やあ、久しぶりだね。
なに、憶えていない?

おいおい、前回ここで君に長々とお話をしてあげたのを忘れたのかい?
憶えているって?そうか、それならばもう一度話す必要はないね。
ここに来たってことは、話の続きでも聞きにきたのかな。

なに、違う?
まぁそういわずに、どうぞそちらにお掛けになって。
すぐ終わるさ、短い話だ。


――そうだ、ありがとう。それでは始めようか。



【未明の城内にて】

まだ夜も明けきらぬリルガミンの城下では、兵士たちが隊列をなし散り散りに持ち場へと向かうところであった。
眠らぬ城の朝の日常風景、彼らは任務の間、一切の感情を廃し機械的に動いている。
普段と何も変わりない、いつも通りの光景だ。
町外れへ向かった兵士の一団は任務について早々、やはり「いつも通り」の光景に出くわした。
今日、一番の仕事だ。

 *  *  *

町外れにうっすら光る六つの筋が立ち上った。
光は徐々に輝きを増し六つの何かの輪郭を現し始めた。
閃光が辺りを包んだ次の瞬間、六つの光は六つの影となって地に現れた。
五つの動かない肉塊と、一人の死にかけたメイジだ。
四方に散らばる屍骸から、このメイジがたった今死地から還ってきたばかりであることは容易に想像できる。
強制転移の術から抜け出したメイジは地に足がつくと同時に地面に突っ伏し嗚咽した。
転移特有の後遺症である眩暈のせいではない。まして失った仲間の命のためでもない。
体に残された傷跡よりもさらに深く心に負った傷のためにしばらくの間、メイジは何もかも忘れて咽び泣いていた。
何者かが走り寄る音でメイジはようやく顔を起こした。
城内の近衛兵がこちらに駆け寄ってきた。

 *  *  *

メイジは彼らが駆け寄る兵士たちに戦慄した。
まことしやかに冒険者の中で噂されていた乱暴な兵士の話は数多く聞かされていた。
心配は杞憂に終わった。彼らは、生きているメイジには目もくれず、死んだ仲間を手早く寺院へ運ぶ準備をはじめた。
町外れの兵士たちの機械的な仕事振りは驚嘆に値する。
死体の状況を的確に判断し、損傷を最小限に抑えるために崩れた死体を運びやすいよう固定していく。
売り場に置かれた品物を品定めするような兵士たちを、メイジはぼんやりと他人事のように見守った。
一つ一つ死体を検分する兵士が側にいた若年の兵士に囁いた“麻痺”と言う言葉は彼女の耳に届かなかった。
死体を輸送する一団が寺院へと向かった後、一人の兵士がメイジの側へと近づいてき、いつもの調子で声を張り上げた。


「 ようこそリルガミンへ! 」


 *  *  *


メイジの頭には新たな不安があった。蘇生費用である。
彼女のパーティは浪費癖な連中の集まりだ。全員の腰袋にある金貨をかき集めたところで、一人でも蘇生できるか疑わしい。
強欲なカントの僧正たちが自分の憐れな身なりで勘定を負けることなど、ありえないだろう。
どうやって蘇生費用を稼ぐ?この体で?腰はひね曲がり、老人のように杖にすがりついて歩くこの体で?
歩くのですらやっとの体で迷宮をうろつくなどできるだろうか?
だが、それしか方法がない。この体では、自分がかつて最も軽蔑していた金の稼ぎ方すらできないだろう。
メイジは苦笑した。そうだ、こんな「なり」ではもう無理なのだ。あれほど裏切られたにも拘らず神に感謝したくなった。
もう二度と、あのような目にあわずに済むのだ。この体では向こうからお断りだろう。
奇妙な空元気と絶望感で満ちた心持のまま、メイジは全身の力で寺院の扉を押し開けた。

