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ウィザードリイのエロパロ2
1 :名無しさん@ピンキー:2005/04/25(月) 00:59:41 ID:q2qWWYA/
ワードナ率いるヴァンパイア軍団や、ローグ、オークその他の
歴代シリーズのモンスターにいいようにされる女冒険者達。
プリーステス、ウィッチ、サキュバスなどの女モンスターやNPCをいいようにする冒険者達。
これらの小説を読みたい人、書きたい人は来たれ!

前スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093861447/

2 :名無しさん@ピンキー:2005/04/25(月) 01:01:44 ID:q2qWWYA/
すいません、容量の事忘れてました。


3 :名無しさん@ピンキー:2005/04/25(月) 01:02:12 ID:7RP84xL3
     ,、‐'''''''''ヽ、
   /:::::;;-‐-、:::ヽ             _,,,,,,,_
    l::::::l  _,,、-‐"iiiiiilllllllllllliiiiiiiー-ゞ:::::::::::ヽ,
   ヽ::`/: : : : iiiiiilllll||llllliiiiii: : : :ヽイ~`ヽ:::::::i/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.    /;,..-‐、: : : : : l|l: : : : : : : : : : : : : \ ノ:::::}| やったね! トラトラトラのしまじろうが>>2ゲットだよ!
    /: /: : : : :`.: : : : : : : : :/´ ̄\ : : : : : ヽ:::ノ | みんな、たまにははやくねてみよう! はやおきはさんもんのとくだよ!
.   !: : : :iflllli、: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : :.!  |
   |: : : :llllf l: : : : : : : : : : :.iflllli、: : : : :<iii|  |>1ちゃんへ いいすれっどをたてたね! これからもがんばろう!
   |: : : :|llll |: : : : : : : : : : .llllf l: : : : : : : : :.| |>3ちゃんへ こんどは>>2をとれるようにがんばろう!
   |: : : :.!lllll!' : : : : : : : : : : |llll |: : : : : : : : :i<>4くんへ まじれすしようかどうしようかまよったのかな?
  /: : : : :    ○    : : .!lllll!' : : : : : : : :.i  |>5ちゃんへ おまえみたいなばかはおとなになってもやくにたたないからはやくしのう!
 ̄|: : :"  ,,,,,,,,,,,,,|____    : : : : : : : :.<iii/   |>6くんへ がきのうちはなんでもゆるされるとおもったらおおまちがいだよ!
. /!.:   |:::::/    ̄''''''''l ヽ: : : : :-─/─  |>7ちゃんへ もういいいからしね!
   ヽ   ヽ/        ノ    : : :ヽ/    |>8いこうのみんなへ いつかはしぬんだからはやめにけいけんするのもじんせいだよ!
    \  \,,_    _,,,/     : /\    \____________________________________
      `''‐、、__  ̄ ̄   __,,,、-‐"
.    //:::::/ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ノ::::/\
.  / /:::::/  ` ̄ ̄ ̄/:::::/.  \

4 :名無しさん@ピンキー:2005/04/25(月) 01:07:17 ID:q2qWWYA/
こちらのミスで誘導も出来ず申し訳ない。
勝手ではありますが
前スレに投下していた六話目の後半を投下させて貰います。

5 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:08:26 ID:q2qWWYA/

「さ、三十八!?」
「うん・・・人間の数え方なら三十八歳って言うはず・・・」
思わず脚を止めてメラーニエの顔を見た。
細い髪もあどけない顔も小さな体も高い声だって何もかもが幼さを示している。
なのに、年上・・・さすがはエルフ・・・。
エルフってのはそういうもんだと知ってたはずだがやはり驚かずにいられない。
「年上かよ・・・」
俺はきっとよほど間抜けな顔をしていたに違いない。
呆気にとられた俺の顔を見てメラーニエはくすくすと笑った。
「そうよ、シラン。
 私の方がお姉さんなんだから」
歩きながら色々と話してるうちにすっかり打ち解けたメラーニエは
ちょっと威張ったような仕草を見せてお姉さんぶった。
「そうだったのか・・・。
 じゃあ、俺が先輩ぶって偉そうに色々教えてたのは馬鹿みたいだったんだな。
 滑稽というかなんというか・・・」
「ううん、そんなことない。
 私、ずっと森から出た事無かったし
 街に来たのも迷宮に潜ったのもついこの間が初めてだったから
 シランの言う事はすごく為になるわ」
メラーニエはなにか余裕めいたものすら窺える微笑みを浮べた。
「そうか、まあキスの仕方も知らなかったんだもんな」
「し、知らなかったわけじゃないわ。
 人間のやり方を知らなかっただけよ」
少し赤くなった顔ですましてる姿はどう見たって13・4の女の子だ。
ちょっとエルフマニアと呼ばれる変態どもの気持ちが分かった気がする。

6 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:09:52 ID:q2qWWYA/

「んで、なんで森から出てきたんだ?」
「・・・私、魔法使いになりたいの。
 それも凄い大魔法使いに」
「へー、でもなんでドゥーハンなんだ?
 普通ユグルタ魔法学院とか目指すんじゃ・・」
ん?
何かおかしくないか?
錬金術士のはずだろ?なんで今さら魔法使いになりたがるんだ?
「そうなの?そんなのがあるなんて知らなかった・・・」
んん?
たしかイーリスの話では、こいつ識別ブレスレットを作った錬金術士とか・・・。
そんな高レベルの錬金術士がユグルタを知らない?
「お姉ちゃんだか妹だかも知らなかったのか?
 魔法使いの憧れの地とか言うけどな」
「?私、姉妹とかいないんだけど・・・」
んんん?
たしか双子とか言ってたような・・・
「え、じゃあ閉じ込められてるの誰だ?
 お前のお姉ちゃんだか妹だかじゃないのか?」
「ミリイのこと?・・・親友よ。
 親友だけどミリイはピクシーだし姉妹じゃないと思うわ」
ピクシー?
・・・・・・・・ピクシー!?
「ピクシーって、あれ?・・・お前識別ブレスレット作った錬金術士じゃ・・・」
「?何のこと?」
え、あれ、もしかして・・・え、どういう事?
「イーリスの話じゃ、双子で錬金術士って・・・」
「イーリスさん?誰?」
イーリスを知らない?
つまり、これは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人違い・・・・・・・・・

7 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:10:53 ID:q2qWWYA/

セックス。
・・・セックスが遠のいていく。
俺のセックスが、出来るはずだったセックスが・・・・・・
イーリスとやるの三日ぶりだったのに、楽しみにしてたのに・・・
セックス・・・・・
「・・・・確かにオークの着ぐるみの中に入ってたかなんて訊きもしなかったよ・・・
 けど、普通、こんな所にこんな若いエルフ娘がごろごろしてると思わねーだろ・・・」
「シラン!?どうしたの!?」
ほんの少しの間俺は意識をとばしていたらしい。
気が付くとメラーニエにぶんぶんと頭を揺すられていた。
「あ、ああ、何でもない。
 ちょっとした手違いがあっただけさ・・・」
「手違い?」
「お前の事を知り合いの連れだと思ってたんだ。
 まさかエルフの娘っこがごろごろしてるとは思わなくてな」
はあ、しかしため息が出るぜ。
イーリスの奴意外に固いから理由も無しにさしてくんないだろうなあ。
「人違いだったの・・・?」
不安げな声を出すメラーニエの肩を軽く撫でる。
「いや、お前のせいじゃないし見捨てるような真似はしないさ。
 ちゃんとお前を閉じ込められた相棒の所まで連れてくよ」
だからお礼にやらせてくれ、・・・・ってこれじゃ脅迫か。
せっかく仲良くなってきたのにレイプまがいの事するのはなぁ・・・
「いいの?その人助けないで・・・」
「いいさ、今ならもう迷宮出てるか手遅れだ。
 お前だってここで置いていかれたら困るだろ」
「うん・・・ありがと」
へっ、無邪気に笑いやがって、
そんな嬉しそうにされたら裏切れねえだろ、くそ。

8 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:11:41 ID:q2qWWYA/

くーぅ。
それからしばらく歩いていると空気の動いた音が可愛く響いた。
「腹減ったか?」
「・・・うん、少し・・・」
「じゃあ、なんか食うか?」
俺もちょっと腹減ってきた所だ。
広い廊下みたいな所で見渡していると上手い具合に
のそのそ歩いてるガスドラゴンを見つけた。
「あれ食うか」
「あれって・・・ガスドラゴン!?
 食べられるの!?」
本当、こいつ世間知らずだな。
「食った事ないのか?
 ドラゴン系は大抵美味いぞ。
 ガスドラゴンは腹は毒があって食えないが腕と足は美味い。
 ちっと待ってろ」
呆気にとられた顔してるメラーニエをフリーダに預け剣を抜き
すぐに走っていってガスドラゴンの頭を背後からぶん殴る。
簡単に気絶した所をひっくり返し
腹にダガ―を突きたてるとガスドラゴンは音もなく死んだ。
ドラゴンといってもガスドラゴンは間抜けでとろい最下級のドラゴンだからな。
鱗がちょっと固いのが調理する上でのポイントだ。
こいつは自慢なんだがドラゴンを捌かせたら俺はちょっとしたもんなんだ。
「メラーニエ、クレタ使えるよな?」
名前を呼ばれ、とっとこ走ってくるとメラーニエは顔をしかめた。
「ちっとグロいがまあ我慢しろよっと・・・・よし火をつけてくれ」
切り取った臓物を放り出して、腹の中に切り落とした手足を放り込み火をつける。
ポイントは毒液の入った袋だけ捨てて、ガス袋は取っておく事だ。
(肺の横にある小さな紫色の方が毒、ガスの入ってるのはピンク色の大きい奴)
そうすると簡単に体全体に火がついて死体が焚き木代わりになるって寸法だ。
こうすりゃ手も汚れず簡単に出来るしあとは焼けるのを待つだけってわけ。

9 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:12:50 ID:q2qWWYA/

「よし、もう食えるぞ」
ほかほかと湯気をたてるドラゴンの腕を差し出すと
メラーニエは露骨に困った顔をした。
「ど、どうやって食べるの?」
「こう、脈はかるように手首を持つんだ。
 大丈夫だって、まがりなりにもドラゴンの皮だ、そんなに熱くならない。
 そんで付け根の方から皮を剥いて食うんだよ」
「も、持てないよ・・・」
むう、確かに腕だけでもメラーニエの半分ぐらいの大きさはあるからな。
やっぱ持てないか。
「ちょっと待ってろ・・・よし、来い」
仕方無いのでメラーニエを片手版お姫様抱っこして
目前まで皮まで剥いたドラゴンの腕を運ぶ。
なんか親鳥になったような気分だ。
「熱いから気をつけて食えよ」
はむっとかぶりつくとメラーニエははっふはふ言いながら口を忙しく動かしている。
親鳥の代わりやってやるからその口の中のものをついばませてくれ。
「結構美味いだろ?」
「うん、美味しい!」
うんうん、そうだろう、腕肉なんかは臭みも少なくて食べやすいしな。
それになんといっても俺が調理したんだ、不味いはずがねえ。
「そいつは良かった。
 歩きながら食えるんだし行くか。
 フリーダもう一本腕持ってきて」
「ほれ・・・・・これ、捨てていくの?」
「あとはコボルトや蟲なんかが食って綺麗にしてくれる。
 気にしないでいい」
魔物が住んでる所は大体そんな風な生態系になってるんだ。
だから日々殺し合いが起きてるにも関わらず迷宮は結構綺麗だったりする。
勿論、死体がアンデッド化して動き出す事もあるだろうがね。

10 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:14:04 ID:q2qWWYA/

「しかし、珍しいな。
 エルフってのはあんまり欲が無いっていうか
 金持ちになりたいとか有名になりたいとか言わねえもんだと思ってたが」
メラーニエを見るともぎゅもぎゅと頬を動かしながら、ちょっと待ってと目で訴えている。
「・・・・あのね、シランはヴァルハラって知ってる?
 奇跡を起こすって呪文」
「そりゃまあな、使える奴なんかほとんどいないが名前だけは有名だからな」
俺も実際見た事ないが使える奴は知っている。
そんな奇跡と言うほどの事は出来ないくせにあれが使えるだけで聖者扱いだ。
それほど”奇跡”って言葉にすがりたい奴等が多いんだろうがな。
「私それを覚えたいの。
 それでミリイをエルフにするって約束したし」
ミリイって親友のピクシーだったか?
「・・・悪いがそりゃ無理だろ。
 ヴァルハラでも種族を変える・・はんへへひはい」
・・・当たり前だがどうも食いながらだと喋りづらい。
「ふーふー・・・・うん、分かってる。
 その時はヴァルハラより凄い奇跡を起こす呪文を作るの。
 そういう約束なんだ」
なんだか相当無茶苦茶な事を言い出だしたがどうやらメラーニエは本気らしい。
「かなり無茶な話だが魔法も時々新しいの出来たりするからな。
 ヴァルハラに頼るよりはそっちのがありえるぜ」
「・・・うん!」
野望に満ちた目を輝かせるとメラーニエは思いっきり肉にかぶりついた。
ヴァルハラを越えた奇跡魔法か・・・いいなぁ
もし出来たら世界中の美女が俺に抱かれにやってくる奇跡でもかけて貰いたいぜ。

11 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:14:57 ID:q2qWWYA/

「ねえ、シランの話もしてよ」
腹が一杯になって暇になったのかメラーニエは突然下らない事を言い出した。
「俺?俺の話なんてつまんねえぞ」
「いいから、私にばっかり話させるなんてずるいよ」
どんな理屈だよそれ。
「別に話す事なんかあんま無いんだよな。
 生まれてすぐに教会に捨てられてて拾われて育てられた。
 変わってた事といったら名前が無かった事ぐらいだ。
 普通、捨てる時でも名前だけは付けるもんな。
 名前が無いと神に無事を祈る事も出来ないから。
 だが、俺には名前が無かった。
 だからシランって呼ばれてるんだ。
 親も生まれも自分の名前すら訊かれても知らんとしか言えなかったから」
「・・・ごめんなさい」
メラーニエは俺を哀れむような目で見るとそっと目を伏せた。
「何を謝ることがある?
 俺は自分の境遇を気に入ってるんだぜ。
 この話をすると、貴族の嬢ちゃんや甘っちょろい町娘なんかころっと引っかけられるしな」
・・・・・どうやらメラーニエもその甘っちょろい娘さんらしい。
冒険者なんてやってんだ、どうせメラーニエも身内はいないんだろうに優しいこった。
ちっ、なんだか調子狂うぜ。
「ん?この扉は入ったか?」
「入ってません、マスター」
なんだかしょんぼりしてるメラーニエに代わってフリーダが答える。
そうか、考えてみればこいつに道覚えさせれば迷う事も無かったんじゃないか?
盲点だった。
「じゃあ、ちょっと入ってみるか」

12 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:16:24 ID:q2qWWYA/

「落とし穴か・・・」
入ってみた部屋は小さな部屋で真中には不審な穴が開いている。
「誰か先に落ちたのか?」
メラーニエを降ろすと調べる為に床に這いつくばってみる。
「誰かが落ちたって感じじゃねえな。
 これ開いたり閉じたりする仕掛けじゃねえか?」
俺は盗賊じゃねえからそんなに詳しくないが
穴の横にぶら下がった床みたいなフタの裏側に色々と仕掛けがくっついてる。
単純な落とし穴にこんなのつけねえだろう、たぶん。
「フリーダ、下を覗くから俺の体持っててくれ」
「シラン、気をつけて・・・」
穴から首出して下を見る。
ちょっと広めの部屋には生き物の気配は無い。
「何かある?」
「んー・・・特に何も・・・あ、なんかあるな」
部屋の壁側にこれ見よがしなスイッチがある。
「これは・・・」
穴から顔を出してメラーニエを見る。
ちっ、パンツ見てやろうと思ったのに上手い事距離をとってやがる。
「どうしたの?」
「・・下の部屋に怪しいスイッチがある、降りるぞ」
「えっ、降りるって・・・」
「飛び降りるんだよ。
 ほれ、俺にしっかり掴まってろ」
戸惑うメラーニエを半ば強引に抱き上げると真正面から抱きしめる。
ああ、すり合わせたほっぺたが柔い。
小さなケツは柔らかいし、細い首筋は暖かいし、金色の髪はいい匂いがする。
「ちょっ、ちょっとシラン?」
「もっと強く俺に掴まれよ」
へへ、これぞ役得って奴だな。
ここぞとばかりにぎゅっと抱きしめると大した高さでもない穴を飛び降りた。

13 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:17:34 ID:q2qWWYA/

あー、柔い。
飛び降りた衝撃がますますメラーニエの柔さを味あわせてくれる。
「どっか痛くないか?」
「うん、へいき」
「そうか、じゃあちょっと離れてな。
 ・・・フリーダ、降りて来い」
そういうや否や、ガッションという派手な音をたててフリーダが目の前に飛び降りてくる。
やっぱメラーニエを離しててよかったぜ。
絶対こいつ俺の目の前に飛び降りてくると思ったんだ。
「スイッチってあれ?」
「ああ、それだ、動かしてみな」
メラーニエが歩いていってスイッチを動かすと
今飛び降りてきた天井の穴が鈍い音をたてて閉まっていく。
「やっぱりな、多分これ当たりだぜ」
「当たり?」
「踏んで作動するんじゃない、スイッチ式の落とし穴なんて珍しいだろ?
 こういうのは大体連動してるんだよ。
 向こうとこっち、どっちかが閉まるともう片方が開くんだ」
「じゃあ・・・」
メラーニエの顔にぱっと笑顔が咲く。
「そうだ、もう一回あの部屋に行けば助けられるって事さ」
「ほんと!?・・・ありがとう!」
へっ、まだ助かったと決まった訳でもねえのに
メラーニエの奴、涙ぐんでやがる。
「泣くのはまだ早いだろ。
 ほれ行くぞ」
「うん・・・」
メラーニエはごしごしと目をこすると、とことこと近づいてきた。

14 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:18:20 ID:q2qWWYA/

どういうつもりだ?
目の前まで来たと思うと、目をつぶったまま立ちすくしている。
これはあれか?誘ってるのか?
「・・・」
肩にそっと手を置いたがメラーニエは目を開けない。
もうこれはあれだ!誘ってるんだな!
「・・・・・・・・ん」
逸る気持ちを抑えてそっと唇をつける。
今度はさらさらの唇がしっかりと応えてくれる。
「んん・・・」
ああ、なんだか分からんが勘違いして良かった。
「んっ!」
侵入してきた舌への対処法も知らない、いたいけな唇は
ただ震えながら嬲られるのを待っている。
「んぐ・・・」
歯の一つ一つがまだ幼く、ぷりぷりとした歯茎は舐めるたびに甘さを増す。
「ぷぁ・・ぁはぁ・・・」
ちょっと長くキスしすぎたせいで、メラーニエは苦しそうに息をしている。
しかし、休ませるつもりはねえぜ。
ぷにぷにのほっぺたに吸い付いて髪を撫でまわす。
細い、そして柔い。
髪の毛まで柔らか素材。
それに金色の川から突き出たとんがり耳がまた可愛い。
「あっ・・・」
ちょっとつつくと耳をパタパタさせるのがまた可愛い。
「やっ・・だめ・・・あっ・・」
くにくにと耳の軟骨をいじると苦しげな声が出る。
もしかして耳が性感帯か?

