「お主が前衛やれ!」
「絶対嫌だ!」
酒場の隅でノームとホビットの激しい応酬が繰り広げられている。
「ワシに何かあったら建て直しが利かんじゃろうが!」
「だからって軽装の俺が前出たら墓石無双になるだろうが!」
口論の種は『プリーストとシーフ、どちらが前衛に立つべきか』である。
wizardry永遠の命題とも言える。
その喧嘩をFFFPTMが嘲笑うまでがテンプレ。
「大体お主は後衛にいてもやる事無いじゃろうが。せめて壁となって戦闘でも貢献せんか!」
「俺のACじゃ壁どころか的じゃねえか!」
「そもそも忍者に目指しとる奴が前衛嫌がるとはどういう事じゃ!」
「今の装備で前に出るのが自殺行為だっつってんだ!」
さっきからずっとこんな調子である。
「あ〜あ、こりゃ納まりそうにねえな」
「2人とも一歩も引かないわね」
老人と小人の喧嘩を眺めるは、人間が1人にドワーフが1人。
それとエルフが2人。内1人は紅一点である。
「だいたい生命力低い俺が死にまくったら灰化一直線だろうが!」
「ワシだって灰化したら『これは元ノームだ』とかネタにされるのがオチじゃい!」
「そん時ゃ掃除機で吸い取ればいいだろ!」
良くは無い。
「どうしたもんかね」
「何かいい落とし所は無い?」
「落とし所ねえ」
「プリーストもシーフも嫌ってんなら、いっそビショップ前に出すか?」
「ええっ!?」
突然振られて声を上げる美少女。
「冗談だよ。大体お前を前に出しても…」
「いや、案外悪くないですよ、その案」
ニコニコと喧嘩を眺めてたエルヴンメイジが真顔を向ける。
「プリースト前衛はハイリスク、シーフ前衛は防御面で無謀。となれば第3の案としてビショップ浮上はあるでしょう」
「な、なな何を言い出すのよ!?」
同胞の裏切り(?)に動揺するビショップ。
「何って、かなり現実的な案だと思いますよ。だって」
メイジは手元の酒に一口手をつけ、一拍間を置いてから続けた。
「貴女はプリースト同様、胸当て(ブレストプレート)を装備できるじゃないですか」
その瞬間ビショップは青ざめ、ファイター2名が目を見開き、喧嘩中の2人の動きが止まった。
「おい、何を言ってるんだ。インテリらしくないぞ」
「そうだ。ビショップと言えばレザーアーマー。常識だろうが」
2人の問いかけに、杯の中を空にしてから答える。
「ええ。確かにそれが常識です…100年前までは」
「なに!?」
「トレボーの頃とは時代も製造技術も違うんですよ。今の胸当てはビショップも装備できる代物なんです」
「おい、本当かビショップ!?」
「…はい」
ヒューマンファイターの詰問に、弱々しいがはっきりと肯定を口にするビショップ。
「勿論、最終的なACは頼りないままですが、バタフライナイフでシーフが転職するまでの繋ぎなら十分前衛をこなせます」
「知らなかった…。ビショップは軽装だとばかり」
wizardryを、特にシナリオ1を愛する程、盲点となる。
「そういう事ならビショップ前衛でいこう。3階以降は麻痺やドレイン持ちが出てくる。プリースト前衛は確かに不安だ」
「ビショップが次に呪文覚えるのはレベル12。今はレベル9だから当面先の話だな。ドレインも怖くない」
3階攻略前にモートモンスターでレベル上げをしまくったのが、彼女にとっては裏目に出た。
「だから皆に知られたく無かったのに…メイジ覚えてなさい!?」
「好きな子ほどいぢめたくなるというアレですよ」
「絶対嘘だ!単にドSなだけでしょう!?」
正解。
「エルフも生命力低いのに、灰になったら恨んでやる!」
「その時は掃除機で」
「いや、ビショップちゃんの灰なら指で掬って舐めたい」
長身みたいな事をやろうとする小人である。