 *  *  *

尼僧の示した金額に思わず耳を疑った。何度聞きなおしても尼僧は同じ金額を繰り返した。
「何度お聞きになられてもこれ以下の寄付金にはなりません。麻痺の治療のための寄付金は―――――」
頭に描いていた金額とのあまりの差にショックで杖を落としその場に崩れ落ちた。
最も費用がかかると思っていたビショップが、最も安い寄付金だった。
フラックの攻撃を食らいながら、奇跡的に、ビショップは生きていたのだ。
「―――寄付をなされますか?」
怪訝そうに尼僧が顔を覗き込む。
「ええ・・・・・もちろん、お願いいたします。」
メイジは言われたとおりの寄付金を支払った。
金を受け取った尼僧は奥の部屋へと引っ込み、中から低い詠唱が響き渡る中、メイジは降って沸いたような誤算に戸惑うばかりだった。
相方があのビショップだろうとそんなことは今の彼女にとってどうでもよかった。
たった一人で迷宮内を徘徊するということは無くなった。先程考えたくだらない方法での金儲けももう考える必要もないのだ。

 *  *  *


扉がきしむ音が響き、二人の人間の足音が近づいてくる。
口元を抑えた尼僧に伴われ、強張った面持ちでメイジを見据えるビショップの顔が見えたとき
彼女は思わず抱きつきたくなる衝動に駆られ、そのまま前へのめり倒れた。
歓喜とも恐れともなんともいえない感情のために、彼女は今にも泣き出すか笑い出してしまいそうだった。
ビショップに腕をぐいと引っ張られ弱々しく立ち上がった彼女はまじまじとビショップの顔を見つめた。
いつも通りの汚物をみるような冷たい目、それどころかむしろ、普段の冷たさに増して憎悪の炎さえたぎらせていた。
そのあまりの冷たさにメイジは一瞬たじろいで後ずさりした。
ビショップはメイジの腕をつかんだまま引きずるようにして寺院の出口へと向かった。
二人が寺院を出る間際に、尼僧はいつもの冒険者への口上を述べるため、口元を押さえていた手を離した。
メイジの目には尼僧が今まで隠していた含み笑いが見えた。
「あなたの前途に《 祝福 》あらんことを。」
皮肉の込もる笑みを浮かべた尼僧の機械的な声が寺院にこだました。乱暴な音を立てて扉が閉まった。

きつく腕をつかまれながら、ほとんど引きずられるようにしてメイジはビショップの後を追いかけた。
捻じ曲がってしまった骨盤ではギクシャクした奇妙な動きしかできず何度となく転びかけた。
その都度、強引に引っ張りあげられ、また引きずられるようにして歩いていった。
たった一度をのぞいて、街を歩く間中ビショップはメイジの方を振り返らなかった。
何度目かの躓きのあと、引張り上げられた拍子にボロボロのローブの裂け目が広がる音がした。
慌てて前をかき合わせた時、ふとビショップと目が合った。先程にも増して嫌悪と憎悪を募らせた目だ。
ぞんざいに腕を握りなおしメイジを引っ張りあげると、ビショップは再び歩き始めた。

 *  *  *



【明け方の迷宮にて】

突き落とされるように町外れから階下の迷宮へと降り、大またで歩くビショップに合わせ、顔を歪ませながら迷宮内を歩き回った。
途中ローグやコボルトを呪文でなぎ払い、たどり着いた先はマーフィーズゴーストへの道を途中で曲がった部屋の一室、
新参の冒険者でさえ一度通れば二度と近寄らないような場所だ。
壁に叩きつけるようにメイジを放り込むと、ビショップは扉を閉じた。
振り返ったビショップの目は相変わらず冷たく、汚物を見るような眼差しは一層強くなっていた。
他の男だったらメイジも警戒しただろう、が、相手はあの「厳格な」ビショップだ。
だからこそ、この男が何故この様な態度にでたのかがメイジには甚だ疑問だった。

「座れ」
低い声でビショップは命じた。
理由を問おうとメイジが口を開きかけた瞬間、静かな怒号が飛んだ。
「声を出すな。座れ。」
メイジは尻餅をつく形でその場にへたり込んだ。
近寄ってきたビショップが屈みこみながら、かき合せたローブを払いのけ、メイジの腰を露にした。
メイジは唖然とした。声を上げようとするとすぐまた例の怒号が飛んできた。
「黙れ、じっとしていろ。」
命令され、慌てて言葉を飲み込んだがメイジはすっかり訳が解からなくなった。
呪文を唱える隙などない。そうでなくても現状は圧倒的にメイジにとって不利である。
彼女には黙って言うなりになることしか出来なかった。

