○月○日
師匠が新たなパン作りの旅に出ると言ってこの店を僕に託して出て行ったのが昨日。
僕の心は不安と期待に満ちていた。
いきなり自分の店を持つという夢が叶ったのはうれしい。
でも僕一人でこの店を切り盛りできるだろうか?
師匠から「お前にはもう教える事はないにもない」と言われていても、やっぱり不安が残ってしまう。
まあくよくよしても仕方ない。
明日から気持ちを入れ替えてやっていくとしよう。


○月△日
僕の店はリルガミンで知らない者はいない『ギルガメッシュの酒場』と『冒険者の宿』のすぐ近くにある。
その為客層の大半は冒険者だ。
でも今は閑古鳥が鳴いている状態だ。
無理もない。
先程乱闘騒ぎが起きたのだから。
原因はお弁当メニューのサンドイッチセット。
最後の一個を客のビショップとメイジが同時に手にしたのがそもそもの始まりだった。

「おい、これは俺のものだ。
 お前は別の物にするんだな」
「はぁ〜?
 なに言ってんの?
 これは先にあたしが目をつけていたんだからね。
 変な言いがかりはやめてほしいわ」
「なんだと?」
「なによやる気?」

この後魔法を使った大乱闘にまで発展。
急いで憲兵に連絡して二人を取り押さえてもらった。
この後店を閉めて荒れた店内を掃除する羽目になった。
うう……まったくもってついてない。


○月□日
今日のお客さん第一号はシーフの女の子。
僕と同じ位の歳で好みのタイプだ。

「あの、先日ここで乱闘があった店ってここで間違いないですよね?」
 昨日は私の仲間がご迷惑をかけて本当にすいませんでした!」

いきなりの謝罪に面食らった僕であった。
聞く所によると先日店で暴れた二人は彼女の仲間であったという。
同じ悪属性でもここまで性格がちがうとは……。
迷惑をかけたお詫びとして大金を渡してきたが僕は断った。
そのかわりに彼女の人脈を活かして冒険者達にこの店を紹介してもらうように頼んだ。
帰る時、サービスとして味はいいけど形の不出来なパンをあげたら凄く喜んでもらえた。


○月☆日
彼女の口寄せのおかげでこの店でパンを買う客が増えた。
新しく出したお弁当の新メニューも好評だ。
お店は忙しくて大変だが嬉しい悲鳴と言える。
災い転じて福となすとはまさにこの事だ。


○月◇日

「お久し振りです。
 お店の調子はどうですか?」

全身を黒装束で包んだ忍者が親しげに話しかけてきた。
誰だかわからなくて戸惑っている僕を見て、忍者は顔を隠している覆面を外した。
覆面の下の素顔は……あの時のシーフの女の子だった。
なんでも念願の忍者になれたのが嬉しいので、真っ先に僕に報告しに来たとの事だ。
あんなに嬉しそうに話す彼女の姿を見るとこっちまで嬉しくなってしまう。
折角なので彼女の出世祝いとして新メニューをサービスしてあげた。



□月○日
あれから彼女は毎朝一番に僕の店に来るようになった。
出来立てのパンを渡すまでの僅かな間に、彼女と他愛のない世間話を楽しむのが僕の日課となった。
彼女がパンを買って出て行った後、すごいお客さんが来た。
一見何の変哲もないマントに身を包み、僧侶帽を被ったプリーストのお姉さんに見える。
しかし会計の時、懐から財布を取り出す瞬間、僕は見てしまった。
なんとお姉さんはマントの下に何も着ていなかったのだ。
肌蹴たマントからは綺麗な裸体が丸見えなのに、お姉さんは隠す素振りすら見せようとしない。
会計の間、僕の視線はお姉さんの大きなおっぱいとサラサラの茂みの生茂る股間に釘付けだった。
パンを受け取った後、お姉さんは肌蹴たマントを直さないで去って行った。
あの後何をしてもお姉さんの裸が思い浮かんでしまい、仕事に手がつかなくて困った。


□月△日
あの裸のお姉さんがウチでパンを買ってから、裸の女の子のお客さんが増え始めた。
女の子達は全裸でも平気なハイレベルの忍者や、アイテムを多くもてるように裸になった後衛職なのだそうだ。
自分も男の子なので嬉しいと言えば嬉しいが目のやり所に困る。
それに連動してか彼女の姿も変わった。
いつも着ている忍び装束ではなく、サラシと褌のみの姿になったのだ。
忍び装束の上からではわからなかったが中々のプロポーションだ。
彼女曰く「女の忍者はレベルが高くなるほど装備を身につけなくなる」との事だ。
という事はいずれ彼女もお姉さんのように…………。
ダメダメダメ平常心平常心!!
営業中に何考えてるんだ僕は!


□月☆日
今日またあのお姉さんが来た。
相変わらずマントと僧侶帽以外何も身に着けていない。
前回は一人だったが今度は彼氏を連れてのご来店だ。
彼氏は好青年な雰囲気を纏った君主さんなのだが、やる事は君主に相応しいとはとてもじゃないが言えなかった。
何故なら人のいる前で突然見せ付けるかのようにお姉さんの胸を愛撫し始めたのだから。
行為はさらにエスカレートしてお姉さんの股間まで弄り始めた。
お姉さんもその気になっているらしく、君主さんへ熱烈なディープキスを返した。
二人はそのまま暫く人目も気にせずイチャつき続けた。
やがてお姉さんはイったらしく、小刻みに身体を痙攣させつつ君主さんにもたれ掛かった。
君主さんは絶頂の余韻に浸るお姉さんの頭を撫でた後、うちで一番高いパンを買った。
ちなみに出て行く時、お姉さんは僕にまるで誘っているかのような淫靡な笑みを投げかけた。
イチャつくなら他所でやって欲しいと言いたい所だ。
あとで彼女から聞いたのだが、あのお姉さんと君主さんは彼女の仲間なのだそうだ。
ちなみに君主さんの属性は善で、お姉さんの属性は中立との事。
…………彼女を見て属性なんて無意味だという事を知った。


