『マンフレッティの店にようこそ〜新メニュー登場〜』
リルガミン、ブラザーフッド寺院の地下五階、マンフレッティの店…冒険者だけでなく、成金商人やお忍びの貴族達の集まる、紳士淑女の娯楽の殿堂。
ダンスホールに鏡の迷路、出会う人影はピエロに狼男、吸血鬼、美女と野獣…。
悪趣味なまでに様々な趣向を凝らしたアトラクションの中には、コンパニオン、あるいはホステスと称する高級娼婦達による“エスコートサービス”という名目の高級娼館も含まれている。
今夜も刺激と快楽を求め、地底の不夜城は混沌とした活気を放ち続けている。

*   *   *

白黒の市松模様に彩られた通路の向こうで騒ぎが起こった。
「貴様らはワシの商品じゃ! 言うことを聞かぬかッ!」
悪趣味なローブ姿のでっぷり太った僧侶が、薄汚れたマントに身を包んだ娼婦を宝石の笏で激しく打擲している。
娼婦を買おうとしたが拒絶され、激怒しているようだ。
「この淫売が! ワシを誰だと思っ…!」
なおも杖を振りかぶった腕が後ろから掴まれ、制止された。
「生臭坊主のロード・ハイマンティだろ?…こんな場所で遊べるなんて、偉くなったもんだねぇ」
真っ赤な顔で睨みつけた僧侶の顔が、相手の姿を見て驚愕に歪む。
東方風の甲冑に身を包んだ、不精ヒゲにポニーテール、どこか愛嬌のある顔立ちの男が飄々と立っていた。
「リ、リュウ…殿。いつリルガミンにお戻り…で?」
「踊り子に手を上げるなんて、無粋な奴だ。…女性は愛でるものだぜ?」
リュウ、と呼ばれた侍は煙管をくわえたままニヤリと笑いかける。
地下3階のカマ・カジ寺院の主であり、将来地獄行き確定の生臭坊主は恐怖に青ざめた。
以前、眼前の侍と会った際、無謀にも仲間の女忍者の尻を触ろうとして股間を握りつぶされたあげく、リュウの手でカント寺院送りにされたのだ。
ロード・ハイマンティはリュウによって顔の形が変るほど殴られた後、駆けつけた警備員…屈強な侍と、ホステスでもある優秀な女魔術師たち…に店を叩き出された。
勧善懲悪の芝居の後のように、周囲から拍手が沸き起こる。
「カント寺院送りにされなかっただけ、有難く思うんだな。…さて、もう大丈夫だよ、お嬢さん…って…アレ?」
ここで初めて、女性が一人でないことに気付く。
奇妙な少女が二人…殴られて痣を作った一人のマントに庇われてもう一人…安堵と怯えの入り交じった視線を送っていた。
マント以外の着衣は毛皮のブラとショーツのみ。淡い緑がかった髪、猫を思わせる金の瞳の、愛くるしい顔立ち。
奇妙な点は尻の後から垂れた尻尾と、膝から下の蹄ある脚で、牙と鉤爪まで持っている。
二人の少女は、グウィライオンと呼ばれる獣人だった。

*   *   *

「リュウ様、いつもご贔屓に。今夜は、助けられた娘達に代わってお礼を述べさせていただきます」
二人の少女が手当てを受けに控室に連れられてゆく姿を見守っていると、背後から声をかけられた。
振り向くと、深々と頭を下げた、豪奢なドレス姿のセクシーな美女が五人。
ジェーン婦人、カリーナ婦人、ルシアナ・スカイ、歌姫ブレンダ、レノア…マンフレッティの店の魔女達。
社交界の花形であり、同時にエスコートサービスの支配人でもあるが、特別な客を除き、客は取っていない。
そして、リュウは数少ない「特別な客」の一人であった。
「いやぁ、当然のことをしたまでだよ。がはは」
しなだれかかる五人の美しき魔女達に囲まれ、だらしなく鼻の下を伸ばす。
「本日はごゆっくりしていかれますの?」ジェーン婦人が微笑む。
「相棒を取り戻した記念に、自分にご褒美でもあげようかと思ってねぇ」
リュウは、なつかしい重みを感じさせる、腰の村正をポンと叩く。
この店でなじみの娼婦を身請けするため、ボルタックへ泣く泣く質入れした愛刀・村正。
後代の村正が鍛えた“村正の刀”はこの迷宮でも見つかっているが、こちらは初代村正が鍛えた正真正銘の業物である。
冒険を重ねて金を稼ぎ、ようやく取り戻したところだ。
…手放した原因も忘れて女遊びにやってくる…底なしの能天気と言ってもよかろう。
「…何でも、今日から特別客向けに新サービスを始めるって噂を聞いてね。俺も利用できるかい?」
声をひそめ、そっと尋ねる。
「ふふ、“シスターズボウル”コースをご希望ですね?」悪戯っぽく微笑む歌姫ブレンダ。
「大丈夫、“三軸の門の守護者”はVIP待遇にせよ…亡きマンフレッティの言いつけですわ」レノアが耳元で囁く。
“シスターズボウル”…何とも奇妙で蠱惑的な響きだ。思わず前かがみになる。
リュウは、ボウルで泡立てた生クリームで秘密の部分を隠したプリーステスの集団を相手にした、舐めて舐められのプレイを想像してしまった。
「リュウ様が実質、新サービス初めてのお客様になりますわ。ただいま手配いたしますので、あちらの個室でお待ちくださいませ」
ルシアナ・スカイが準備に向かうと、リュウはカリーナ婦人に誘われて個室に向かった。