覆いを外された光景に、メイジは目を背けた。
腐敗臭を漂わす自身の体、余りにも無残な傷跡、広がりきりただれた陰唇からは
今だに赤黒い液が滴り、歪んだ足の付け根は腐ったように薄緑に変色していた。
ビショップはひね曲がった腰のすぐ上に手を当ると、指をなぞるように動かしながら詠唱を始めた。
詠唱と同時に下腹部が焼けるような熱を帯び始めた。
「・・・・・・っ!!」
叫び出しそうになり、ビショップに目で牽制された。
差し込むようだった傷口の傷みが少しづつ和らいでいった。
ゴブリゴブリと音を立てて、陰口から茶褐色の液体が噴出した。
詠唱の調子が変わった。今度は骨盤の周囲を輪を描くようになぞる。
焼けるような傷みは激しさを増し、叫びだしそうになると再び目で諭された。
全身に広がっていたヒリヒリと酸で溶かすような痛みが和らぎ、代わって子宮を骨で絞り上げるような
激しい鈍痛に見舞われ、メイジは苦しげに喘ぎながら気絶するまいと必死に意識を保とうとした。

詠唱が低い響きを残して途絶え、指が彼女の腹を離れた。肩で息をしながらメイジは自らの体を再び見つめた。
全身にまとわりついていた毒の皮膜がなくなり、同時に今まで巨大な丸太を挟んでいたような激痛と違和感が嘘のように消えた。
恐る恐る下腹部を見下ろす。ただれた肉の代わりに白い肌がなだらかに山を描いているのが見えた。
歪みきった骨の隙間から伸びる異形の肉塊ではなく、細い柔らかな腰からのびる見慣れた小さな白い足が見えた。

元通り、すっかり何もかも元通りになっていた。

 *  *  *



このときのメイジにはビショップに後光が差して見えたのだろう。
感極まり感謝の言葉すら声に出せない。
いや、事実彼女は声が出せなかった。
それが感情の高ぶりのせいではないと気づく前に、平手が落ちてきた。

「この悪魔め!!」

ビショップの怒号に思わず後ずさりながら、メイジは慌てて理由を問おうと口を開いた。
が、開いたまでは良かったのだが、声がでない。
数秒後、彼女はビショップが唱えた最後の低い詠唱がMONTINOであったことに気がついた。
再び平手打ちが飛んできた。頬をしたたか打たれ、壁際へ投げ出された拍子に裂かれたローブが翻った。
立ち上がろうとするメイジの肩を思い切りつかみ壁際へ押し付けた。
「汚らわしい、この悪魔めが!!貴様のような・・・・この・・・貴様のような奴のために・・・・!!」
訳の分からない事を叫びながらビショップはメイジの頬を幾度となく殴り床に叩き伏せた。
息を荒げて鎧をかなぐり捨て、文字通り絶句するメイジの目の前で僧衣を捲り上げた。
メイジの目の前にあったのは、いきり勃った一物と白濁色の粘液が付着した僧衣の裏衣であった。

ビショップは地下10階の玄室での出来事を、全て見ていたのだ。
メイジとポイゾンジャイアントとの行為を一部始終余すところなく嫌と言うほど見せ付けられていた。
そしてよがり狂い泣き叫ぶ仲間の憐れな姿に不覚にも勃起し服の中に射精してしまったのだ。
その事が自己を抑制することを心得ているつもりでいた彼の自尊心を、痛く傷付けた。
コントロールしきっていたと自負していた己の感情が、薄っぺらい戒律によってただ押さえつけていただけだったと思い知らされた。
しかも、その対象が、彼の最も嫌う『善』にも『悪』にも成れない『中立』の、
まだ幼さの残る、ひ弱で脆弱な――彼の最も嫌っている職業の――メイジだったことがより災いした。
巨人との行為の後、傷だらけの体で必死に仲間の体を運ぼうとするメイジの姿がさらに追い討ちをかけた。
ボロ布になったローブを纏い、おぼつかない足取りで、息も絶え絶えに自分を運ぶ姿に再び欲情してしまった。
それが寺院で麻痺を解かれた時に尼僧の目の前で醜態を晒す結果となった。