15 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:19:12 ID:q2qWWYA/

「んっ・・・」
唇をつけて口の中を舌で攫う。
うへへへへ、唾液をよこせ唾液を。
身をよじるメラーニエの髪を掴み逃げ場を消して唾を吸う。
「んグぅ・・」
余った左手はとんがり耳の裏をくすぐりまわすと
メラーニエは身をよじりくねくねし始めた。
「はぁ・・はぁ・・・」
唇を離すとすかさず耳の先端を咥えてみる。
「ふっ・・ぅん・・・」
つるつるした舌触りの耳は口の中でピクピク動いている。
「はぅ・・・・」
また職場を失った左手を滑らせ、ケツを揉む。
「あっ、だめっ」
何が駄目なものか。
お前の尻は柔らかく俺を歓迎してるぜよ。
「だめっ・・こんなことで、ダメっ」
「マスター?」
メラーニエが一際強く叫ぶと大人しく見守っていたフリーダが音を立て始めた。
「マスター、どこ!?
 マスター!?どこですか、マスター!?」
何が起きたのか突然フリーダが半狂乱ともいえる状態でうろうろし始めた。
「な、なんだ?何が起きた?
 何かしたのか?」
「す、スルー使っちゃった・・・」
スルー・・・確か術者とそれに触れてる者を他のものから見えなくする呪文だ。
意外に高度な呪文使えるんだな、ってそれどころじゃないか。

16 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:19:56 ID:q2qWWYA/

「マスター!?マス・・・」
「ここだ。ここにいる」
うろうろしていたフリーダの腕を掴むとピタリと動きが止まる。
ったく、面倒な事しやがって、スルーなんて使えるのかよ・・・。
ん、待てよ。
スルーを使ったって事はつまり、もし誰か来た時見られたくなかったって事だろ?
と言う事は見られたくない事をされる覚悟が出来たって事だよな?
だからつまり、OKって事か!
「よし、任せろ!」
「な、なに!?どうしたの突然!?」
「フリーダ、メラーニエを抱え上げろ!」
「きゃっ!?」
フリーダに慌てふためくメラーニエの脇の下に腕を入れて後ろから抱え上げた。
ナイスだ、フリーダ、それならメラーニエは腕を使えない。
「こうしないとスルーのせいで見えなくなるだろ?」
「だからって・・・ちょっ、なにしてるの!」
足首まですっぽりと覆っているメラーニエのローブをめくり頭をつっこむ。
すかさず膝を顔に喰らったが、こんなもん痛くも痒くもない。
むしろ心地良いくらいだ。
それにローブの中のこのぬるく湿った匂いがまた格別だ。
「ちょっ・・・やめっ・・」
薄暗いローブの中、白く輝く足をライト代わりに奥地へと進むと
モコモコしてないモコモコパンツが目前に現れた。
オムツ・・?一瞬そう思ったがさすがにそれは無いか。
ただセンスが変なでかいパンツってだけだろう。
汗と埃と小便と男の夢がつまった匂いが。

17 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:20:53 ID:q2qWWYA/

出来ればずっとここで暮らしたいぐらいだがさすがにそれは無理だ。
名残惜しいが、パンツ君、きみとはここでお別れだ。
「だめぇ・・・!」
パンツに手をかけるとピシッと固まっていた脚がまたジタバタと動き始めた。
こういう軽く抵抗するのが一番燃えるんだよな。
さすがに年長者だ、生娘のくせによくわかってる。
脚のリズムに合わせてパンツを引き降ろす。
「やぁっ!だめ、見ないでおねがい!」
俺は女の頼みは大体聞く方だから見る前に
ちゃんとパンツを足首まで下げてローブから顔を出した。
「見ないでやったからもういいだろ?
 それではご対面させていただきます」
「だめぇっ!」
ローブの裾を掴むとゆっくりと引き上げる。
「そんなにジタバタすると見えちゃうぜ」
こういうとメラーニエは真っ赤になって動きを止めた。
ジタバタしなくてもどうせ見るんだけどね。
「ぅ―・・・」
メラーニエはついに抵抗の無意味さを悟ったらしい。
さあ、いよいよ拝謁の時間だ。
めくりあげられたローブがメラーニエのお腹の上で重なっていくと
遂に綺麗なたてすじが顔を出した。
なんて綺麗なマンコなんだ。
色が肌と同じ色してる。
申し訳程度に生えた恥毛まで金色に透けて美しい。

18 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:21:52 ID:q2qWWYA/

太ももの付け根の間に中指を差し入れる。
「ん・・・」
差し込んだ指はぷにぷにの肉に三方から囲まれ
熱くぬるぬるとしたものを浴びさせられる。
「ぁん・・・」
ほんのちょっとだけ指先を曲げるとメラーニエから声が出る。
ゆっくりと、傷つけないようにゆっくりと割れ目をなぞるように丁寧に掻く。
「んぅ・・」
指の腹で撫でチュプチュプと音を奏でる。
中腰になって顔を覗き込むと
そこには目を閉じて自らの奏でる淫らな音楽に聞き耳をたてるエルフがいた。
その幼い聴衆に唇を重ねるとまるで待っていたかのように柔らかく受け止めてくれた。
割れ目を掻きつづけていた指に少し力を込めほんの少しだけ侵入させる。
重ねた唇から音が漏れ細い眉が歪む。
「はぅ・・・」
くにゅっと下のくちびるの中に入ると蜜口を撫でてみる。
すでににゅるにゅるではあるが穴の小ささを考えればまだ十分とはいえない。
キスを止め完全にしゃがんでしまうとローブの中に顔を突っ込む。
「や・・」
ふとももを両手で掴み担ぎ上げるととメラーニエの腰を浮かす。
眼前に広がる美しい恥丘に顔を近づけそっと割れ目に口をつけた。
「あぅっ・・はぅん・・・」
ほのかに生臭くまろやかに酸っぱい匂いのする肉に舌を這わす。
こんだけ可愛い顔しって綺麗なマンコをしてるのに
別に薔薇の香りがするわけじゃないのが不思議だ。
こっちの方が百倍いい匂いだから当然といえば当然かな。

19 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:22:47 ID:q2qWWYA/

小さい壷口を舌でつつき愛液をすする。
「はぁ・・・くふぅ・・・」
隠れているお豆さんを舌でぐりぐりと擦り上げる。
「ぁぁぁっ・・あっ・・・あっ」
ぴくぴくと痙攣する太ももを揉み陰唇に執拗にキスをして
クリをチュウチュウと吸い上げる。
「あっ!やぁぁ・・・」
体は幼くとも感覚はそう子供じゃないらしい。
性器を舐めつづけていると意外にも早く絶頂を迎えてくれた。
小ささを考えればもっともっと愛撫してあげないといけないと思うのだが
何しろ親友だというピクシーをいつまでも放っても置けない。
名残惜しいがメラーニエの体をそっと離しズボンを脱ぐ。
「いい?」
息を荒げるメラーニエのほほをそっと撫でる。
メラーニエはしばらく呆けた目で見つめ目を閉じて小さくうなずいた。
「フリーダ、離せ」
地上に降ろされふらつくメラーニエを抱きしめ顔を寄せる。
「ん・・・」
そっと唇を咥えるとローブをたくし上げ腹にまとめる。
ずり落ちないように腰骨をつかんでメラーニエを持ち上げた。
首にしがみついたメラーニエの体を調節しあてがう。
「いくよ」
メラーニエがこくんとうなずくのを見てからゆっくりと中に侵入させた。
「・・・っ!」
ほんの先端が入りかけただけでメラーニエは痛いぐらいに頬を押し付けてくる。

20 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:23:35 ID:q2qWWYA/

陰門の中心を優しくノックしてメラーニエに心の準備をさせると
一気に突き入れる。
「っ゛・・〜〜〜〜っ!」
入り込んだ先端が熱い肉にきつく締め上げられる。
それと同じくして首も力一杯抱きしめられた。
「〜〜〜〜っ」
歯を噛む音が聞こえ動きを止める。
「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」
苦しそうに息を吐く音が耳を打つ。
重ねた頬に汗を塗りたくられる。
止めていた手をゆっくりと前後に動かす。
メラーニエの腰を揺すり肉壁に肉棍をこすりつける。
「あ゛っ・・・あぅぅ・・・」
メラーニエの体を揺するたびに目の前で金色の髪が踊る。
くにくにしたとんがり耳が俺の耳を擦る。
メラーニエと触れている体の全てが熱い。
まるで体温を伝染されているような感覚が身体を包む。
彼女の柔さも狭さも熱さも匂いも手触りも全てが気持ちよい。
ただ身体を揺するだけの単純作業に至福を感じる。
メラーニエの痛がりように早く終わらせるべきと思いつつも
その一方でこの時間がずっと続けばいいのにとも思う。
またきっと犯れると信じて快楽に身をゆだねた。

21 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:24:21 ID:q2qWWYA/

またまた魔女の現れた部屋。
「ついたぞ」
落とし穴が出来たはずの部屋の前でメラーニエを床に降ろす。
「うん・・・」
どうもさっきからメラーニエの元気が無い。
「大丈夫か?まだ痛い?」
気遣いのつもりで言ったのだが
何故かメラーニエは不機嫌そうな顔で俺をじろっと睨みつける。
「・・・ふんだ、シランのせいで痛いんだからね」
処女だし痛いだろうなと思って一応入り口付近だけで済ませたんだけどな。
「出来るだけ優しくしたつもりだったんだが、
 メラーニエがOKしてくれたと思うと嬉しくてな」
「ばか・・・私はキスだけのつもりだったの!もう・・・」
う、そうだったのか。
それを知っていてもやる事は変わらなかっただろうけどよ。
「でも、すげえ可愛かったぜ」
「フォローになってないよ、そんなの」
「すまん・・。またメラーニエが困った時があったら助けてやるからさ」
メラーニエはにっこりと微笑んだ。
「へぇ〜、じゃあ一生養ってくれる?」
え!?一生って・・・これは結婚しようって事か!?
「・・・ああ、いいぜ、一生養ってやるよ」
「ふーん、でも私あと千年ぐらい生きれるよ?」
そう言うとメラーニエは俺の顔を覗き見ながら答えを待っている。
「おう、いいぜ、お前の食い扶持千年分ぐらい稼いでやる」
「ありがと、でも冗談よ」
・・・結婚する覚悟まで決めさせといて・・・

22 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:25:03 ID:q2qWWYA/

「結婚は冗談でもよ、俺とパーティ組まないか?」
「ううん、やめとく」
これもあっさりと断られた。
「今のあたしじゃ足手まといになるだけだもん」
ちっ、答えに困る言葉だぜ。
一見、そんなことないと言って欲しい感じだが
女の場合、丁重な断り文句だったりするからな。
ここで深追いすれば印象が悪くなるという悪質な罠の可能性も高い。
「でも、本当にありがと。
 ミリイを助けられるのはシランのおかげよ」
そう言うとメラーニエはローブの中をまさぐり白く透き通った石を取り出した。
「これお礼として受け取って。
 スルーの魔法石。
 私スルーはもう極めちゃったし」
スルーなんて結構レアな魔法を極めてるなんて実は凄いんじゃないか?
「おう、ありがとな。
 でも、魔法使いの魔法は・・・いや、フリーダ。
 確かお前魔法で強くなるんだよな、これお前にやる。
 いいだろ?」
メラーニエに一応確めてフリーダに石を渡す。
「ふふ、じゃあそれはフリーダさんへのお礼ね。
 ・・・シランにはねぇ・・・」
ちょっと考えた後、メラーニエは何も言わず顔を上げて目を閉じた。
こ、これは・・・・
「・・・今度はキスだけよ?」
俺の考えを見透かしたようにメラーニエは一瞬だけ目をあけ微笑んだ。

23 : ◆JBtnEvJis6 :2005/04/25(月) 01:27:42 ID:q2qWWYA/
これで全部投下終了です。
スレ立ての件、すいませんでした。

24 :名無しさん@ピンキー:2005/04/26(火) 01:01:57 ID:SPs2lRnM
>>23
神様最高です!!

25 :名無しさん@ピンキー:2005/04/26(火) 21:31:54 ID:LKOfa4Me
乙華麗

26 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/04/26(火) 23:27:59 ID:Z2TFJFa7
>>◆JBtnEvJis6様
スレ立て乙!&シランGJ!
おパンツと年頃娘の描写、勉強になります。
容量500KBでしたか。 512だとばかり思っていました。
ここは保管庫の対象スレでないみたいなのであわてて保存しました。

・・・前スレの最後のほうで見事に
「聖なるトレボーのケツ」ネタを見破られてたYO_| ̄|○

27 :名無しさん@ピンキー:2005/04/27(水) 00:09:32 ID:Jh28vRK3
>>26
正直すまんかった。反省している。

28 :名無しさん@ピンキー:2005/04/29(金) 23:34:35 ID:eN+pNtSI
保守

29 :名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 23:32:26 ID:GZnWM2Yp
GWということはネ申増加を期待してもいいということだな?

30 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:32:05 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・1>
疾風よりも疾く、影が走る。―迷宮の奥に向かって。
<生ける伝説>ホークウインドについてこれるものはいない。
自分たちよりも先に魔剣ハースニールを奪い去った相手に、もう少しで追いつくところで王の帰還命令が出た。
正統なる王・トレボーの命令は、<リルガミンの守護者>たる忍者にとっては絶対である。
たとえ命じられたことが市民の大虐殺であろうと、リルガミン城市の破壊であろうと変わらない。
―王とは王権であり、それはそれだけでリルガミンそのものであるのだから。
ましてや、トレボーは百年前からホークウインドの絶対的な主君である。
リルガミンの維持のために協力してきた公爵たちの暫定政権と忠誠の度合いは比較にすらならない。
だからこそ、ホークウインドは、地下迷宮から発せられたトレボーの命令を受けるやいなや、
自分の弟子であり従者でもある「ソフトーク・オールスターズ」の面々とともにその指揮下に入ったのだ。

(―あの<翼を持つ獅子>を操っていた者は何者か。)
全速で走りながら、ホークウインドは考え続けている。途中での命令変更を無念に思うわけではない。
命令は命令として従うが、あきらかに強力な敵については対策を練っておく必要がある。
……気まぐれな君主に完璧に仕えるためには、それは必要なことであった。
戦うまでにはいたらなかったが、それまでの追跡で「それ」が恐るべき魔物であることは容易に推測が付いた。
単に戦闘力があるだけでなく、人語を解し強力な魔法を使いこなす。
何よりも老獪な知恵を備えたあの魔物は、おそらくは迷宮最下層の化物にも匹敵していた。
それが、何者かの命令で動いているということは、その支配者はさらに手ごわいということだ。
「―っ!」
不意に、ホークウインドは跳躍した。
暗闇から伸びてきた巨大な手をかわして、闇の向こう側に立つ。
背後で、巨大な影がゆっくりと倒れるのを振り返って確認することはなかった。
「―アークデーモンを、すれ違いの一撃で斃すかい」
正面の闇の中から聞こえるしわがれ声は、感嘆のため息まじりだった。


31 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:32:39 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・2>
「貴様が―わが主の<敵>か」
ホークウインドは、姿を現した美女を見据えて言った。
「まあ、そんなところかね。ワードナは私の亭主。もっとも<私>はただの足止め。あんたの主の恋敵は、もう先を行っているさ」
地下4階の魔女はくつくつと笑いながら答えた。意味不明な説明をホークウインドが問いただすことはなかった。
「―斬る」
<伝説の忍者>は風をまいて飛び掛った。
「おっと―?!」
魔女は飛び下がった。
致死の一撃を抜きにしてさえ、ホークウインドの斬撃は物理的なダメージだけで巨竜をも屠る。
―それがわずか半歩、ダンスのようなステップを踏むだけで容易にかわされるとは―。
しかし、攻撃をはずした魔女の表情に、得意気なものはない。
「予想以上だよ、これは―。いつまでかわし続けられるか、ちょっと自信がなくなったよ。
……さすが、まぐれとは言え、<私>の亭主を一度斃しただけのことはある」
間合いを取ったホークウインドが、眇めた目で魔女を睨んだ。
「―まぐれ。……たしかにそうだな。百年前のあの時、運よく不意を突かなければ、私にワードナを斃すことは出来なかった」
アミュレット奪還隊を率いて迷宮に挑み、全ての仲間と部下を失ったこの忍者が、ただ一人勝利を勝ち得たのは
偶然の行幸によるものだったことは、トレボーとホークウインド本人だけが知る事実だ。
「しかし、―あれから百年。私は研鑽を積み重ねた。……今ならあの<魔道王>も実力だけで斃せる」
「……かもね。不老不死なだけでなく、あらゆる呪文と物理攻撃を無効化する忍者。たいしたものだよ」
ワードナ討伐後の百年もの間をさらなる修練に費やした伝説の忍者は、全ての攻撃を跳ね返す身となったという。
地下4階の魔女は片手を挙げた。一言二言の呪を口の中で呟くだけで、さらなる魔物が呼び出される。
渦巻く黒煙と瘴気とともに現れた魔物を見たならば、あらゆる妖術師が感嘆の声を上げるであろう。
―<悪魔の将>デーモンロードが、四体。
最高位の魔道師さえも、ただ一体を呼び出すのが限界といわれる魔界の貴人たちを無造作に召喚した女は何者だろうか。
しかし伝説の忍者は、それを見ても毛筋の動揺も見せなかった。
代わりに、ホークウインドは、奇妙な行動を取った。


