「畜生、舐めた真似しやがって…! 絶対に、許さネェからなぁ……」

 人間族の駆け出し探索者、戦士のソリアはその溢れんばかりの双乳と、長い赤毛の直毛質な
長い自慢の髪を振り乱しながら、全裸のままで出口を求めてひた走っていた。手首と足首には、
しっかりと枷をきつく嵌められた赤い疵痕が痛々しく残っていた。焼印を押されないないだけ
マシだが、痛みはまだ残っている。騙されて連れて来られた先が、この盗賊互助組合(ギルド)が
秘密裏に運営する『地下調教部屋』だった。

 「上にさえ出て、衛兵隊にチクればこんなところ、一網打尽にされるぜ、見てろよ…! 」

 『素質の無さそうな、生き残る見込みの無い奴がここに連れてこられるのさ』とある調教師に
嘯(うそぶ)かれた時は、口枷が無ければきっと奴の汚(きたな)らしい舌を噛み千切っていた
だろう。日に日に、徐々に性感のもたらす官能的な刺激に馴れて行く自分の女の性(サガ)が
呪わしかった。時間の感覚すら失われつつあるときに、『天使』が助けに来たのだ。それは、
エルフ少女で、清純な僧侶の格好をして現われた。

 『貴女を助けに来ました。早く逃げて下さい』

 『天使』と一緒にいた、枷を壊してくれた餓鬼はきっと、盗賊だろう。……『天使』を助けに
来たに違いないが、なかなか可愛い顔をしているのに無表情なのが何故か、ソリアの気になった
ところだ。何の感情も抱かない、冷徹な冷たい目。冷然と輝く瑠璃の玉のような、目。思い出すと
胎の辺りが疼く。あんな餓鬼の上に乗っかって、餓鬼が『許して下さい』と快感で泣き喚くまで
腰を振ってやったらどんなに気持ちいいだろうか――。ソリアは整った容姿に不釣合いな淫蕩な
笑みを知らず知らず浮かべていた。

 「出られたらこっちが困るんだよね、ええと…ソリアお姐さん…」

 その餓鬼が、静かに目の前に天井から『ぶら下がっていた』。ソリアに付けられた、黒革の首輪に
付された、名を刻印された金属製の板を手に取って、確認して名を読んでいた。気配すら、ソリアは
気付けなかった。ニィッ、と餓鬼は笑って見せる。それは、思わず頭を撫でたくなるような笑みだった。
なんでこんな所におまえが? 『天使』はどうした? どうして天井にぶらさがっている? ソリアの
混乱を見透かしたように、餓鬼は意地悪く笑って見せた。

 「闇の世界の裏稼業の事は、表沙汰にはされたくないんでね……悪いけれど、逃がさないよ」
 「おま――ンぐっ! 」

 ソリアはいきなり唇を舐(ねぶ)られた。餓鬼の舌が口中を這い回り、噛み締める歯を愛撫し、
絡みつく。噛み切ろうとするが、その拍子に引っ込み、また口を開けると侵入する。調教師の
それよりも甘美で、そして官能的で、上手で濃厚な接吻だった。突然、口が離れた。荒い息を
継ごうとしたソリアの唇から、甲高い喘ぎが漏れる。……子供の頭ほどある大きな乳房にしては、
慎ましやか過ぎるその頂、朱鷺色の乳首を餓鬼の小さな指で潰され、こねくり回されたのだ。
 これ以上力を入れると痛みを訴えるだろう、一歩手前の絶妙な力加減でクリクリと転がされ、
もう一つの堅くそそり立った肉豆、女陰の核も同時に転がされていた。……情欲に染まりつつあるソ
リアの頭の醒めた部分は、『餓鬼が背後に廻ったのだ』と言うことに気付くが、背後から接吻され、
思わず応じてしまう。くぐもった、それで居て快感に溺れた喘ぎ声が、やや厚い口唇から漏れる。
膝が笑って力が入らなくなり、とても立てる状態でもなくなり、ついに両膝をついた。

 「わあ、ぐちょぐちょで濡れ濡れだよ、ソリアお姐さん? 」

 『うるせぇ誰のせいだよ! 』と言い返そうとして頬を火照らせながら振り向いたソリアは、
目を剥いて自分の正気を疑った。……その餓鬼の股間からは、自分がこれまで見たことも無い逸物が、
血管も太々しく脈打ち、ピクピクとそそり立っていた。筋骨隆々の調教師ですら、これほどのモノは
持ち合わせて居なかった。ソリアは思わず、恐怖と期待から、生唾を飲み込んでしまったほどだ。 
 あどけない子供の顔と体格と、並外れた逸物の、妖しい光景の淫靡さ。その先端が、自分の肉の
扉に当てられたことに気付き、急いで暴れようとするが、腕の関節を極められてしまい、痛みで
抵抗出来なくなる。

 「嬉しそうな涎をこぉんなに、はしたなく垂らしちゃって。今、塞いであげるからね、ソ・リ・ア」
 「やめろ、やめろ、そんなの、そんなのやだ、入んないよ、やめ……! 」

 ぎゅちゅっ、とソリアは、自分の体内が立てた水音を確かに聞いた。堅く節くれ立った、それで
いて熱いものが、容赦無く、濡れきった膣内の肉壁を削り、愛撫していくのがわかる。自分の喉が、
とても甘い叫びを上げているのがわかる。脳味噌が快楽で沸騰し、もっともっとと貫かれた尻を
振っているのを冗談のように、他人事のように感じていた。

 「ああァん! いい! イイよォ! きもちいいヨォ! 突いてェ、もっと突いてぇ! 
  奥まで突いてぇ! 後ろから、後ろから、突き殺してぇぇぇぇぇぇ! 」

 今まで経験した閨事の中でも、これほどまでに目くるめく快美感に責め苛(さいな)まれた事は
一度としてなかった。両腕を掴まれ、このまま下から貫かれる、騎乗位となったことにソリアは
天井が見えてからやっと気がついた。ソリアの体重で、さらに女陰に男根がめり込んで来た。

 「それじゃあ、殺してやるよ、逝けよ、ソリアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 」
 「んはあああああああああああああああああああああああああああああああああああんっ! 」

 断末魔にも近い善がり声を上げたソリアは、白目を剥いてがっくりと項垂れた。脳が快楽に耐え
切れなくなり、その巨大さを受容できず、死を迎えてしまったのだ。その最後の生命活動である、
女陰の強烈な喰い締めに目を細め、餓鬼は……盛大に子種を吐き出した。二度、三度、四度…。
ソリアの身体は衝撃で奇妙な舞踏を踊った。そして、糸の切れた人形のように崩折れた。じゅぽんっ、
と極太が引き抜かれた陰門からは、黄色く濁った子種が、膣内に収まり切れずにドロドロと噴き出していた。

 「これで……よし、と。あとは借金こさえた寺院の定期巡回の坊主に任せて復活、再拘束で終わり。
  小用だって言ってきたから、ディルマちゃんをあんまり待たせちゃ、悪いしね。……ごめんね
  ソリア姐さん」

 不敵な笑みを浮かべ、『餓鬼』はランプの光の照度が強い所に出て、衣服を改め、整えた。その姿は、
盗賊の革鎧を着た、人間族の子供に見えてしまうホビット族のニンジャ……マッケイこと『セイ』だった。