「意気地無し! どうして止めたのだ? あんなに堅くしておきながら! 妾(わたし)の覚悟は疾うに出来ていたのだ!」
「…カントの坊主どもに停められなかったら犯ってたさ。ディルマとルミアンが取り為さなければ、次に治療依頼に行っても、お決まりの
『背教者め、出て行け!』と言われるところだぞ? …ま、寺院でおっぱじめようとした俺が、一番の悪なんだがな…」
「坊主どもも坊主どもだ! 散々今まで寄付してやったと言うに! 黙って見て居ればいいモノをっ…! それにな、ニンジャとは耐え忍ぶ
者では無かったのか?! ジョウ! あの女…坊主に密告などしおってぇっ!」
カント寺院からギルガメッシュの酒場まで向かう道程を、シミアと並んで歩く。エルフにしては大きいと言われる胸の間にしっかりと俺の左腕を
挟み、捕まえられている。シミアの装備していた武装は俺の背負った布袋の中だ。シミアに圧(の)し掛かってさあ突入、と言う所で、それまで
黙って我慢して見ていたミオが耐え切れなくなって、カントの坊主どもを呼びに行ったのだ。ミオの言い分では『私は見ていましたよ』と言う
頓知(とんち)めいた言い訳をして微笑んでいたが、内心煮え滾(たぎ)る怒りを隠していたに違いない。東洋の国元の女は、笑顔の裏に本音を隠すのだ。
「取り合えず、おまえの家臣の三姉妹と酒場で合流しなければな。今後のミオの加入の件の事もある」
「…あのニンジャの事ならあ奴等に聞くまでも無い。永久に所払い確定だ。なぁにが『私のジョウさん』だっ! 」
キリキリと歯軋りが漏れる。俺の『死んで』いる間に『何か』が確実にあったのだ。…確かシミアのロイヤルスイートに…繋がったまま入った…?!
だからこうして衆人の目に触れるよう二人が親密である姿を躍起になって主張しているのか…。可愛いと言えば可愛い行動だが、領地のお父上が
見たらなんと言うだろうな? エルフにはエルフ、人間には人間。古い価値観を持つ人間ならば必ずそう言うだろう? なあ、シミアの『御姫様』?
シミアは自分の胸を見て、自由な左手で押さえる。本当に気にしているのだろう。…この分ではカドルトを失敗したのもミオが何か言ったに違いない。
「…人間の女…か…」
「エルフにしては大きいから、自信を持てよ『御姫様』」
「…そんな言い方…大っ嫌いだ」
俺もシミアも最初から上級職だったわけでは無い。シミアと俺が『戦士』としての冒険者登録を終えて間も無い頃は、俺とシミアは有る程度の
才能を持った『戦士』だった。俺もそうだが、最初から高い資質を備え、少し鍛えれば上級職に転職可能となる才能を持った冒険者が稀に存在する。
俺とシミアは練度が2段階上がった時点で即、上級職に転職した変わり種だ。中立の俺は侍で、善のシミアはロード。当時、パーティを組んでいた
奴等から2人揃って大馬鹿者呼ばわりをされた。一人だけならともかく、前衛職2人が同時に転職したならばパーティの戦力は確実にダウンする。
そんな重要な決断を仲間に相談も無しにやったのだ。俺は他の仲間達と巧くやれていたので残ってもいいと言われたが、頑固なシミアは常日頃の
高飛車過ぎる言動から、確実にパーティから外される事が判り切っていた。
『フン! ごちゃごちゃぎゃあぎゃあと喚きおってからに! 下衆で下賎な人間どもめ! そんなに言うなら妾(わたし)から去ってやるわっ! 』
違約金と云う言い分で有り金を全て取られたシミアをその時何故「中立」である俺が追い駆けたのか今でも理解できない。ギルガメッシュの酒場から