□月◇日
彼女の姿がまたも変わった。
いや正確には脱いだと言うべきか。
サラシで押さえつけられていた胸を露わにし、褌一枚しか身につけていない。
胸の大きさはお姉さんに及ばないが、それなりに大きく綺麗な形で乳首がツンと主張していた。
流石に恥ずかしいのか彼女は顔を真っ赤にしてモジモジしている。
時々胸を手で隠そうとしつつも、必死に我慢する姿がまたそそられる。
彼女はこちらをチラチラ見つつなにか言いたそうにしていたが、今日のお勧めパンセットを買うとそのまま出て行ってしまった。
一体どうしたんだろう?


△月○日
最近彼女が来ない。
まさか病気や怪我でもしたんじゃ……!?
仕事に集中したくても彼女が心配でそれどころじゃない。
早く彼女の元気な姿が見たい。


△月□日
閉店直前、彼女がやってきた。
その身に一切何も身に着けることなく。

「やっと決心が決まりました。
 私を……あなたのお嫁さんにしてください!!」

そしてとんでもない事を言ってのけた。
混乱しつつもどうして僕なんかを好きになったのか聞いてみる。

「最初貴方に対して抱いていたのは友達のような感情でした。
 でも…毎日顔を会わせるにつれ、だんだん貴方の事が好きになってしまったのです。
 自分でもどうしようもないくらいに……。
 でも貴方の関心はプリーストさんの方に向かっていて、お店には裸の女の子が来るようになって……。
 告白しようにもあの時の私にはそんな勇気もなく……。
 少しでも貴方の気を引こうと裸で誘惑しようとしましたけど、羞恥心を克服できませんでした。
 でも今は違います。
 厳しい修行の果て、こうして生まれた姿になっても、平常心を保ったまま貴方と会話ができる…。
 だからこそ言います。
 どうかお願いです。
 痴女と思われてもかまいません。
 私を抱いてくれませんか?
 そして、貴方の子供を孕ませてください!」

彼女は固まっている僕にゆっくりと歩み寄ってくる。
その瞳にうっすらと涙を浮かべ思いつめた表情をして。
裸体はこれまで厳しい修行に耐えてきたとは思えないほど傷一つない。
二つの乳房は彼女が歩く度に小刻みに震えるのがわかる。
キュッと締まったくびれの下にある股には、大事な所を隠す為の陰毛が、なんと生えていなかった。
そんな彼女が僕の手が届く所まで来た時、僕の中で何かが弾けた。
この後僕は彼女を押し倒した。
まず小さな唇を舌でこじ開けて口内を蹂躙し、
張りのある胸をしゃぶりつくし、
ピチピチのお尻を愛撫しまくり、
カモシカのような太ももを揉みしだき、
自分の勃起してカチコチになった性器を彼女に咽喉の奥まで咥えさせ、
彼女の股間をビショビショになるまで舐め尽くし、
最後にトロトロになった割れ目の奥深くへと、勃起した己の分身を深く挿し込んだ。
はじめは苦悶の表情を浮かべる彼女であったが、僕が腰を最初はゆっくり、やがて段々と激しく動かすようにすると、それに合わせて可愛らしい喘ぎ声を上げるようになった。
パンパンパンパン!!と僕と彼女の下半身がぶつかり合う。
その度に結合部からは汗と愛液が混じった液体が飛び散る。
そして限界の時、僕は躊躇うことなく、彼女の膣内に濃厚な精液を一滴残さずぶちまけた。


☆月△日
彼女と結ばれてから一ヶ月が経った。
僕は相変わらずパン屋を続けている。
彼女は冒険者を続けつつ、試験的にはじめたパン屋の出前サービスを手伝ってくれている。
裸の女忍者が建物の屋根を跳び回ってパンを届ける姿はリルガミン中の話題になっている。
彼女曰く

「結婚指輪の資金、早く貯めたいじゃないですか。
 あと赤ちゃんの養育費も必要ですし」

結局最初の膣内射精では赤ちゃんはできなかったらしい。
だから僕と彼女は仕事を終えた後、発情期の獣のようにまぐわるようにしている。
彼女の仲間である君主さんとお姉さんは応援してくれたが、店で乱闘を起こしたビショップとメイジは

「「もげろ!」」

と、息の合った嫉妬の言葉を投げつけてきた。
そんな事がありつつも僕の日常は続いている。
共に歩く伴侶として彼女を連れて。
思えば最初に出会った時、僕は彼女の虜になっていたのかもしれない。
夜、店の寝室のベッドには、僕以外に新しい住人である彼女が一糸纏わぬ姿で眠っている。
さっき激しい運動を終えたばかりで、僕の身体は全身が心地よい疲れに包まれていた。
毎晩こんな感じなのだが、抱けば抱くほど彼女は魅力的になっていく。
人生は何が起こるかわからない。
師匠が突然出て行ったかと思ったら、今度は冒険者と結婚して今に至る。
次はどんな出来事が僕を待ち受けるんだろうか?
願わくばこの幸せが続いてくれる事を願いつつ、僕は彼女の身体を抱きしめた後、瞳を閉じて睡魔に身をゆだねた。




          END