エル・ケブレスの迷宮には、冒険者にとってカモ扱いされているモンスターが幾つかある。
モートモンスターやハイコルセアは有名で、他にはゼノなんかも該当するだろう。
そして牙の教団の僧侶、ファングプリーストもその中の一つと言える。
同フロアのモンスターに比べ経験値・アイテム共に頭抜けており、BADI以外に恐れる攻撃がない為、
死者こそ出すものの全滅の危険は低い。
最上階で稼ぐよりも遥かにローリスクハイリターンな為、中にはマスターレベルに達しても僧侶狩りを続ける者達までいる。
今日紹介するのも、とある中堅の僧侶狩りパーティの話である。

「LAHALITO!」
ファングプリーストはしんだ。
ファングプリーストはしんだ。
ファングプリーストはしんだ。
ファングプリーストは21のダメージをうけた。
ファングプリーストはしんだ。
ファングプリーストは9のダメージをうけた。
「2体残った!リースあとお願い!」
「LITOKA」
ファングプリーストはMONTINOをとなえた。
リースのじゅもんをふうじこめた。
「あ!」
「まずい!」
ファングプリーストはBADIをとなえた。
シーフはしんだ。
「シーフが死んだ!撤退だ!」



「やれやれ、死んだかと思ったぜ」
「いや、死んでたから」
カント寺院から戻ってきたシーフを迎える一同。
ここはギルガメッシュの酒場。いつも冒険の帰りはここでの打ち上げが通例となっていたが、今日は反省会の意味合いが強かった。
「しっかし、お前らの息の合わなさは何とかならんのか」
槍玉に上がってるのは僧侶のリースと魔法使いのメイ、エルフの双子姉妹だ。
「幾ら二卵性とはいえ、こうも呪文のタイミングがズレるとなあ」
「本当に姉妹なのかと小一時間問い詰めたい」
「すいません」
「ごめんなさい」
双子なのに職業も違えば、口をつく謝罪の言葉まで違う。
「どっちも素早さ18だってのに、どうしてこうも壮大にズレるのか不思議でしょうがないぞ」
ファングプリーストを狩る上で必須とも言えるのが攻撃呪文。彼らは集団で襲ってくる為、剣で捌ききるのは難しいからだ。
MADALTOが決まれば一発なのだが使える回数が少ない。加えて通常エンカウント対策にMAKANITOも残しておきたい。
故に攻撃の要は必然的にLAHALITOになるのだが、LAHALITOだとダメージが浅い時に仕留め損なう事がある。
そこで浮上するのが僧侶の攻撃呪文LITOKAN。単発では心もとない威力も、弱った敵へのトドメとしてなら十分。
回復は聖水で事足りる為DIALMAの使用頻度は低く、安心して攻撃呪文に費やす事ができる。
よってメイジのLAHALITOとプリーストのLITOKANは僧侶狩りを行う上で最重要項目なのだが、
「何か息ピッタリな事無いの?」
「戒律は同じだよ」
「そりゃ戒律まで違ったら生活環境が一緒だったかも怪しいぞ」
「だいたい中立じゃないメイジが珍しいからって二人揃ってスカウトしたんだ」
悪と中立はパーティを組むだけなら問題は無い。しかし長く一緒にいるとどうしても戒律の差異が微妙な影響を与え、
長続きしないパーティが少なくない。なので僧侶狩りパーティの場合、戒律は中立よりも悪が好まれる傾向にある。
エル・ケブレスの迷宮は中立戒律の汎用性が高い事もあり、悪のファイターやメイジは希少。
このパーティのように全員が悪というのは極めて珍しいのだ。
「折角悪で6人揃ったんだし、できればこのメンバーで長くやっていきたい。その為にもリースとメイのコンビネーションは重要なんだ」
「分かってる」
「善処します」
しかし2人のタイミングの合わなさは嫌というほど見せ付けられてきた。やる気で何とかなる問題には見えない。
「俺らも考えようぜ。何かいい方法無いか」
「そうだなあ。昔読んだ本で、14歳の男女が一つ屋根の下でエアロビ学んで息合わせるってのあったけど」
「もっと長い間一つ屋根の下にいたのに息合ってないから無理だろ」
「後は体を一つにする事で心も一つになるって本も読んだ記憶が」
「こいつら女同士だぞ。加えて姉妹だ」
「つーかお前は普段どんな本を読んでるんだ」
結局ロクな案は出ず、そのままgdgdに反省会は流れ、いつもの飲み会へと変貌していった。
少なくともリースとメイ以外の4人はそう思っていた。
「体を一つに、かあ」
どちらともなく発せられた呟きが聞こえていた者はいなかった。



「メイったら、さっきの話を真に受けないといいんだけど」
