迷宮入り口前。
一組の男女が口論を繰り広げていた。

忍「やだやだやだやだ!
  全裸になるなんて絶対にヤダ!」

君「そんなこと言ってもさ。
  装備を脱がないとAC下げられないよ」

忍「それはそうだけど……だからって全裸は嫌よ!
  私が恥ずかしがりやなのは君主も知ってるでしょ!」

君「そりゃあ、君が最初仲間に入ったばかりの頃、すっごく人見知りだったのをよく覚えているよ」

忍「でしょ!
  あの頃は顔を見られるだけで顔が真っ赤になっちゃんたんだから!
  今は大分改善されてるけど、やっぱり恥ずかしいの!
  これで裸になったら恥ずかしさのあまりショック死する自信があるくらいよ!」

君「ショック死って…そんな大げさな」  

忍「とにかくっ!
  全裸になっても恥ずかしくならない方法が見つかるまで、装備は絶対に脱がないからねっ!」



     ―――君主、忍者と別行動中―――



君「ハア〜〜〜〜。
  困ったなあ……。
  彼女はもう全裸になっても平気なレベルに達しているのに、
  あの羞恥心が大きな妨げになってるんだよな。
  なにかいい方法はないか…ん?」

     『ボルタック商店』

君「ムラマサから呪いの指輪まで幅広く扱ってるこの店なら何かあるかも!
  おじゃましまーす!」

店「いらっしゃーい」



     ―――君主、店内物色中―――



君「う〜ん、流石にこれだっ!ってものはないか」

店「なにかお探しですか?」

君「うん、仲間の女の子の忍者が、とっくの昔に全裸になっても平気なレベルに達してるんだけど、
  もの凄い恥ずかしがりやなせいで装備を外してくれないんだ。
  彼女曰く顔だけでも恥ずかしいのに裸になったら死んじゃうんだって。
  だからそれをなんとかできるアイテムがないかなーって思って来てみたんだけど」

店「ならこんなものはいかがです?」

店主が差し出したのは禍々しいデザインをした兜だった。
どこが禍々しいって言うと目の部分は複眼的な構造で、
口の部分はまるで牙が生えているような作りになっている。

君「……なにこれ?」

店「頭に2本の角が生えてて、目に見えない手を操る能力を持った怪物の能力を抑える兜らしいです。
  ちなみに人間にはただの兜で、それ以上でもそれ以下でもありません。
  アッシは兜にまつわる話は嘘だとだと思ってますがね」

君「ふ〜ん。
  で、これがなんの役に立つの?」

店「お連れのお嬢さんは顔を晒すのが恥ずかしいとおっしゃっていましたよね。
  なら逆転の発想として兜で顔をスッポリと隠した状態で、
  それ以外の装備全てを脱がせてみてはどうです?
  案外顔を隠しておけば裸でも恥ずかしくなかったりするかもしれませんよ」



     ―――数日後・迷宮―――



忍「……ここをこうしてっ、と。
  <カチリッ>
  よし!解除完了!」

迷宮で宝箱のトラップ解除に励む忍者。
彼女の姿は一切何も身につけていない生まれたままの姿であった。
ただ一つ、彼女の頭部をスッポリと覆い隠しているあの禍々しい兜を除いて。

忍「さあ、次のフロアに行くわよっ!
  これまでの遅れを取り戻さないとっ!」

ボルタックで見つけたあの曰く付き兜を君主が忍者にプレゼントしてから僅か数日。
忍者は大きく変わった。
服を脱ぐのをあんなに嫌がっていたのに、兜を被った瞬間着ている服を盛大に脱ぎ捨てたのだから。
ちなみにその際、彼女のオッパイが盛大に揺れたのが君主の記憶に深く刻まれた事を加えておく。
ついでに彼女の股間には一切何も生えていなかった。

君「はりきるのはいいけどその、裸でも恥ずかしくないの?
  この前まであんなに嫌がってたのに」

ハイテンションの忍者に苦笑しつつ質問してみる君主だが、その頬はほのかに赤い。
部屋から去ろうとしていた忍者は、彼の言葉にピタリと止まって勢いよく振り向いた。
そして腰に手を当てて、大きく綺麗な形の美乳をズン!と前に張り出してからこう言った。

忍「素顔じゃないから恥ずかしくないもんっ!!!」