*   *   *

『冒険で疲れたお身体を、野趣溢れる野の花たちに癒されるのもよろしいですわ。トラブルを解決いただいたお礼もありますし、コース料金はサービスしておきます。ごゆっくりおくつろぎ下さいませ−マンフレッティの魔女一同−
 PS 南方から取り寄せた風変わりな煙草は、ブレンダとレノアからの差し入れです』
魔女達の手紙を携えて個室にやってきたのは、先ほどのグウィライオンたちであった。よく似た顔立ちから、二人は姉妹だとわかる。
人間に換算すると姉が二十歳前後と思しきグラマラスな肢体であるのに対し、妹は十五歳程度、発育途上のあどけなさを残していた。美少女姉妹と言って良いだろう。
痛々しい青痣の具合を確かめると、治療薬のおかげでほとんど目立たなくなっており、痛みも無いようだ。
姉妹は思ったよりも流暢な共通語で改めて助けられた礼を述べ、姉はリオン、妹はルネと名乗った。
(“シスターズボウル”…つまり、“姉妹丼”か…何のヒネリもないネーミングだなぁ)
甘い香りの煙管を燻らせ、杯をあおる。リュウは豪奢なベッドの上でクッションにもたれかかり、少女たちの酌を受けながら身の上話に耳を傾けていた。
二人は地下2階で暮らしていたところをごろつき冒険者に襲われたらしい。かろうじて命があった二人は娼婦としてマンフレッティの店に売り飛ばされたということだ。
普段はそのような形で娼婦を受け入れない店であるが、ロード・ハイマンティが金にモノを言わせて店のスポンサーを抱き込み、横槍を通したらしい。
そうして自分が楽しんだ後、他の客をとらせて儲けようと考えていたのだろう。
(あの野郎…次に会ったら斬り捨ててハークルビーストの餌にしてやる…)
そこまでしなくとも、公衆の面前で恥をかいた奴は店に関わろうとしないだろうが…。
女好きながらも情に脆く、レイプや女性への暴力を好まないリュウは、話に付き合ったら二人を抱かずに帰るつもりだった。
普段の女遊びでも、相手が気乗りしなければ酌だけさせて寝てしまう。相手が獣人の少女でも同じだ。
(俺、こういう話に弱いんだよなぁ…)
姉妹の話に、時折鼻をすすり上げる。妹思いの優しい姉に、甘えん坊の妹…仲むつまじい姉妹を変態僧侶の手から守ることができただけでも、高い料金を払う甲斐があるというものだ。
姉妹が幼い頃まで話が遡った頃、二人の様子がおかしいことに気付いた。上気した頬に潤んだ瞳で、ベッド上のリュウにすり寄ってきたのだ。
「身体が…熱いの…」「お姉ちゃん、アソコがムズムズするよぉ…」
とろんとした目元、毛皮の上からもわかる、愛液の染み。完全に発情状態だ。
「まさか、この不味い葉っぱのせいか?」
原因は、差し入れの煙草。クローリングケルプを乾燥させて作ったもので、グウィライオンには催淫剤としての効果があるようだ。
必用とあらば剛毅に大金を支払うくせに、基本的に貧乏性。無料だからと我慢して吸ったのがいけなかった。リュウの性格を知悉した魔女達の筋書きにしてやられたか。
くちゅ、ちゅぱ、ぴちゅっ。いつの間にか姉のリオンがリュウの股間から男根を引っ張り出し、猫のようにざらついた舌でしゃぶり始めた。
妹のルネはリュウの首筋に抱きついて不精ヒゲに頬ずりしながらキスの雨を降らせる。
「こ、こらやめなさい。俺は君たちを抱くつもりは…ムグ」
カツの呪文と共にルネに唇を奪われ、舌を絡めとられる。たちまち天を突いた怒張は、リオンの色っぽい口から飛び出さん勢いだ。
(男って悲しいなぁ…。でも、二人ともこんなに興奮しちゃって…このまま放っておくのも忍びない。据膳喰わぬはなんとやら、抱く以上は二人とも公平に、気持ちを込めて愛してあげないとなぁ)
決心すると、二人のまろやかなヒップからショーツを脱がし、自身も裸になる。
「じゃあ、二人いっぺんに可愛がってあげるかね。まずはその愛らしい唇でお願いするよ?」
二人を優しく抱き寄せてキスをすると、広げた脚の間に屹立するたくましい男根へ、再び顔を導いた。

