横の床には、まるで屍のように力なく手足を投げ出して、エルフ司教が転がっている。
口、陰門、肛門の三つの穴からは、濃さを示すかの如くに黄色く、そして粘度の高い白濁液を垂れ流している。
望み通り、壊れるまで犯してやった結果だ。
顔にはうっすらと笑みが浮かんでおり、火照った身体全体で交わりの余韻を味わっているかのようだった。
その少し離れた所に、ノーム君主の屍が安置されている。
安物の鎧を纏った矮躯の胸部が真紅に染まっており、それが死因だったことがわかる。
それにしてもホビットのくノ一といい、このノーム君主といい、
どうにも職業選択を間違えているような者ばかりが集まったパーティだった。
もう私の奴隷に転職を終えたのだから、前職の適性などどうでもよい話だったが。
私が注ぎ、浴びせかけた精液を奪い合うように絡み合うドワーフ侍とホビットくノ一を尻目に、
私は横たえた君主の屍に向かい合った。
ホビットよりは身体が大きいが、所詮は小人だった。
大した違いはない。体格的にはようやく少女といったところだ。
それでも幼い少女とは違い、やや貧相とはいえ、年頃の娘をそのまま縮小したような身体つきだった。
私は蘇生を開始した。今度は服は脱がさないでおく。
蘇生は問題なく終了した。私がしくじるはずがなかった。
「……あれ……ここは……」
生き返った直後と言うよりは寝起きのような態度で上半身を起こし、君主は周囲を見回した。
「あ……!」
私と目が合った。
状況が飲み込めていない薄ぼんやりとした瞳に、次第に理性の色が戻り始めた。
顔が紅潮し、目線が周囲を彷徨い始めたが、
その向けられる中心は、言うまでもないことだが、私の股間、新たな雌を見つけて猛る陰茎があった。
好奇心と羞恥心が入り混じった視線を、ちらちらと私の股間に向けている。
「蘇生は成功したようだな」
「あ、貴方は……?」
顔を逸らすようにして落ち着きなく私の股間を盗み見ながら、君主が問いかけてきた。
「私はお前と同じく、唯一にして絶対の神に仕える僧侶だ」
「そ、そうなんですか……僧侶様でしたか……
あの、貴方が……助けてくださったんですか?」
私はそれを肯定した。
「そうだ。全滅寸前であったお前達を救ったのは私だ。見よ」
私は床で絡み合い、互いの股間に顔を埋め合って様々な体液を啜り合っている、くノ一と侍を示し、
だらしなく横たわって快楽の余韻に浸る司教を指した。
「なっ、あっ……な、一体、な、何を……?」
驚愕と困惑の面持ちで私を見つめてきた。
どうやら、私が奴隷達を犯したという推論には至らなかったらしい。
「奴らは私のものとなった」
「貴方の……もの?」
「そうだ。私のものだ。私に対して脚を開き、私の女となったのだ。
嘘だと思うのならば奴らに訊いてみるがよい」
私は奴隷達を呼び寄せ、君主の前に並ばせた。
無論、エルフ司教にも容赦はしなかった。
ホビットくノ一とドワーフ侍に両側から支えられ、よろめきながら立っている。
「お前達は今、幸せか?お前達の望みは何だ?お前達は何のために生きている?」
君主が問いかける様子がないので、代わりに私が問いかけた。
「私達、とっても幸せです。一杯、一杯、ご主人様に可愛がっていただいて……
私の望みはご主人様に死ぬまで可愛がっていただくことで、そのためだけに生きています」
ドワーフ侍の唾液に矮躯を濡れ光らせ、股間からは愛液を滴らせたまま、
ホビットくノ一が微笑んだ。
「私も……幸せだよ。私は、このやらしい身体を……
ご主人様に沢山いじめて欲しいです。一杯いじめて欲しい……です。
私は、ご主人様にやらしい身体を……やらしい身体を楽しんで貰うために生きてます」
豊かな胸と尻に唇による鬱血と歯型を残したまま、
同じく愛液を滴らせながら、ドワーフ侍が恥ずかしげに告げた。
「わ……私も、ご、ご主人様に犯して貰って、し、幸せよ。ま、まだまだ全然足りないわ。