出た通りの前で、ずんずん肩を怒らせて歩いていたのを捕まえた。目で『何だ』と聞いてきたので正直に答えてやった。「あんな向上心の無い奴等と
居るよりは、好敵手といた方が伸びるからな」と答えてやると、シミアが急いで顔を背け、ゴシゴシと目を擦ったのを覚えている。…あの時耳が垂れてたな。
現に今も、耳の先がしょんぼりと垂れている。…相当に参ってるな…。冗談のひとつでも言ってやるか? …駄目だ。一歩間違えれば立ち直れないだろう。
強そうに見えて、シミアはとても脆(もろ)いのだ。その脆さを隠そうとして、強くあろうとする。永遠の悪循環だ。エルフである自尊心も原因の一つだ。
「宿に帰ろう、シミア。装備が重い」
「ん…? やはり……嫌なのか? こういうのは…」
「そうじゃない。出直そうと云ってる」
シミアはやや立ち止まり、しばらく俯くと、急に俺の腕を抱えたまま方向転換して大股で歩き始めた。…宿に帰るまで互いに一言も口を訊かなかった。
シミアの部屋に装備を置くと、俺は定宿の『馬小屋』に向かう。飼い葉と馬の汗と馬糞の臭いがする中、俺個人の整備したスペースに向かう。『常連』
『馬小屋の主』と呼ばれるまでに長逗留している、勝手知ったる馬小屋だ。実は畳3畳に天幕や行李まで持ち込んで個人のスペースを作ったりしている。
本当ならここまでするなら主人に金を払わなければいけないが、国元の武士団の見習い生活で、馬の手入れや調教、蹄鉄の打ち方まで習得しているので、
その技術の提供の見返りに見逃して貰っているのだ。我ながら見っとも無い真似をしているとは思うが、シミアの一件で一時期、極貧生活を送った経験が
今も生きている。…シミアにしてみれば『馬小屋の臭い=俺の匂い』なのだ。だから俺の匂いから馬の臭いがしないとなると、他の女の存在を疑う。
「ジョウ…居るのか? 」
「そんなに声を潜めなくていい。今は誰も居ない。…おまえの出入りは自由だ。一々断らなくていい」
「…失礼する」
天幕が開き、遠慮なくシミアは畳に座る。シミアの家臣の三姉妹には絶対に内緒だが、裕福になるまで実はここで一緒にシミアも俺と寝泊りしていたのだ。
夏は暑くて冬は寒い。領地の城館生活に慣れていたシミアにとっては地獄よりも酷い環境だったろう。しかしシミアは耐えたのだ。ロードであるシミアが
ディオスを習得するまでだと言う約束が、ズルズルと延長して行き、やがてはマリクトまで覚えても居続けた。出て行ったのは家臣の三姉妹がリルガミンに
来てからだ。迷宮で稼いだ金を領地に密かに仕送りしていたシミアの稼ぎに、領主であるシミアの父がシミアの監視役件人足として三姉妹を送り込んだのだ。
「相変わらずだな…。この狭い空間は…」
シミアのここで上げる稼ぎは、実は領地収入の十年分を有に超える額だ。シミアの父が味を占めても何ら可笑しくは無い。三姉妹をマスターレベルにまで
鍛えたのも俺とシミアだ。シーフのマッケイは三姉妹の来る前に俺達に好奇心から声を掛けて来た。「ホビットのただの物好き」兼「大切な友人で大恩人」だ。
マッケイが居なければ俺達二人の装備は充実しなかった。9階で村正を発見出来たのもマッケイの手柄だ。…回想にどっぷりと耽っていた俺が止める間も無く
シミアが深呼吸して、噎(む)せた。
「何考えてる?! 敏感で貧弱なエルフの御姫様の癖に! 鼻が曲がるぞ! 」
「…妾(わたし)が…妾がここに居なかったから…あんな…あんな…人間の下衆な女なんかにっ…貴様を…ジョウを奪われたっ…! 」
