リルガミン・冒険者の宿の馬小屋。
その実態は迷宮に挑む冒険者に与えられる専用の住居である。
ただし与えられるのは空部屋のみで、家具の類は自分で調達してこなければならない。
ぶっちゃければ、別のゲームにおけるモグハウス(幻想)やマイハウス(狩猟)のようなものだ。
それが何故馬小屋と呼ばれているのかにはちゃんとした理由がある。
最初に使われた冒険者の住居が馬小屋を再利用したものだったので、以後、馬小屋という名称が定着するようになったのだ。
そのとある馬小屋の一室。
床には畳が敷いてあり、机と本棚の他にはちゃぶだいが置かれてある和風な部屋。
和装に身を包んだ青い髪のエルフの若者が黙々と本を読んでいた。
「若様、少し、いいでしょうか?」
そこにコンコンという扉をノックする音と共に愛しい人の声が聞こえる。
その声に若様と呼ばれたエルフ、コジロウは手にしていた書物を閉じた。
理由は聞く必要など無いだろう。
「あ、リリム?どうしたの?」
彼は本を机に置くと、扉のところまで行き、声をかけながら戸を引く。
その扉の向こうのは、彼の一番大切な人、リリムと呼ばれた綺麗な長い髪の少女が静かに微笑みながら【全裸】で佇んでいた。
いや、厳密に言えば首には忍者を連想させる独特のマフラー、手足には黒い脚絆、足には足袋のみ身につけている。
我々の世界風に言えばアームウォーマー・レッグウォーマーといったところか。
形豊かな乳房、くびれた腰、張り出した尻、そして艶やかな紅色に染まる肉壁をそっと覆ういたいけな秘毛など、彼女の全てが惜しげもなく露になっていた。
しかしそんな姿でありながらも、まったく恥らう素振りを見せようとしないのは、彼女が高レベルの忍者であるからに他ならない。
忍者、それはレベルが上がってゆくにつれ、素手でモンスターを一撃で葬れるようになるだけでなく、アーマークラスが下がって装備なしでも戦えるようになる職業。
特に女の忍者の中でも高レベルの者は、女の武器である色気を最大限に生かす為に全裸になり、敵を興奮させて正常な思考能力を奪って誘惑、魅了、翻弄して倒してゆく。
コジロウの目前にいるリリムもその一人であり、幼い頃から主君であるコジロウに仕え、彼を若様と慕っていた。
リリムがコジロウのところへ来た目的、それはお茶と菓子を渡す為だ。
胸の辺りには丸い盆が抱えられ、その上には湯気を立てているお茶と羊羹が添えられている。
ついでに言わせてもらえば、見事としか言いようのないリリムの乳房も盆に添えられていた。
「あ、若様、少し息抜きにと思って、お茶と茶菓子を持ってきたのですが・・・いかがですか?」
といって、リリムはコジロウに問う。
リリムが気を利かせてくれた事に感動しながら、「ちょうど一息入れようと思ってたんだ」といって微笑みかけるコジロウ。
リリムの魅力的な裸体を見せつけられても彼が冷静さを保っていられるのは、彼女との付き合いが幼い頃から今にまで続いているというのが大きかった。
そのコジロウの淀みのない笑顔に頬を赤らめながらも、リリムはコジロウの後ろについて、足袋を脱ぐと部屋に入っていく。
「失礼します」
といって、きちんと戸を閉めるリリム。
「そんなに気を張らなくていいよ。同じ仲間なんだから」
「ですが、やはり・・・」
「あとさ、馬小屋にいる時は【元の姿】に戻ってたほうが気が休まると思うよ」
「し、しかしですね・・・」
「だから僕は気にしないって。例えリリムの正体が【サキュバス】でもさ。元の姿に戻るって言ったって背中に翼が生えるだけじゃないか。だから、ね?」
「わ、わかりました」
コジロウの強い説得に負けたリリムは観念し、背中に魔力を集中し始めた。
するとリリムの背中からゆっくりと大きな翼が生えてくる。
そう、リリムの正体は人間でもエルフでもない、モンスターのサキュバスだったのだ。
彼女が何故コジロウに仕えていたかというと、時間はリリムがまだ子供の頃に遡る。
リリムは物心がつく前にとある荒野に捨てられており、本来ならそこで死んでいる筈だった。
