私はその時を待っていた。
 あと少し、あと少しと心待ちにした瞬間。
「あぁ、今日から私も裸デビューができる!」
 レベルが上がった私は無敵だ。私は鏡に自分の姿を映した。
 片手では掴みきれない大きさの胸、しなやかな色白の体、茂みに隠された使われていない縦筋。
 素顔を隠す為の布を巻きつけてからふと思う。
「はっ、恥ずかしい」
 そうなのだ。いくら裸が強さの証、正当な格好とは言えどまだ裸になって一日目。
 デビューから裸だなんて、とてもじゃないができない。
「先輩達はみんな裸でも平気なのに……」
 装備と見なす衣服は全てが邪魔な存在。弱くなってしまう。
 あっ、でもアレは平気だった気がする。
 男の忍者が街中で装着義務のようになっているアレ。
 汚い物が隠されていると男性から好評で、装備とは見なされないアレ。
「ぐっ、とお尻に食い込ませるのがポイントなんだよね」
 それはフンドシ。
 褌。
 ふんどし!!
 茂みと縦筋を隠してしまうが、一部の男性からは好評なので女性の着用も有りなのだ。
「おっぱいは……見られても平気だよね」
 布で隠した顔が羞恥と興奮で赤く染まった。
 さぁ、裸で街中デビューだ!