もっともっと犯してくれないと……もう、私はそのためだけに生きてるんだから……」
白濁液に塗れ、生臭い雄と雌の臭気を漂わせ、股間からは愛液と精液を床に滴らせながら、エルフ司教が誇らしげに語った。
自らの言葉に興奮したのか、滴る愛液の量が増した。
「え、あ、ちょ、ちょっと待って……え、そんな……」
三人に――中でも生々しい凌辱の跡をその身に残した司教に――対し、
ノーム君主は驚きの表情を浮かべた。
「そうだよ、ご主人様のでかくて硬いので……たっぷりと」
言って、侍が私の股間に欲情に満ちた視線を向けてきた。
許可さえ出せば、すぐさまむしゃぶりついてくるに違いなく、
よくよく見れば肉感的な唇の間からは挑発的に舌先が覗いていた。
「とっても美味しくて、気持ちいいんですよ」
くノ一が、奉仕は自分に任せろとでも言いたげに舌先を見せ、扇情的な視線を向けてきた。
「あ、あの……で、でも……」
君主は軽い恐慌状態に陥っているようだった。
淫蕩なかつての仲間達に視線を送り、目のやり場に困ったように視線を逸らし、
そそり立った私の陰茎を盗み見て、また
羞恥の面持ちで目を逸らしてはかつての仲間達に視線を送り、という行動を、ひたすらに繰り返し続けている。
「お前も私のものだ」
「え、ええっ!?」
私の言葉に君主は驚愕の表情を浮かべたが、すぐに我に返った。震える声で言った。
「わ、私も貴方のものなんですか?」
私の顔と股間とに交互に視線を送る様は、まるで水飲み鳥のようだった。
「そうだ。私はお前の仲間達を蘇生させてやり、お前も蘇生させてやった。
それもこれも、お前達を我がものとするためだ」
「し、しかし……」
「お前の仲間達は全員とも私の性奴隷として生きることを望み、
私への負債を支払おうとしている。お前だけがそれから逃れるつもりか?」
君主は沈黙し、俯いた。だが承諾の言葉はない。
この時点で、力ずくでものにしてしまうのは簡単だ。しかし、それではあまりにも芸がない。
また、この娘を支配するに当たって有効とは思えない。
私はノームという種族と君主という職業が持つ特性を利用することにした。
「しかもお前は君主であろう。聖職者に対して敬意を払い、
その言葉に神への信仰を持って従うのが道というものであろう。
また、この世の全ては神の思し召しである。
私がお前達を我がものにしようとして願ったカドルトの奇跡を、
神が惜しげもなくお与えになられたことは、
即ち、お前達が我がものとなることを、神がお許しになったということだ。
お前は神の御意志に逆らうと言うのか」
「それは……」
君主は再び沈黙した。八方塞の状況に苦悩しているのだ。
ノームという種族は、誰もが例外なく篤い信仰心を持ち、聖職者に対しては絶大な敬意と信頼を寄せる。
君主という職業は、ありとあらゆる種族の中でも、
特に武勇に秀で、信仰心に篤い、選ばれた者だけしか就くことのできない、
多くの冒険者、そして冒険者を目指す若者達の憧れの的、畏敬の対象となっている。
ノームで君主ともなれば、「神」の名を出されて抗えるはずもない。
しかし追い詰めてしまっては、本当の意味で支配することはできない。
逃げ場をなくしてから手篭めにし、快楽の虜としても、
心の奥底では「神の御心に従っただけである」という意志が残る。
それでは「神の奴隷」であって「私の奴隷」ではない。
よって、あくまでも「神の意志」ではなく「自らの意志」で堕ちるように仕向けなければならない。
だから私は、絶対に通ることのできない、見せ掛けだけの逃げ道を用意してやることにした。
「安心するがよい。神は慈悲深い。
神はお許しになるだけであり、しかもそれとて決定ではない。
お前が拒むのであれば、神はそれを快くお許しになることであろう。
しかし、その神の寛大さにただ甘えるが如きは、聖職にある者として慎まねばならない」
あくまでも聖職者としての気構えを説くようにして、ゆっくりと、言葉の網で君主を捕らえていく。