しかしたまたま近くを通りかかったコジロウの父が、彼女を拾っておかげでその命は助かった。
以後、リリムは実の娘のように大切に育てられ、本人も自分がサキュバスであるとは思春期に入るまで気付かなかった。
コジロウとはまるで兄妹のように仲が良く、リリムの正体がサキュバスであると知っても彼は彼女を受け入れてくれた。
その後リリムはモンスターの自分を受け入れ、育ててもらった恩を返したいと願うようになり、忍者の職について冒険者となったコジロウを守ると誓う。
見るもの全てを魅了する魅力的な美貌と肢体を持つリリムにとって、忍者という職業は正に天職であった。
彼女は瞬く間にハイレベルの忍者となり、コジロウ率いるパーティーにとってなくてはならない存在となっていた。
「とりあえず若様のおっしゃるがまま、元の姿に戻ってみましたけど、その・・・」
「いいの。リリムは気がつく娘だけど、いつもそんなに気をかけてたら疲れちゃうよ?」
「は、はい・・・」
コジロウの部屋にある丸いちゃぶ台に茶と羊羹を置き終えたリリムは、その盆を抱きかかえるようにしながら、上目遣いに彼の言葉を噛み締める。
少し、コジロウの言葉に胸を痛めたのか、リリムの顔に翳りが見えてきてしまった。
「でも、そこもリリムのいいトコだけどね」
そんなリリムの表情に焦ったコジロウは、取り繕うように言葉を裏返す。
最初は自分が何を言われたのかわからない様子だったリリムだが、時間が経つに連れて、彼の言葉の意味が見えてきた。
すこしずつだが、顔に笑顔が戻ってきた。
「ありがとうございます、若様!」
大げさに頭を下げるリリム。
そんなリリムの姿に苦笑してしまうコジロウだったが、それでもそんな健気な姿を見ていると、胸の奥が締め付けられるというか、胸の鼓動が高鳴っていくというか・・・やはり自分が一番好きなのはこの目の前の少女、リリムなのだと照れながらも認めていた。
「若様、私抜きの迷宮探索の調子はどうですか?捗っていますか?」
「ん〜・・・一応ね」
一応という自分の言葉に笑えないと思いながら、リリム並びに仲間の皆に心配をかけるわけにはいかないコジロウは、気を効かせて言葉を濁した。
他の奴ならもっと気の聞いた言葉もかけられるのだろうが、いかんせんリリムの前でだけは素直でいたかった。
何故なら最強クラスの忍者である彼女には返しきれない借りがあるのだから。
「・・・あまり、進んでいないのですか?あの・・・私でよければ、頂いたお休みを取り消しにして手伝いますよ?」
「うん、ありがとう。でも、こればっかりは自分の力でやらないと。いつまでもリリムの力に頼ってばかりじゃいけないし、自分の為にもなるしね」
「そうですけど・・・でも!」
「気持ちだけ、受け取っておくよ。ほら、僕にとっては、元気なリリムの姿を見ているのが、一番の励ましにもなるんだし・・・さ」
「若様・・・」
照れ隠しに、コジロウは視線をリリムから逸らす。
多分、自分の顔は紅くなっているんだろうと思いながら・・・でも、自分の嘘偽りのない気持ちを口に出来ただけでも、コジロウ自身、嬉しかった。
「嬉しいです若様・・・若様が私の事、そんな風に思っていて下さったなんて・・・」
見れば、リリムは目尻に涙をうっすらと溜め、コジロウ同様紅くなった頬を向けながら、ちゃぶ台の上に乗せられた彼の手を握ってきた。
その掌は柔らかくしなやかで、だが程よい温もりを感じさせる、安心できるものだとコジロウは感じた。
「でも、どうしたの?こんな時間に僕の所に来るなんて・・・」
時計を見ると、もう時間は深夜を軽く回っている。
「実は・・・司教さん、今日は鑑定が溜まっていたらしくて、午前中から篭りっきりだったんです」
「そういえば、今日は司教さんの姿見なかったなぁ」
「それで、つい先ほど出てきたんですけど凄く憔悴しきった様子でして・・・で、お風呂に入ったらそのまま寝てしまわれたんです」
リリムはニコッと微笑んだ。
「じゃあ、ヴァルキリーとか魔法使いちゃんは?」
