君主の骸に歩み寄った〈西風〉は、無造作に下半身を覆う衣装のみを剥ぎ取った。
この〈西風〉は突き入れる穴さえあればいいという、実用本位の男だった。
露わにされた長く細い脚を掴んで左右に開き、その奥に隠された秘所へと視線を注ぐ。
髪と同色の薄い陰毛によって飾り立てられたそこは濡れていた。
無論、愛液などではない。肉体が機能停止したことによって筋肉が弛緩し、漏れ出た尿である。
「うむ」
〈西風〉はそれを気にした風も見せずに割り開いた脚の間に跪くと、横に控えていた〈下忍〉の一人から
潤滑油を受け取り、高々と屹立して先走りを零す逞しい男根に塗りつけた。
力が抜けて緩く開いた入り口へと油によって艶々と光る男根を押し付け、ゆっくりと押し込み始める。
早くも体温が抜け始めているもののまだ温かい独特の熱と、弛緩し切った筋肉を押し広げる
独特の感触を愉しみながら、最奥へと男根を埋め込んでいく。
鎧に包まれた両肩に手を突いて、まるで肉食獣が人間を襲っているような体勢で覆い被さった。
そのまま、犬のような吐息を漏らして腰を前後させ始める。潤滑油が立てる湿った音と、肉がぶつかる鈍い音だけが響く。
「うぅっ……!」
しばらくの間腰を動かすとくぐもった吐息を漏らして〈西風〉は達し、生暖かい胎内へとその精を放った。
思う様に精を放って脱力した男根を引き抜くと、痛々しく口を開けた入り口から白濁した液が滴った。
「よし」
男根を布で拭いながらの〈西風〉の言葉に対する〈竜〉や〈下忍〉達の反応は素早かった。
即座に歩み寄ると寄って集って衣装を引き剥がしにかかり、露わになった小ぶりな胸を舐める者、
先ほど精を出されたばかりの秘所を貫く者、強引に身体を捻じ曲げて肛門を愉しむ者といった具合に、
それぞれが思い思いに君主の屍を愉しんでいる。
* * *
侍の骸に歩み寄った〈西風〉は君主を選んだ〈西風〉以上に実用本位の男であり、彼が剥ぎ取ったのは
尻から股間にかけてを覆う衣服だけだった。人間よりも肉が薄く、エルフよりも肉付きのいい尻が露わになる。
その〈西風〉は屍が多少傷つこうとお構いなしといった態度で無造作に侍の身体を引っくり返した。
「うむ」
背後に控えていた〈下忍〉から潤滑油の入った瓶を受け取ると、それをそそり立った男根にではなく、
侍の尻の谷間へと垂らし、緩んだ肛門をこれ以上開いてしまわないよう注意しつつ、入り口を濡らす程度に塗り込んだ。
心持ち脚を開かせた状態の侍の骸に覆い被さり、長さに不似合いな太い幹を持つ男根をゆっくりと捻じ込んでいく。
弛緩し切った肛門に亀頭がめり込み、押し広げていき、太すぎる幹が括約筋が引き裂いていく感触を愉しむ。
もともとの幹が太いため、弛緩し切ったその穴でも充分な締め付けを愉しむことができるその〈西風〉は、
羽交い絞めにするように覆い被さると腰を深く沈めてしばらくその感触を楽しみ、挿入時と同じ速度で
ゆっくりと腰を浮かせていき、幹の半ばまでを引き抜いてからまた腰を沈めていく。
聞こえてくるのは〈西風〉の荒い息遣いだけという静かな凌辱だった。
「……!」
静かな凌辱は、やはり静かな吐息と共に終わった。腰の辺りを痙攣させて、〈西風〉が精を注ぎ込む。
男根を引き抜くと、その幹の太さに拡張されてぽっかりと口を開けた肛門から、茶色がかった白濁液が零れた。
「こちらは使ってもよい」
一度出した程度では静まらない男根を秘所に突き立てながら、〈西風〉が部下達に侍の尻を向けた。
無言で進み出た〈竜〉が下半身の装束を脱ぎ捨てて、〈西風〉の男根の形に口を開け、
精液でぬめるそこに男根を突き立てた。
* * *
魔術師を選んだ〈西風〉は実用本位の男であると同時に、取り分け残虐な男でもあった。
〈西風〉は、人間の幼児程度の大きさの魔術師の身体を、まるで人形やぬいぐるみを扱うような無造作さで
持ち上げると、筋肉が弛緩したことで滲み出た尿に濡れるレオタード状の衣装の股間部分に指をかけ、引き千切った。
「うむ」
微かに湿った小さな秘所を確認して満足げに頷くと、〈西風〉は〈下忍〉が差し出した潤滑油を指につけ、