私はかつて地獄に送り返した悪魔から、「悪魔以上に悪魔のような坊主め」という罵りを受けたことがあるが、
確かにその通りかもしれなかった。
「ゆえに、お前の、奴隷となるのは嫌だという心情と、
私の、お前を奴隷としたいという心情の双方を鑑み、双方ともが妥協すべきであろう」
「それは、一体どのような……?」
君主は不安げに私の顔を見上げてきた。
「まず一度、私がお前を犯す」
「それでは同じではありませんか!」
「落ち着いて最後まで聞け。
その後はお前の自由だ。私がお前を一度犯した後は、去るも留まるもお前の自由とする。
つまりは、一度、試しに私に抱かれてからどうするかを決めろと言っているのだ。
望むのであれば奴隷となればよく、望まないのであればそのまま去ればよい。それが私が妥協できる最大限だ」
もっとも、一度でも犯すことができれば快楽の虜とするのは容易い。
これはそもそも全く不公正な話だった。
君主には知る由もないことだが、承諾した瞬間に全てが決まる。
また、これは当然気づいて然るべきことだが、
一度であっても男に身を穢されるということに変わりはない。
「それはつまり……一度、その、貴方の相手をすれば……
それで神が全てお許しくださるということですか?」
「そうだ」
しかし、ノーム君主はそういったことには気づかない。
神への純粋な信仰を持つ者は、その多くが信仰心に比例して思考法が単純になる傾向にある。
神の名を持ち出されると、拒絶よりも受容の方向に考えを向けてしまうのだ。
しばらく悩んでいた様子の君主は、やがて意を決したように頷いた。
「わ、わかりました。い、一度だけですよ。それで終わりです。
私は絶対に奴隷にはなりませんから……」
この瞬間、ノーム君主は一個の独立した個人としての権利を放棄し、
際限のない淫楽の地獄に堕ちることが決定した。
「それは終わってから改めて聞こう。では脱げ。すぐにでも始めるぞ」
「え……わ、わかりました……あの、あちらを向いていただけませんか」
鎧と法衣に手をかけたところで、君主は動きを停めた。まだ何もしていない
のだから当然だが、羞恥心を人並みに持っているらしい。
「駄目だ。隠すことは罷りならん。全てを私に晒せ。神もそれをお許しになった。
だからこそ、こうして私とお前が対面しているのだ」
「……か、神の御意志ならば……」
真面目極まる善良な信者には、神という言葉が覿面に効果を発揮する。
その効果と言ったら、敬虔な修道女や将来の夫のために純潔を守り続ける純朴な村娘に自発的に脚を開かせるほどだ。
未熟な君主如きが抗えるものではない。
君主は、明らかに着慣れていないことがわかるたどたどしい動きで鎧を脱ぎ捨て、
法衣に手をかけたところで動きを停めた。やはり羞恥心が勝るのだろう。
しかし、ゆっくりとではあったが、君主は法衣の紐を解き始め、扇情的な
衣擦れの音を立てながら、白い肌を露わにしていった。
幼女のように柔らかそうな肌に対して不釣合いな発達――所詮は少女の範疇を出ないが――をした身体が空気に晒された。
君主は腕で胸を隠し、掌で股間を隠し、頬を紅潮させ、羞恥に身を震わせて立っている。
「よし」
「ひっ……」
私が頷くと、君主が身を竦ませ、縮こまった。
覚悟を決めたようなことを言ってはいたが、やはり口先だけだったようだ。
「安心しろ。まだお前には触れない。お前はまず、学ばねばならない」
「学ぶ……?」
「そうだ。今から奴隷達が手本を見せる。お前はそれを見て学び、実践するのだ」
「て、手本ですか?」
「そうだ。お前達。許す」
私の陰茎に潤んだ瞳を向け、愛液を滴らせ、
欲情に全身を紅潮させて命令を待っている奴隷達に、私は極めて簡潔な命令を与えた。
そして、仁王立ちのまま、奴隷達が一目散に飛び掛ってくるのを待った。
「私が舐めるんです!」
最も俊敏なのは、やはりホビットくノ一だった。
他の二人の間を擦り抜け、真っ先に私の陰茎にむしゃぶりついた。