32 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:33:10 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・3>
四方を囲むデーモンロードから視線をはずした忍者は、魔女をまっすぐに見据えた。
その手が、自分の首筋に伸びる。首、肩、胸元。どのように動いたのか、闇色の装束が裂けた。
ミスリルを編んで創った鎖帷子が石床に音もなく落ちる。
「……ほう…」
地下4階の魔女が思わず声を上げた。
それほどの価値のあるものが暗黒の中に浮かび上がっていた。
白い裸身―完璧なプロポーションを持った女の身体。
ホークウインドは、今や唯一身にまとっているもの―頭巾を取った。
軽く頭を振ると、鴉の濡れ羽色の髪が闇にも鮮やかに舞った。
「<伝説の女忍者>ホークウインドか。―本気になったね」
生身の戦士が強力な魔物と戦う場合、その装備は重厚化する。鋼と魔力を重ねて身を覆い、守りとするのだ。
だが、侍と同じく<気>を読み、操ることができる忍者は、防具を身にまとわぬ時に最大の敏捷力を得る。
もちろん、その俊敏さによる防御能力が、魔力を帯びた鎧をも凌駕するには底知れぬ修練の積み重ねが不可欠だ。
魔法の粋を集めて作られた鎧―ミスリルの鎖帷子を纏うよりも強力な防御能力。―この忍者ならば可能だ。
この美しさが何よりの証拠だ。
象牙のような白い肌、大ぶりで形の良い乳房、引き締まった腰。黒い翳りの守る秘所。
何よりも、冴え冴えと冷たい美貌が、完璧なる物の存在を主張してやまない。
「……百二十歳にしては見事なもんだ…」
地下4階の魔女が感嘆の声を上げるのも当然だった。
美しき女妖術師<ソーン>の姿を持つこの女に、全裸の忍者は引けをとらぬ美しさを持っていた。
「十万歳―いや、もっとか? ―の女にそう言われるとは、な」
ホークウインドは無表情で返答した。
「いや、褒め言葉だよ。その年齢の娘っ子にしてはたいした色気だ」
魔女にとっては、伝説の忍者さえも随分と若い、ということらしい。
たしかに、妖刀<村正>の刀身を思い起こさせる美貌と肢体は、氷の冷たさを持ちながら、すさまじい官能美が宿っていた。
「―おや?」
地下4階の魔女が片眉をあげた。
女忍者を取り囲むデーモンロードたちが吸い寄せられるように動き始めた。―魔女の命令なしで。


33 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:33:45 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・4>
四体の<悪魔の将>が揺らめきながら近づいても、ホークウインドは微動だにしなかった。
十六本の手が伸び、自分を捕らえても。
―触れられるだけで発生するはずのエナジードレインは起こらなかった。毒も、麻痺も、石化も
無表情な異界の魔王が、目にこれだけははっきりとわかる感情―欲情を浮かべて自分の裸身まとわり付くのを
黒髪の女忍者は、さらに冷たく無表情に眺めていた。
種族どころか、住む世界すら違う魔神たちをも狂わせる美しい体が持ち上げられる。
デーモンロードが巨大で奇怪な男根を露出し、自分を貫こうとしているのをホークウインドは拒まなかった。
性器と肛門、それに両方の手にそれを受け入れた女忍者に、魔界の貴人たちは、今度こそ下等悪魔のように欲望を燃え上がらせた。
人界の者が誰一人解さぬ古代の言語で悦楽の感情を口走る四人の魔王は、すでに狂っているように見えた。
自分たちを犯すデーモンロードが、最高級の娼婦になぶられる未経験の少年よりもあっけなく果てる様を、
ホークウインドは、侮蔑以外の何も浮かばぬ冷たい瞳で眺めた。
<悪魔の将>たちの射精は激しかった。
濁った歓喜の声を上げて欲望を解放する。
―その瞬間、虐殺が起こった。
あてがわれるままに左右の男根を握りしめていたホークウインドの白い手がはじめて、意思を持った動きを取る。
男根は根元から断ち切られた。
切断面から異界の血と精液を噴出しながら即死した仲間を見ても、前後のデーモンロードは快楽におぼれてまったく反応しなかった。
その男根が、女忍者の性器と肛門の締め付けによって切断されるまで。
仰向けに倒れる残りの二体に一瞥を与えることもなく、ひらりと着地したホークウインドは、
無造作に自分を貫いていた男根を抜き取って投げ捨てた。魔王の男根は未練がましく脈動して精液を噴いた。
「すごいねえ。―体の中まで防御は完璧かい」
魔女は目を丸くした。
強力な防御を持つ者といえども、体の内部に同じだけの耐性を持っていることはまれだ。
また、戦いのときはともかく、休息や性交時には精神は弛緩する。
ましてや魔王との性交となれば。―しかし女忍者にとってはなんら問題のないことであるらしい。


34 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:34:50 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・5>
「―でも、わざわざ誘っておいて最も苦痛のある方法でぶちのめすかい。まあ、あんまり性根は良くないね」
地下4階の魔女は塵となって魔界に還るデーモンロードたちを眺めた。
「……やっぱり、うちの宿六に会わせられない女だね。男根を切り取られたんじゃ、亭主は痛いだろうし、私もすごく困るよ」
魔女は自分の身体を抱いて身震いした。―多元宇宙の一つや二つが吹き飛んでも平然としているに違いない女が。
「…ワードナを、こんな方法で斃せるとは思っていない」
「お利口さん。私の亭主はそりゃもう、大したものだとも」
地下4階の魔女はにやにやと笑った。どんな形でも夫を褒められるのは嬉しいらしい。
冷静冷徹な女忍者が、さすがにやや面食らったように敵を見つめた。
視線に気付いて地下4階の魔女は咳払いをした。年甲斐もなくのろけてしまった、といった表情だ。
「…ええと、さて。―そろそろ決着と行こうか」
魔女はすっと身をかがめた。
石畳をぱんと叩く。
「―っ!」
四方に石壁がそそり立つのをホークウインドは冷静に見て取った。
斃せないのなら、―閉じ込める気か。
だが壁はただの石であり、魔力もこめられている様子もない。超人忍者にとっては薄紙も同然だ。
それに、魔女自身も中に居る。
ホークウインドは構えを取っただけで、壁が小部屋を作る様を見送った。
「……言っておくが、どのような術も、私には通じん。先ほど見せたことはその証明だ」
「だろうね。あんたには何一つ弱点がない。―遠い昔に捨て去っちまったからねえ」
「―?!」
ホークウインドが魔女の返事に戦慄を覚えた瞬間、できたばかりの小部屋の空気が渦巻いた。
輝く粒子が、魔女の足元に集まり、何者かの姿を形作る。―召喚だ。
「―!!!」
<伝説の女忍者>は動揺と恐怖の声を上げた。光り輝く影は、彼女の記憶と寸分たがわぬ姿を取っていた。
―醜い、脆弱な小人―ディンクの姿を。
「……さて、遠き昔に捨て去った自分の弱点―旦那に再会した気分はどうかい、ホークウインド?」
地下4階の魔女は残酷な微笑を浮かべた。―この女は、同性の敵に容赦はしない。


35 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:37:22 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・6>
「…ホークウインドォォ……」
怨嗟の声を上げる小人の前に、伝説の女忍者は凍りついた。
遠き過去の日がよみがえる。同時に女忍者を守る全ての防御能力が崩れ去った。
「…なぜわしを捨てた…なぜ売った…」
百年前、<魔道王>を僥倖によって斃した後、ホークウインドは<リルガミンの守護者>となることを誓った。
その<契約>に従う<修練>を積めば、あらゆる攻撃と呪文を無効化する。
ただしその代償にはリルガミンに全てを捧げる事を誓わねばならない。
それには、ワードナの迷宮に挑む直前に結婚したばかりの彼女の夫―ディンクを捨てることも含まれていた。
……狂王自慢の忍者軍団の首領が、なぜただの市民を愛したのかは分からない。
<魔道王>に挑むことの恐怖を忘れるための錯覚だったのかもしれない。しかし、
「生きて還れたら、一緒に暮らそう」
そういって口付けを交わした気持ちに、嘘はなかったはずだ。
しかし―。
「……お前は、<守護者>の力を手に入れるために、わしを捨てた…」
小人はにちゃにちゃと口中に泥を含んだような耳障りな声をあげてホークウインドを弾劾した。
「…それだけなら、まだ許せる…。リルガミンの栄光の前には、たかがパン職人など…何の価値もないからな」
血を吐くような当てこすりに、女忍者はがくがくと震えた。
(―その先を言わないで)
声を出して嘆願したとしても、復讐者はそれを聞き入れるつもりはなかっただろう。
「だが、お前は…お前は……<契約>をさらに強化するために、わしを…醜い小人に変え、追放した」
最も愛するものを生贄に捧げることで強化される術は多い。<守護者>の制約もそうしたものであった。
「ちがっ…」
反射的に声が出た。しかし、言い切ることができない。
(あれは貴方を忘れるため…あなたを守るため…)
―<代償>としてディンクの命まで捧げれば、百年の修行を積まずして無敵の力を手に入れることができる。
祭司たちの執拗な誘惑に、ホークウインドは決して首を縦に振らなかった。
だが、事情を話さずに修練に旅立つ旨を伝えたときの、夫のさびしそうな、優しい笑顔が重荷だった。
「―次はいつ会えるのかな」
その言葉に応えることができない自分の弱さを断ち切るために、彼女はディンクを売った。


36 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:38:42 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・7>
「おおおおおお…」
醜い小人が吠えた。血涙を流しながら。
ディンクが自分に突進してくるのをみても、ホークウインドは何もすることができなかった。
子供でも容易に避けたうえで、頭でもしたたかに殴りつけられるだろう弱弱しい体当たりに、
魔神の渾身の一撃を受けて微動にしない超人が、あっけなく転んだ。
白い裸体の上に、薄汚れた矮躯が重なった。
悪臭を放つ唇を、ホークウインドは避けなかった。涎まみれの舌も受け入れた。
ディンク―彼女の夫は不明瞭な呪詛の言葉を上げて<伝説の女忍者>を犯し始めた。
白い裸身は、夫の憎しみをこめた手や口に激しく反応した。
大きく形のいい乳房や引き締まった腹の上に蒼黒い吸い跡と血がにじむ噛み跡が広がる。
ねじくれた手がぴしゃぴしゃと叩き、爪を立てるたびに、腿や臀が赤くはれ、皮膚が破れる。
―魔界の王の攻撃を受けても毛筋の傷をも受けぬはずの女の体が。
<伝説の女忍者>は、百年の修練を積んだ超人から、その容姿と等しい年齢に戻ったかのようだった。
二十歳の娘―結婚したての女のごとく。
憎い女の裸身を責めていたディンクが身を起こした。
ぼろぼろのズボンを引き裂くようにして脱ぐと、股間にそそり立つ男根を妻の顔の前に持っていく。
「―っ」
小人は呪詛か、皮肉か、何か言おうとしたが、その前にホークウインドが身を起こした。
汚れと異臭にまみれた粗末な突起を、ためらいもなく朱唇に含む。
―昔、リルガミンを見下ろす小高い丘で夫婦の最初の交わりを交わしたときのように。
忍者としてのあらゆる鍛錬―性戯も含む―を極めた技術ではなく、
その優しい舌使いにディンクはのけぞった。濁ったうなり声を上げてあっけなく絶頂に達する。
射精の瞬間に腰を引いたのは、復讐のつもりだった。
「あっ…」
最後の瞬間に夫が去ったことにホークウインドは傷ついた表情と諦念を浮かべた。
その憂い顔に、ディンクは粘液をぶちまけた。
容姿も男根も哀れな小人だが、精液だけはたっぷりと出た。
黄色味がかった濁液は、女忍者―否、彼を裏切った妻の美貌と黒髪を汚した。
「ああ……」
贖罪に潤んだ瞳で、夫を見上げ、ホークウインドはそれを全て受け入れた。


37 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:39:12 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・8>
女忍者の顔をたっぷりと汚しても、小人の復讐心と獣欲は収まらなかった。
ホークウインドはそれを察して体勢をすばやく変えた。
後ろ向きに四つん這いになり、高く臀を上げる。
女忍者の秘所はすでにこぼれるほどに蜜にまみれていた。
「おお…おお…」
生白い臀をつかんだディンクは、粗末な男根を突き入れ、ホークウインドは声をかみ殺してのけぞった。
後背位、はるか昔に夫が一番好んだ体位だった。
女忍者の気弱な配偶者は性交にも消極的だったが、この体位で交わるようになってからは積極的になった。
力も身分もはるかに上の女が、自分に屈従しているのが一番目に見えるからだったかもしれない。
ホークウインド自身、夫にこの体勢で犯されるときが一番快楽を感じていた。
子供の親指のようなディンクの男根が内部でうごめくたび、女忍者は髪を振り乱してあえいだ。
その数十倍の大きさと硬度をもつデーモンロードの男根にも眉一筋動かさなかった女の痴態に、ディンクは興奮した。
何度か腰をゆすると、たちまち達する。たっぷりと膣内にぶちまけた。
「―んんっ!」
自分の内部に射精されたのを感じた瞬間、ホークウインドも達していた。
夫は昔から早漏だったが、不思議と絶頂はいつでも同時に迎えた。相性は良すぎるほどに良い夫婦だった。
心はともかく、肉体の百年の空白は、すぐに埋められた。
荒い息をついてディンクが男根を引き抜いたとき、ホークウインドは自然に次の行動に移っていた。
性器から大量に逆流する精液をぬぐう暇もなく、小人の前にひざまずいて、自分の蜜にまみれた男根を口に含む。
翠の黒髪が小さく一定のリズムで揺れ、やがてディンクがうめいた。
小人は、今度は男根を引き抜かなかった。
三度目とは思えない濃厚な精液がホークウインドの口の中に放たれる。
女忍者は大量の汚液をうっとりとした表情で飲み下した。
短い結婚生活の間、口で奉仕するときは、いつもそうすることにしていた。
最後の一滴まで妻に飲ませきった夫が、音を立てて男根を唇から引き抜くと、
ホークウインドはなまめかしい肢体をずらして、再び高く上げた臀をディンクに捧げた。
―後背位での性交と、口での奉仕。
二人の交わりは、互いが最高の快楽を得る、その行為の繰り返しだった。


38 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:39:44 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・9>
「―お愉しみのところを悪いんだけどね」
四つん這いになった女忍者の前に、地下4階の魔女が立った。
「お盛んなところを見せ付けられて毒気が抜かれちまった。やめるか、河岸を変えるかしよう」
快楽に霞んだ瞳で見上げるホークウインドに、魔女は一本の鍵を突きつける。
「…この部屋の扉の鍵だよ」
いつの間にか、魔女の背後に頑丈な青銅の扉が出現していた。
東西にも南北にもきっかり1ブロックの小部屋には似つかわしくない大扉は、どんな衝撃にも耐えられそうだった。
「私の作ったこの部屋は特別製でね。私が出て行った後、この鍵であの扉を開ければ、壁ごとなくなって解放される。
―でも、もし、扉を閉めてしまったら、あんた達は永久に出られなくなるよ。
まずいことに、あんたは不老不死だし、あんたの旦那も呪いで死なない身体だ。文字通り永久の牢獄だよ」
魔女は鍵をホークウインドの目の前に放り投げた。
「扉を開けるなら、鍵穴に差し込んで左にお回し。―喧嘩の続きといこうじゃないか。
……一応言っておくけど、右に回したら二度と出られなくなるよ。―じゃ、外で待っているよ」
それだけを言うと、地下4階の魔女は扉を開けて小部屋から出て行った。
石床に落ちた1フィートもある青銅の鍵をぼんやり見つめるホークウインドの瞳に、突然強い光が戻る。
<伝説の女忍者>は、背後からディンクを犯された姿勢のまま、這いずってすすんだ。
ホークウインドの蜜壷に魅了された小人は、引きずられても気がつかなかった。
ひざを進めるたびに女忍者の表情に理性と冷静さが戻っていく。
鍵を拾い、扉にたどり着いたとき、ホークウインドは<生ける伝説>の威厳を全て取り戻していた。
立ち上がった女忍者の手が、鍵穴に鍵を差し込み、迷いのない動きでそれを回す。
―右側、扉を閉める方向へ。


39 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:40:15 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・10>
扉が消えた。―永久に。
ホークウインドは冷静そのものの表情でそれを見つめ、振り返った。
おびえたような目で見上げる醜悪な小人に優しく微笑み、両手を広げた。
「ごめんなさい。……許してもらえるとは思わないけど、―それでも、ここに居させて」
猜疑と困惑に凝り固まった小人の表情を悲しく見つめた女忍者は、意を決して言葉を続けた。
「―もう、全部いい。……リルガミンも、トレボー王も。百年前に破ってしまった約束を果たさせて。
―ここで、一緒に暮らしましょう。あなた……」
もはや<リルガミンの守護者>ではなくなった女は、夫を抱きしめた。
黒髪の美女の嗚咽が小部屋に流れる。
小人はしばらく彫像のように動かなかったが、やがて不明瞭なささやきを妻に与え、その唇を相手のそれに重ねた。

「―めでたし、めでたし、という奴かい」
青銅の扉にもたれかかって、背後から聞こえる物音に聞き耳を立てていた地下4階の魔女はくすりと笑った。
「ま、何がどうあれ、元鞘と言うのが、一番具合いいもんさ。―うちの宿六の<刀>だって、私の<鞘>が一番お似合い」
鼻歌を歌うように言ったことばの後半は、ワードナが聞けばぎょっとしたに違いない。
「今日は機嫌がいいから、少しおまけしてやるかい」
魔女は寄りかかっていた扉から離れ、その緑青が吹いた中央部をぽん、と叩いた。
扉は消えて、ただの石壁になった。
宣言どおり、ホークウインドは永久に閉じ込められたのだ。
……扉が消えた瞬間、中に閉じ込められたもう一人の人物が呪いを解かれ、
汚猥な小人から若いパン職人の姿に戻った事を知る者は、当事者二人を除けば、全宇宙にこの魔女しかいない。