深夜の寝静まった頃、冒険者の宿の共用浴場でリースは一日の汚れを落としていた。
他に利用客は見当たらない。当然だ。誰もいない時間帯だからこそ利用できるのだから。
といっても男性客の覗きを警戒している訳ではなく、むしろ同じ女性客の視線を恐れてなのだが。
それというのも、
「リース、いる?」
ドキッ
無人の浴場に片割れの声が響き、ちょうど彼女の事を考えてた事もあって余計に心臓が跳ね上がる。
「い、いるけど、私上がるのまだ先よ」
「私も早く寝ちゃいたいし、たまには一緒に入ってもいいでしょ」
「え?いや、ちょっと待って」
「入るよ」
制止も効かず魔法使いが入ってくる。
そこにはエルフ族独特のスラリとした体つきと、豊かさと引き換えの美しい形をした乳房。そして、
「たまには姉妹水入らずでさ、いいでしょ」
「あなたの場合、本当に姉妹と考えてるか怪しいのよ」
禍々しい凶器、半陰陽の生殖器が嫌でも目に入る。
もっと忌々しいのは、それが片割れのみならず、仲良く姉妹両方に生えている事だ。
「だいたい何よそれ、既に半分勃ってるじゃないの」
「ごめんごめん、最近溜まってたからさ。リースも硬くなってたりするんじゃない?」
「一緒にしないで」
顔と体を背け、そのまま洗髪を続ける。
「背中洗ったげる」
「いいわよ別に」
「そう言わないで。これは別に下心じゃないから、さ」
言うが早いかタオルを泡立て、優しくリースの背中を擦る。
「痛かったら言ってね」
「大丈夫よ」
優しく洗われると、不思議とリースの刺々しさも引いていった。
別段仲良しではないが、特に険悪でもない。2人の関係は極めてあやふやなものだった。
その起因は、2人の生誕時にまで遡る。

元々この2人は普通の二卵性双生児、性別も男女で生まれる運命にあった。
ところがカドルト神の戯れかマハマン神の気紛れか、性別が仲良く半分こづつになってしまったのである。
エルフの世界ではふたなりは禁忌とされていた事もあり、双子も最初は普通の姉妹として育てられ、周りもそれに気付く事は無かった。
しかし些細なきっかけで半陰陽だと露見し、隠していた母親共々森を追われた。
森を失った事による精神的負担は幼い双子よりも長年住み慣れてた母親の方が大きく、過労も祟り程無くこの世を去る。
姉妹は生活の為に、森を失ったエルフが売春以外で稼げる唯一の職、冒険者になる道を選んだ。
森を追われた過去からか姉妹が信じられるのはお互いの片割れのみであり、命乞いをも切り捨てる悪の道に染まるのも時間の問題だった。
今も冒険者仲間とはあくまで利害一致による協力関係であり、心から信頼をしている訳ではない。
しかし、そんな唯一の信頼をも揺らぐ事件が起こった。
「いやっ、やめて!メイ、何を考えてるの!?」
「ごめんね、ごめんね!分かってるんだけど、がまんできないのっ!!」
不完全な性別が原因なのか急にメイの性欲が暴発し、リースを押し倒してしまったのだ。
禁忌の性別ゆえに恋人を作る事もできず、行き場の無い若き性が最悪の結末を招いてしまった。
「あ、あ、出るよ。出すからねっ!」
「いやっ!やめてっ!うそよっ!!」
メイが正気を取り戻したのは、何度も女の印に熱い飛沫が注がれ、リースの心が砕けかかった頃だった。
計り知れないショックを受けたリースだったが、それでも尚メイを、今や唯一の家族を切り捨てる事はできなかった。
まだまだ姉妹で協力していかないと生き抜く事が難しかった事。
メイが心から己の愚かさを悔やみ、一時は自害にまで及ぼうとしていた事。
そして、性欲の暴走の辛さは、自分も身を持って知っていた事。
リースとメイの違いは、我慢できずに女体で発散してしまったか、それでも己のみで発散しきれたかの些細なものだった。
そして一度挿入の味を知ったメイにとって、最早自己処理で暴走を鎮める事は不可能だった。
一度は心の底から後悔したにも関わらず、メイは再び強姦未遂を犯したのだ。
未遂に終わったのは最後の最後まで抵抗した前回と違い、観念したリースが最終的に受け入れたからに過ぎない。
その後もチャンスあれば迫るメイに対し、基本的にはあしらいつつも、本格的に暴発している時は仕方なく受け入れてきた。
「でもさあ、さっきの皆の言葉、的を射てると思うんだよねえ」
きやがった。
背中越しの言葉にリースは顔を歪める。
「やっぱり心を一つにするには、体も一つになるのが早いと思うんだ」
何を馬鹿な事を。胸中で毒づく。
今まで何度も交わってきておいてまだ足りないとでも抜かすつもりか。
