パーティーのドワーフ戦士(15歳・もちろん女)にコクってみた。
大概物好きだと思われるかもしれない。
確かに、こいつは多くのドワーフの例に漏れず、大食いで大酒飲みで、
そのちっこい身体のどこから生み出されるのか謎な化け物じみた怪力の持ち主ではある。
しかし、よく見るとクリクリした普通に可愛らしい顔をしていることに気付いたのだ。

「え!? ……ほ、本当? 嘘じゃないよね? 冗談だったら本気で怒るよ?」
「だ、だってさ! ボクなんて……全然キレイじゃないし……」
「鼻も潰れてないしお腹も出てないし」
「毎日剃刀をあててるのに、ひ、ひげだって生えないんだよ!」

美的感覚の差って恐ろしいね。
よく見るビール腹で団子鼻で髭もじゃの奴らってのは、
ドワーフの中ではイケメンだったんだな。
まあ、そういう基準だと、人間基準で結構可愛く見えるこいつなんて論外なわけか。
ん? てことはこいつから見たら俺ってどう見えるんだろ?

「え? ……えと、その、」
「ス、ス、スゴク……かっこいいと、思う」
「とても人間に見えないっていうか」
「キ、キミみたいなヤツから告白されるなんて、信じられないよ」

……。
…………。
よ、喜んでいいのか、これは?
確かに最近腹回りの肉が気になってはいたが。
……うん、そうだな、とりあえず無精ひげくらいは剃ることにしよう。

「あ、だ、ダメだよ! キミはそのまま、そのままで素敵なんだから!」