夏の暑い時にシミアが水浴びがしたいと言えば、馬小屋の裏手に天幕を利用して簡易の水浴び場を作った。冬の寒い時に眠れないと云われれば、照れるシミアを
抱いて互いに暖めあって眠った。マッケイが宿で休息していて手の空いている時は剣技の練習。侍とロードの二人パーティで、ひたすら怪物どもを蹴散らした日々。
俺が死に掛けたのも2度や3度では利かない。シミアがマディを覚えるまで、カント寺院の坊主どもにシミアともども冒険者の中で一番に寄付をした自信がある。
大切な、そう、大切な『戦友』だった。たとえ俺が妙な気分になったとしても、絶対にぶち壊したく無い貴重な信頼関係。俺にとってはシミアは『宝物』だった。
だが、シミアは違っていたのだ。俺がシミアを抱かないのを『自分がエルフだからだ』と思い、俺がつれない態度を取るのも『サムライで人間だから照れている』
と納得させていたのだ。…三姉妹が来る前の晩に、実はここで『泣かれて迫られ、押し倒された』。父親から帰還命令が来たと思っての事だった。…今も同じだ。
俺を押し倒して、俺の胸板に顔を埋めて、溢れる悔しさから泣いている。
「…あんな女にジョウの何が解ると言うのだ! 妾が負担に為っているだと?! 高慢なエルフなど相応しく無い、だと?! どの口で言っている! 」
「全部…気の済むまで吐き出せ。溜めると後が怖いからな」
「…自分の男を好きで死なせかける女がどこに居る?! 力が足りないからだと? ふざけるな! だから一緒に居るために努力した! …努力したのだ! 」
「ああ、周りの迷惑も考えずにここで習得する僧侶魔法の暗唱やって、起こした連中に俺が平謝りしてカティノを掛け続けたよなぁ」
「五月蠅い…吐き出せと云って置いてすぐに混ぜ返すなっ…」
「おまえの努力を一番知っているのは誰だろうなと言う話だ。不満なら黙るがな」
シミアはぶんぶんと音が出る勢いで首を左右に振ってくれた。シミアの長く奇麗な金色の髪を撫で、手櫛で梳(す)いてやる。新緑の森の色をした瞳に、人間で
ある俺の、自分で云うのも難だが、精悍なサムライの顔が映る。誰よりも真直ぐに自分の目指す道を見据えたシミアのこの眼差しに、あの時、国元を遠く離れて
ちゃらんぽらんな生き方をしていた、適当万歳な中立の俺はきっと魅了されたのだろう。シミアがいたから此処まで来れた。もし俺があの時シミアを追い駆けて
居なかったならば…?多分、適当に生きてる中堅ドコロのパーティメンバーで終わっているか、国元に帰っているか、それか最悪の場合、とっくに迷宮の9階あたりで
ロストしているに違いない。ああ…シミア。おまえは俺に絶対に必要だった。おまえは俺に『漢としての生き方、サムライとしての在り方』を与えてくれたのだ。
「エルフの女に全く興味が無いわけでは無かったのを妾は知っているぞ…ジョウ。口止めのためにカイを犯したことはまだ我慢が出来た…。妾のため、だからな…」
「あれほどおまえだけには黙ってろと言ったのに…カイめ…あっさり喋ったな…糞…! 」
胸板に頬擦りをしながら、シミアはとんでもない事実を喋ってくれた。シミアを馬小屋で寝かせ、あろうことか同衾を続けたと俺を一方的に攻め立て、報告して領地に
連れ戻させると息巻いた、シミアの家臣のエルフ三姉妹の小生意気な次女のカイを組み伏せ、善がりねだるようになるまで馬小屋で犯し続けたのは、紛れも無い事実だ。
帰りたくない、と云って泣いていたシミアの事を思えば、俺は何でもする気でいて、事実、実行した。シミアには云うなと抱く度に念を押していたが…詰めが甘かったか!