「やっぱり私だけ良くなってても真の意味で一つになってないんだって」
今日はそっちのパターンか。苦々しく思いながらも微かにホッとする。
そっちのパターンというのは、メイがリースに挿入しようとするのではなく、メイがリースのを受け入れようとするパターンだ。
犯されずに済むので肉体的負担が無い分マシだった。とはいえしつこく挿入を迫ってくるので精神的疲労は大きかったが。
「それも何度も言ってるけど、私の方からメイとするつもりはありません」
そう、リースは処女は失っていたが童貞は所持したままなのだ。
自分は何とか自己処理でも鎮めれる事。
自分から行為に及んでは、それこそ姉妹関係の最後の砦が崩壊する事。
そして何より、自分も挿入の味を覚えたら、今のメイ以上に堕落しかねない事。
「リースも頑固だなあ。あの気持ちよさを是非とも知って欲しいのに」
「興味ないわ」
「そんなんじゃいつまで経っても私達の息が合わないよ」
「性行為に頼らなくても方法は必ずあるわよ。むしろこんな事で何とかなるって考えの方が間違ってる」
「そうかなあ。本当の意味でお互いを知り合えたらきっと上手く行くと思うんだけど」
このパターンでリースが困るのは、メイが自分の為じゃなくてリースを想って交わろうとしている点。
メイにとっては日頃の感謝と姉妹愛、そして快楽を知ってもらいたい善意で迫ってきている。
欲望に従ってない分、こちらの方が拒否すると心が痛む。
「ちゃんとまともな方法を探しましょう。ところでもういいわよ背中」
「あ、うん。お湯掛けるね」
泡が流され、背中だけでなく心も浄化されていく錯覚を感じる。
「じゃ、次は前ね」
「結構です」
キッパリ拒否して湯船に向かう。
「まちなさーい」
後ろから抱きとめて強引に足止めするメイ。
「あ、コラ!どこ触ってるのよ!」
抱きしめがてらリースの美乳をもみしだく。
「あれ〜?ちょっと大きくなった」
「なってないわよ、てゆうか止めて!」
「いやいやいや〜。今日こそはリースちゃんにも膣内射精の快感を味わって貰うんだから。真の融合って建前もあるんだからね」
「やっぱり建前じゃないの!」
抵抗を続けるリースだったが、膝カックンの要領でバランスを崩され、そのままタイルに膝をつく。
「は〜い、いい子にしましょうね〜」
「無理矢理はしないって約束したじゃない!」
「あれは私が入れようとする時の話よ〜。今回は逆だから無効♪」
そのまま突っ伏され、反転させられ仰向けにされる。
「お〜、半勃ちってトコかな。胸揉まれて感じちゃった?」
「馬鹿言ってないでどいて」
「そうはいかないの。悪いけど、今日は強制的にでも一つになって貰うから」
「馬鹿っ!」
「そんな訳でいっただっきまーす」
「えっ、嘘!?そんな」
かぽっ
リースの男の象徴が、水気を帯びた生暖かい粘膜に包まれた。
「そんなとこ、口に入れるなんて、くうっ!」
「ほお?ひもひひい?」
「そんな、汚いとこ、なの、にぃ」
「ひははふはいほ。ひーふのはらへいひ」
挿入には硬度が足りなかったからか、もしくは奉仕したい一心か、メイは躊躇い無くリースの男性器を頬張った。
リースも心は抵抗していたが、自慰とは比較ならない快感に、どんどん硬度も体積も増していった。
「ぷはっ、もう無理。これ以上は口に入らない。本当大きいね、リースのって」
感嘆を漏らすメイ。リースは恥ずかしさと、貴方のも大概じゃないという反論とが脳内で交差していた。
「しゃぶるのは今度じっくりやったげる。でも今日はこっちのが大事だから」
そのままメイの上に跨り、怒張の先端を入り口に合わせる。
「本当に、する気?」
半ば諦めたような、それでも僅かな希望にすがるような視線。
「うん、するよ。だって、私これ以上耐えられないもん」
遂に女の性感まで暴発しだしたのか。リースが苦々しく思っていると。
「ねえ、リースは見えてる?」
ふいに問いかけてきた。
「なにが?」
「私達の間の見えない壁」
僅かに、メイの顔に影が差した。
「そんなのある訳ないじゃない」
「私は見えてるよ。今のこの時も」
「え?」
「だって私が作っちゃったんだもん、この壁」
視線が、逸れる。
「あの時、私がリースを無理矢理犯したあの日から、この私にしか見えない壁はそびえ立ってた。
リースは許してくれたけど、この壁は消えなかった。今の今までずっとね」
「メイ…」
「私は、この壁がイヤ。もうこれ以上見たくない。自分のせいだって分かってるけど、
これを見続けるのが私の罰だって分かってるけど、でももうイヤなの!