にやにやと笑った地下4階の魔女は、ふと、後ろを振り返った。
「やっと本命さんのご登場かい。―待ちくたびれたよ」
怒りのオーラを焔のごとく身にまとった女君主は、ゆっくりと近づきながら黒い大剣を抜き放った。
……狂王トレボーと、魔女の邂逅に、コズミックキューブは静かに激震した。


40 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:40:49 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・11>
「……よもや、ホークウインドが敗れるとは思わなんだ。初手で最強の駒を失ったぞ」
トレボーの怒りの声には、確かに感嘆が混じっていた。
破壊と殺戮に明け暮れた<戦争王>は、同時代のいかなる将軍・軍師も及ばぬ天才的な戦術家でもあった。
その賞賛の対象は、歴史上の大軍師たちにむけたものよりも深い。
「最初に相手の<女王>を倒しちまうのがチェスの必勝法さね。―おっと、あんたのほうが<女王>だったっけ?」
地下4階の魔女は、銀色に輝く<コッズ・アーマー>の胸元をまじまじと見つめた。
持ち主の身体に合わせてその形状を変える魔法の鎧は、その胸乳のあたりを大きく盛り上げている。
大きさだけなら自分を上回るかもしれないその量感に、魔女はちょっと嫌な顔をした。
―ワードナは、大きな乳房の女が好みだ。
「……まあ、うちの宿六は、柔らかさとか張りとかにもこだわるから、大きさだけの問題ではないさね」
自分に言い聞かせるようにうんうんと頷き、自分の胸元を押さえた地下4階の魔女に、トレボーが怒りの眼差しを向ける。
―エセルナート史上、もっとも道化が仕えにくい王の第一位は、この女の指定席だ。
からかわれることを何よりも嫌う<狂王>が怒号を上げることなく、無言で剣を構えたのは、相手の力量を察知しているからだ。
「後ろの五人は来ないのかい?」
トレボーの後方で待機している<ソフトーク・オールスターズ>をちらりと見て魔女は質問した。
「無駄なことはせん。―あやつらも<バラの貴婦人>も貴様の前では赤子も同然。ホークウインドですらあのザマだ」
「お利口なこと」
魔女は手を挙げた。それが開始の合図だった。

―剣と魔法、すさまじい戦いは、数刻にも及んだ。
……やがて、よろめきながら立ち上がった方は、銀に輝く鎧装束と、黒い大剣を持っていた。
地に転がった世にも美しいもの―地下4階の魔女の生首を見据え、地獄から黄泉還った<狂王>は剣を杖に身体を支えた。
「あと、もう一人、こやつがいるのか。―それを斃した後は、ワードナ、貴様の番だ」
美しく驕慢な顔は、消耗しきっていたが、その瞳だけはぎらぎらと迷宮の闇の中で輝いた。


41 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:42:16 ID:+Zosa2ez
<コズミックキューブ 地下3階・12>
「……あ…」
何度も階段やシュートを上り下りし、自分がどこに居るのかすら分からぬ暗闇の中で小さな声が上がった。
「何だ?」
ワードナは振り返ったが、魔女の顔は見えなかった。ダークゾーンだから当たり前だ。
「何でもありませんわ、わが殿」
魔女の返事に、ワードナは目を眇めた。
「嘘をつくな。今声を上げた瞬間、手に力がこもった」
<ダークゾーンのルール>は健在だ。
悪の大魔術師の指摘どおり、魔女は一瞬、夫の手を握る力を僅かに強めた。
「……まあ…そんなことまでお分かりに…」
魔女は意外に機嫌良さげな声を上げた。
夫が自分の変化に敏感なことが嬉しいらしい。
「むむ」
話の接ぎ穂を失ってワードナはそれ以上の追求を断念した。
―先ほどから魔女の様子がおかしいのは分かっている。
先刻<自動アイテム販売機>でクレンジングオイルを買ったときも、魔女はまったくうわの空だった。
「あ…<明るい家族計画>の自販機ですか。それなら私たちには不要ですわ、わが殿」
ワードナが財布をごそごそやり始めてから自販機に気がついたのか、魔女はとんちんかんなことを言った。
魔女が言った魔品に心当たりのないワードナは片眉をあげて妻をにらみつけたが、返答はさらにとんちんかんだった。
「あ、いえ……。たまにはそういうやり方でなさりたいのでしたら、私も別に反対は……」
大真面目な顔には、いつものような確信的な微笑がない。本当にまちがえているのだ。
根本的な間違いを指摘すると、魔女は大慌てになった。これも今までにないことだった。
……やはり問い詰めようとワードナが意を決したとき、ダークゾーンが途切れた。
「この先をいけば、あとは一本道です。手榴弾をお忘れなく、わが殿」
魔女はにっこりと笑った。
その笑顔にワードナはなにか胸騒ぎを覚えた。声をかけようとしたとき、魔女は身を翻した。
「しばしのお別れです、わが殿。すぐに―夕飯までには戻りますので、先に進んでいて下さいな」
あっけにとられる悪の魔術師の目の前を、法衣姿が闇に溶けていった。
―妻が、最強の敵に決戦を挑みに行ったことを、ワードナは知らない。
―あるいは、これが今生の別れとなるのかも知れないことも。

42 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/01(日) 22:43:54 ID:+Zosa2ez
>>27
遅れましたが、まったく無問題です、お気にせずー。
自分でもアレは予想されるだろうなーと思っていましたので……。
ゲームの中でエロに加工できる元ネタは限られてるので、
今回の女ホークウインドがディンクになぶられる話なんかも、考えたことがある人いると思います。
(まんまエロに使えー!と言わんばかりのシチュですしw)


43 :名無しさん@ピンキー:2005/05/01(日) 22:45:24 ID:9jEGbraB
>>42
凄過ぎ。

44 :名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 05:15:14 ID:fNEjpFw8
GJ!
ホークウインドタン、ツンデレな上にエロエロー☆
よくシチュを考え付くなあ・・・。普通思いつかんて・・・。

45 :名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 10:27:00 ID:9dFcd4tJ
新スレ立ってるのに一週間も気がつかなかった・・・・orz

46 :名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 12:46:29 ID:7vb6yC3A
>45
ナカーマ・・・_| ̄|○

47 :名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 12:56:51 ID:i6KUwxpL
魔女タンかっこいいな。

48 :名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 18:56:44 ID:ln1/ye4U
トレボーたん萌えがいないから俺が貰っとく。


にしても、元カノと今カノの二人がいるわけだが、どんな修羅場になるんだろうか。

49 : :2005/05/02(月) 19:42:09 ID:uNKlv+Cx
>>42

素晴らしい。


50 :名無しさん@ピンキー:2005/05/05(木) 08:34:25 ID:fA0450O9
どうやら新スレに移行した事に気付いてない人が
まだいたみたいなので浮上

51 :名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 01:12:14 ID:ti67JNv2
俺も検索するまでわかんなかったよ _| ̄|○

何故こんな優良スレがと思ったら容量オーバーとは…
これも作品の多いスレの定めか( ̄▽ ̄;

52 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:16:56 ID:jx4XTgBP
七話目。
今回はあんましエロ要素が無いです。
一応、相手はリディ。

53 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:17:51 ID:jx4XTgBP

アウローラ。
殺戮の為の殺戮を好む、慈悲の一かけらも無いという魔女。
ほとんど神話のような伝承にも登場し数多の国を滅ぼし
今も聖王オルトルードに呪いをかけ王女を殺したと言われている。
噂でも美しい女だとは聞いていた。
だが、まさかこれほどとは目にするまで思いも寄らなかった。
俺は人一倍女を見てきた。
誰よりも見てきただろう自信がある。
その俺でさえこんな女見た事ない。
サキュバスよりも白く艶やかな肌、夜が焼きついたような黒々とした目
唇は血のように紅く、美しい顔には皺の一つすら見当たらない。
ともすれば無垢な少女のようにあどけなく見える姿は
眼前に広がる死体と瓦礫の部屋を作り出したとは到底思えず
間違えて迷い込んだと言った方がよほど納得できる。
「どう?もう一度やってみる?
 そこの冒険者達の力を借りればかすり傷くらいならつけられるかもしれないわ」
柔らかく軽やかな声が狭い部屋を通り抜ける。
「お前に勝てるなどと・・・思ってはおらん・・・」
「あら?」
ぼろぼろにされた魔法使いの爺さんが振り絞るように声を出すのを
魔女は優美な態度で待っている。
「・・・わしは知りたいのじゃ。
 お前が何を望んでいるのかを」
これだけの言葉で既に爺さんは息を荒げている。
「不死の命を持ち、絶大なる魔力に通じたお前が一体何を欲しているのかを」
イーリスが見かねて支えに行こうとしたが老魔導士は手でそれを制止した。
「幾多の王国を滅ぼしても満たされず
 いかなる権力も財宝もお前の心を満たす事は無い」

54 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:18:45 ID:jx4XTgBP

「お前はその永劫の時の中で
 何を探し彷徨いつづけているのか?
 お前が望めばいかなるものでも手に入らぬものなどなかろうに・・・・
 ・・・・もうわしは長くない。
 できればそれを知って死に赴きたい。
 お前の望みとはなんだ?」
ようやく出きった爺さんの言葉を聞き魔女はかすかに微笑んで細い指を組んだ。
「大魔導士ウェズベルともあろうものが愚かなこと・・・。
 魔女と呼ばれ恐れられている私から
 一体何を聞き出すつもりかしら?」
ウェズベル・・・。
確かユグルタ魔法学院始まって以来の天才と呼ばれた男だ。
行方不明と聞いていたのがどうやらこの爺さんがそうらしい。
ま、いまさら驚きゃしない。
魔女だって来てるんだ、今のドゥーハンには誰がいたっておかしかねえ。
「どう?今から嘘をたくさん言ってあげるから
 その中から好きなものを選べばいい。
 そして死の闇の中で、絶望を感じながら死んでいきなさい」
爺さんの命をかけた言葉もアウローラには届かなかったようだ。
残念だろうが仕方無い。
俺みたいにいい男でもなきゃ女は冷たく我がままなもんさ。
「昔から嘘などは弱者が用いるものと相場が決まっておる」
これほどのいい女だ。
爺さんも諦めきれないのだろう、反撃に出た。
「お前にはそんなもの必要なかろう
 さあ、教えてくれぬか?
 お前は何を望み、何を探している?」
爺さんの熱い視線を受けてもアウローラは涼しい顔だ。
ただ、無視してる訳じゃないと思う。
何を考えているのかわからないが何かを考えてるのは確かだ。

55 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:19:53 ID:jx4XTgBP

なんだこの雰囲気。
魔女の眼中には爺さんしか入ってないらしい。
けして友好的とはいえないが険悪ともいえないような
妙な雰囲気のまま睨み合ってやがる。
いいなあ爺さん。
どうやったら魔女の気をひけるんだ?
ちっとばかし妬けてくるぜ。
「私に手に入らないものなどない?
 光と闇の知識に通じ、魔神ですら従えたというお前が導き出した答えがそれなのか?
 ならば何も言う必要はない」
魔女の言葉にはどこか怒りや呆れが伴っているような雰囲気を感じさせた。
これまで表情は多少変えても全く感情というものを感じさせなかったにも関わらず、だ。
爺さんの言葉が魔女の心に触れる事が出来たという事だろうか?
「愛、だろ?愛。
 素敵な彼氏探してるんだよな。
 だが、もうその必要はないぜアウローラ。
 俺が君の探していた男だ」
爺さんに見切りをつけ帰ろうとしていたアウローラが俺の言葉に立ち止まる。
やっぱりな、魔女だ魔女だと恐れられ長い事彼氏がいないんだろう。
女の探し物つったら男か宝石と相場は決まってる。
「・・・そうね。
 もしかしたらそうかもしれない」
表情は変わってないが、いやむしろそれこそがまんざら冗談でも無い事を示している。
ような気がする。
「もしお前がそうだというのなら見せてみなさい。
 じきに扉が開く。
 ・・間に合うといいわね」
いかなる魔法なのか謎めいた言葉を残しアウローラの姿態は宙に溶けた。

56 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:21:03 ID:jx4XTgBP

なんて美しさだろう。
まるでお伽噺のお姫様だ。
いくつもの国を滅ぼしてきたというがそれも納得できる美しさだ。
言うなれば傾国の美女、いや傾国の魔女だな。
ふっ、ちょっと上手い事言っちまった。
「おい、シラン!
 どうした!?まさか魔女に魔法でもかけられたのか!?」
魔法・・・魔法か。
確かに魔法かもしれん。
あの姿、声、仕草、かもし出す空気、全てが魔法としか思えないほど怪しい魅力を放っていた。
「シランってば!」
「うおっ!?」
突然、体を揺さぶられ思わずみっともない声を出しちまった。
「シラン、大丈夫か!?」
「何がだよ!俺がどっか怪我でもしてるように見えるのか!?」
「突然、動かなくなったら心配する!」
イーリスの怒ったような瞳を見て俺ははたと現実に気が付いた。
「すまんすまん。心配かけちまったか・・・あてっ!」
「ドサクサにまぎれて胸を触るな!」
ちぇっ、相変わらずケチだな。
「ごふッ・・!」
「おい、爺さん大丈夫か?
 怪我してるんなら治してやるぞ」
魔女が去って気力が抜けたのかウェズベルの爺さんが膝を曲げている。
「無念だ・・・わしにはもうあやつを追う力は残されておらん。
 冒険者よ、わしに代わってこの迷宮の最下層を目指してはくれぬか?
 そこにきっとあやつの秘密が・・・」
俺の言葉が聞こえていなかったのか爺さんは苦しそうに声を出している。
「爺さんに言われるまでもなく最下層にゃいくさ。
 あのとびっきりのいい女が待っててくれるんならどこへだって行かぁ。
 爺さんは安心して酒場の女でもひっかけてろ、な?」

57 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:23:06 ID:jx4XTgBP

「先ほどの老魔導士の情報ではこちらが五階に向かう階段です」
フリーダの無機質な声が赤い通路にこだまする。
四階は溶岩の流れる川まであるような最悪に熱い、熱すぎる所だ。
ウェズベル爺さんが五階への道を教えてくれたからまだいいものの
これまともに探索する奴は頭おかしいぜ。
「どうした、へばったか」
イーリスが汗すら乾き赤くなった顔を向け勝ち誇ったように言う。
「お前熱くないのか?脱いだ方がいいぞ」
「ふん、見え透いた事を・・・
 私を薄着にさせて何かいやらしい事でもしようと思ってるんだろ」
何故分かるんだ。
イーリスの奴、心が読めるのか?
「いいじゃねえか、ただ歩いてるのもつまんねえし
 おっぱいぐらい見してくれたってさ」
「それ楽しいのはお前だけだろ!」
「じゃあチンコ見るか?
 見たいだけ見ていいぞ」
「はぁ〜・・・」
怒ったかと思えばため息を吐いて忙しい奴だ。
「何、そんなにプリプリしてんだ?」
「知るか!」
なんなんだよ?
ま、女が怒るのに理由なんか無いしな。
もうすぐ五階だ、それまでにイーリスの機嫌が治ってるのを祈るとしよう。

58 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:23:44 ID:jx4XTgBP

五階への階段は意外にすぐ見つかった。
ま、爺さんの情報の正確さとフリーダの記憶力のおかげだがな。
しかし、順調にやって来た俺達に一つ問題が発生した。
五階への階段のほんの手前に扉が二つあり
片方の扉の中からワープゾーンが見えているという事だ。
「どうする?」
イーリスが少し弱気に問い掛けてくる。
「行ってみるべきだろうな。
 ワープゾーンってのは大体人間が作るもんだ。
 恐らくあの魔女討伐隊とかいうけしからん奴等が作ったもんだろ。
 飛び込んだ先がいきなり即死系の罠って事は、まず無い」
「そ、そうなんだ・・・」
イーリスは本格的に迷宮に入るのはここが初めてらしくこんな初歩的な情報も知らない。
元々は騎士団の情報を探る為の密偵だったらしいが
ここが初めてってのはつくづく運がない娘だ。
俺に出会ってなきゃもう四十回ぐらい死んでるんじゃねえか?
「それなりの力を持った魔法使い何人かが
 それぞれこっちとワープ先にいて魔方陣を作るんだよ。
 結構な時間も食うから魔法使いにゃ護衛もいる。
 騎士団みたいな結構な人数が統率とれてるパーティでもなきゃ作れん」
イーリスは俺の講義にすっかり感心している。
こんな素直な所は本当に可愛いんだけどな。
「じゃ、俺が先に行こう。
 安全そうならもう一度出てくる。
 しばらく待っても俺が出てこなかったら、気にせず帰還の薬を飲め」
イーリスの返事を聞いて俺は光の柱の中へ足を踏み入れた。

59 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:24:47 ID:jx4XTgBP

「あっ、あなたシラン!?」
「なんだぁ?俺の事しってんのか?」
ワープした先はどこかなじみのある雰囲気の小さな部屋。
盗賊風の格好をした赤毛の色白女が一人いるだけだ。
「あ、あたしはベノアン書店の社長リディよ。
 聞いた事ない?ベノアン書店って」
「ない」
そう言うとリディと名乗った赤毛の女はあからさまにガッカリした顔をした。
「ま、あなたはそう言うと思ったけどね。
 それはもういいわ。
 今日はボギーキャット連れてないの?」
「ネコなら今日は留守番だ。
 最近はもう飼い猫状態で迷宮に来たがらないんだよな。
 ・・・お前なんで俺がボギーキャット飼ってる事知ってるんだ?」
リディは少し得意げな顔で鼻を鳴らした。
「まあね、言ったでしょベノアン書店の社長だって。
 迷宮やドゥーハンで起きてる事を知り記事として住民に伝えるのがあたしの仕事なの。
 あなたみたいに目立つ人の事調べないわけないでしょ」
目立つ、か。
確かに俺ほどのいい男となると目立ちたくなくても目立ってしまうもんだからな。
「本当言うとあたしの部下があなたの後を付けて迷宮冒険記を書く予定だったのよ。
 すぐ止めたけどね。
 だから、ちょっと詳しいのよ」
「ふうん、なんで止めたんだ?
 俺が主役ならバカ売れ間違い無しだろ」
そいでその本読んだ娘ッ子が実物に会いたい、抱かれたいと
こぞって俺の元へと詰め掛ける。
みんな幸せになる素晴らしい話じゃないか。