「ヴァルキリーさんと魔法使いさんは今日はお帰りにならないそうです。なんでも、飲み会らしくて・・・先に寝ていてくださいと、先ほど連絡がありました」
リリムはニッコリと優しく微笑んだ。
「僧侶ちゃんは?」
「僧侶さんは友人の家に泊まるそうですよ」
いつの間にかコジロウの隣にきたリリムは彼の身体に寄り添いながらニッコリと優しく微笑んだ。
「そっか・・・じゃあ、今は二人っきりなんだね」
「はい・・・若様」
リリムが、少しトロンとした瞳でコジロウを見つめる。
そして指先を絡め合い、掌が重なる。
「リリム・・・」
それに答えるようにコジロウもリリムを見つめ返すと、リリムがうっすらと瞼を閉じていき・・・。
コジロウの手が、リリムの肩にかけられた。
瞬間、リリムは小さく身体を跳ねさせるが、コジロウの為すがままに身を任せ、力を抜く。
そして、二人のシルエットは一つ屋根の下、重なった。
「んっ・・・」
唇に感じる、愛しい温もりと感触。
触れるだけの口付けでも胸は高鳴り、仲間の前では抑えていた感情も、二人きりの密室では愛しさにかまけて爆発してしまう。
「んっ・・・んんっ!?」
コジロウが口内に侵入した異物に驚いたように目を開ける。
そこには、きっと切なさで感情を抑えきれなくなったリリムの泣き顔が・・・。
「んっ・・・んっんっ・・・あむっ・・・ぅうん・・・」
リリムはコジロウの唇を、そして口内を貪りながら、自分のしている事に興奮を覚えた。
はしたない・・・若様の口の中に自分の舌を入れている・・・。
だが、コジロウもリリムの涙を見たせいか、一生懸命にリリムの舌に自分の舌を絡める。
ぎこちない、二人の口付け。
だが、それだけでも今の二人にとっては自らを昂ぶらせるには十分な行為であって・・・。
次の瞬間、リリムの身体はコジロウの部屋の、畳の床に押し倒されていた。
サキュバスの証である、リリムの黒い翼が畳に広がる。
だが、リリムは抵抗しない。
いや、どちらかと言えばその展開を待っていたかのように胸を高鳴らせ、熱い吐息を漏らしている。
その唇には透明な糸が二人を繋ぎ、魔法ランプの光に照らされ鈍い輝きを放っていた。
「リリム・・・」
相手の名前を呼ぶと、リリムの唇を指先でなぞる。
「なんか、今まではこうしてキスしたりすると、絶対に誰かが割り込んできたよね・・・」
ふと、そんなことを口にするコジロウ。
なんだか、穏やかに微笑んでいる。
「でも、今日は違いますよ・・・別室のほうには司教さんがいますけど、もうぐっすり眠ってますから・・・それに、皆さん今日は帰ってきませんから・・・。ですから若様・・・あの日の、続きをして下さい。」
あの日・・・迷宮を探索中、疲労で倒れてしまったリリムを連れ戻した日。
コジロウとリリムが互いの気持ちを伝え合い、行為に至ったまではよかったが、肝心なところで中断する羽目になってしまった日のこと。
一週間くらい前の出来事だったが、その日からリリムは暫く休むことになり、彼女抜きで迷宮探索を行う日々が今日まで続いていた。
「でも、いいの?リリム、初めてだろ?」
「はい・・・。でも、構いません。リリムは、若様に尽くすために、今まで生きてきたんです。ですから・・・若様と交わす【契り】だって、昔から憧れていたことですから・・・。」
コジロウの手を取り、その掌に頬擦りをするリリム。
うっすらと開かれた瞳は潤んでいて、どこか儚いイメージを連想させる。
そんなリリムをこれから愛するんだ・・・一生懸命、愛してあげたい。
コジロウの、純粋な思い。
静かな闇夜に対して、魔法ランプで昼間のように明るい部屋の中で、コジロウはリリムの身体を求めていた。
やさしく口付けをしながらリリムの綺麗な裸体をじっと見つめる。
リリムの素肌は丸くしなやかな印象を持っておリ、そしてとても美しく官能的であった。
「・・・綺麗だ」
一度、小さく呟く。
それから軽く口付けを交わすと、もう一度呟く。
「本当ですか?リリムの体、おかしくないですか?」
「いや、おかしくなんかないよ・・・っていうか、僕、こういうこと初めてだから・・・」