私達の息が合わないのもこの壁のせい。全ての元凶なのよこれが!」
悲愴な叫びが静閑な浴室に木霊する。
「だから、この壁を消す為なら何だってする。たとえリースをこっち側に引き擦り込むという最低の手段でもね。
だって私もう耐えられない。これがある限り、昔の姉妹には永遠に戻れないんだもん!」
「メイ、あなたそこまで思い詰めて」
「大丈夫。こっちに堕ちたリースを、私は一生愛するわ。恋愛とか家族愛とかチャチなもんじゃない、
何者の干渉にも揺るがない真の愛情で守り抜いてみせる。だから、」
くちゅ…
静かな水音が漏れる。
「リースも心から私を愛してっ!!」
それが合図だった。
「「くうっ!!」」
同じ呻きが漏れる。片や鋭痛の、片や快楽の呻き。それでも、同じ呻きが漏れた。
「あっ、はあっ、BADIALMAよりは、痛く、なかった、かな?」
普段から激痛に耐えてた事や一気に根元まで飲み込んだ事もあり、想像よりは負担が軽かった。
一方ロストチェリーの衝撃は想像より遥かに大きかった。未知の感触が、未知の温もりが、未知の快感がリースを包み込む。
たったの一擦りだったが、片割れが欲望に溺れた理由が心から理解できた瞬間だった。
「あー、これは、私も、もう、自分だけじゃ、足りなくなっちゃうなぁ」
夢見心地の思考回路の中で、ぼんやりとそんな未来が予測されていた。
「ねぇ、リース、気持ち、いい?」
腰上からメイの問いかけが聞こえる。こんなに頭がぼーっとしてるのに、メイの言葉だけはしっかりと認識できる。
「うん、凄く、いい」
「あはっ、いまのリース、すっごく可愛い顔してる。ますます好きになっちゃう」
「うん、なって。わたしも、もっとメイの事好きになるから」
姉妹は同じ表情をしている。片や一つになれた幸せで、片や一つになれた幸せで。
「ねぇ、キスしてもいい?」
調子に乗って更に迫ってみる。
「うん、いいよ」
「え?いいの?」
言っといて何だが驚くメイ。
「うん。だってメイの事、もっと好きになりたいもん」
あれだけ拒んでたのに。メイはこの強攻策が本当に正解だったと感激する。
「はぁ、リース、はあっ、すきっ、あいしてるぅ」
「うん、あいして。もっとわたしのことあいひて」
とめどなく繰り広げられるキスと告白。お互いの口から紡がれる囁きと愛撫が、更に2人を高みへとエスコートしていく。
「あはぁ、しゅごい。りーすの、どんどん、おっきく、なってぅ」
「やぁ、いいのぉ。もっと、もっとぐりぐりってしてぇ!」
痛み故か不慣れ故か、上に跨るメイの動きは稚拙なものだったが、それでも前後に揺れる度に亀頭が、海綿体が刺激され益々怒張する。
「や、すご、だめ、これ、も、でちゃ、あうっ」
「うん、いい、よ。いつ、でも、だして、いい、から」
ぐりっ、ぐりっ、ぐりっ
メイの腰が前後に揺れる度、ギリッと歯を食いしばって快楽の波に必死に耐えるリース。
早く達したい欲情と、少しでも長く味わっていたい葛藤も、益々高揚を増長する。
「あ、も、だめ、あ、あ、あ、あ」
だらしなく開きっぱなしの口。呻く様に絶頂を伝える。
「うん、きて、だして、だしてっ!」
「あ、あ、あっ!」
びくっ!