わかめ〜
                                   わかめ〜
              実はコンブ〜


こんばんわ、クローリングケルプです。先日『逆はぐれメタル』の称号をいただきました。
単に経験値が低いだけならまだしも、冒険者の方が一目散で逃げ出すからだと聞いて涙が出ました。目無いですけど。
ですので今日こそは戦いたいと思い、こうしてバラックを玄室にして張ってる訳ですが…おや?
「やっぱり前衛は嫌よ。プリースト代わって」
「往生際が悪いぞ」
なんと珍しい。前衛にエルフですか。昔と違ってエルフ侍も希少に、ってビショップじゃないですか。尚更珍しい。
よし、皆さん。あのパーティに奇襲をかけますよ。ビショップを集中攻撃です。
それっ!もんすたあ さぷらいずと ゆう!
「うわっ、海草の奇襲だ!?」

【しかし外れた】×4

「ふぅ、被害は無しか」
「ビショップもちゃんと回避できてるじゃないか。胸当て+1の成果だな」
「嬉しいような、前衛が確定して悲しいような」
むむむ。中々手強いですよ、あのビショップ。胸当てなんか装備してるせいか全然当たりません。
「よし、それじゃ逃げるぞ」
ああ、またですか。今日も戦えずじまい。
「いえ、折角だから戦ってもいいのでは?」
!?
「数も4匹と少なめですし、何より玄室なので結局何かと戦う必要があります。だったらこいつらでもいいでしょう」
「そうだな。今の俺らには海草も蛇も経験値的に大差無いし、やっちまうか」
おお、おお…。なんて、なんて素晴らしい人達なのでしょう!
「ところでメイジの兄ちゃん」
「何です?シーフさん」
「本音は?」
「いやあ、折角なので触手責めされるビショップさんを拝んでみたいなと」
「やっぱりそんな理由かちくしょーーーーーー!!」
おやおや、女の子が畜生とかはしたない。
それにしても私はエロ要員扱いですか。不本意ですねえ。
不本意ですが、期待されているのでしたらそれに応えねば。
「させる訳ないでしょ!」

【クローリングケルプは死んだ】×3

「おお、殴りもいけるなビショップ。ちゃんと一撃で仕留めた」
「絶対触手なんかに負けたりしない!」
「その台詞はフラグだろ」
その通りです。4匹の中で私を後回しにした事、後悔しますよ!
「ふ、ふん。来るなら来なさい。この胸当てならどんな攻撃だって遮」
まずは脚を絡め取って、と。
「きゃああ!な、なんで下半身を狙うのよエロ植物!」
上半身が強固なんだから仕方ないじゃないですか。
「でも残念だったわね。今日の私は普段と違ってジーンズなのよ。脚を取ってもパンチラサービスなんか無いわ!」
「ちっ」×5
おやおや、他の方はすっかりギャラリーモードで。戦士さんたちも身を守ってますし。
「アンタ達も戦え!」
「いや、お前の脚に絡んでるから危険なんだよ。自分で仕留めてくれ」
「使えない男達ね!もういい、自分でやる!」

【1回当たり2のダメージ】

「あ、メイス+1の最低値。ついてないわ」
ついてない、ですか。私の最大HPは3しかないんですよ。
今のは痛かった…
痛かったぞーーーーーー!!!!
「な、何よ。ブチ切れたくらいで私がビビるとでも」
ところでビショップさん。貴女ジーンズは普段履いてないと言ってましたね?
「だから何?」
だからなのか知りませんが、チャック上げ忘れてますよ。
「嘘!?」
遅い!!
「ひっ、きゃああああああ!!!」
「おおっ!触手がズボンの中へ!」
「社会の窓へ滑り込ませやがった!」
私を怒らせた事、後悔させてあげます!必殺、3回攻撃!
「嘘!?触手が入ってくる!?」

【クローリングケルプは腕を伸ばして激しく突いた】
【1回当たり2のダメージ】

「ひぎぃっ!」

【1回当たり2のダメージ】

「いぎっ!!」

【1回当たり2のダメージ】

「ひぐぅ!!」
ふふふ。クリトリス、尿道口、小陰唇の3点攻撃は効いたでしょう?
「ま、負けてなるものですか…」
おや、しぶといですね。

「猥褻ショーはこれで終わりよ!!」

【ビショップはクローリングケルプを殴った。しかし外れた】

「しまっ!」
レベルアップで成長しない命中率が仇になりましたね。今度は私の番です!