 *  *  *

メイジは抵抗した。巨人には抵抗など無意味であったが今の相手は人間だ。
だが、やはり無駄だった。年齢も体格もレベルも、全てが子供と大人ほどの差があったのだ。
後衛職とはいえ、長きに渡り迷宮を闊歩してきたビショップには、
冒険者として相応しい――メイジには決して持つことが出来ない――筋肉と体躯が備わっていた。
ビショップは呪文を使うまでもなく軽々とメイジをねじ伏せ、首根っこを床に押さえつけながら
裂けたローブを胸の上までずり上げ、顕われた小さな乳房を乱暴に鷲づかみにした。
馬乗りになったビショップは呪詛の言葉を吐きながら膨らみかけた乳房を搾り上げ、しこり始めた小さな桜色の突端に歯を立てて噛み付いた。
メイジの体に電極を差し込んだような衝撃がはしり、図らずとも胸を相手の顔に押し付けるように仰け反った。
ビショップはせり上がった小丘を丸ごと覆うように口で包み舌先で突起を転がした。
メイジはくすぐったさと恐怖で鳥肌が立ちビショップの顔を自分から引き離すように手で押し返そうとした。
その行為がビショップの逆鱗に触れたらしく唾液にまみれた乳房から口を離し、
メイジの両腕を腕一本で床に押し付けながら熱い息を吹きかけ、耳元で囁いた。
「戒律も人の誇りも持たぬ下衆め、魔物とならば喜んで事に及んだであろうに?」



反論は呪文の力で押さえ込まれた。
メイジが無理矢理に犯されていたのはビショップも解かっていた。
だが、傷つけられた自尊心を回復するため、彼はメイジが「好き好んで」狂態を晒したのだと思い込もうとした。
射殺すような憎しみを込めた目でメイジの顔を凝視しながら自由な方の手を柔毛すら生えていない筋目に伸ばす。
筋を周りの肉とともに摘みこね回し、果肉を貪る芋虫のように秘裂に指を這わせ、指の腹を筋に沿って往復させる。
「・・・・・っ・・・・っっ・・・・!!!」
喘ぎ声の代わりに口から漏れる激しい息がすぐ目の前にあるビショップの顔に吹きかかる。
吹きかかる度にビショップは呪詛の言葉を投げかけ、一層指の動きを活発にする。
指が閉じきった陰唇をこじ開けようとした時、メイジは身をよじって足をバタつかせ腕から逃げ出そうとした。
再び平手打ちが落ちてきた。力任せに何度も殴られ、メイジはぐったりとして床にひれ伏した。
メイジには抗う気力がもう残っていなかった。
ビショップは、メイジを仰向けにし、足を広げさせ、股の間に膝を割り込ませた。
はちきれんばかりにまで膨らんだ亀頭を、まだ湿り気を帯び始めたばかりの裂け目にあてがった。
最後の抵抗に、メイジはビショップに哀願した。音を失った声で必死に訴えかけた。
結果的にそれは逆効果となった。あてがった一物を押し付けながらビショップは冷たい声で言い放った。
「淫乱な悪魔め、貴様の欲しがっていた物を受け取るがいい。」
言うが早いか、ビショップはたった今、自らが『修理』したばかりの初鉢を自らの物で突き破いた。
巨人の物を抱えた時には全てが度を超えていたため、脳は体の神経を麻痺させた。
しかし今度のは違う。意識が『我慢できるほどの激痛』だと判断した脳は、全身の神経に痛みの信号を送り出した。
最初の一突きは胎中の最奥にまで楽々と到達した。メイジは声のでない喉で悲鳴を張り上げた。
苦悶の表情を浮かべる顔とは裏腹に、膣は射精を促すように一物を搾り上げた。
より険悪な目をしたビショップが、メイジの鼻先で再び訳のわからない罵声を浴びせかけた。
「淫売女が、この期に及んで貞淑な振りをして嫌々及んだような顔ではないか?
 やはり貴様のような戒律すら持たぬ魔導師どもなど・・・・この邪悪な悪魔め・・・・この・・・・この・・・・・・」
最後まで言い終わらないうちにビショップは小さなメイジの唇に覆いかぶさった。
唇を激しく舐め回され、これ以上の侵入を拒む歯をこじ開けられ、千切れんばかりに舌を吸われた。
逃れるために頭を動かそうとすると両手で顔を押さえつけられた。
メイジが硬く瞑っていた目を見開くと、目の先にはあの憎悪に満ちた何時ものビショップの目があった。
いつもの?確かに目はいつも通りだ。だがいつもと決定的に違っていことがあった。
表情だ。まるで永年の願いを成就したかのような歓喜を湛えている。