「はぁ……おいしいですぅ……」
小さな両手で幹の部分を握り、小さな口で亀頭を頬張り、涎を零して吸い付いてきた。
忍者らしく、的確に性感帯を責める舌先に、私は思わず吐息を漏らした。
「あ、ず、狡い!私だって……な、舐めたいのに!」
先を越された形になったエルフ司教は地団駄を踏んだが、すぐに立ち直り、
私の下半身に縋りつくようにして股間に顔を埋め、
これから排出する予定の精液に満ちて膨らんだ陰嚢と血管を浮かせて震える幹とに舌を這わせ始めた。
「おっきい……一杯詰まってる……」
陰茎に舌を這わせつつ、陰嚢の重さを確かめるように下から手を添えて揉みほぐしている。
快感として認識するにはあまりにも微弱な刺激に、私は焦らされているようなもどかしい快感を覚えた。
「ご、ご主人様……わ、私も使ってください!」
最も鈍重なドワーフ侍は無論出遅れ、私に縋りつこうとした時には陰茎も陰嚢も他の二名がもう独占していた。
侍は私に泣きついた。
私は司教とくノ一の身体を少しずらして隙間を作り、侍の場所を作ってやった。
亀頭を口に含んで急所を責め立てるくノ一を挟んで、
右に幹を唇と舌で、淫魔の如くいやらしい表情で愛撫する司教、
左に陰嚢を揉みほぐすように愛撫しながら淫蕩に舐り回す侍という配置になった。
視線を向けてみれば、それぞれの肌は欲情に火照り、乳首は膨らみ、陰門からは愛液が滴り落ちていた。
圧倒されたように立ち尽くす君主に、私は静かに告げた。
「よく見ていろ。この者達のやるように、お前もやるのだ」
「は、はい……」
見たくもあり見たくもないといった面持ちで躊躇いがちに、しかしそれでいて
しっかりと、君主は奴隷達の手指、舌先、唇の動きを凝視していた。興奮に頬を
上気させ、もどかしげに股間を擦り合わせている。
私はそれを見て満足した。君主が堕ちるのは時間の問題だ。
奴隷達の奉仕は続いた。
粘液質な音を立てて三人が顔を動かす都度、陰茎と陰嚢から悪寒にも似た快楽が駆け上ってきた。
くノ一が小さな舌先で先端を穿り、小さな歯を食い込ませて甘噛みしてくるたびに呻き声を上げ、
司教が滑らかな唇で幹に吸い付き、指を絡ませるたびに身震いし、
侍が肉厚の唇で陰嚢に圧力をかけ、舌先で転がすたびに吐息を漏らした。
私は両の足から力が抜けてしまいそうな快感に耐え続けたが、長くは持たなかった。
散々に犯してやった成果か奴隷達の技巧は飛躍的に向上しており、三人がかりの責めに、私はあっさりと屈した。
巧みに連携した三箇所への愛撫によって制御不能な熱が下腹部に生まれ、私は絶頂に達した。
くノ一は迸る白濁液を全て受け止めようとしたようだが、小さな口では果たせず、
口の端から涎のように精液を零し、咳き込むようにして口を離した。侍と司教が
嬌声を上げ、精液を噴き出す先端に顔を寄せ、争うようにして口で受け止め始めた。
痙攣して精液を吐き出す陰茎の先端に、三人の奴隷が我先にと群がり、
一滴でも多く飲み干そうとでも言うかのように唇を押し当て、舌を絡め、口と言わず顔と言わず、
身体のどこかに浴びせかけられるたびに恍惚とした表情を浮かべた。
私が深い満足感と共に射精を終えても、奴隷達の痴態は終わらなかった。
三人は代わる代わる先端を銜え、残りを吸い出そうと試み、残りの二人は、
陰茎に吸い付く一人の身体に付着した精液を淫らな舌遣いで舐め取り続けた。
視線を転じれば、泣きそうな顔をした君主が、切なげに両腿を擦り合わせていた。
私は君主に向かって手招きをした。
「この通りにやってみせろ」
私は、快楽に腰砕けとなっていたため、床に腰を下ろして胡坐を掻き、
君主が奉仕を始めるのを待った。
「わ……わかり、ました……」
君主は私の陰茎に目を向けてはすぐに逸らすといったことを繰り返して
逡巡を続けていたが、遂に意を決し、羞恥に身を震わせながら近づいてきた。
「四つん這いになって奉仕しろ。獣が食餌を貪るようにだ」
「……はい」