誇張でも何でもなく、達した瞬間にリースの体が撥ねた。
膣内射精の快楽はそれだけ強かった。強すぎて受け止めきれず、全身の神経がショックを受けた。
リースの視線はもはや鮮明さを失い、ただただ虚空を映している。
「あ、これが、なか、だし」
同じ感想が浮かぶ。片や注がれてる感激。片や夢見心地の射精。
放出が止むと、だんだんメイも落ち着いてきた。
リースの顔を見やる。さっきまであった見えない壁はなくなっていた。
「やっと、一つになれたね、リース」
そう微笑みながら、未だ放心状態の片割れの頬に、そっと愛情の口付けを乗せた。
安宿の公衆浴場に似つかわしくない、それはそれは幻想的なオブジェは、リースが射精の余韻冷めるまでそこにあった。

「これは、確かに、メイを虜にするわね」
「あ、戻ってきた。でしょう?これを知らないのは勿体無いって」
どれくらい経っただろう。湯気による逆上せも手伝ってか、リースの放心状態はしばらく続いていた。
「もう、こんなの知ったら、これから我慢できなくなるじゃない」
そう言うも表情は恨めしそうに見えない。
「あはっ、いいじゃん。我慢いらない。これから毎日しようよ。好きなだけ出していいし、私も出すからさ」
「そんな事言わないでぇ」
ぴくっ
メイの膣内で半分萎えてた茎が一震え。
「またしたくなっちゃう」
「いいじゃん。もいっかいくらい出しちゃお。今までずっと我慢してたんだから」
「もぉ、ばかっ」
ばかと言いつつ、どんどん準備が整いつつあるのがメイにはしっかりと伝わっている。
「あはは、リース、ほんとかわいいよ」
「メイもかわいいわ」
「ありがと」
再び体を倒し、そぉっと顔を重ねた。



「物は相談なんだけどさ、リース」
口付けを終え、ふとメイが提案する。
「なに?」
「世の男女が開発した四十八手の中には、まさに私達ふたなりの為にあるような超上級者向け体位があるのよ」
「超上級者向け?」
「かなり難しい形なんだけどさ、ちょっと試してみてもいいかな?」
既にメイの男性自身も臨戦態勢は整っている。
「いいけど、どうやるの?」
「あ、リースはこのまま寝そべってるだけでいい。動くの私だけ」
そう言うとリースと繋がったまま、体の向きを転回しだした。
「んしょ、んしょ」
「あ、きもちい」
その際の擦れさえも快楽としてリースに伝わってくる。
そして180度振り向いた所で止まり、そのままメイは体を前に倒しだす。
「なにしようとしてるの?」
メイがわずかに腰を浮かせた事もあり、リースの眼前にはメイの尻と結合部がこれでもかと丸見え。
情欲的な光景にますます硬度が戻ってくる。
「ん、梃子がかりって体位なんだけどね」
参考リンク。ttp://lewd.sakura.ne.jp/d0/525.html
「体の向きが反対で入れるからさ、うまくいけば」
「あっ」
膣の表面に熱い物が当たり、ようやくメイの意図が理解できた。
リースの男性がメイの女性に、メイの男性がリースの女性に納まるような体位なのだ。
「あ、でもこれ難しいなあ。勃ったの下に相当持ってこないと駄目だし、この角度無理かも」
口では諦め気味だが動作は全く諦めていない。
それはそうだろう。うまくいけば2つの生殖器が同時に快感を得るのだ。
どれだけの気持ち良さか想像だにできないし、挑戦の価値は十二分にあった。
それはリースも一緒で、意図が読めた瞬間、その体位を試したくて仕方ない衝動にかられる。
「メイ、一旦抜いたら?私のは手で固定しとくから。一旦外してからの方がうまくいきそう」
「あ、サンキュー」
姉妹が協力して未知の体位に挑む。
「あ、こうかな。このまま沈めれば入りそう」
互いの肉棒を平行状態に近づける事で、うまい具合にお互いの膣の入り口に宛がう事ができた。
「ん、あ、入る、よっ」
「なに、これ、あ、んああっ!」
無理な角度な事もあり、少しづつしか入っていかない。でも、それでもよかった。それがよかった。