「あれは貴様との関係を認めて欲しいと、こともあろうに妾に訴えたのだ…。でなければ父にこの城塞都市で妾が何をしていたか洗いざらい報告する、と…」
「で、どうした? 何を云ってやった? 『ふざけるな妾はまだ純潔を保っているぞ、この淫乱女め。誇り高きエルフの風上にも措けぬわ』とでも云ってやったか? 」
「…そう妾に恥知らずに話したことをお返しにジョウに全部ぶちまけてやると云ってやった…。ジョウに嫌われるのは絶対に妾では無いぞ、と、な…」
「なかなかおまえにしては考えたな? だがもう俺に喋っていいのか? 」
「もう構わん…。もうあれは敵では無いからな…。今の妾の一番の敵は…」
「歯が砕けるぞ。…そんなに歯軋りするな」
「だって…だって…」
涙に濡れた瞳。ああ、泣かせたくなかった。哀しませたくなかった。歪ませたくなかった。なのにどうして、そんな目をする? 俺か? 俺が悪いのか? この俺が?
ただ、大切にしたかった。他の女のように手荒に『性欲を処理する道具』として絶対に扱いたく無かった。…二人だけの迷宮探索。ブルーリボンを入手するために4階で
俺がマカニトを覚えるまで背中合わせで戦い続けた日々。モンスターアロケーションセンターの護衛の中の、一人残ったニンジャに危うく首を落とされ掛けたのを救い、
代わりに首を裂かれて必死になって貴重なディアルを掛け続けて貰ったあの時。一人で出歩きピットに落ちたシミアを引っ張り上げようとして結局俺も堕ちてしまい、
鎧を脱がせて肩車して、上を見るなと言われて釣られて上を見てしまい、排泄の故に剥き出しの女陰をモロに見てしまって、やっと俺が上がったら完全装備のシミアに
小手を着けたままでぶん殴られた痛み。次にまた迷宮内で用を足したいと言い、今度は一人は危険だと主張して護衛に付いて見ていたら、後で見ている所が違うだろうが
それとも貴様は変態なのかと今度は剣の平で横っ面を引っ叩(ぱた)かれた愉快な記憶。あの時、実はシミアの違う所から透明な粘液が垂れていたのを知らない振りを
したのもいい思い出だ。…そう、その全てを『思い出』に、過去にしなければならないのだ。…未来をシミアと共に歩み続けるために。
「おまえには、帰るところがある。だから…抱かなかった。抱けなかった。…エルフの御姫様にはエルフの王子様がお似合いだからな」
「っ!! 」
「そんなことで、か? されどそんなことさ。俺は遙か東方の国元を飛び出てきた、吹けば飛ぶようなただの根無し草。ただの人間の冒険者だ」
「この…意気地な」
シミアの唇にこの意気地無しが、と最後まで俺は言わせなかった。もう構うものか。今の俺自身がシミアの輝きを曇らせると言うのなら、俺自身が確実に変わらねばならん。
今までの関係を続けようとすれば、シミアは確実に生気を失ってしまう。それは俺の本意では無い。シミアが求めるのならば、応えてやれば良いだけだ。俺はサムライなのだ。
俺の仕えるにふさわしい君主(ロード)はここに、俺の目の前に居る。何の心配がある? シミアの父親に拒否されれば、シミアを地の果てまで連れて逃げればいいだけの事だ。
ティルトウェイトすら唱えられる練達のサムライなど、迷宮近辺はともかくこの大陸にはそう居ないはずだ。一国を建てるのも悪くは無い。狂王トレボーの近衛隊に仕えたら
命が幾つあっても足りないので、それはご遠慮申し上げるとしよう。シミアと舌を絡ませ合いながら、想像、いや野望は膨れ上がる。…所詮、今を全力で生き残らなければ、