私の言葉に従い、君主はおずおずと床に手を突き、獣の姿勢を取った。
無防備な肛門や陰門を背後に晒すのを気にしたのか、脚をしっかりと閉じているため、非常にぎこちない動きだった。
そして、最後の逡巡と言うべきか、そそり立った陰茎の前に顔を持ってきたところで動きを停めた。
「どうした。早く奉仕を始めろ」
しかし君主は動こうとしない。蛇に睨まれた蛙のように凍り付いている。
奴隷達の唾液が纏わりついた、生々しい臭気を漂わせる陰茎に竦み上がっている。
「これは神の御意志でもあるのだぞ」
「う……い、今しますから……!」
硬く瞑った双眸から涙を零し、君主は恐る恐るといった風に陰茎に手を添え、
口を近づけ、申し訳程度に唇をつけた。
敬虔な君主であることから想像するに、
これまでにいかなる男にも与えられたことのなかった唇が、醜悪な陰茎に与えられた瞬間だった。
私は邪悪な歓喜が心中に生まれるのを感じた。
それは肉体的な快楽としては大したものではなかったが、精神的には非常な快楽だった。
「それだけか。お前は奴隷達のすることを見ていなかったのか」
だが私は満足することなく、その先の行為を命じた。
ただ唇を汚しただけでこの快感ならば、
舌や口内を汚し、胎内を汚したならば、どれだけの快楽を得られるのだろうかと舌なめずりをしながら、
君主の小さな頭を押さえつけ、顔を陰茎に押し付けた。力任せに何度も顔面に擦り付けた。
「ひ……やぁ……わ、わかってます……やります、やりますからぁ……!」
君主は悲鳴を上げながらも、口を開け、自発的に舌先を使い始めた。
顔を顰め、涙を流して、小さな舌先で躊躇いがちに、筋に沿って幹を舐め上げ、唇で亀頭を刺激してきた。
嫌々ながらであるのが明白な、たどたどしい上におざなりな奉仕ではあったが、
その吐き気を堪えるような苦悶の表情がまた欲情をそそった。
時折、視線が合うと、慈悲を乞うような目を向けてくるところもよかった。
そのたびに陰茎が脈動し、跳ね上がっては君主の白い頬に赤黒い亀頭を擦り付けた。
「袋の方を疎かにするな」
私の言葉にびくりと震えて手を止めたが、先ほど頭を押さえつけてやったことが効いたのか、すぐに奉仕を再開した。
君主はおずおずとした手つきで陰嚢に触れ、見様見真似の拙い手つきで揉み、転がし始めた。
先ほどの三人がかりの責めに比べれば、羽毛が触れた程度の快感もなかったが、
視覚的にはそれを補って余りある快楽があった。
「手だけではなく口も使え」
君主はほとんど躊躇うことなく顔を動かし、陰嚢に唇を押し当てた。
これから吐き出す予定のものに満ちて膨らんだ袋を、啄ばむように愛撫し、舌先を這わせてきた。
陰茎に対するそれよりも余程思い切りのいい奉仕だったが、
やはり生々しい交わりの痕跡を留めた陰茎よりは抵抗が少ないのかもしれない。
それから数分ほどの間、陰茎と陰嚢を交互に舐めさせた後、私はやめるように言った。
「舐めるのはそれくらいでよい」
私の言葉を都合のよいように受け取ったものか、君主は顔を上げて安堵の表情を浮かべた。
しかし、次に私が出した命令によって、表情は正反対のものとなった。
「次は銜えろ」
絶望と嫌悪の表情を浮かべた君主の眼前に、拙い愛撫で欲求不満を訴え、ますます猛り狂う陰茎を突き出した。
君主は顔を背けようとしたが、頭に手を添えて押さえつける気配を見せると素直になった。
「見ていただろう。あのようにして口に含み、舌と唇を使って奉仕するのだ」
硬く引き結ばれた唇に、先走りの液と唾液に濡れ光って悪臭を放つ、赤黒い亀頭を押し付け、その感触を堪能した。
引き結ばれた唇の隙間に押し入ろうとしては締め出される過程が、啄ばまれているような感触となって快感となった。
「そろそろ口を開けろ。強引に押し込んでもいいのだぞ」
「わ、わかりました、銜えます、銜えますから……!」
後頭部と顎に手を添えながらのこの言葉の効果は覿面だった。