自らが信奉する戒律のため、長い間、彼は自身の本能を押さえつけていた。
時々その本能が顔を見せるたびに、彼流の方法でその情欲を押さえ込んできた。
最も欲する情欲を最も疎ましい苦痛であると、自らの心に誤認させ続けてきたのだ。
メイジに見せた憎悪の眼差しも、実のところ心の底で噴出していた情欲を押さえつけていたためのものだった。
そんな彼の心理など一切解さないメイジには、ビショップが恐ろしい理解不能な生き物に思えた。
メイジの目には自分を罵倒しながらなお自分を犯し歓喜の表情を見せる得体の知れない化け物に映ったのだ。

掛け金が外れた情欲は、押さえつけられていたその期間の長さだけ余計に凶悪に暴れまわった。
メイジの舌を吸い続けながら、まだ潤いの足りない膣中を肉棒で滅茶苦茶にかき回した。
既に二回は精を放っているとは思えないほど硬く張り詰めた一物は、一突きごとにより力を増し
相手がまだ若年の、それも傷心の処女であったことなどは一切お構いなしに自らの快楽のみに従った。

凄まじいい突きを繰り出し続けた一物もしびれるような処女の膣の内攻にもはや限界だった。
熱を帯びた男根は、小さな体の最も深いところにある壁面に突端を押し付けた。
お構い無しに締め付けた膣の蠢動にあわせて、ビショップはメイジの胎内に子種を撒き散らした。



 *  *  *

種を全てメイジの体に収めた後もビショップはしばらくの間結合を解かなかった。
相手の唇から逃れたメイジは、感覚を失った舌がからからに干からびてしまったように思えた。
やっとのことで男根が胎内から引き抜かれ、充血した膣口からは湯気すら立ち昇るように見えた。

息を荒げながら、ビショップは黙って行為の後始末を始めた。
メイジの耳に再び先程の詠唱が響いた。秘部が再び熱を帯び子宮の内壁が閉じ合わさる痛みが走る。


詠唱が終わり、メイジは再び処女となった。



 *  *  *



ようやく開放されると思ったメイジが力なく立ち上がろうとすると、突然体を裏返しにされ四つんばいにさせられた。
尻っぺたをつかまれ臀部の裂け目の端から背骨にそって一直線に舌が走るのを感じた。
首の裏側までやってきた舌は、耳の側でそっと囁いた。


「悪魔め・・・・貴様が悪いのだぞ。」


左右に尻を割り開き、あれほど子種を放ったにもかかわらず未だ硬さを失わないそそり立った棒をあてがった。
操はまた破られた。獣のように激しく犯されながら、メイジはこれからの暗い前途に悲嘆した。
当分の間、このビショップと二人で仲間の蘇生代を稼がなければならない。
この男と、たった二人っきりで迷宮をうろつかなければならないのだ。



これでこのお話は終わりだ。
ほうら、そんな後悔した顔をしないで、

――そうかい?それはありがとう。


教訓?

『仲間を選ぶ時注意をすること、そして選んだ後も油断するな』ということかな。
戒律がGoodであろうが、決して気を許さないことだ。
GoodとEvilは表裏一体、思想が極端に一方で凝り固まっている危険な奴等なんだよ。

さあ、それではこれにてお別れだ。
また話が聞きたくなったらここに来なさい。
今度は違う話をしてあげよう。

なに、もう来ないって?
それは残念だ。