「フラウド、なに書いてる?」
「里のみんなに手紙をかいてるんです。パーティも見つかったし近況報告をしようと思いまして」
「手紙?姉…リーダーが言ってたが、この街では郵便物の配送は禁止されているはずだぞ」
「えっ?でも、城下で尋ねたら、手紙の配送も、仕送りもできるって…」
「……そうか、そうか、ハハハ。ありがとうフラウド。君が加入してくれて本当によかった」
* * *
「やめてえええ!お願い、それだけは…それだけは…」
「何か不都合でも?父や母に今の近況をありのままお伝えするだけですが?」
「お願い、だめ、だめよ、お姉ちゃん泣いちゃう…!!」
「長い手紙になりました。私がここに来てから、一年間に起こった出来事を全て書きましたから。
姉さんと偶然再会したあの瞬間から、一部始終、今に至るまで全部、余さず、しっかりと」
「だめ、ひっく、だめ……ほんとうに、だめなの…何でもする、
言うこときくから……手紙を出すのだけは…」
「そうですね。まず城内では服を着てもらって、外出は夜九時以降禁止、
子ども扱いするような発言で私を侮辱するのも止めていただいて、それから…」
「そ、そんな…」
「出しますよ」
「でも…」
「出しますよ?」
「うぅ……ひっく、フローのいじわるぅ……」
「シャイアさん、なんでそんなに楽しそうなんですか?」
「んんー?べぇえつにぃー」
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