全てがご破算になる妄想だが、今の俺に勇気を与えてくれる。シミアの唾液を味わいつつ、体勢を変える。俺が逆にシミアを押し倒した格好だ。そして、名残惜しげに唇を離す。
「ジョウ…? 」
「俺を…仕えさせてくれるか? シミア? 」
「そこで答えを聞くのが、貴様らしい…。妾が最初に命じる。ジョウ…あの…あのな…? その…やさしく…してくれ…」
「合点承知。お任せ召されい、『我が君』よ」
「よきに…はからえ…」
シミアの鎧下の下裳(も)を脱がせる。…もう無毛では無くなっていたが、やはり奇麗に整った陰唇の風情に息を呑む。エルフと人間の美的感覚は似ているので、結構都市部では
婚姻の例も多いと聞くが、これでは人間の男は抱くのに怖気づいても無理は無い。美しいモノを汚す背徳感のケタが違う。以前にカイを犯した時は義務感と使命感が勝っていたので
観賞する心の余裕など無かったが、今は別の意味で余裕が無い。カント寺院の時とは違う。…俺から『あの』女傑シミアを求めたのだという照れが気恥ずかしさをさらに助長する。
女陰に口を付けると、シミアがビクっ、と体を堅くさせる。陰唇を甘噛みされた事を覚えていたのだろう。…今度は違う。優しく陰核に口を付け、唇で核を保護する皮を剥き、舌で
嘗め回す。俺の閨での必殺技だ。10分も続ければもうやめてと泣き喚く程、女性にとっては強烈な刺激らしいが、そんな残酷で勿体無い事はしない。…相手は『高慢で誇り高い
エルフ』であり、さらに『高潔なロード』なのだ。そして俺、東方人は女を恥ずかしがらせる事に生き甲斐を感じる嫌らしい人種である。…導き出される簡潔な東方人の答えとは?
…『豪勢で豪華で可憐な生贄を天や神様に感謝』だ。
「〜っ! っ! っ! 」
「ロイヤルスイートに移ってから、ずっと俺を想って一人で弄ってたのか? こんなに大きくなって…」
「!」
意地に為って嬌声を堪(こら)えるシミアの陰核から唇を離す。皮が後退し、小指の先くらいの大きさまで勃起していた。俺はシミアに覆い被さり、荒い息を吐くシミアの長く奇麗で
敏感な耳に、俺は息を吹き込むように喋ってやる。身を捩(よ)じらせて頬を羞恥に染める様は、苛(いじ)め甲斐があるというものだ。ここで躍起になって否定されたなら軽く落ち込む
ところだが、そうでは無い事に安心する。もっと、もっとだ! もっと俺に良い表情を見せてくれよぉシミア! …もう一つ、止めをさしてやるか。これは効くぞぉ〜? グフフフフフフ…
「ここに居た頃は、俺の指を使ってじっくり慰めていたから、物足りなかったろう? なぁ? シ・ミ・ア 」
「!!!!!!!!!!!!!!!」
「俺の脱いだ帷子(かたびら)をチュウチュウ吸ったり匂いを嗅いだり、声出さないように噛んで声を抑えててもなぁ…解るんだよ。何せ俺は『氣』を読める高位の『サムライ』だからなぁ…』
「そんな…そんな…嘘…嘘…」
「寝てたのに、か? …俺の口癖、覚えてるか? 」
「常、在、戦、じょおっ! み、耳はもういやぁ! 」
耳に息を吹き込むのをやめ、今度は尖った耳の先を甘噛みしたり、耳全体を嘗め回したりして反応を楽しむ。ふるふると震えながらそそり起つ、勃起した陰核を確認するのも忘れない。
俺に見られている事が解かると、潮まで飛ばしてくれる。可愛いウサギちゃんだ。ただしあんまり苛めすぎると、クリティカルヒットを飛ばす危険が濃厚な『ボーバルバニー』なのだが。
「耳が嫌ならどうして欲しいのですか? 『我が君』」
「…っ」
「ほう? 胸乳を揉めと仰せらるるか。さてもさても好色なことよ…」