一度に入ったら、一度に入ってきたら、刺激が強すぎて失神しかねないから。
ところが、
「あ、おく、まで、はい、って」
「あああっ!」
ずぷぷっ
なんと、奥までしっかりと沈んでしまった。
2人の体が比較的柔軟なのが幸いしたのか。
あるいはもしかしたら女性に上付き下付きがあるように、この2人には梃子かがりがしやすい位置に
丁度良く茎や膣が備わっていたのだろうか。
だとしたら、カドルトかマハマンは相当捻じ曲がった性癖のようだ。
「はいっちゃったぁ。すごいこれぇ」
「おちんちんも、おまんこも、すごいあったかい、すごいきもちいい」
確かに挿入も、腰の動きも困難な体位だ。だが、そんなのは関係なかった。
本当に、真の意味で姉妹が一つになれる体位が存在した。それだけで十分だった。
この体位に激しい動きはいらなかった。微かな動きでも2倍の快感が得られるのだから。
「ひゃあ、あぁ、やぁ、そんな、うごかないでぇ」
僅かに腰を浮かせただけで、リースがだらしなく喘ぐ。
「おっきぃの、かたいの、ごりごりって、わたしのなかぇ」
微かな腰の円運動で、メイの体に電流が走る。
「だめぇ、こんなの、もたなひぃ」
「わらひもぉ、もお、いっちゃうよぉ」
ずっちゅ、ずっちゅ
肉と水気が擦れ合う淫らな音が大きくなっていく。
「あひっ、あひぃ、あひい!」
「いくっ、いくっ、いくうううううっ!」
絶頂の悲鳴が浴室中に響き渡り、4つの生殖器が同時に限界に達した。



どれだけの時間が経っただろうか。
「「あれ?ここは?」」
気付いた瞬間は、前後の記憶が飛んでいた。
「あ、そうだ。私、メイと」
「そうだ、リースと一つに」
共に目覚め、共に思い出す。
「あ、気がついた?」
「あ、リース。私、気ぃ失ってた?」
「みたい。私も今気付いた」
「あはは、ちょっと、気持ち良すぎちゃったみたい」
「私も」
他愛無い話をしていると
「「あっ」」
ぴくっ
挿しっぱなしだった互いの茎が同時に反応し、同時に互いの膣を刺激した。
どんどん相手の中で自分が活気を戻しつつある。
「えっと、その」
「あはは」
お互いちょっと気まずくなる。あれだけイッておいてまだ足りてないのだ。
「あの、このまま、また、いいかな?」
「うん、しよ。もっかい一緒にいこ」
「ありがと、リース」
「ありがと、メイ」
どんどん臨戦態勢が整いだし、どちらからともなくゆっくりと腰を振動させはじめた。



「行くよ、メイ!」
「うん、リース!」
リースの右手から炎が、メイの左手から炎が、同時に燃え上がる。
「「合体魔法、LAHALITOKAN!!」」
ファングプリーストはしんだ。
ファングプリーストはしんだ。
ファングプリーストはしんだ。
ファングプリーストはしんだ。
ファングプリーストはしんだ。
「すっげえ威力だ」
「なんじゃこりゃ」
呆然とするファイター陣。
「むぅ、あれはもしや幻の禁呪、羅派利斗艦!」
「知っているのか雷電!?」
「古代中つ国においては」
「いや、やらんでいいから」
「個人的には解説役=テリーマンなんだが」
「そういえば、聞いた事がある」
「だからやるなっちゅーに」
「それにしても、すっかり息ピッタリになったな、あの2人」
視線の先では、
「やったわね♪」
「うん♪」
仲良くハイタッチする双子の姿が。昨日までとまるで別人である。
「一晩で何があったんだ?」
「そりゃ心も体も一つに」
「エロゲ脳乙」
速攻で切り捨てられた。まさか正解とは言った本人でさえも思っていない。
「何にせよ、コンビネーションが強化されたなら越した事は無いんだが」
そう言いながら再び見やると、
「ねぇ、メイ。今夜も、ね?」
「分かってる。私も今からどきどき止まらないもん」
こそこそと双子が何かやりとりしているが、こちらには何も聞こえてこない。
「何か急に色っぽくなったよな、あの2人」
「だから心も体も」
「しまいにゃセクハラで訴えられるぞ」
またも正解ながら切り捨てられたのであった。