60 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:25:48 ID:jx4XTgBP

「あなたがすぐエッチな事ばっかりするからよ!
 あなたのやってる事忠実に書いたら冒険物じゃなくて官能小説になったの!」
「ふうん、そうか」
ちっ、ファンを片っ端から頂いていく作戦は早速崩れ去ったか。
まあ、しょうがねえけどなんでこのリディとやらがそんなに怒ってるんだ?
こいつに怒られる筋合いは全く無いと思うんだが。
「まあ、いいわ。
 それはもう終わった事だから。
 ねえ、その代わりちょっと頼まれてくれない?
 四階にインゴって盗賊がいるからそいつからここの鍵を貰ってきて欲しいのよ」
「はあ?なんでそんな頼みをきかなきゃなんねえんだ?
 その代わりって何の代わりだよ」
いくら俺が優しくても見知らぬ女をセックスも無しで助けるほどお人好しじゃない。
当然の事を言ったにも関わらず赤毛の女は眉を吊り上げた。
「いいじゃないの!
 あたしはあなたのせいで企画を損したのよ?
 それに部下もそれが没になったせいで自信なくして慰めるの大変だったんだから!」
「知るかよ、そんな事!
 さっきから勝手な事ばっかり言いやがって!
 ものを頼むってんなら、ケツの一つも差しだして
 ご自由にお使いください、ぐらいの事言いやがれってんだ!」
「どうしてあたしがあなたにお尻出さなきゃいけないのよ!」
「セックスもさせねえで頼みを聞いてもらえると思うな!」
「―――静かにしなさい!!」
真後ろから突然イーリスの怒鳴り声が響き
小さな部屋に驚きと静寂がもたらされた。

61 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:28:11 ID:jx4XTgBP

「まったく、ワープゾーン越しに丸聞こえだったぞ」
イーリスは呆れた顔で俺の前に来るとじろりと睨んできた。
「ほんっと、女なら誰でもいいんだな。
 魔女に声をかけた時は素直に凄いと思ってしまったけど・・・
 ただのバカなのか凄い奴なのかわからなくなってきた」
魔女との邂逅後、爺さんと別れてからは凄い凄いと褒めてたくせに。
「ねえ、ちょっと魔女に声かけたって・・・
 あの魔女!?」
「今、シランは私と話してるんだ。
 割り込むな」
「いいじゃないの、あなたはいつでも話せるでしょ?
 夜にでも話しなさいよ。
 ねえ、それ本当?魔女と話したって・・・」
「よ、夜にだなんてそんな・・・」
イーリスが顔を赤くしてぶつぶつ言ってる隙に
リディはすかさず割り込んできた。
こう女から我先にと話し掛けられると嬉しくなるね。
「ああ、ついさっきな。
 つっても偶然だからここに呼べっても呼べねえぞ」
「凄い!凄いわ!
 何か話したの?
 魔女と会って生きてるなんて!
 ねえ、なに話したの?」
魔女と会った人間に会ったのがよほど嬉しいのかリディは目をキラキラさせている。
「それを教える義理はねえな。
 迷宮探索の重要なヒントになりうる事を只で教えるアホなんかいねえだろ?」
そう言うとリディは言葉に詰まり俺の顔を見ながら唸り始めた。

62 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:28:52 ID:jx4XTgBP

リディが唸りはじめ口を閉ざすとイーリスがひっそりと耳打ちしてきた。
「シランの事だからエッチな事と引き換えに教えるつもりなんだろ?
 だが、この女は知った情報を記事にしてばらまくぞ。
 教えない方がいい」
イーリスの言う事も確かにもっともだ。
普通の迷宮探索だけなら強い奴が勝つが
今のドゥーハンの事情だとちょっと違う。
法王庁まで乗り出してるし国の宰相のウェブスターはうさんくさいし
蠢くものにアウローラはいるしもう無茶苦茶な事になっている。
こいつらがどう絡んでいるのか、知らなければ生き残る事も難しいだろうし
知っていればドゥーハン救国の英雄への道が開けるだろう。
「決めた!いいわ、あなたの望む事してあげる」
だが、こう言われて断れる男がいるだろうか。
リディも割と可愛い面してるし肉付きもいい。
そんな女から股開かれて断る奴はチンコ付いてない奴だけだ。
「望む事ってのはずばりセックスだぜ。
 分かってるだろうな」
後からごねられちゃたまんねえから念押しに言うとリディはしっかりと頷いた。
「ちょっ、ちょっとシラン!?
 リディさんも本気で言ってるのか?この男は並大抵のスケベじゃないぞ!
 きっと後悔する!」
イーリスがつまんねえ事言い出したがリディは小さく首を振った。
「あたしは本気よ。
 蠢くものを倒し魔女と会って無事に生きてる。
 そんな男は彼しかいないわけだし
 有益な情報を掴んでくる可能性も非常に高いと思うわ。
 あたしじゃ危険すぎて四階より下の階層へはいけないし
 つまんない情報をちまちま買うより彼から買った方が合理的じゃない」
一気に捲くし立てるとりディはふっと小さく息を吐いた。
 「分かったらそこどいてくれる?」

63 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:29:31 ID:jx4XTgBP

リディの渾身の説得によりイーリスは何も言えなくなり悔しそうに引き下がった。
悪いなイーリス、後でたっぷり可愛がってやるから。
「あなたが持ってくる新しい情報一つにつき、一発。
 これでどうかしら?」
「おう、いいぜ。
 くれぐれも新情報を既に知ってたとかとぼけるんじゃねえぞ」
「見損ないでよ。
 こっちも情報屋の誇りがあるんだから」
リディはキッと俺をにらみつけるとすぐに顔をえへへと崩した。
「で、さぁ。
 とりあえずあの鍵を開けて欲しいんだけど、いい?
 これが開けば一階と繋がるから
 騎士団じゃないあたし達でもこのワープゾーンが使えるのよ」
「そりゃ開けてやりたいが俺は盗賊じゃねえぞ」
リディはぶんぶんと首を振ると俺の胸にそっと手を置いた。
「ワープゾーンの前の部屋にインゴって盗賊がいるのよ。
 あいつが持ってる鍵でいいの。
 あなたが言えばきっとくれるからさ」
「インゴ?聞いた事ねえんだがなんでそいつ俺が言ったらくれるんだ?」
「だってあなた三階で忍者に教われてたインゴを助けたじゃない。
 あいつ意外に義理堅いからあなたにならくれると思うんだ」
そういやそんな事もあったな。
あいつインゴって言うのか。
「それでぇー、その報酬なんだけどォ。
 場所が場所だし口でもいーい?
 次からはちゃんとあたしの家に呼ぶからぁ」
リディは体をくねくねさせながら指で俺の胸のつつき始めた。
どこで習ったんだその変な甘え方。
「いいよ、いいけどつつくな」

64 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:30:21 ID:jx4XTgBP

「んふふ、じゃあ前払いね」
そう言ってリディは背を伸ばし唇を吸ってくる。
貧弱な体形のわりに大きな胸の感触が服の上から伝わってくる。
舌で舌の侵入を阻みながら唇を食んでくる仕草。
「ぁん」
ベロを絡ませながら声を出しズボンの上からチンコを摩ってくる手際の良さ。
こいつ、慣れたもんだな。
リディはキスで唇を十分濡らすと俺の前にしゃがみズボンを脱がせ始めた。
「「うわっ」」
俺のイチモツが顔を出すとリディとイーリスの声が重なった。
「おっき・・・入るかな」
こいつは当然、自慢の一つだが俺のものは巨人族だ。
リディは少し困ったような顔をして根元を掴み擦り始めた。
そのまま先端をちろちろと舐められると半勃ちだったモノが膨張し始める。
膨張率の方はそう自慢できたもんでもないのが俺のチャームポイントだ。
「ん・・・」
先端にキスをして口に含んで濡らすとまた出してキスを繰り返す。
やべえ、こいつ上手い!
人間の口じゃネコの口に勝てねえと思ってたがこいつは違う。
いつの間にか玉まで揉んでるしねっとりと舌を這わせてくる。
歯茎と舌でごりゅごりゅとしごき上目で見ながらじゅるじゅる吸ってくる。
・・・なんだかもう何をされてるのかも分からなくなってくる。
唾液のこすれる音が規則的に流れ
意識が嫌でも下に集中する。
口の中の柔らかな粘膜に包まれてるのに
さらに穴に入れてるような感覚までし始める。
喉まで使ってきやがるのか・・・
久々に女に主導権を握られたまま俺は抵抗することなくリディの口に射精した。

65 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:32:18 ID:jx4XTgBP

「ん・・・ちゅっ」
リディは綺麗に舐めとり掃除するとキスをしてチンコを離した。
「ふう」
リディは立ち上がるとペロリと唇舐め挑発的な目を向けてくる。
「ちょっと待って・・・はい。
 この紙にあたしの家の住所書いてあるからここの鍵開けたら来て。
 魔女と会った時の話、ベットでじっくり聞きたいわ」
そう言うとリディは帰還の薬を出して飲み干した。
むう、すぐに消えてしまうとはテクニックは上手いが情緒がねえな。
ま、交換条件でしただけだからこんなもんかもしれない。
「ん、どしたイーリス?」
気が付かなかったがどうやらイーリスはずっと見てたらしい。
すぐに赤くなるからバレバレだ。
「はやくしまえ!」
おっとまだ出したまんまだったぜ。
「・・・シランは本当に誰でもいいんだな。
 あんなあからさまに下心のある女に・・・」
「それはお互い様だしいいじゃねえか。
 あいつだって慣れたもんだったし
 エッチぐらいで目新しい情報手に入れられるって喜んでるさ」
そう言うとイーリスはキッと睨みつけてきた。
「あの女はそりゃ喜ぶだろうさ!
 けど、シランは私に協力してくるんじゃなかったのか?
 なんでもかんでもあの女に報告されたら私は・・・」
「何も、全部の情報を言うなんて言ってないぜ」
イーリスはぽかーんと口を開けて俺を見上げている。
「なっ、あんな事させといて言わないつもりか!?
 かっ、可哀想とは思わないのか!?」
リディに協力して欲しいのかして欲しくないのかどっちなんだ。

66 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:34:06 ID:jx4XTgBP

「だから、それはお前が決めろよ」
「え?」
また口が開いてるぞ、イーリス。
「これは言って欲しくないって情報は先にいえ。
 それは俺もリディには教えないから」
「・・・・・そ、そんな・・・いいのか?」
いまいち飲み込めてない様子でイーリスが聞き返してくる。
「教えたくない情報1個につき、一発。
 これで対等だろ?」
イーリスは困ったような顔で止まってしまった。
「・・・どした?」
「・・・・分かっていたが本当に君は誰でもいいんだな。
 なんかもう・・・・・・」
イーリスはおおきなため息を吐いて肩を落とした。
「妬いてるのか?」
「だっ、誰が!」
「悪いな、確かに節操が無いのは認めるよ。
 けど、愛してないわけじゃないんだ。
 愛する女が一杯いる、それじゃ駄目なのか?」
イーリスは黙ったまま返事をしない。
俺を好いてくれて妬いてくれるのは嬉しいが他の女とやるなってのは無理な話だ。
それをどうにか分かってもらわないと。
「わ、私の事も?」
「勿論、誰よりも深く愛してるよ」
イーリスの顔が真っ赤になった。
わかりやすいなぁ。
「じゃ、鍵を開けたら早速リディに教えちゃいけない事を聞こうかな。
 ベットの上で」
肩にそっと手を置くと少しの間の後、イーリスは小さく頷いた。
くっくっく、これでどう転んでも気持ちいい事が出来る。
これぞ、大人の知恵って奴だな、全く笑いがとまんねえぜ。

67 : ◆JBtnEvJis6 :2005/05/07(土) 15:34:50 ID:jx4XTgBP
投下終了です。

68 :名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 20:45:50 ID:eaCwbGs/
>>67

イーリスにハゲ萌えたよ。
ボギーキャット以外の魔物とのHも期待してる。
続き楽しみにしてるんで頑張ってくれ。

69 :名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 22:15:58 ID:oqf3bF9d
ただのエロネタだが、アニメ版Wizのワードナの魔除けはアレイスタークロウリーの考案した紋章で、七芒星の上に男性器がのっているもの。

70 : :2005/05/12(木) 19:02:18 ID:10/O234W
GWが終わったって感じがするねぇ…。

71 :名無しさん@ピンキー:2005/05/13(金) 21:45:50 ID:A3mla8Jd
さぁ、土日が来るぞー

72 :名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 08:34:31 ID:RCWF9inf
age

73 :名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 21:38:51 ID:RCWF9inf
age

74 :名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 09:21:36 ID:21VYJeyY
相変わらず圧巻だなぁ…

75 :ちょっと小ネタをば…:2005/05/17(火) 18:57:20 ID:KQnReljA
●匿名希望(ヒト族/♀/ロード)
「私のパーティーは若い女の子ばかりで、中にひとり鈍い子がいます。その子は聡明な筈のエルフなのに、本当に駄目な子です。
例えば戦闘で、カティノを使うべきタイミングで戸惑っていたり、慌ててハリトを使うような事ばかり。
生死を分けますからね、みんな苛立たしく感じています。ダンジョンの中だと殺気だってる事もありますが。

ある日、全滅しかけるほど厳しかった戦闘の後でついにみんなキレて。以来、パーティー内でイジメ。それも多分に性的な。見ていて辛いのです。
私、窘めきれなくて、黙認してしまって。私自身、"委員長"的な言動で反感買う事があるので、下手すると巻き込まれそうで恐くて…
でもその子が可哀相で…どうにかならないものでしょうか」


●匿名希望(エルフ族/♀/メイジ)
「あたし…パーティー内で孤立しちゃって、イジメられてます…自分が悪いのですけど…愚図なんです…戦闘で足手まといになる事が多くて…
緊張感が足りないとか、どうせ最後列なら防御力は要らないって言われちゃって…ダンジョンに入ったらすぐ装備を脱がされて…全裸で引き回される毎日なんです…

76 :名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 18:58:08 ID:KQnReljA
でもそれが嫌だとか言うんじゃなくて…あたし、元からエムっ気が強くって…強いって言われて…言われてみればそうかなって…自分が屑だと認めちゃえば現状も…気持ちいい事ですし…

こんなあたしに同情してくれるロードのお姉様がいて…イジメに巻き込まれるのを恐れているようで口出しはしてませんが…
あたし、屑ですから…このお姉様とレズりたくて…その為にお姉様をイジメられる側に巻き込みたい…
そうすれば一人ぼっちじゃなくなりますから…」


●匿名希望(ヒト族/♀/ロード)
「とうとうパーティーが破局的な状況になりました。
みんなが、全裸に剥いてイジメているエルフの子をオークの群に突き出したんです。私たちが取り巻いているだけで何もしないと踏んだオークらは警戒を解いて、その子を輪姦しようとして…その子は私に助けてって言ってきて…
みんなはイジメ半分、特訓半分のつもりなのです。実際、呪文一発で自力救済できる筈で…なのに私、堪えられずに助けてしまったのです。
パーティーがすごい険悪な空気になって、殆ど一触即発の状態で…どうしよう、どうすればいいんでしょう」

77 :名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 18:58:48 ID:KQnReljA
●匿名希望(エルフ族/♀/メイジ)
「あたし、もう一人ぼっちじゃないです…
オークの群に犯されそうなところ、ロードのお姉様に助けてって言って…イジメられる側に巻き込むの、成功しました…
お姉様はみんなから『そんなに可哀相なら貴女も裸になったら』『でも前衛としての役割は果たしなさいよ』って責められちゃって…

以来、お姉様は全裸にガーブ・オブ・ローズ一枚を羽織っただけで、前もはだけた姿で、剣持たされて前衛で戦わされてるんです。
羞恥に赤らむお姉様、すごい綺麗で…あたし、恥知らずにも戦闘中にお姉様を見ながら、立ったままオナニーしました…
みんなに見つかっちゃって…もういいや、って思って、見せ付けるようにオナニーしながら『あたし変態です! お姉様とレズりたいです!』と絶叫したんです…」


●匿名希望(ヒト族/♀/ロード)
「…私…もう駄目みたいです…」


●匿名希望(エルフ族/♀/メイジ)
*見つかりません*


●匿名希望(ヒト族/♀/ロード)
*見つかりません*

78 :名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 22:50:30 ID:hQvPPVyf
>>75
乙ー。

79 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:18:49 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・1>
キャンプを張るやいなや、オーレリアスがジンスのところへすっ飛んでいった。
「ジー君、しよっ!」
この女エルフは、悪の魔術師とは思えない舌足らずな声と、可愛い笑顔の持ち主だ。
いや、本来ならば善の戒律でもおかしくない性格だが、故あって悪のパーティー、それも悪名高き<雷電攻撃隊>に属している。
鉄兜を脱いだ中立の戦士がにんまり笑って応じた。
少女といってもおかしくない華奢な女エルフが精一杯背伸びして、
たくましくて、ハンサム―と言えないこともない―人間の大男にキスをするのは、微笑ましい図かもしれないが、
その後の行為は、微笑ましさとはほど遠い生々しさに溢れていた。
ほっそりとした足が痛々しいほどに大きく開かれ、その奥のつつましい秘所に<巨人の棍棒>のごとき男根がねじ込まれる。
「あっ」
オーレリアスは唇の端をかみ締めて、巨大な侵入者を受け入れた。
この二人はキャンプのたびに、人目もはばからず性交している。
人目を気にしないのは<攻撃隊>の者全員に共通することだが、さすがに小休止のたびというのは他にいない。
ジンスは馬鹿だが、体力も精力も人並みはずれている。だからオーレリアスの相手が務まるのかもしれないが。
盗賊のマーリンは先ほどのフェアリーで満足しているのか、今回は腰を下ろしたままで、にやにやと二人を眺めているだけだし、
僧侶のテレコンタールは、先ほど虐殺した両性具有の天使・セラフから切り取った男根をいじり回してご満悦だ。
「──いいかね?」
……もう一人、馬鹿がいた。
鬼面の兜を脱いだのっぺりとした顔を見つめて、アイリアンはため息をついた。
いかにもヒノモト的な顔立ちの中立の侍は、見かけによらず、強精家だ。ジンスにも劣らない。
「……さっさと済ませろ」
アイリアンは忍者装束の下を脱ぎ、ふんどしを緩めた。
上は脱がない。他のことは一切しない。ただ性器だけを貸す。
雷電とはそういう仲だった。
いつから肉体関係になったのか、よく覚えていない。
あるいはパーティーを結成した当初からだったか。だったら、ずいぶんと経つ。