*   *   *

「おっきくてお口に入らないよぉ…どうすればいいの、お姉ちゃん?」
「見てなさい、男の人はこうすると気持ちいいの」
リオンが猫のようなざらつく舌で脈打つ棹を裏筋に沿って舐め上げ、舌先でちろちろと亀頭の先端と傘のくびれを刺激する。
そして柔らかな唇で棹を横くわえし、玉を揉みながらしゃぶってゆく。
「ンふん、こうね?」
ルネも真似して奉仕を始めるが、姉に比べるとぎこちない。しかしそれがまた新鮮な刺激としてリュウを襲った。
やがて二人の唇、舌の動きがシンクロし、太い棹を挟んで互いにキスをする。
「さ、さすがマンフレッティの店…教育も一流だなぁ」
白魚の指先と唇で奉仕する姉妹に尻を向けさせて、左右の手を二人の潤んだ秘所に這わせる。
「あぁ…いゃぁ…イイ」「ひゃッ!? あん…」
それぞれの手を二人の潤んだ秘所に這わせると、姉妹は快感から逃れるように奉仕の激しさを増す。
「くぅっ!」
たまらず、久々の女遊びで溜まっていた精を一気に放出する。膨れ上がった怒張の先端からほとばしった白濁する精液が、姉妹の美しい顔を汚す。
「はぁ…凄い量と匂い…」「けほけほ…飲んじゃった。あは、べったりだね、お姉ちゃん」
「悪い、久しぶりなうえに、君たちが魅力的だから…思わず出ちゃったよ。がははは」
ばつの悪さを誤魔化すわざとらしい笑顔に、姉妹も思わず吹き出してしまう。
そして二人はどちらからともなく怒張の先端から垂れた精液をすすり上げ、舌で舐め取ってキレイにしていく。
そのままお互いの顔に付着した分も舐め合い、夢中で舌を絡め合い、飲み干していく。
淫らな姉妹の姿にたまらず、二人の肢体をベッドへうつぶせに組み敷いて、水蜜桃のような尻を高く掲げさせる。
次なる刺激を待ち受け、尻尾を振って“おねだり”の妖しい眼差しを送る姿は、少女とは思えない淫猥な光景だった。
「まずはお姉ちゃんからだ。ルネ、よーく見て覚えるんだぞ?」「うん…」
期待と好奇心を写したルネの瞳と、待ちきれないとばかりに切ない光を宿すリオンの瞳。
亀頭の先端を姉の入り口にあてがうと、わずかな抵抗を示しただけでぬるっと奥まで入っていった。
「あ…熱くて…固い…」
リュウは右手でリオンのウェストを掴んでつながったまま、並んだルネの尻を左手で愛撫し、秘所へ指を差し入れる。
腰の動きに合わせて左手も愛撫を続け、まだ生娘のルネの秘唇をほぐしていく。
時折右手でリオンの大きく柔らかい胸を揉みしだき、先端の固い突起を指で転がす。
たちまちリオンの息が上がり、早くも絶頂に至りはじめる。
肉棒と指先の深いストロークに合わせ、二人の尻尾の付け根を刺激すると、姉妹は同時に悲鳴を上げた。
「「あぁンっ!?」」
どうやらグウィライオンの弱点だったらしい。
股間から背筋、脳天まで駆け抜ける凄まじい快感に、姉妹は同時に登りつめてしまった。

