「よう、リーダー。重要な話って何だ?」
ここはギルガメッシュの酒場の一席。パーティメンバーが一同に会している。
「ああ、実は常日頃から何となく思ってたんだが、今回確信した事がある」
話を振られたリーダー(Dwf-E-Fig)が神妙な面持ちで呟く。
余談だがリーダーに話を振ったのもDwf-E-Figであり、話を聞きながらをエールを流し込んでるのもDwf-E-Figである。
FFFPTMの構成は珍しくも無いが、同じ顔のちっこいオッサンが3枚並んでる姿は想像してみると怖いものがある。
「そいつぁ緊急会議開くほどのモンなのか?」
エール飲んでた3人目のドワーフが苛立たしげに訊ねる。
重要な話だからと開幕からペースを鈍らせているだけに、さっさと話を終わらせてガッツリ酒を流し込みたいのだろう。
「ああ、極めて重要だ。この事実によって俺らの今後のシノギが180度ひっくり返るかもしんねえ」
「ほう、そこまで言うなら聞かねえとな。で?」
リーダーの口ぶりにElf-E-Pri、Hob-E-Thi、Elf-E-Magも固唾を呑む。
「実はな…」


   「俺らのACって、全然機能してないんじゃないか?」


「おまえは何を言っているんだ?」
クロコップの表情の戦士2号。3号はアホらしいとばかりに飲むペースを上げる。
「信じられないと言うのなら、こいつを持ってバブリースライムと戯れて来い」
コトッと軽い音を立てて戦士1号(リーダー)がテーブルに指輪を置く。今日の戦利品の守りの指輪だ。
「あいつの体当たりをことごとく交わせたら、今日の酒代は俺が持ってやる」
「ほう?そいつぁ俺が参加してもいいのかい?」
酒豪の3号が横槍を入れる。「昨日は6時から10時まで飲んでた」という言葉が朝の6時から22時までを指す男だ。
「避けれない理由を酒のせいにしないのならな」
「へっ、乗ったぜ。駆けつけ3杯終えてキリもいい。軽く残業してやらあ」
ちまちまグラスに注ぐのを面倒がる彼にとって、1杯分は1瓶の事を指している。
「おう、オヤジ!sakeを燗しといてくれ。10分後にちょうどいいようにな!」
「うわあ、ここぞとばかりに高いのを」
「東方のコメが原料のお酒よね確か」
プリーストとメイジが小声で確認しあう。
「ほんじゃ行ってくらあ。食前の軽い運動で酒がウマイ!ってな」

10分後

「このプログラムを作ったのは誰だあっ!!」
U−ZANの表情にピンク色のゲロもどきがこびりついた3号が帰還。
「そりゃmad overlordじゃないのか?」
「そうか よし ころす」
「やめろ。俺ら全員共犯扱いでブチこまれるぞ」
「そもそも戦犯はロバートじゃなくて移植したENDOだろ」
「野郎!セカンドチャンネルだかでキャップを持ってるとか調子ぶっこきやがって!」
「まあ落ち着け」
「またクリスマスのファックをアリノの電話で妨害されればいいんだ!」
「いいから黙れ」
ビシッ!
シーフは戦士3号にチョップした
そして1回当たり4のダメージ
「このアル中は放っとくとして、これで皆にも理解してもらえたと思う」
リーダーの言葉に残り4人がうなずく。3号はいまだブツブツ言ってるが書くと怒られそうな内容なので省略。
「しかし参ったなこりゃ。致命的な致命傷だぞ」
思わず謙虚なナイトの口ぶりになる2号。
「そうね。あたしの胴鎧と鉄の盾、3000GPが粗大ごみって事だもんね」
「あたしメイジで良かったあ」
「え?まず金なの?」
女性はそういうものである。

「それで、だ。何故こんな事になったのか俺なりに考えてみた。そしてひとつの結論に至った」
「どんな?」
メイジが疑わしい目を向ける。基本知力7の結論に嫌な予感しかしない。
「俺らは鎧の下にインナーを着ている。これが防具の二重装備扱いの罰則でACが無効化されてるんじゃないか?」

ポカーン

「お前天才だな!伊達にリーダーやってない」
呆然とするエルヴンと、所詮は脳筋の2号。
「確かにパンツ一丁じゃないとAC10じゃないってマクリーンが描いてたからな。インナーがAC−1の防具扱いと考えれば納得がいく」
多少酔いが覚めた表情の3号。発言は素面とは思えないが。
「なんてこった。そんな罠があったとは。アンドリューも意地悪な設定作りやがる」
同じく基本知力7の小人。
「やだ…なにこれ…」
エルフとして生を受けたことをマハマンの神に感謝するメイジ。
「という訳だ。前衛は明日から素肌に直接鎧を着てくれ。多少気持ち悪いだろうが命にゃ変えられない」
「「了解」」
「ちょっと待った」
即席羞恥心を相手に突っ込みをいれるメイジ。
「どうした?お前はAC高くても関係ないから今まで通りで構わんぞ」
「そうじゃない。今のあんた達の鎧って極上の鎧だったよね?」
「ああ。それが?」



「極上の鎧のデザイン、正確にはプレートメイル+2のデザインってこれなんだけど」

「それが?」
「こんな股間丸出しの鎧を素肌の上から着たらどうなるくらい分かるでしょ!!」
メイジさんがキレた。
「プリちゃんも言ってやってよ!こんな紳士という名の変態なんかとパーティ組めないって!」
「………」
メイジが横を見やると、顔色が分かり易く青ざめているプリーストが。
「プリちゃん?どったの?」
「これ、あたしの胴鎧(ブレストプレート+1)のデザインなんだけど…」

「上半身しか無いって事は、明日からあたし下半身は…」
「プリちゃああああああん!あなたまでそっちに行かないでええええええええ」
初期知力が10でもプリーストはボーナスを知力には振らないものだ。
「どうやらメイジもプリーストも根本的な勘違いをしてるようだな」
ふぅ、とため息をつきながらリーダー。
「パンツは履いててもACに影響無いってマクリーン公認じゃないか」
「パンツ履いてりゃいいってもんじゃないでしょ!!」
「そっかあ。だったら見せパン履けば少しは…」
「だからそっちに行かないでええええええ」