80 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:19:27 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・2>
雷電の男根は石のように硬く、大きかった。
ジンスのは並外れているが、この侍も他の男がうらやむほどの逸品の持ち主だ。
それにジンスよりもセックスが上手い。
男娼のようにさまざまな技を持っているわけでも、それを誇るわけでもないが、相手の具合をよく察する。
どこまでもまっすぐだが、緩急をつけた動きは、その剣技の癖にも通じるものがある。
忍者としての修練を積んだアイリアンでなければ、声をあげてしがみついてしまうだろう。
だが、女忍者は立ったまま後背位で交わりながら、無言無表情を貫いた。
長くも短くもない時間の前後運動を繰り返す。女忍者が頃合を見計らって締め付けてやると、雷電は果てた。
アイリアンの膣の奥に、たっぷりと放出する。
いつもながら、女忍者が内部をはっきりと認識するほど量が多い。
小さく息をついて最後の一滴を搾り出すと、雷電は腰を引いた。
「──ふん」
アイシアンは小さく鼻を鳴らした。別に不満はない。こちらも十分に愉しんだ。
なぜ、反射的にそういう態度をとるのか、自分でも分からない。
雷電は、気にした様子もなく、身支度を整え始めた。
軽く眉をしかめた女忍者は、脇に脱ぎ捨てた自分の下着を拾った。
少し考え、雷電の鼻先に突き出した。
「──いるか?」
「……なぜ、私が、君の下着を貰わなければならないのかね?」
「<ローニン>の最高のお洒落は、着流しの下に女物の下着をつけることではないのか?」
「それは、遊女の腰巻だ。ふんどしではない」
雷電は憤然とした。
アイリアンは舌打ちをした。中途半端な知識が仇となった。
単に能力を追及して忍者となった彼女と、真にサムライ道を追求している雷電では意識の違いが大きい。
中立の侍が当たり前のように知っているヒノモトの常識も、悪の女忍者にはわからないことだらけだ。
アイリアンは、自分の下着を引っ込め、他の荷物とともに場を離れた。
下半身は性器もむき出しの裸のままだが、女忍者はそれを気にしない女だった。


81 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:20:00 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・3>
二分後、アイリアンは岩壁の影で、不機嫌を絵に描いたような表情で「事後処理」を行っていた。
片手で自分の性器を目いっぱいに押し広げ、もう片方の手指で薄紙を奥まで突っ込む。
膣の内壁にこびりついた雷電の精液を、こそぐようにして掻き取る。
「―アイリアンのそれ、いつ見てもすごいねえ」
舌足らずな声がかかった。オーレリアスだ。
世の中の「女エルフ」というイメージを具現化したような、金髪碧眼の美少女の呼びかけに答えず、女忍者は作業を続けた。
「わあ、まるで内臓を直接ごしごししてるみたい。ね、痛くないの?」
「……鍛えているからな」
アイリアンはため息をついて返答した。この女エルフは猥談に関してはうんざりするほどしつこい。無視し続けても無駄だった。
「忍者ってあそこも強いんだぁ。私なんか、そんなことしたら血が出ちゃうよ」
オーレリアスはくすくす笑いながらアイリアンの前にしゃがみこんだ。
女魔術師はたくし上げたスカートの下に何もはいていなかった。
下着と薄紙を手に持ってきたところを見ると、彼女も「事後処理」に来たらしい。
たしかに女エルフは、金色の柔毛も薄く、性器も小ぶりだ。薄桃色の粘膜は乱暴に扱えばすぐに傷つきそうだ。
「──だから、私はこれで十分だよ」
薄紙をそっと秘所にあてがい、軽くぬぐってはすぐに取り替える、を何度が繰り返す。最後の一枚はあてがったままで下着を履いた。
「簡単だな」
アイリアンは片眉をあげた。
「うん。時々、歩いていてジー君のが垂れてきちゃうけど」
「ジー君?」
「ジンスの愛称。最近そう呼んでるんだ」
アイリアンは頭を抱えそうになった。この女エルフは時々脳みそが煮えているのではないか、と思うことがある。
ちなみに、先日その「ジー君」を、酒場の女給に色目を使った使わないで半殺しの目にあわせたのもこの女だ。
ラハリトの呪文でこんがりと焼かれたあげく、ツザリクで両方の金玉を潰されて白目をむいた戦士は、
僧侶テレコンタールの治癒が間に合わなかったら、カント寺院直行だっただろう。
猥談好きをのぞけば、善の戒律の修道女にもめったにいないほどにおっとりと優しい性格の女エルフが、
悪の戒律に身を寄せているのは、時たまみせる、この押さえがたい狂気のせいだ。


82 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:20:34 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・4>
オーレリアスのわからないのは、その騒ぎの翌日には以前とまったく変わらぬ様子でジンスと性交しているところだ。
浮気疑惑とその後の騒動については一言も触れず、昨日自分が潰した器官を愛おしげに愛撫する女──要するに、危ない人種だ。
だが、頭は切れる。<攻撃隊>の魔法攻撃の要はこの女が担っているし、参謀としても一流。パーティー第三の実力者はこの女エルフだ。
「雷電って、あんなに淡白そうなのに、すごくいっぱい出すのね」
アイリアンの手元の薄紙を見て、オーレリアスがびっくりしたような声を上げる。
「──あの馬鹿は、むっつり助平だ」
仏頂面で答えると、女魔術師はくすくすと笑った。
「確かにそうかも。──ね、妊娠が怖いの?」
不意を討たれて女忍者はぎょっとした。
「そんなことはないが、何故だ?」
「だってそんなにごしごし掻き出してるから、そんなに中で精子出されるのが嫌なのかなあって。
──あれ、でも赤さんとか欲しくないなら、最初から中に出させなきゃいいんだよね」
オーレリアスは自分の言葉の矛盾に気がついて首をひねった。
「……意味はない。ただの癖──歯磨きのようなものだ」
無表情で答えて、真新しいふんどしを締める。
──性交した後は必ず新品のまっさらな物に換えるのも、意味がない癖だ。
忍者としては、自分は妙なこだわりが多すぎる。しかし、どうしてもやめられない。
「ふうん。私なんか、嬉しいから、お腹の中に取っときたくなるんだけどなあ。
まあ、私のジー君とでは種族が違うから、赤さんが出来にくいのもあるんだけど……」
言いながら、オーレリアスは納得したようだ。
彼女が性交後にあまりぬぐわないのは、そういう理由があるらしい。
「お前は、子供が出来たらジンスと一緒になるのか?」
思わず質問してしまった。
女エルフはびっくりしたように顔を上げ、それから可愛い笑顔を作った。
「うん、──できれば。気がふれたときの私を見ても、逃げないでくれたのはジー君だけだもん」
(……あれは逃げ出す前に、意識不明になっただけじゃないのか)
喉までこみ上げた言葉をのみこむ。
当日はともかくとして、ジンスはあんなことがあった翌日も、オーレリアと普通に接していた。ただの馬鹿とも言えるが。


83 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:21:14 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・5>
「──あら、こんなところに、美女二人」
闇の中から声が掛かった。
戦慄して振り向くと、輝く鎧に身を固めた六人の女が悠然とあらわれるところだった。
その成熟しきった美貌を見知っていることよりも、この距離になるまで、
自分に微塵の物音も気配を感じさせずに近づいていたことに、アイリアンは戦慄を覚えた。
「<バラの貴婦人>!?」
「然り。貴女は、どなたでしたかしら?」
超然とした様子で微笑んだ貴族に、女忍者は答えを与えなかった。
身をよじって飛び下がりながら、短剣を投げつける。
「──遅い!」
<貴婦人>の一人、クネグナンダ公爵婦人がそれを弾き飛ばす。
優雅な抜刀の動きは一見緩やかにも思えたが、その実、女忍者の飛燕のごとき一撃を上回るスピードだ。
技量の差──強いものは、ただそれだけで美しい。それを具現する女だ。
「──!」
呪文を唱えようとしたオーレリアスが声にならないうめき声をたてて崩れ落ちた。
疾風のごとく飛び込んだダイアナ公爵婦人が剣の柄でみぞおちを突いて気絶させたからだ。
空中でそれを見て取りながら、アイリアンはどうすることもできなかった。
着地地点に、神速の動きでクネグナンダが追ってきたからだ。
「安心しなさい、殺しはしないわ」
冷たく見下しながら、公爵婦人は鞘のまま<オーディンソード>を振るった。
側頭部に正確な一撃を受けて、アイリアンは倒れた。

「──何事だ!?」
女忍者の朦朧とする頭に、おっとり刀で駆けつけた雷電たちの声が遠く聞こえた。
(馬鹿、逃げろ。お前たちのかなう相手じゃない──)
そう言おうとしたが、アイリアンの舌は石のように重かった。
<雷電攻撃隊>の虐殺が始まる前に女忍者が失神したのは、神の慈悲だったのかもしれない。


84 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:22:02 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・6>
目覚めると、そこは牢獄だった。
石壁はどこかで見覚えがある。おそらくは、地下迷宮のどこかの階層だろう。
アイリアンは、痛む頭に手を伸ばそうと思ったが、手かせをはめられていることに気付いてあきらめた。
「オーレリアス……?」
視界の端に女エルフが石床に倒れているのが見える。
「ん…アイリアン……?」
女エルフは長い時間をかけてしびれきった身体を動かし、半身を起こした。
「ここは…?」
「どうやら囚われたらしい」
「そうだ…ジー君は!?」
オーレリアスは小さく叫んだ。アイリアンは答えることができなかった。
雷電たちが<バラの貴婦人>たちと戦闘になったのはわかっている。そして、その結果も。
40LVオーバーのロード6人と、たかだかマスターレベルになりたての4人の冒険者とでは比べ物にならない。
オーレリアスの頭脳ならば、たとえ先に昏倒していても容易に推測できる事実だ。
しかし、女エルフは、質問を繰り返すことで、その結論を避けた。
「ジー君は…ジー君は、無事だよね? ね?」
「──あなたの恋人も、死んだと思う…」
反対側の暗がりから、沈んだ声が上がった。
「誰!?」
女エルフは、聞きたくない真実を提示した声の主をにらみつけた。
「侯爵令嬢!?」
女忍者は驚きの声を上げた。職業柄リルガミンの要人の顔はほとんど知っている。
ミッチェルは、憔悴しきった顔を上げた。
少女の、その痛ましい表情にも侵されぬ美貌に、二人の冒険者は言葉を失った。
侯爵令嬢は、ほんの短期間に女として急速に成長したようだった。
しかしそれは不幸きわまりない、強制された精神的成長だった。


85 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:22:33 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・7>
「……トレボー王が、復活!?」
ミッチェルの説明に、アイリアンは絶句した。
たしかに、それならば辻褄があう。
リルガミンの支配者の一角である<バラの貴婦人>の突然の凶行も、侯爵令嬢であるミッチェルの誘拐も。
だが、百年前の王の復活は、にわかに信じられるものではなかった。
「……残念だけど、本当よ。私は、あの人に……犯されたもの」
表情と言うものが全くない、仮面のような美貌が、淡々とその言葉を吐いた。
<狂王>の閨に入っても自我を失わなかった少女は、しかし人としての感情は失ったかのようだった。
アイリアンはわずかに目を伏せた。
ミッチェルは、ひと目で最高級品とわかる純白のドレスを着ていた。──上半身だけ。
下半身は、アイリアンと同じく素裸だった。むき出しの小さな尻に、どす黒い血の跡がこびりついている。
おそらくは、性器ではなく肛門を犯されたのだ。地獄からよみがえった魔人に。
「──あら、三人ともお目覚め?」
牢屋の入り口で涼やかな声が上がった。
<貴婦人>の一人、クネグナンダ公爵婦人が楽しそうな笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「──よく眠れたよ」
アイリアンは挑発的な視線を向けたが、公爵婦人は取り合わなかった。
地べたをはいずる虫に、王侯貴族が抱く感情はひとつ──侮蔑だけだ。
「ミッチェル、お尻の傷、癒してあげましょうか?」
女忍者を無視し、少女にむかってくすくすと笑いながら問いかける。
「結構。こんな痛み、物の数ではないわ」
「あら、元気なこと。アリソンを殺されて泣きじゃくっていた昨日とは大違いね」
一瞬、少女の瞳に光が戻った。激しい動揺とともに。
だがミッチェルは二、三度深呼吸をすることで、受けた衝撃を精神から切り離すことに成功した。
「……昨日の私と、違うから」
淡々とした、しかし血を吐くような言葉に、一瞬、公爵婦人さえ声を失った。


86 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:23:11 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・8>
しかし根っからのサディストの婦人は、気を取り直すと追及を再開した。
「そうね、貴女は<狂王>陛下のご寵愛を受けたのだもの。ね、どうだった。陛下のあの<サックス>は?」
恐怖と苦痛の表情を浮かべるかと思いきや、ミッチェルは無表情を貫いた。
「別に──」
「強情な娘……。でも、たいしたものよ、貴女。陛下のあの<サックス>で肛門を貫かれた女の大半は狂死したわ。
<ペリカン騎士団>の娘たちも五人のうち三人が使い物にならなくなっちゃった。
ワンダも言っていたけど、貴女、本当に<狂王>の花嫁になれる素質があるのかも」
少女は無言で公爵婦人を睨んだ。
「まあ、今の陛下は復讐のことで頭がいっぱいだから、正式に妻を娶ることはしないでしょうね」
性器による通常の性交の事をさしているのだろうか。もっとも半陰陽の美女の通常性交とは何を指すのか。
公爵婦人はくすくすと笑った。
「おかげで、女に関しては生娘をそろえなくても済んで大助かりよ。冒険者の女でもそれなりの顔立ちと後ろの孔があれば
とりあえずは可ですもの。──どんな美少年もいらないという男狩りとは大違い」
クネグナンダの侮蔑の視線が、「冒険者の女」二人に注がれる。
自分たちが魔人の肛腔性交の奴隷に捧げられるのは時間の問題ということに気付き、オーレリアスが青ざめる。
「ジー君……」
消え入りそうな声でつぶやく女エルフを、ミッチェルはガラス玉のような目で見つめた。
「ふふふ、女に関しては<狂王>陛下はけっこう寛大よ。過去に恋人がいた女でもご寵愛なされる。
──ただし、その恋人は死んでいることが条件だけどね。貴女たちは、その点、合格」
「……いやああーっっ!」
公爵婦人の言葉の意味を悟り、女エルフが絶叫した。
クネグナンダは期待通りの反応を楽しみ、笑い声を上げて去っていった。
オーレリアスの号泣がこだまする牢獄の中で、アイリアンは唇をかみ締めた。
ぎゅっと目をつぶる。
──なぜか侍の顔が浮かんだ。
──なぜか、涙が一筋こぼれた。


87 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:26:43 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・9>
「……こ……なら、蘇生……そう」
「………二人は?」
「捨てお……性根の髄まで腐っ……」
「では、……のほうだけ…」
遠くで、声が聞こえる。突然、闇の中に落ちた。脳を直接探られるような感触。
「……わ……は、こちらが…い」
「そん………は…ですか?」
再び闇が全てを包んだ。

「──気がついたかい?」
雷電が起き上がると、太っちょの司祭がこちらを振り向いた。
「スティルガー?」侍は驚きの声を上げた。
「昨日の夜から胸騒ぎがして迷宮にもぐってみたらこの様子だ。リルガミン市内の混乱も大変なものだけど、
根っこはこっち、この迷宮の中にあると見た──その通りみたいだ」
いつもながら、この司教の洞察力はすさまじい。
「ジンスはもう起きているよ」ダジャが声をかけた。その後ろで、ハンサムな大男が悄然として突っ立っていた。
「あとの二人は──すまない。ディを失敗した」
スティルガーがうつむいた。司教である彼は、最高位の僧侶呪文の習得にはいたっていない。
「……そうか。それは仕方のないことだ」雷電は立ち上がり、刀を拾った。
<バラの貴婦人>の襲撃は一方的な虐殺だった。雷電以下四名はたやすく切り殺され、そのうちの二名は生き返ることができなかった。
死ぬ直前の光景を思い出しながら帯に刀を差す。愛用の兜を探したが、鬼面は見事に粉砕されていた。まあいい。
淡々と身支度を整える雷電に、スティルガーが声をかける。
「雷電……、どこへ行くんだ?」
「<貴婦人>を追う」
無謀な宣言に、一同は凍りついた。
「無茶を言うな。五体満足でもかなわなかった相手だぞ」
すでにジンスから様子を聞きだしていた司教が顔色を変えた。
「そうだな」中立の侍は、無表情で頷いた。
「だが、──行く」その声は無限の決意をもって響いた。


88 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:27:15 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・10>
「──世話になった。生きて戻れば、必ず恩は返す」
雷電は淡々と言い、飄然と身を翻した。──迷宮の奥へ。
「俺も、行く。オーレリアスを取り戻す」
ジンスが決然とその後姿を追った。
「──待ちなさいよ!」
ダジャがその背中に声をかける。
「あんたら二人で何ができるというの!?」
当然の質問に、男たちは答えない。
さらに当然の質問と、その答えに身を焼いているからだ。
(自分の女がさらわれた。──助けに行くのか?)
女盗賊はため息をついた。夫のほうを見る。
スティルガーは頷き、侍と戦士を早足で追った。
「待ちなよ。──僕らも行く」
雷電は立ち止まった。
「そこまでしてもらう必要はない。──生きて帰れぬ戦いだ」
「戦う必要はないんじゃないかな? アイリアンとオーレリアスを奪い返して逃げる。それだけでいいだろ?」
あくまで冷静な司教の指摘に、中立の侍は絶句した。
「君たちは、<貴婦人>に復讐したいわけじゃないんだろ。一番肝心なことは二人を取り戻したい、ちがうかい?」
「そう……だが…」
「なら、もっと頭を使わなくちゃ。囚われているところは、警備が甘いかもしれないし、
<貴婦人>たちは別のところに行ってしまっているかもしれない。
二人を助けるのに、命を捨てて<貴婦人>に挑まなくてもいい可能性は高い」
死地に赴く二人に、まるっきり別の概念と希望が与えられた。
「でも、そのためには、優秀な作戦参謀と、腕のいい盗賊が必要ね。スティルガーとあたしで、どう?」
ダジャがいたずらっぽく笑った。
「アイリアンとの口喧嘩は、いつか決着を着けなきゃならないから、殺されたりしたら困るのよ」
──かくて侍、戦士、司教、盗賊の四人の新しいパーティが結成された。