「嫌…か? 」
シミアの頬を赤らめた破壊力抜群の上目遣いに、俺は言葉を失った。エルフにしては大きいが、人間にしては『やや大きめ』の、俺の手に丁度収まる胸乳を、掌全体を使ってやわやわと揉みほぐす。
冒険者に為る前の、12歳の頃に読まされた『指南書』の内容を思い出す。『それ女性の胸乳を玩弄するは田夫野人の行為であり、徒に揉む事慎むべく候。昂ぶり激しく房事を楽しむには向かず』。
だから厳禁なのだが、これは『主君の求め』であるからして、敢えて従わぬ方向で行く。芯に固さが残っているから、シミアの胸は多分まだ『発展途上』だ。…早死にしてもいいから俺が育てたい。
「声を上げてよろしゅうございますぞ『我が君』? 余人は誰も居りませぬ故(ゆえ)」
「もう…! 普通に…話せ…ジョウぅん! 」
「これはしたり。…解かったよ御姫様。…ちゃんと普通にやるさ」
「だめぇ…ふつうじゃなくて…妾だけの…やさしいのを…して」
シミアのその一言が、今まで怪物に食らったどんな一撃よりも、身体に響いた。恥じらうシミアの媚態が視覚から脳髄を揺さぶり、際限無い羞恥に震える、鈴振る様な美声が聴覚から心の臓を直撃する。
恥じらう姿が似合うのは国元の女性のみと思っていた自分の浅慮を思うさま詰問したい心境に駆られるが、今はシミアの『乙女』を捧げられて居る身! それがしの全身全霊を以って応えねば為らぬのだ!
胸を揉みながら、俺はまた女陰へと顔を近づける。見られていることに興奮しているのか、白く粘度の高い液体が、滾々(こんこん)と泉のようにシミアの『薔薇』から湧き出ていた。時折透明な汁が
俺の顔に掛かる。…これなら、イケる。ただ…問題は…!
「痛いなら、痛いと正直に云えよ、シミア? …悪くすると裂けるかも知れん」
「平気だ…ちゃんと…たしかめた…から…」
「…そうだったな。済まんな、こんな馬小屋で」
「うううん…ここは妾とジョウが一緒に過ごした大切な場所…ここが一番いい…」
「じゃあ、往くぞ、シミア…」
シミアの脚を閉じさせたまま、俺はシミアを跨ぐようにしてゆっくりと肉槍の挿入を開始する。シミアはじっと息を荒くして、見入っている。肉槍の先が、シミアの陰列に触れた時、ビクッと1回だけ
シミアは身を固くする。先の尖った長い耳も、ピンと緊張に立っている。…脅えさせて、済まないな。心の底からそう思った。亀頭が熱い液体に包まれた。直接粘膜でシミアの体温を感じていることに
俺は興奮する。切なげに眉をひそめているシミアの唇を求め、シミアの両手を取り、しっかりと握り合わせる。女性にしてみれば、一生に一度しかない大切な一時だ。…カイの時は無茶苦茶に乱暴にして
泣き喚かせてしまったが、あれは天に換わって生意気娘に仕置きをしたまでだ。唇を離したシミアが目で咎めて来た。…肌を合わせていれば、他の女の事を考えていたと解かるのだろう。俺は謝罪の意味を
込めてシミアの唇を荒々しく奪う。シミアもすぐに応えて来る。…シミアは許してくれたのだ。そして俺は…そのまま腰を進め、自慢の『銘刀:ジョウ』でシミアの『城門』を無慈悲かつ無造作に押し破った。
そのまま俺は涌き上がる征服欲と嗜虐欲、快感に耐えた。もうシミアは『領地の御姫様』では無い。俺のたった一人の、大切な『我が君主(マイロード)』となったのだ。『サムライ』として、漢として
宣言しよう。俺の命に替えても、シミア、おまえを守り通そう。…嗚呼、ご先祖よ、願わくば我が最高の武勲を照覧あれ! そして我が誓いを聞き届けん事を!