【クローリングケルプは膣内に腕を伸ばした】

「ざ、残念だったわね。膜なんか無いわよ。そこじゃダメージは受けな」

【クローリングケルプは更に腕を伸ばした】

「ひっ!?」

【クローリングケルプは子宮口を激しく突いた】

「ひぎっ!!」

【1回当たり3のダメージ】

この触手なら奥深くまで届くのですよ。
処女では無いとの事ですが、こんな奥を刺激するような一物には巡りあってないでしょう?
「ま、まけない…」
ほう、まだ抵抗しますか。大人しく快楽に身を委ねれば良いものを。
「ほざけ…くらいなさい、HALITO!」

【クローリングケルプは呪文を妨害した】

「う、そ…」

成程、必中攻撃してきましたか。まだ脳は働くようで。
でも残念でした。私は呪文抵抗率が50%あるんですよ。
さて、次は私のターンですね。
「いや…もう、やめ」

【クローリングケルプは子宮口を激しく突いた】

「いぎっ!」

【子宮口を激しく突いた】

「んぎぎっ!」

【激しく突いた】

「ひぐっ!!」

【3回当たり9のダメージ】

「あ…ぁ…」
虚ろ目で涎垂らして、もう色んな意味で限界じゃないんですか?
「ま、け、な…」
その根性だけは認めますよ。ですが、その様子では次のターンは私が先手取れそうですね。
「うぅ…」
トドメは新・三点攻撃で締めてあげましょう。

【クローリングケルプはクリトリスを弾いた】
【Gスポットを叩いた】
【子宮口を激しく突いた】

「………」
おや、悲鳴上げないのですか?
「も…だ、め…」

【ぷしゃあああああああああ】

おやおや、失禁ですか。ジーンズ履いたままなのに。
そしてそのまま倒れこんじゃって。どうやら私の勝ちのようですね。
そうです、私もちゃんと戦えたら強いのですよ。ふっふっふっ。
「ぅ…ぁ…」
まだ意識が残ってましたか。失神してれば苦しまずに逝かせてやれたのに残念です。
「ころ、す、の…?」
ええ。心苦しいですが、魔物と冒険者の戦いは死をもって決着をつけるのが慣わしですからね。
「…だったら、せめて、しぬまえに」
遺言ですか?
「おちん、ちん。ほしい」
おやおや。
「さいごに、ふといの、ちょおだい…」
困りましたね。そう言われましても私に男性器は無
「 \ここにあるぞ!/ 」
えっ?

【ファイターはクローリングケルプに殴りかかった】
【そして3回当たり25のダメージ】
【クローリングケルプは死んだ】

「チンポなら俺らのがあるぞ。ずっと見てたから準備万端だ!」
「ヒューマン、ドワーフ、エルフ、ノーム、ホビット。全部揃ってるぜ」
「5種類のペニスを選ぶとしたら、君ならどれが好き?」
「…ぜんぶ。ぜんぶ、ちょおだい。みんなの、ぜんぶちょおだい!」



…という事がこの間あったのですよ。
「リア充爆発しろ」
いや、全然充実してないですよ。最後はオッサンに撲殺された訳ですし。
「美少女エルフ相手に子宮口責め出来た時点でリア充度120%だろうが」
そういうものでしょうか。
あ、今私と会話してる彼はアナコンダさんです。彼とは『エロ同人でネタになりそうな魔物同盟』の同志です。
「畜生、お前ばかりいい思いしやがって。お前が子宮口責めなら俺は頭突っ込んでスカルファックしてやる」
ああ、貴方ならできそうですね。蛇ですし。
「そして舌を子宮口の中に通して内側ペロペロしてやる」
できるかもしれませんね、貴方の舌細いですし。
「くそっエルフは、俺が凌辱できるようなエルフはいないのか?」
そんなゴローさんのように言われても…おや?
「どうした?」
噂をすれば本当にエルフが来ましたよ。それも6人。
「6人!?」
ええ、間違いありません。それも全員女性です。構成は…PPPMMMのようですね。
「なにその構成。ふざけてるの?」
いや、結構理に適ってるのですよ。最序盤が最難関のシナリオ3だとレベル5までは最強と言ってもいい。
「ハッ、まあいい。何にせよこんな大御馳走を逃す手は無い。六輪車プレイしてくれるわ!」
あ、待って下さい!彼女達を侮ると。
「フン、KATINO3連発が危険だってんだろ?低レベルのKATINOで俺様が眠るかよ!」
いや、そうではなく、彼女達の本当の武器は、

【プリーストはBADIOSを唱えた】×3
【メイジはHALITOを唱えた】×3
【アナコンダは死んだ】

必中攻撃6連発なんですよ、って遅かった。