その小さな秘所に塗り込み始めた。入り口を撫でるように数度塗りつけると、そのまま指の角度を変えて、
比率から言えばフェアリーの平均的な男根にも匹敵する指を二本、無造作に押し込んだ。
秘所の入り口が引き伸ばされ、あちらこちらが裂けて血を滲ませていることに頓着せず、
外から見ても内部で何かが蠢いていることがわかるほどの激しさで胎内を掻き混ぜていく。
明らかに内臓や子宮を傷つけるに違いない弄り方だが、屍は何も言わず、何も感じない。
拡張された入り口から血が滴り始める頃、ようやく〈西風〉の指が抜かれた。
血混じりの淀んだ体液が纏わりついた指を美味そうに舐めた〈西風〉は大きな手で魔術師の細い胴を掴み、
嗜虐心に満ちた表情で明らかに大きさの合わない秘所に男根を押し当て、貫いた。
長さは身長の半分ほども、太さは腿と同じかそれ以上もある男根を無理なく受け入れられるはずもなく、
指による蹂躙で所々から血を滲ませていた入り口の皮膚は伸び切り、
そのあちらこちらの傷口が更に深く大きなものとなって微量の血を滴らせ、
次代の生命を育む神聖な場所である小さな子宮までを蹂躙されている下腹部は痛々しいまでに膨らみ、
〈西風〉の腰の律動に合わせて湿った音を立てて掻き混ぜられる。
〈西風〉の動きはまさに蹂躙といった様相であり、一切の配慮の存在しない凌辱は、
魔術師の屍を子供が人形を振り回しているかのような激しさで揺さぶっている。
投げ出された手足とだらりと伸びた首が上下左右ちぐはぐに振り回され、死者としての存在感を強調する。
「ぬっ、うぅっ……!」
心臓が停止して血流も存在していないにも関わらず、下半身が赤く染まるほどの出血を強いる激しい動きを続けていた〈西風〉の動きも遂に停まった。
くぐもった叫びと共に腰を突き出して男根をより一層深くまで、まるで子宮を破壊するように捻じ入れた。
その状態のまま、全身を痙攣させるようにして傷だらけの胎内に精を吐き出す。
〈西風〉の腰が一度脈動するたびに魔術師の腹が膨れていき、
〈西風〉が満ち足りたような吐息を漏らす頃には妊娠初期のように下腹部が膨れ上がっていた。
〈西風〉が男根を引き抜くとバブリースライムのように泡だった精液が滴り落ち、〈西風〉が膨らんだ腹を掴んで押すと、
激しく振った直後のシャンパンの栓を抜いたかのように精液が噴き出した。
「好きにして構わぬ」
その様子を一頻り愉しんだ〈西風〉は、ゴミを投げ捨てるような手つきで魔術師の骸を〈下忍〉に投げ渡した。
* * *
僧侶を選んだ〈西風〉もまた実用本位の男だったが、着眼点が他の〈西風〉とは違っていた。
彼が引き裂いたのは法衣の胸の部分だけであり、そうして零れ出た巨大な乳房を見て息を荒げているのだ。
〈西風〉は胸だけを露出した僧侶の腹の部分に跨ると、
赤子の頭ほどもある、まだ生前の熱を失っていない乳房を鷲掴みにして、鬱血するほどの力で揉みしだいた。
もともと筋肉で形を維持していたわけでもないため、その揉み応えは生前とほとんど変わるところのないものだった。
「下は好きにしろ」
〈下忍〉から受け取った潤滑油を底の見えない胸の谷間に垂らしながら、〈西風〉は配下達に許可を出した。
その言葉を待ち望んでいたとばかりに〈竜〉の一人が進み出、法衣の下半身を破り捨てると、
僧侶の屍の股間に顔を埋めて長い長い陰毛を掻き分けるようにして舐め始め、潤滑油に頼ることなく秘所の準備を整えた。
筋肉が弛緩して開き切った秘所に男根を押し当て、息を荒げて貫いた。
〈西風〉はその浅ましい獣のような様子に注意を向けることもなく、自分の快楽を追及し始めた。
いきり立った男根をより強く奮い立たせるためか数度扱くと、潤滑油で艶かしく光る肉の谷間に潜り込ませる。
男根が完全に埋没してしまうほどの乳房は、まるで膣に挿入しているかのような肉圧で男根を包み込む。
満足げな表情を浮かべた〈西風〉は、その場に固定するというよりは押し潰すような力を込めて両の乳房を男根に押し付け、腰を前後させる。
腰の動きに合わせて粘液質の音が響く。