89 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:28:09 ID:YDoon8lB
<TO MAKE THE LAST BATTLE 〜 地下4階・11>
──少年は身を起こした。
睾丸を潰されて即死したはずの記憶を呼び起こして小首を傾げたが、右手にはまっている指輪を見て納得した。
侯爵家の跡取りの証明。──家宝の魔法の指輪は、回復の能力を持っている。
指輪がなければ、ショックで破れた心臓はすぐに蘇生不可能に陥ったであったろうが、
傷ついた瞬間から回復を始めたために、熟練のロードが見切った瀕死の状態からも生還することができたのだ。
世界中の貴重な魔品を収集することに熱心だった偉大なご先祖様に守られた──喜びなどない。
唇をかみ締め、アリソンは立ち上がった。
廃墟と化した一角を幽鬼のようにさまよい、自分の館にたどりつく。
生き残った使用人たちがまとわりつくのを、幻のように払いのける。
目的は、地下──先祖代々に伝わる家宝を収めた宝物庫だ。

「──坊ちゃま!?」
宝物庫からでてきたアリソンを見て、執事が目を丸くした。
侯爵家の当主とその後継者にしか立ち入りを許されぬ場所から戻った少年は、完全武装に身を包んでいた。
黄金の鎧、銀の剣、黒銀色の盾。そしていくつもの武器と武具と魔品。
その一つ一つが荘園を買い取れるほどの価値があり、――そして一個小隊の戦力に匹敵する。
リルガミンでもっとも裕福な貴族の、もっとも価値のある宝。
アリソンは惜しげもなくそれを身に付けていた。
腕の差は、装備でカバーする。騎士として褒められたものではなかったが、なりふりなど構っていられなかった。
「そんな格好で、どこへ?」
質問しながら執事はその答えを知っていた。男がこんな格好で行く場所はただひとつ──戦場だ。
「ミッチェルが、さらわれたんだ。助けに行く。──トレボー王と戦う羽目になっても」
アリソンは唇を引き結んだ。
執事は引退したマスターレベルのロードだ。老いたとはいえ、アリソンごときを引き戻すのは児戯に等しい。
それが、道を空けた。
「──ご武運を。生きて戻られたら、この私めが騎士位をお授けしましょう」
アリソンは頷いてその前を通りすぎた。
地下迷宮へ。──婚約者を救いに。


90 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/18(水) 23:31:52 ID:YDoon8lB
難産でしたー。



91 :名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 00:41:30 ID:cV/CbXjo
>>90
乙です。
もう続きが楽しみで楽しみで仕方ありません。

92 :名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 21:18:18 ID:h7hHd+JR
……よく読んでみたらアイリアンは褌美女でごぜえますか!?
締めてるのは越中ですか!?締め込みですか!?9尺ですか!?

93 :名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 23:59:01 ID:eRM9Nxsu
前スレのと併せて保管庫作りたいがスキルがない……
保管庫の神降臨きぼん。

94 : :2005/05/23(月) 07:03:46 ID:DmJFQre+
>>90

いつもいつもいつもありがとうございます。
のんびりきらくにどうぞ。

95 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/31(火) 23:27:56 ID:zFg8ExRg
<マダムPの憂鬱・1>
ワードナは久々の自由を満喫していた。
魔女は買い物がある、と朝起きてすぐに出かけて行った。──素晴らしい一日!
こんな日は、どこかに出かけるよりも、小部屋に引きこもって自分の研究に没頭するに限る。
大魔術師は研究こそがもっともふさわしい仕事。一日中、こうるさい妻のおしゃべりにつきあうなど、とんでもない苦行だ。
幸い、この階層は居心地のいい小部屋が多く、昨晩泊まったこの場所も十分に簡易研究室となる。
魔道書を読もうとして、ワードナはふとテーブルの上にある本に目を留めた。
自分のものではない。──魔女のものだ。
なんとなく興味を引かれて手にとってみる。
『月刊魔女之友』
──数多くある魔女向けの雑誌の中でも、最古のものだ。
創刊号は、戦前……神代戦争以前。一説には、編集長はこの世で最初に結婚した魔女であるとも言う。
創刊以来、頑迷なまでに既婚魔女向けの記事だけを載せ続ける保守的な雑誌だが、
競争が激しい魔道出版業界にあって『ウイッチ・ティーン』『マジカルプリンセス』『クィーン・オブ・サバト』などの大手が
この地味な雑誌に対してだけは決して営業戦争を仕掛けないのは、単に読者層の違いではない。
──<アレクサンドリア大図書館>が謎の消失を遂げたのは、
大手にそそのかされた館長がこの雑誌の定期購読の中止を決定した翌日のことだったし、
天の雷によって破壊された<バビロンの塔>の最上階には「魔女之友」に対して悪質な営業妨害を仕掛け続けた出版社があった。
噂では、魔女の中で実力者を上から百人リストアップすると、その八割がこの雑誌の愛読者だとも言う。

―中身は、どうということはない。
・今晩のおかず 〜春の迷宮食材を使ったお手軽料理〜
・娘の非行防止について 2歳児からの魔女教育
・妖虫エキスで簡単免疫力アップ!
・夫を見張るオススメ使い魔百選
・セックスレスからの脱出 ―300年目の奇跡

ぱらぱらとめくったページが「精飲ノスゝメ―精液の滋養分で夫の体調をチェック」であったので、
ワードナはあわてて別のページをめくった。


96 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/31(火) 23:28:23 ID:zFg8ExRg
<マダムPの憂鬱・2>
──しおりが挟んである。
<マダムPの相談室>
連載コーナーであるらしい。それほど分厚くない雑誌で六頁も紙面を割いているのだから人気なのだろう。
読者からの質問を受け付け、<マダムP>なる人物が回答やアドバイスを与えるものだが、
斜め読みをしていたワードナは、目を光らせた。
質問のほうは、愚にもつかぬ内容のものが多いが、回答のほうは理路整然として的確だ。
二つほど魔道に関する質問があったが、ワードナがちょっと居住まいを正して読み直すほどのものだった。
(これほどの知識を持った女魔術師……何者だ?)
ワードナとて、この世の魔術師・魔女の全てを知るわけではない。
現にソーンのことを知ってはいたが、その<本体>である最強の魔女のことは全く知らなかった。
だが、ある程度の実力者ならば、たいていは名を聞いたことがある。
<相談室>を読み終え、ぱらぱらと頁をめくったワードナの手が最後のほうで止まった。
今月の執筆者紹介。
魔法の技巧を惜しげもなく使った肖像画は、精緻極まりないものだった。
もちろんわざと簡単な略画や、使い魔の絵を代用している執筆者もいたが、<マダムP>は本人の肖像画を使っている。
年のころはわからない──魔女ならば当たり前だ。
だが、黒の直い髪と儚げな憂い顔は、おそろしく美しかった。
視覚的な情報を得て、ワードナは再び<マダムP>に関して記憶を探った。
これほどの実力と美貌を持った魔女、どこかでワードナの情報網に触れている確率は高い。

腕組みをして考え始めたとき、魔女が帰ってきた。
「あら、<魔女之友>……」
夫の前にある本を見て、妻はちょっと目を丸くした。
彼女の配偶者がこの手のものに興味を示すのは珍しい。
──良い傾向だ。夫婦間のつながりは男女の差異を良く知ることから始まる。共通の話題は多いほうが良い。
魔女はにっこりと笑い、ワードナは動揺して咳払いをした。


97 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/31(火) 23:29:02 ID:zFg8ExRg
<マダムPの憂鬱・3>
「何をご覧になられているのですか?」
興味津々の口調で魔女は開いたページを覗き込んだ。
「いや、この<マダムP>とやらがな……」
つい返事をしてしまってから、しまった、と臍をかんだ。
彼の妻は、夫が自分以外の女に関心を寄せる事をまったく好まない。
ましてや、魔女には及ばないとはいえ、これほどの美女ならば。
悪の大魔術師は、局地的な雷が起こるのを予想した。着雷予想点は自分の頭の上だ。
──しかし意外なことに、魔女は大きく頷いた。だけでなく、同好の士よ、とばかりに微笑みかけた。
「ああ、ポレ卿の奥方ですわね。あのコーナーは殿方が読んでも面白いでしょう?
私も大ファンですの。このあいだ、お手紙を送ったくらい!」
ワードナの顎が、かくん、と落ちた。

「……ポ、ポ、ポレというと、あのポレか?──これが、あやつの奥方!?」
大魔術師ポレ。知らぬ相手ではない。
魔力はわしの足元にも及ばぬくせに大魔術師を名乗るとは片腹痛いが、まあそれなりの実力者ではある。
しかし、あやつはその魔術の腕よりも、稀代の恐妻家としてのほうが有名だ。
あの男の裕福な奥方は、華麗な衣装をまとい、鞭を振るう若くて驕慢な美女ということは、
ル・ケブレスの迷宮を知るものならば、誰もが承知の事実だ。
──ポレが、彼女に虐待され続けていることも。
ワードナは、思わず、信じられない言葉を吐いた自分の配偶者の口元を見た。
唖然とした表情で<魔女之友>と魔女の顔を交互に見比べるワードナの心のうちを、魔女は一瞬で悟ったらしい。
驚異的な夫への観察能力だ。そんなものは無いほうがいいのに。
「──殿方はものを見る眼が曇っています。あの方は、もともとそういう方なのです」
どういう方だ、と反射的に言いそうになってワードナは言葉を飲み込んだ。
魔女はちょっとため息をついて、ワードナの横に座った。
「少し、お話ししましょうか。ポレ卿の奥方のこと──」


98 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/31(火) 23:29:32 ID:zFg8ExRg
<マダムPの憂鬱・4>
鞭が鳴った。
痩せた──と言うよりも骸骨に等しい肩口に容赦なく打ち下ろされる。
「間抜けめ、また冒険者に出し抜かれたのかい?」
痛みよりも、罵倒の声の鋭さに、大魔術師はよろめいた。
床に這いつくばって妻からの第二撃を受ける。それだけでは済まず、続けざまに第三撃、第四撃もきた。
「何回倒されれば気が済むんだい、このど阿呆め!」
<リッチ>を思わす骸骨姿の大魔術師は鞭を受けては惨めに身体を震わせた。
ひとしきり懲罰を与えてから、女──ポレの奥方は豪奢なドレスに包まれた足を片方上げた。
へたり込んでうずくまっているポレの肩にその足を乗せ、思い切り踏みにじる。
生ける骸骨は苦痛の悲鳴を上げた。
「このどうしようもない、無能者が!」
針のように細いヒールに体重を乗せて踏みにじると、ポレの薄いローブに穴が開いた。
血ではない、なにか奇怪な液体がにじみ出てくるのを見て、奥方は眉をひそめて足を離した。
真紅の衣装が華麗に翻る。
「ふん、汚らわしい。──なによ、その顔?」
ポレは震える肩越しに、上目遣いで妻を見ていた。骸骨の落ち窪んだ眼窩の光を見て、奥方は嘲笑した。
「鞭打たれて、足蹴にされて、欲情したのかい。──このマゾ男!」
図星を指されて、ポレはびくっと身を震わせた。
この痩せ衰えた大魔術師がサディストの奥方から離れられない理由はただ一つ。
彼が重度の被虐性を持っているからだった。
侮蔑以外のどんな色も見せない瞳で、夫を見下ろしながら、奥方は吐き捨てるように言った。
「さあ、いつものように自分でしてごらん、この薄汚い骸骨が」
許可の言葉に、ポレの目(と言っても骨のうろだが)が輝いた。


99 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/31(火) 23:30:10 ID:zFg8ExRg
<マダムPの憂鬱・5>
ポレは、自分のローブの下腹部をまさぐった。
欲情のあまり、むき出しの歯がかたかたと卑しげに震える。奥方は心底嫌そうな顔をした。
骸骨は、そこだけはひどく生々しい男の器官を取り出した。
上目遣いで自分の妻を見つめながら、男根を激しくこすり出す。
「あっはは、そこだけは分不相応に立派だわねぇ、自慰にしか使わないくせに」
奥方は朱絹のドレスに包まれた右腕を振るった。
鞭が繊細極まりないしなりを見せて、ポレの男根を叩いた。
「ギャッ!」
骸骨は、はじめて声を上げた。しかし自慰の手は止まることなく、かえってその激しさを増した。
「あははは、この馬鹿!」
奥方は頭巾に差し込んだ、紫の長い飾り布をひらひらと宙に舞わせながら鞭を躍らせた。
ポレはそのたびに耳障りな悲鳴を上げた。
やがて──。
うめき声とともに奇怪な骸骨は射精を始めた。
干からびた体のどこに蓄えていたのか、若く健康な男の精液のように、それは濃く、勢いもあった。
射精の瞬間、ポレは、それを自分の妻の足元に放った。
あわよくば、奥方の真っ赤な靴にかけようとして。
だが、彼の妻はそんなことはお見通しだった。軽やかにステップを踏んで夫の精液を避ける。
「私の靴に汚い汁をひっかけようとしたね──この身の程知らず」
罵倒の言葉とともに、鞭の一撃がポレの顔を容赦なくはたいた。
奥方は、足を上げた。埃だらけの床にむなしく飛び散った夫の精液を踏みにじる。
「あはは、ゴミを踏んづけるよりも気持ち悪いよ!」
「──うううっ!」
ポレはうめき声を上げて、心臓──のあるべき場所を押さえた。
苦痛と屈辱に耐えかねた魔法の器官が異常を覚えたのだ。
骸骨は泡を吹いて倒れこみ、動かなくなった。
その後頭部を、奥方は冷徹に踏みにじる。頚骨が砕ける音が石床に木霊した。


100 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/31(火) 23:31:02 ID:zFg8ExRg
<マダムPの憂鬱・6>
──検査薬の反応は全て上々だった。
経年劣化した幾つかの「骨」の取替えと、循環液の交換も済んでいる。この辺は手馴れたものだ。
だが、いつになってもなれない。万が一の失敗を恐れ、おびえるのは、最初の一回目から変わらない。
全ての処置を終えて、黒髪の美女は寝台の上を覗き込んだ。
夫は、安らかな寝息を立てている。処置は成功したようだ。
ほっとした奥方は、思わずかがみこんでポレの唇にキスをした。
干からびた唇と、半ば露出した歯の硬い感触が彼女の心を暖める。
思わず口付けを求めた自分のはしたなさに気が付き、黒髪の美女は少女のように赤面した。
儚げな美貌が、羞恥の色に染まる。
まるで処女のような反応だったが、恋をしている女は、皆そんなものなのだ。
そして、彼女──ポレの奥方は、いつでも夫に恋をしている。
ただし、処女と違い、成熟した既婚女性である奥方は、キスより先の行為にも習熟していた。
寝台に横たわる夫の表情を伺い、目覚める兆候がないのを見て取ると、寝台の下手のほうへ移動する。
おずおずと、しかし、震えることなく、白い繊手が伸びて、ポレのローブの裾を優しく捲り上げた。
夫の愛しい器官は、力なくうなだれていた。
奥方はそれを宝物を扱うように──実際夫は彼女の宝物だ──両手で包み込んだ。
白磁のような顔を近づけ、頬ずりする。
そぉっと息を吹きかけ、優しく両手でこすり始めると、持ち主の意思とは別個の生き物のごとく、それは目覚め始めた。
みるみる硬度を増してそそり立つ男根を、奥方は潤んだ瞳でうっとりと見つめた。
十分に見つめ、なじみの体臭を嗅いだの後、奥方は唇を近づけた。
先刻の華麗な装いとは違い、紅の一はけも差さない薄桃色の唇は、しかし化粧したそれよりもはるかに魅力的だった。
夫の先端を咥えた。
楚々とした美貌に似合わず、奥方の奉仕は情熱的で執拗だった。
夫と一番多く閨をともにした女は自分だ。だから、どんな女よりも夫に快楽を与えられるのは自分だ。
物事に執着しそうにない美女が、全霊をかけてみせる執心は、美しくも淫らだった。
やがて、──ポレはうめき声を上げて目を覚ました。
その瞬間、骸骨は自分の妻の口の中に大量の精液を射精した。
奥方はつつましげな所作で、それを全て飲み込んだ。


101 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/31(火) 23:31:47 ID:zFg8ExRg
<マダムPの憂鬱・7>
「何をしている……!?」
ポレはすばやく起き上がると、奥方を突き飛ばした。
「あっ」
よろめいた奥方は床に崩れ落ちたが、怪我はなかった。
<裕福な奥方の寝室>は毛足の長い絨毯が敷き詰められ、グラスを落としても割れることがない。
「……なぜまた蘇らせた……。なぜ、あの快楽の中で我に滅びを与えぬのだ……」
ポレのことばに、床に這いつくばる奥方は、うつむいたまま答えなかった。
真性のマゾであるポレにとって、サディストの女にののしられ、蔑まれるのは至高の快楽だった。
だからこそ、彼女は派手で豪奢な衣装と化粧を身を纏い、驕慢な女を演じて彼をいたぶり続けるのだ。
そしてポレの最大の望みは、完璧な女──屈辱と苦痛にまみれながら彼の奥方に滅ぼされることだった。
だが、奥方は、決してその望みだけはかなえることはない。
彼女にとって、この世でただ一つ必要な物は夫であったから。
それ以外の夫の望みをかなえるためならば、彼女はどんなことにでも耐えられる。
本来の自分とは全く別人の姿を取り、決して望まぬ行為を続け、愛する夫を虐げる──。
彼女はその苦痛と心労を、夫への愛ゆえに耐え続けることができる女だった。
いずれも譲らぬマゾヒスト同士が結婚してしまったのだ。その関係は歪まざるをえない。
ポレは、返答をせぬ奥方に舌うちをして部屋を出て行った。
おそらくは、またワイン部屋に隠れるに違いない。──妻に虐げられて倉庫に逃げ込む情けない自分を演出するために。
……遠くでポレの不機嫌そうな怒鳴り声が起きたのは、書斎を掃除したのをみつけられたからだろう。
ポレは、妻が自分に気を使うそぶりを見せるのを病的にまで嫌う。
だが、あそこまで埃とゴミにうずもれた書斎は丁寧な掃除が必要だった。
骸骨とはいえ、あんなに不衛生な場所で研究を続けるのは好ましくない。
夫の意向に逆らうのは身を切られるほど申し訳ないが、そうしたことも妻の役目だった。