君主は怯えの表情を浮かべ、磔刑台への道程を歩む殉教者のような仕草で顔を陰茎に近づけ、
双眸を固く瞑って口を開け、先端部分を口に含んだ。
散々に舐め回しても、決してその味に慣れることができなかったのだろう、
君主は瞑った目から涙を零し、吐き気を堪えるような呻き声を上げながら必死に先端を銜え込み、精一杯に舌を使っていた。
技巧も何もあったものではなかった。
女の力で噛み付かれても快感にしかならないほどに鍛えられた陰茎を持つ私でなければ、
無遠慮に突き刺さる歯の刺激に苦痛すら感じていたことだろう。
「そのまましばらく口の中で転がしていろ」
頭に軽く手を乗せると怯えたように硬直したが、そのまま何もしないでいたところ、
ひとまず安堵したようで、すぐに口での奉仕に戻った。
「お前達。準備をしておけ」
私は互いに身体を絡めて欲情を高め合い、また鎮め合ってもいる奴隷達に
指示を出した。特に明言しなくとも、頭の動きに合わせて小さく動く、
君主の白い尻を指差せば、それで通じるだろうと考えたからだ。
そしてその考えは的中した。欲情に瞳を曇らせた奴隷達は、忠実であればより多くの
褒美を得られるとでも考えたのか、我先にと君主の尻に手を伸ばし、顔を寄せた。
「君主さんのお尻の穴、綺麗ですね」
ホビットくノ一が尻たぶを割り開いて、こちらからでは見えない肛門を空気に晒した。
「な、何を……んぁっ、ぷぁ……」
君主が予想外の刺激に驚いて身を起こそうとしたが、私はそれを押さえつけた。
少し強めに押し込んだせいか、更に深く口内に陰茎が押し入った。
「おまんこもぴっちり閉じてるわね。でも、もうトロトロだわ」
エルフ司教が閉じられた太腿を割り開いて覗き込み、陰門の様子を観察した。
「本当だ。もうやらしい匂いがしてる」
ドワーフ侍がそこに加わり、聞こえよがしに鼻を鳴らして匂いを嗅いだ。
三人の奴隷達が何事かをするたびに、ノーム君主の矮躯が震えた。
逃れようと暴れたが、私が頭を押さえつけていてそれを支えるために手の自由が利かず、
奴隷達が座り込むようにして押さえつけていて脚の自由が利かなかったため、不発に終わった。
それから先は凄まじいものだった。
三人の奴隷が突き出された小さな尻に顔を埋め、股間に手を差し込み、
無秩序なようでいて綿密な連携に基づいた愛撫を加え続けたのだ。
くノ一の精確な指先が陰核を絶妙に刺激し、侍の肉厚の舌先が小さな肛門を穿り、
司教とくノ一が絡み合わせた舌先が陰門を舐め回した。
初めの内、君主は嫌悪感を堪えるように震えていたが、
股間と肛門の辺りから響いてくる水音が大きくなるにつれて、次第に瞳に官能の色を宿すようになった。
いつしか私の陰茎につけていた口を離し、半ば突っ伏すようにして脱力し、
かつての仲間達の指と舌によって与えられる緩やかな刺激に、
微温湯に浸かってでもいるかのように恍惚とした表情を浮かべ、だらしのない吐息を漏らしていた。
尻と股間に、まるで餌を貪る犬のように顔を埋めた奴隷達が顔を動かし、
粘液質な水音を立てるたびに、君主の身体が痙攣し、押し殺したような嬌声が漏れた。
「ご主人様、もうよろしいんじゃないですか?」
恍惚として愛液と涎を滴らせる君主の尻から顔を離し、くノ一が私に視線を向けてきた。
「そうだな。頃合だろう。もう奉仕はよいぞ」
私は奴隷達から君主への愛撫をやめさせた。
君主は残念そうな表情を浮かべ、不満そうな声を上げたが、すぐに我に返ったのか、羞恥に頬を染めて俯いた。
まだ心は折れていないようだが、床に出来た生々しい水溜りが、肉体が素直な反応を示している何よりの証拠だった。
腰砕けとなった様子の君主を、奴隷達に命じて立ち上がらせ、一方、私は仰向けに横たわり、静かに告げた。
「ここからが本番だ。さあ、自ら導き入れて、自ら女となれ」
私は大の字になり、欲情によって破裂しそうなまでにいきり立ち、
滴る先走りで根元までを濡れ光らせた陰茎を突き出し、跨るように促した。