*   *   *

口腔奉仕に続く二度目の放出までは至らず、萎えていない怒張を引き抜くと、リオンはぐったりと突っ伏してしまった。
シーツに涎を流しながら絶頂の余韻に浸る妹のルネを引き起こし、横抱きに抱え込む。
「次はいよいよルネの番だ。初めは痛いかもしれないけど、準備はいいかい?」
優しくキスをしながら瞳を覗き込むと、不安の中にもリュウへの信頼が見える。コクリ。
「いい娘だ。じゃあ、俺の足の間にまたがってごらん?」
上体を起こして胡坐をかき、天を突く黒光りする怒張の上に、ゆっくりと小さな身体を沈めてゆく。
「あン…少し痛いけど…はぁ…入るの?」
リュウの首にまわした手が引きつる。通常ならとても入りそうにないが、催淫剤で蕩けた官能と絶頂でほぐれた秘所が侵入を可能にした。
そのまま腰を支えて一気に貫く。
「〜〜〜!」
痛みをこらえ、必死でリュウの背中に掴まり、爪を立てる。声を押し殺すため、リュウの肩口に牙をうずめる。
流れる血も痛みも、健気な少女のそれに比べたら些細なもの。
涙をこらえる小さな頭を優しく叩いてやりながら、尻にまわした手で尻尾とその付け根を愛撫し、対面座位でグラインドを開始する。
発情中の心身状態では、破瓜の痛みもすぐに快感へと変りゆく。
少女の拘束が緩むと、リュウは少女のブラをずらし、転び出た控えめな愛らしい乳房とサクランボのような乳首を吸いたてる。たまらず嬌声を上げた唇をついばみ、舌を絡める。
「ちくちくする…」リュウの不精ヒゲに頬ずりしながら微笑む少女。
(早く痛みから解放してあげよう)
いつの間にか獣毛に覆われた蹄の脚をリュウの腰に絡め、自分から腰を振りはじめていた少女の腰を抱えると、
呼吸と共に体内で気を練り上げ、胎内の奥深くへと精液と共に気の塊を注ぎ込む。
気を操る侍ならではの技である。膣内から身体の中心線にある気脈を、気が通り抜け、衝撃で少女は二度目の絶頂を迎えた。

*   *   *

結合を解き、淡い茂みに覆われた秘所から破瓜の血と逆流した白濁液が流れ出す。
すると、絶頂の余韻に浸ったまま、傍らで妹の痴態を優しく見守っていた姉が妹へにじり寄った。
そして、舌を使って赤と白の液体を優しく舐め取っていく。ディオスを唱えて傷を癒してやりながら。
懸命に舌を這わすリオンの姿にムラムラときたリュウは、放出したばかりの股間がまた反応しはじめる。
「妹の上になって、抱き合ってみてごらん?」
妹を仰向けに、姉を四つん這いにしてお互い抱き合わせると、柔らかく大きな姉の乳房と妹の清らかな乳房が潰れ合う。
「妹思いの優しいお姉ちゃんにご褒美だ。ルネもお姉ちゃんにお礼をしなさい」
リオンに再びバックからつながると、腰の動きに合わせてルネも下から姉の乳首を吸いたてる。
「ル…ネ…だ、ダメ…」
「…お姉ちゃん、もう痛くないよ…ありがとう」
放出したばかりでは心もとないと思い、モグレフを唱える。
胎内にくわえ込んだ男根はモグレフの効果で異様な張りと硬度を発揮した。
「!? きゅ、急に固くなって…あ、熱いッ!」
あたかも熱い鉄の棒で突かれたようだが、それでもなお肉の触感と脈動を有している。乱れるリオンから房中術の応用で気を取り込み、練り上げ、体力の回復に努める。
正面から舌を絡めたキスをする姉妹の姿に、妹も一緒に可愛がろうと思い直す。
今度はポンチを唱え、荒々しいストロークで翻弄しながら、上下に並んだ秘唇を素早く交互に怒張で貫く。
「「あぁンっ…か、身体がこ、こわれちゃうっっ!!」」
(ちょいと激しすぎたか…もう少しじっくりと感じさせてあげよう)
感じすぎてお互いにしがみつくしかできない姉妹を見て腰の動きを止めると、体を入れ替えて荒い息の姉を胡坐の上に抱え込む。
座位で背後から手に余る大きさの乳房を揉みしだき、汗ばむ背中にも舌とキスで愛撫をくわえる。ルネが、物欲しげに姉とリュウの結合部に舌を這わせる。
「だめ、ルネぇ…そんなところ…」
「お姉ちゃん…あたしも気持ちよくなりたいよぉ…」
「よしよし、じゃ、姉妹仲良くイこうか?」
つながったまま仰向けになると、リオンには向きを変えて騎乗位の姿勢をとらせ、ルネは己の顔をまたがせる。
下から姉の子宮を突き上げながら、舌で妹の秘所を舐め上げる。
「「ん、くぅ、ぁぁン…」」
二人とも身体を支え切れぬほど感じてしまい、お互いに抱き合って支えながら、姉妹で濃厚なキスと愛撫を続ける。
リュウは限界が近づくと、妹の秘唇で呼吸を塞がれながらも乱れる二人から気を取り込み、体内で練り上げ始める。
リュウが舌で膣内を犯しながら、小さなクリトリスをつまみ上げると、同時にリオンの指先が妹の尻尾の付け根をしごき上げる。
「ひ…ひぎぃ…い、やあぁぁぁっっっ」
ルネはたちまち潮を噴きながら絶頂に達する。
痙攣しながらしがみつく妹を愛おしげに抱きしめる姉の腰がうねり、膣が切なげにリュウを締めつける。
「あ、わたしも…もぅ…ダメぇっっっ!」
その言葉を合図に、リュウは妹同様に渾身の射精と同時に気の塊を姉の子宮に叩きつけた。
「い、イクぅううウッッ!!!!」
…姉妹同時に倒れ込むと、リュウはゆっくりと身体を起こし、股間にいる村正とは別の相棒に労りの声をかけた。
「ごくろうさん、我が息子よ。さすがに二人同時に相手するのは堪えたなぁ…」

