俺はパーティのエルフの魔法使い(24歳・女)が好きだ。
美しい髪、整った顔立ち、スラリとした身なり、スレンダーでありながら豊満な胸、
ローブの上からでもわかるくびれたウエストと魅惑的なヒップ。
あの尻を眺められるポジションにいられるなら、俺は100レベルを超えた戦士としての経験も
数年の歳月もうっちゃって魔法使いに転職してパーティの最後尾に立ってもいい。いや事実立とうとして町外れまで行ったことも何度となくある。

だが俺はしがない人間。お世辞にも顔立ちもよくないしスタイルだってよくはない。彼女と付き合うなんて夢のまた夢。
でも一回だけでいいから彼女とHしてみてーなー。彼女ほどの美人ならどーせ色んな男と何回もヤってんだろーし。
土下座して頼めば一回ぐらいヤらせてもらえないかな?
なんてなこと思ってたら、酒の席で冗談でポロっと口に出してしまった。
「一回ヤらせてくんない?」
「……うん、アナタならいいかな」
マジですか! まだ土下座してませんけど!

…。
……。
………驚いたことに処女だった。彼女とHできたことや彼女のバージンを奪えたという喜びよりも、困惑と戸惑いのほうが強かった。
なんで今まで誰とも付き合わなかった? というかHしなかった? そして何故俺を初めての男に?

「実は私、『ブサイ専』(ブサイク専門)なの」
喜んでいいのかそれは。
「子供の頃から周りが皆美形ばっかだったから、麻痺しちゃってんじゃないかなーって思うんだよね」
確かにエルフは男も女も美形揃いだしなー。美形が普通になってるせいで、逆にブサイクが特異に感じられるようになったわけか。
「それにあんなストレートに誘われるのも新鮮だったわ」
紳士的に迫ってたらただの『つまんない男』と思われてたわけですか。まぁいいや。経緯はどうあれ、彼女と付き合えるなら細かいことは気にしない!

「末永くよろしくね。例えあなたがハゲでデブの脂ぎった中年オヤジになってもあなたのことを愛していく自信はあるわ!」

…ホントーに喜んでいいんだろーな、コレ?