鼻の頭をかくコジロウ。
「そ、そうなんですか?よかった・・・」
「なんか、言った?」
「い、いえ!」
最後の言葉は小さくて、聞き取りにくかった。
「じゃあ、改めて・・・綺麗だよ、リリム」
「ありがとうございます、若様・・・若さまぁ」
そういって、抱きつく。どうやら、甘えん坊モードに突入したようだ。
「わか様ぁ・・・今日は・・・いえ、そんな贅沢言いませんから、今だけは私だけ可愛がってください」
「わかってるよリリム・・・ん」
また、唇を重ねる。
だが、先端が触れる程度の軽いもので、コジロウの唇は唇からなぞるように首筋へ、鎖骨、そしてほんのり赤に色付いた胸へと移動していった。
「はぁ・・・若様ぁ・・・」
チュッという音を立てながら、コジロウはその先端を吸い上げる。
少し固くなったそこは控えめな桜色で、なんとなく懐かしい感じがする。
そして、何度も吸い上げているうちに、少しずつその力も増してくる。
いつの間にか、両手で二つの胸を鷲掴みにまでしていた。
「うぅ・・・ん。あん・・・っ」
指先から零れる胸は柔らかく、だがちゃんと弾力もある。
「リリム・・・リリム!」
「若様・・・若さまぁ!」
互いに名前を呼び合い・・・肌の、いや、細胞の一欠けらも残さないように、二人は互いの体を重ね、その温もりを感じる。
どんな部分でも、愛しい。
それだけが、今は頭の中を駆け巡っていた。
コジロウは鷲掴みにしていた掌を離すと、滑らかにリリムの体をなぞり、そしてリリムの女の子の部分をなぞった。
瞬間、リリムの体は強張る。
始めての感覚。
初めての体験。
そして、これからする事への不安と期待などが混ざり合い、彼女の感覚を研ぎ澄まさせる。
「あうっ・・・ひっ、あぁぁ・・・」
少し擦られるだけで他の体の部分のことを忘れてしまうほどの刺激が下腹部から伝わる。
布団の中で引き攣る足先に、さらに力が入ってしまう。
「あ、あっ、あっ・・・だめっ・・・いやっ!」
リリムはとうとう耐え切れずに、背中の翼を顔まで持ってくると、それを掴んで目を隠してしまった。
雄を誘惑し魅了してしまうサキュバスである筈のリリムが見せる初々しさ、そのギャップがコジロウにはたまらない。
そんな彼女の恥らう素振りに胸が高鳴ったコジロウは、さらに優しく、だが時折激しく、彼女のソコをなぶる。
縦に割れた線を中指でなぞったり、その中心に指を埋め、中で軽く動かしたりしながら・・・。
そのたび、クチュクチュと、淫らな音が静かな部屋の中に響き渡る。
「くふっ・・・うんっ、うぅん・・・」
だが、いくらかそれを続けているうちに、リリムの声には艶が出てきて、甘く切ない吐息へと変わっていった。
その声に刺激されてか、コジロウの指も、激しさを増していく。
「あっ、あうっ!か、若様!おかしく、なりそうですっ!若様ぁ・・・ひあぁっ!!」
グチュグチュと、一際大きな音を立てながら、リリムのソコは蜜を垂らしながらヒクヒクと蠢いていた。
そして、コジロウの指もそろそろ限界に近付いてきた頃、リリムの体はビクンと大きく撓り、そしてそれ以来グッタリとしてしまった。
どこか満足そうに、肩で息をするリリム。
それが何を意味するのか、コジロウはうっすらと気付いていた。
「ちょっと待ってくださいね・・・」
リリムはまだ肩で息をしながら、上体を起こし、ゆっくりとコジロウの体の上に覆い被さった。
「若様、これからリリムは、若様に操(みさお)を捧げます。宜しければ・・・受け取ってください」
その言葉にコジロウは何も言わず頷くとリリムを抱きしめ、そして自分の股間から既に固くなった己の分身を取り出した。
それを見たリリムは固くなったコジロウのソレを右手で包むと、ユックリと自分のソコへと導いた。
「・・・リリム」
「若様、せめて、せめて今だけは、私のことを考えていてください。そうすれば私は・・・きっと、世界で一番の幸せ者になれますから・・・だから・・・私を、幸せ者にしてください。私の幸せは・・・若様に思われることなんです・・・」
告げると、口付け、そして、体を落とす。