*   *   *

「この娘たちを身請けしたいとの申し出、ご了解いたしましたわ」ジェーン婦人はあっさりと認めた。
「新サービスは中止ね」
「でも、この方が二人にとっても、お店にとっても良かったかもしれないわ」レノアとカリーナ婦人が頷きあう。
「ふふふ…昨晩はお楽しみでしたものね…情がお移りになられたのかしら?」ルシアナ・スカイが微笑む。
両腕にグウィライオンの姉妹がべったり寄り添い、両手に花状態だが、何ともばつが悪い。
このままこの店に置いておくより、仲間の所で幸せになって欲しい。
元より、冒険者の自分が二人を手元に置き続けるわけにもいかない。
だからこそ、身請けという形で店から買い取り、解放するしか手段は無かった。
「良い殿方に巡り合えて良かったわね…家に戻っても幸せに」歌姫ブレンダが姉妹を祝福する。
姉妹はやつれたリュウの頬に両側からキスをすると、にっこり微笑みながら囁く。
「この子供の父親がリュウで良かった、ね?」「うん!」
下腹部を愛おしそうに撫でる獣人姉妹のセリフに、思わず凍りつく。
まさか、異種族なのに? グウィライオンに女性しかいないのは、そういうことなのか? いや、それよりも、そんなにすぐ妊娠がわかるものなのか?
「温泉の近くにいるから、また会いに来てね」再び、愛情のこもったキス。
「「みんな、ありがとう!」」警備員に守られて上階へ去ってゆく姉妹。
リュウは駆け巡る「?」の嵐に呆然としながら、ただ機械的に手を振るしかなかった。

*   *   *

「さすがにいい値段するなぁ…ん?」
気を取り直し、請求書の金額に溜め息をつきながら、懐をまさぐる。
しかしどうしたことか、懐に入れたはずの財布が無くなっており…真っ青になる。
(やられた…あの時か!)
別れ際に呆然としている時にキスされた時、グウィライオンの姉妹にスリ取られたのだろう。
彼女達は美貌と呪文、獣の特徴だけでなく、手癖の悪さも有名であることを失念していた。
(…ま、いいか)
結果的に楽しんだことには変わりないし、慰謝料と手切れ金、生まれてくる二人の子供の養育費をまとめて支払ったと思えば、それほど痛くはない。何より、姉妹が幸せになってくれれば。
…と、無理矢理自分に言い聞かせつつ、より一層ばつの悪い表情で魔女達に声をかけた。
「実は少々困ったことになって…相談に乗ってくれません?」
「支払いについては信頼しておりますわ。買い取りだろうと質入れだろうと、ボルタックまで行かずとも私たちでも承っております」
皆まで言うな、とばかりに、にっこりとリュウの腰にぶら下がる村正へ視線を送る魔女達。
前回手放した一件も含め、全ては店の策略ではないかとの疑念がよぎる。だが、全ては無節操な下半身が招いたこと。他人を責めても仕方がない。
(相棒よ、すまん。またしばしのお別れだ…)
肩を落としながら、外した村正を魔女に手渡すリュウ。手の中で、村正が何かを訴えようと震えた気がした。

(END)