音が鳴り響く。
フィニィの中は深く突くとギュッと締まり、イチモツを引けば惜しむようにイチモツを食い締め、突く時には緩くなる。
フィニィしか女を知らなかった俺だったが、これは極上のアソコだと確信していた。
「うああああルースぅ、気持ちいいよぉ、このままアタシを犯してよおおおお、チンポキチガイにしてええええ!!」

イチモツを突き立てるほど、フィニィは卑猥に、淫らに泣き叫ぶ。
快楽に酔い、メスの悦びを露わにするフィニィの恥態は俺の中の欲情をいたく刺激し、更に激しい交わりをうながした。
「そんなにチンポが好きか、この淫乱!だらしない顔しやがって、恥ずかしくないのか!?」
「あああ、だって好きなんだもん、チンポで突かれるとアソコがキュンってして気持ちいいんだもん、」
「へえ、そうかい、チンポぶち込めば誰にでも腰を振るんだな、この淫売!ほら、大好きなチンポだぞ、奥まで味わえ!!」
「ふあああッッ!!ヒドいいいい、でもうれしいよおおおおお!!!!」

俺とフィニィは互いに卑猥な言葉を吐きながらひたすら交わり続ける。
そして俺たちが達する時が来た。

「うおおおおお、イクぞフィニィ、ぶちまけてやるぞおおお!!」
「うん、イッてルース、アタシの中でイッてええええ!!」
「おう、イクぞイクぞ、うううううう〜〜〜ッッ!!!!」
「来て、来て来て来てえええええ〜〜〜はヒィイイイイ〜〜ッッ!!!!」
激しい腰使いから深い一突きの直後、俺のイチモツはフィニィの中で弾けた。
力強く脈打つイチモツを膣肉が締め、さらなる射精をうながす。
フィニィの乳房でイッた時よりイチモツは精液を放ち、フィニィの奥を満たしていった。


「ハァ…ハァ……」
「はぅん…ん…んん…」
一戦終えた俺とフィニィは床に横たわり、絶頂の余韻にひたっていた。
「……すっごく興奮したね、ルース」
「ああ…何だかんだ言って最後までやっちまったな……」
「でももう元気になったよね。よかった♪」
「そうだな。まさかエッチまでするとは思わなかったが……」
「もういいじゃない、あたしもルースも気持ちよかったならそれでいいんだから」
「そうか、そうだな……」
「じゃあ今日はもう帰ろ帰ろ、」
俺とフィニィは乱れた着衣を直し、何事もなかったかのように塔から降りた。


「あ…フィニィ…ルース……」
 俺たちが塔から出てくると、入口の前で鑑定さんが待っていた。
「鑑定さん、どうしてここに…」
「ルース、あなたに謝りたくて待ってたの」
「謝る?俺に?」
「今朝はひどいこと言ってごめんなさい……私、あなたとフィニィとのこと思い違いしてて、それでつい……
フィニィが話してくれなかったら私あなたをもっと責めてたかもしれない。本当にごめんなさい…」
鑑定さんは申し訳なさそうに深々と頭を下げた。
「もういいよ、やましいと思ってたからあんなことになったんだ。君が悪いわけじゃないさ」
「でも…」
「もう俺の中では終わったことだ。鑑定さんも気にしなくていいよ」
「………」
鑑定さんは納得しきれないようだったが、俺にこう言われてはどうしようもなかった。
しかし、まさか鑑定さんがこんなに気にしているとは思ってもみなかった。
俺はこのとき、自分のことでヘコんでいる俺を嬉しく思ったフィニィの気持ちがわかるような気がした。



 翌日。馬小屋から起きた俺は酒場に向かった。
朝の酒場には鑑定さんが先にテーブルに着いていた。

「おはよう、鑑定さん」
「おはようルース…」
他愛のない挨拶を交わし、俺は他の仲間が来るのを待つ。
しばらくして鑑定さんが話しかけてきた。

「ねぇルース、一つ聞いていいかしら…?」
「…何だい?」
なんか昨日と似たようなやりとりだな〜、と思いつつ鑑定さんが話すのを待つ。
「あなたたち、あの塔の上で何やってたの?」
「え…?」
「あなたたちがいるのを確かめてから入口でずっと待ってたけどなかなか降りてこないし、そのうち
何人か塔に入ろうとするし、追い返すのに苦労したわ」
「そ、そうなんだ…」
「フィニィの手前、あの時は言わなかったけど……」
鑑定さんの言葉が途中で切れる。
「けど…なに?」
「……する時は人の来ないところでやりなさいよ…」
「え??」
「あんたたちが黙ってても私にはわかってるんだからね、これからは気をつけなさいよ!!」
鑑定さんは思いっきり恥ずかしそうな顔で叫ぶと、そのまま黙ってしまった。

「ごめんなさい鑑定さん、もうしません…」
俺はフィニィの分まで鑑定さんに謝ったのだった。