力なく投げ出された両脚を抱えて腰を叩きつける〈竜〉の動きで大きく揺れ動く下半身と、
〈西風〉ががっちりと身体を押さえ込んで腰を前後させているせいでほとんど動かない上半身は、
その行為の対象となる存在が死体であるということを周囲に強く印象付ける無機質さを漂わせている。
〈西風〉はなかなか果てなかった。
秘所や肛門を冒涜する〈竜〉や〈下忍〉達が精を注いでは入れ替わる中、この〈西風〉は淡々と男根を扱き立てていた。
「ぬぅ……」
淡々と腰を前後させていた〈西風〉は微かに呻くとその称号通りの素早さで腰を上げ、
僧侶の顔を掴み、力の抜けた口を顎関節を破壊しかねない乱暴さで力任せに開き、
欲望を解き放つ寸前の男根を根元まで捻じ込んだ。喉の辺りが微かに膨らんでいることから、
男根が口内を突き抜けて食道までを真っ直ぐに貫いていることがわかる。
「うっ、うぅっ……!」
食道を貫くのとほぼ同時に〈西風〉の腰が痙攣し、僧侶の口元から白濁した液体が
逆流してくるほどの量を注ぎ込む。
「好きにしろ」
〈西風〉が男根を引き抜くと、生前に分泌された唾液混じりの精液が口の端から垂れ落ちた。
* * *
盗賊の骸に歩み寄った〈西風〉は、他の者達よりも几帳面だった。
手つきそのものは荒々しかったが、やることは他の者達よりも大分徹底しており、また丁寧なものだった。
衣装を破り取るようなことはせず、ベルトを緩め、ボタンを外し、シャツから腕を抜き、ズボンを脱がせ、
まるで弔いの準備を行うかのようにその肌を晒していく。
「うむ」
一糸纏わぬ姿のまま俯せにした盗賊の骸の前に立った〈西風〉は、
男根に潤滑油を塗りたくると盗賊の屍の下に身体を滑り込ませ、小振りな尻を掴み、少女のようなその秘所を貫き、激しく突いた。
体温が大分下がった冷たい身体を突き上げながら、尻たぶを鷲掴みにして割り開き、〈下忍〉達に呼びかける。
「貫け」
その言葉に応えた〈下忍〉が一人進み出て下半身の装束を脱ぎ捨てると、潤滑油を男根に塗り、
割り開かれたことで緩く口を開けた肛門を一息に貫いて、貪るように突き始めた。
小さなホビットの身体が大柄な忍者二人に挟まれ、そのちぐはぐな動きによって、まるで激流に
翻弄される流木のように全身が振り回される。
慎ましく閉じていた秘所からは淀んだ体液が流れ出し、小さな肛門は痛々しく拡張され、
内部に突き込まれた逞しい男根によって胎内と体内が蹂躙されていく。
「くぅっ……」
最初に果てたのは〈下忍〉だった。小さな尻を押し潰すようにして腰を押し付け、痙攣する。
射精中で敏感な状態になっている〈下忍〉に構うことなく〈西風〉が腰を動かしているため、
悪寒に襲われた時のように身を震わせて、とめどなく精を吐き出している。
「くぉっ!」
〈西風〉が達したのは、尻を犯す〈下忍〉が三人目となった時のことだった。
三人目が突き入れ、肛門を破壊するような激しさで腰を律動させた時のことだった。
内壁を隔てて伝わるその刺激が呼び水となったのか、やや高めの声を上げて盗賊の胎内に精を注いだ。
何度か痙攣した後、小刻みに腰を震わせて精を吐き出し続ける。
「……空いたぞ」
湯気の立つ精液に塗れた男根を引き抜いた〈西風〉が呟くと、〈下忍〉達が盗賊の骸に群がった。
* * *
魔術師を除く四つの屍に、それぞれ三人ずつの〈下忍〉が群がっている。
関節が外れる限界まで開かせた口に、筋肉が弛緩し切った秘所に、括約筋が破壊され尽くした肛門に、
いずれの例外もなく逞しい男根を突き立て、それぞれの欲望を追求するように腰を律動させている。
一人が達して精を注ぎ込んで男根を引き抜けば、また別の〈下忍〉が他の男達の精を溢れさせる
それぞれの穴に男根を突き立てる。
魔術師の屍はといえば、一つだけ放置されているというようなこともなく、
残虐趣味の〈西風〉が肛門と秘所の双方を交互に愛でている状況だった。
「頃合だ」
その冒涜的な宴を傍観していた〈西風〉の一人が告げると、途端に情欲を滾らせていた忍者達の動きが停まり、
それぞれが抱えていた屍を離し、仰向けに安置すると、その周囲を囲むように控えた。