クチュッという湿った音を立てながら、リリムの中へと沈んでいくコジロウのソレ。
入り口を押し広げ、中に張られている処女幕を裂きながら、リリムは、コジロウと一つになる為の激痛を体験した。
痛い。とにかく、痛い。
体のうち側から裂かれるような痛みに耐えながら、それでもリリムは、コジロウのことだけを想い、コジロウのことだけを信じ、コジロウのことだけを見つめながら、一つになる。
「・・・っ!はぁぁ・・・」
そして、リリムの下腹部がコジロウの腰に触れると、彼女はコジロウの体にしがみ付きながら体を震わせた。
「リリム、頑張ったね」
「はい、リリム、頑張りました。若様のために、一生懸命頑張りました・・・」
痛いのだろうか、体を少し動かすだけで、リリムの表情は歪んでしまう。
「僕、こうしてリリムと一つになっている間は、リリムのことしか考えられないよ」
と言って、コジロウはリリムの体を抱きしめる。
そしてリリムの腕を掴み上下に揺さ振り始めた。
繋がった部分からグチュグチュと音が響く。
「ぅ・・・っ、うっあ・・・」
リリムは始めての痛みに歯を食いしばりながら耐え、だが視線だけはコジロウを追う。
揺さ振られる視界に入るコジロウの凛々しい顔に胸を高鳴らせながら、自分も動かなければと、腰を不器用ながら動かし始めた。
「き、気持ち良いですか?リリムの中は・・・!」
最初は上手くいかずになかなか動けなかったが、少しだけ動き続けると、コツがつかめたのか、スムーズに腰を動かすようになってくる。
そして、それと比例して激しくなっていく、リリムの喘ぎ声。
いつもは慎ましい、大和撫子であるリリムからは想像できないような可愛らしい、少し擦れ始めた声。
「あんっ!あんっ!わ、若様、私、おかしくなっちゃいますっ!!」
コジロウはプルンと揺れ動く二つの胸の谷間に顔を埋めると、その顔を胸に押し付けた。
柔らかに揺れるリリムの白い胸が、形を変える。
そして、腕を掴んでいたコジロウの手はリリムの尻の部分へと移動していて、ふっくらと肉付きのよいその部分を惜しげもなく撫でまわしていた。
「はぁ・・・はぁぁ・・・うぅん…」
もう、初めての痛みも薄れてきたのか、随分と激しい動きにもなれてきたリリム。
コジロウは今取っている座位を十分に楽しんだのか、今度はリリムを押し倒すと、正常位の形を取り、ゆっくり腰を動かす。
「うぁぁぁっ・・・若様ぁ、若様・・・ああっ!」
キツイ締め付けが、コジロウを襲う。
ヌルリとした感触と、だが、柔らかな膣の温かさに、コジロウはもう、心地良い快楽を感じ始めていた。
「うあ、うっうっ・・・うぅぅぅん!」
リリムの中の感触がコジロウの理性を食いちぎっていく。
サキュバスであるリリムの膣内は名器中の名器、瞬く間にコジロウを虜にしてしまった。
最初は優しくしてあげようと思っていたコジロウだが、いつの間にかそんな思考は消え失せ、今は快楽を貪る獣へと化している。
激しく腰を打ち付け、腰の肉をぶつけ、音を立てながら膣をえぐる。
その度に溢れ出すリリムの蜜は破瓜の血が混ざっていて、それが帰ってコジロウを興奮させた。
「うくっ、ひぎっ・・・!」
リリムはコジロウの腕を握ると、そのまま彼の体を抱きしめ、背中に刻まれている傷痕を撫で上げる。
それがコジロウには嬉しく感じ・・・同時に、愛しさが胸の辺りから声にならない声になってこみ上げてくる。
「私は、どんな時でもっ、若様のことを、うぅん・・・お、お慕い、して、います・・・あぁぁぁ!」
ラストスパートに、コジロウの動きはきつく、激しくなっていく。
そして、今までで一番奥を突き上げた瞬間、コジロウの情熱は白い液体となってリリムの中へと注がれていく。
膣内が、コジロウの精液で満たされていく。
いままで、様々な事情が重なり、交わすことの出来なかった契りを、今やっと交わすことが出来た。
「・・・嬉しい」
思わず口にだしてしまったリリムの言葉は、どれだけの距離を隔てて、コジロウの耳にたどり着いたのだろう?
それを知る者は、きっと誰もいない。