102 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/31(火) 23:33:33 ID:zFg8ExRg
<マダムPの憂鬱・8>
(でも──)
ポレの後姿が去ったの後も、戸口を恋情に潤んだ瞳で見上げながら、奥方は心の呟きを繰り返さずに入られなかった。
(でも、私は、幸せ。──あの方の妻なのですもの)
今日はキスもできた。
夫の体の気になっていた箇所の治療も行えた。
久しぶりに夫の男根に触れたし、精液を飲みさえもした。
考えてみれば、ずいぶんと贅沢な一日だった。
(この間は、世界一の魔女様からもファンレターをいただいたし、最近、幸せすぎて怖いくらい……)
奥方はにっこり笑って立ち上がった。
新しい冒険者がきたら、またあの装束に着替えて鞭を振るわねばならない。
──でも、まあ夫の望みだ。いくらだって耐えられる。


ワードナは身震いした。
奇妙な夫婦愛を語り終えた魔女は、目元にハンカチを当てて、ちょっとぐすぐすしている。
まずい状態になった。
これ以上あの変態夫婦の話を聞かされるのもげんなりだったし、
かといって少し気持ちが高ぶっている妻にうかつなことを言って愛やら恋やらの話題に突入するのも御免だ。
悪の大魔術師は、無難な話題を探した。幸い、それはすぐ見つかった。
「ところで、貴様、何を買いに行ってたのだ?」
賢明な質問──ではなかった。
夫が自分に関心を持ったことに魔女はぱっと顔を輝かせ、いそいそと紙袋からなにかの油の充たされた瓶を取りだした。
「これ……は?」
「あら、まだ巻末特集はご覧になられていなかったのですか?」
ワードナは<月刊魔女之友>の最後の四頁をめくって青ざめた。
「──今月号の巻末特集は、<たまには良人に大サービス! 入門! 前立腺マッサージ!>ですわ。
ちょうど、お勧めの魔法油も手に入りましたことですし……」
魔女は白く細い指をわきわきと楽しそうに動かした。その笑顔にワードナはおびえきった表情になった。
……数分後、迷宮の片隅で男の悲鳴と快楽のあえぎ声が木霊した。


103 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/05/31(火) 23:39:32 ID:zFg8ExRg
完全な外伝エピソードと言うか、息抜きですw
月刊魔女之友は使い回しできるネタかも。
本物の「婦人○友」に戦前だか戦後まもなくだか
「旦那の精液は滋養があるので飲んでもいいですよ」という
すごい記事がのったことがあると聞いたので、いつか使おうかと思っていますたー。
(記憶違いかもしれないですが・・・)

104 :名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 00:11:23 ID:eiisfJ5i
寝る前にいいもん読ませてくれてありがd
ついでにちょっとしたエロビアもありがd

105 :名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 01:13:07 ID:WGmM31fl
良い物を読んだ。乙です。

今夜はぐっすり寝られそうです。

106 :名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 02:26:17 ID:+DCF2XOr
ここの神にファンレターを出したい気分。

最近、このスレの影響で携帯でウィズ始めました。
良い時代になったなぁ…

107 :書き込み代行:2005/06/02(木) 18:20:01 ID:4V9Z+gqR

#1〜4ぐらいしかやったことのないモーグリが立てましたよ。

[ウィザードリイのエロパロ:保管庫]
http://ascii2d.no-ip.info/user/wiz/wizsstop.html



アクセス規制に巻き込まれてしまったそうです。
↓こちらから

連絡用スレッド
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/2051/1081523361/226


108 : :2005/06/02(木) 18:20:58 ID:+6u/3E6P
すばらしい!

109 :名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 19:52:48 ID:b/fRMSl3
幸せならクリックしよう♪
http://pink-heart.biz/images/log/ http://pink-heart.biz/images/log/
幸せならクリックしよう♪
http://pink-heart.biz/images/log/ http://pink-heart.biz/images/log/
幸せなら態度で示そうよ
ほらみんなでクリックしよう♪
http://pink-heart.biz/images/log/ http://pink-heart.biz/images/log/

110 :名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 21:51:29 ID:gDv8AAGw
GJ!

111 :名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 14:34:11 ID:+IysGDTB
>>107
女戦士vsバブリースライム、侍少女vs僧侶、ドリームペインター
書いた者ですけど、
サイト持ちなんで出来れば保管庫への収蔵は遠慮させて頂きたく。

112 :保管庫 :2005/06/04(土) 20:13:21 ID:o5EzqK2c
…ようやく書き込み規制が解けました (´・ω・`)

いろいろ至らない所があるかもしれませんがそのつど皆様からご指摘よろしくお願いします。
前スレに消えている分のログはエロパロ板ガイドより採取しました。
HTMLコンバートの際に一部改行を追加減少させて頂いています、ひらにご容赦の程を。

>>111
ただちに上記三つの作品を保管庫から外しました。
そうとは知らずにすみませんでした。

他の職人様のSSでも既にサイト掲載のある作品などは避けています。
可能であればリンクのみでの紹介させて頂けるとベストなのですがそれはサイト様のご都合次第という事で。

113 :名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 23:33:04 ID:l8KN7Zdm
サイト持ちさんはサイト公開してほしいな。

114 :名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 23:49:36 ID:o5EzqK2c
いきなり2ちゃんにURL晒せ言われても、サイト管理者としてはためらうのかも?
1スレ目の「迷宮無残」も本人がサイトに寄贈して、それの転載というカタチだったし。

115 :111:2005/06/05(日) 00:24:00 ID:bS4srIhb
>保管庫管理人様

お聞き入れくださいましてありがとうございます。
こちらのわがままですので謝って頂く必要なんて全くございません。
で、リンクなのですが、ウィズ関連はここに投下した3作品+1だけですし、
今後も多分更新予定はありませんので、申し訳ないですが。

116 :名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 01:18:30 ID:gkPb5pAk
数日後ぐぐったら見つかっちゃわないようにね

117 :名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 19:43:47 ID:9wHSDeY9
いきなりだが、"Gadget"(ガジェット)と"Gadgeteer"(ガジェッティア)という単語をYahooの辞書で調べてみたんだが、
"Gadget"は「男性器」、"Gadgeteer"は「陰茎」という意味があるらしい。

http://dic.yahoo.co.jp/bin/dsearch?index=g-000037&p=gadget&dtype=1&stype=0&dname=1na&pagenum=1
http://dic.yahoo.co.jp/bin/dsearch?index=g-000038&p=gadget&dname=1na&dtype=1&stype=0&pagenum=1

しかし、本家が製作したWiz8に出てくる職業で、いくらなんでもチンポはまずいだろチンポはw

118 :名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 20:47:27 ID:y8+hgTcX
つ[Sax]

119 :名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 19:49:19 ID:AAXfY77X
>>117
「Pocket Monster」もアメリカでは「Poke'Mon」って名前が変わったんだよな確か。

120 :名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 22:53:31 ID:QAvEWmC1
保管庫乙

ワードナワロス( ^ω^)
結婚コワス(´・ω・`)
でも、テーマは「愛」だよね( ´∀`)

121 :名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 23:47:32 ID:Tc8WSBtf
>>117

gadg・et
1(目新しい)道具[装置,仕掛け];気のきいた小物
gadg・e・teer
1 (目新しい)道具[装置,仕掛け]を考案する人;機械いじりの好きな人

けして卑猥な意味では無い。

122 :名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 10:44:51 ID:iqouOPAW
ぬるぽ

123 :名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 20:53:54 ID:KggzXg6Q
>>121
でなければハリケンジャーがエロイ戦隊と言う事になりかねない。

124 :名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 12:59:47 ID:2wSg916l
隠語ってのは普通元々の意味がある所に被せるものなわけだし、
一々全部気にしてたらそれこそスーパーで貝を買わせる描写も
できなくなるぞ。

125 :名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 05:26:51 ID:L+EKtw2d
まあ文脈だわな

たとえば、この板で
「オレの持ち物」
って文があったとして…

126 :名無しさん@ピンキー:2005/06/15(水) 12:23:40 ID:zVDyv+97


127 :名無しさん@ピンキー:2005/06/17(金) 23:03:17 ID:BgR/1PaG
保守

128 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:33:18 ID:AAVQSlo3
<コズミックキューブ 地下2階・1>
「どうぞ──<ブラッディ・マルグダ>です」
トマトジュースを基調としたカクテルは、正当なる王位を主張してリルガミンを支配した僭王ダバルプスに挑んだが、
弟を裏切って僭王の妻になったあげく、最後はその夫と愛憎の果てに心中した<血まみれ王妃>にふさわしい色合いだった。
グラスを置いたバーテンは、どんな物事も完璧にやってのけるが、この種のカクテルについては完璧以上だ。
青い礼服に身を包んだ男──ヴァンパイアロードは。
「しかし、大将、──いつまでここで飲んだくれてるんでさあ?」
ワードナの横で道化服の小男が退屈そうにあくびをした。
悪の大魔術師は、フラックの問いかけに答えなかった。
黙ってグラスの中の<ブラッディ・マルグダ>の紅い水面を見つめる。
地獄の道化師は、頭を振った。
「こんなところに洒落たバーまで作ってまで、まあ」
地下2階の一角は、闇と、その中に光る魔法のともし火との陰影が、これまた魔法の金属で作られた迷宮によく映え、
最高級の夜の雰囲気をかもし出している。
上下の階層をつなぐ魔法のシャフトさえ、調度品のように洒落たデザインに思えてくる。
ワードナが命じ、ヴァンパイアロードがいかなる手段かを用いて即座に作り上げた<バー>だ。
悪の大魔術師は、スツールに腰掛けて、無言のまま身じろぎもしない。
フラックは退屈そうに辺りを見回した。
向こう側の通路にたたずむ影を見て、眉をしかめる。
「どうも、奴さんたちがいると空気が窮屈でしょうがない」
道化師の視線の先にいるのは、巨大な竜と、トーガに身を包んだ四足獣、それに甲冑を纏った聖者だった。
ル´ケブレス。ララ・ムームー。ゲートキーパー。
召喚陣が呼び出せる最強の魔物──というより亜神たちは、闇の入り口で静かに待機していた。
「奴さんたち──いや、あのお歴々が、俺っちより強力な存在と言うのはわかるんでさあ。
でも、まあ高尚過ぎて、どうにも、こっちまで粛々となっちまう。これが息苦しいってやつかねえ?」
フラッグはバーテンに話を振って見せたが、青い礼服の美丈夫は苦笑しただけだった。
たしかに、不死者の王ヴァンパイヤロードに、呼吸についてあれこれ問うのは愚の骨頂だ。
──そこが道化師の真骨頂でもある。


129 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:33:54 ID:AAVQSlo3
<コズミックキューブ 地下2階・2>
ワードナは、古くからの下僕たちの会話(もっとも喋っているのはフラックだけだったが)に参加せず、グラスを見つめていた。
当然のことながら、血をイメージして作られた紅色のカクテルは、本物の血液を連想させる。
そして、リルガミンにはマルグダよりも、もっと血がふさわしい女王がいた。
<血まみれ王妃>よりもはるかに美しく、はるかに強力で、はるかに血にまみれた生涯を送った女──<狂王トレボー>。
悪の大魔術師は、はじめて彼/彼女に会った日の事を思い出した。

──リルガミン王からの召集に答えたのは、気まぐれだった。
先代の王とはそれなりの付き合いもあったし、研究中の<アミュレット>に関しての援助や相互協力もあった。
新王が、どうやら父親を謀殺したらしい、という裏の噂もそれほど気にならなかった。
むしろ、即位と同時に近隣の反抗的な都市を二つも滅ぼしたやり手の王がどんなものか、顔を見ておくのも一興だとさえ思った。
リルガミンの新たな支配者は、恐ろしく傲慢で、恐ろしく美しいとも聞いていた。
ただ、その王、トレボーの事を<王>と呼ぶ者もいれば、<女>と呼ぶ者もいることは少し気にかかった。
トレボーは決して自分の事を<女王>と呼ばせなかったからだ。
結局、<狂王>という呼称に落ち着いたが、そのやりとりは興味深いものとしてワードナの記憶に残った。
(王と呼ばれたがる女か、──面白い)
悪の大魔術師が、だから何度目かの<狂王>からの召集に答えたのは、実際のところまさに興味本位からだった。

「──お前が大魔道師ワードナか」
謁見は最悪のものだった。
多くの戦争奴隷を使い潰して建てられたばかりのリルガミン城<天守閣>最上階は、悪徳の楽園と化していた。
二つの都市から狩り集められた美少年と美少女が、ある者は全裸で、ある者は扇情的な薄布をまとい、
恐怖と魔法薬と快楽に溺れる阿鼻叫喚の図は、まさに背徳の都であったが、
しかし、その主はその美貌のどこにも微笑のひとかけらも浮かべることがなかった。
玉座に腰掛ける不機嫌な王の瞳を、ワードナはまっすぐに睨みつけた。


130 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:34:27 ID:AAVQSlo3
<コズミックキューブ 地下2階・3>
「跪け、下賎の者」
「断る」
間髪いれずに答えた悪の大魔術師に、トレボーは一瞬言葉を失った。
まわりの奴隷たちが二人の間の空気におびえた表情になったが、遅滞は一瞬で、また主人への奉仕を再開した。
トレボーは全裸で玉座に腰掛け、その巨大な<サックス>を少年と少女が二人ずつでかわるがわる愛撫していた。
「……今、なんと言った?」
数瞬の後、<狂王>は無礼極まりない相手に地の底から湧き上がるような声で質問した。
ワードナは答えもせずに指を鳴らした。
謁見の間の中央に、巨大な玉座が出現した。
トレボーのそれは、金銀宝石で飾られた豪奢なものだったが、
ワードナが生み出した玉座は魔界の金属で作られた飾り気のないものだった。
ほぼ同じ大きさ、おそらくはほぼ同じくらいの価値、しかしどこまでも対照的な玉座に腰掛け、
<狂王>と<魔道王>は無言でにらみ合った。
拮抗を崩したのは、トレボーの股間で奉仕をしていた少女だった。
魔人の間の張り詰めた殺気に耐え切れなくなったのか、
リルガミンに滅ぼされて今はもうない都市で、姫と呼ばれていた少女が嗚咽の声を吐いた。
いったん嗚咽を漏らすと、少女は、声を抑えることもできず、啜り泣きを始めた。
向かい合わせの少女にそれは伝染し、さらに二人の少年にも飛び火した。
「──」
トレボーの目が光った。両手を伸ばし、まず二人の少女の頭を掴んだ。
プラチナブロンドと、漆黒の直ぐい髪が美しい頭──が一瞬にして柘榴のごとく握りつぶされた。
目の前1フィートの距離での虐殺に残った少年が声を上げる前に、その手が翻り、彼らにも々運命を与える。
四人の、世にも美しい首なし死体を作成した独裁者は、まるでお前のせいだといわんばかりに魔術師を睨んだ。
「──たいした握力だ」
ワードナは、髭をしごきながら呟いた。
まるで感情がこめられていない声に、<狂王>は目を眇めた。


131 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:35:02 ID:AAVQSlo3
<コズミックキューブ 地下2階・4>
<狂王>が何を考えたのかは分からないが、結局、その場はそれで済んだ。
どころか、トレボーはワードナを歓待する胸を付け加え、宴席すら張った。
隣国の大使の首を、謁見するや否や跳ね飛ばして城門に飾った王にしては、あまりにも珍しい対応だった。
もっとも歓待の宴に<狂王>は出ることはなく、その高官(これも短期間で粛清による入れ替わりが激しい)たちと
もっぱら酌婦によって歓迎が成り立っていたが。

芸術性と淫らさを両立させた異国風の踊りを披露した踊り子は、一流の酌婦であり、しかも超一流の公娼でもあるようだった。
夜がふけると、当然のように客人の寝台にもぐりこんできた酌婦を、魔術師は拒むことはなかった。
乳腺と筋肉と脂肪がたっぷりと女の重量感を生み出している乳房。
蜂の化身のごとく引き締まった腰。
男をひきつけ、子を産むための女の甘い肉がみっしり詰まっている臀。
踊りと性交のために特化した肉体を作るために、女は何年間美を磨き続けなければならなかったのだろうか。
酌婦は、それを、惜しげもなく客人に捧げた。
<狂王>の客人は、それをぞんざいに扱った。
大きく引き締まった臀を背後から責めながら、老魔術師は息一つ切らせていない。
「ああ──もうっ……」
豪奢なベッドの上で、若さと成熟とが交わる妙齢の女は小動物のように震えた。
「こんな、こんな……」
魔道士が普通の人間でないことは覚悟していた。
魔と闇を操る人間は、常人の考えも及ばない快楽の術にも長けていると聞いている。
しかし、これほどとは──。
<魔道王>は淫魔も呼び出さなかったし、妖しげな魔法薬を取り出すこともなかった。
しかし、娼婦が驚愕するほどにその交わりは巧みだった。
主──トレボーの気まぐれで、十人の男娼と同時に交わらされたこともある。
同じ数の低級淫魔にもてあそばれたこともある。
しかし、こんな快楽は初めてだった。
「ふん、──合格といったところか?」
四つん這いの女体を責める老人がひどく乾いた声を上げたことに気付き、踊り子は愕然とした。


132 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:35:32 ID:AAVQSlo3
<コズミックキューブ 地下2階・5>
「──ふん。どうかな」
ワードナの声に、同じくらい乾ききった、だがこちらはどこまでも美しい女の声が応じた。
客室のドアが開き、鎧を身にまとった女が一人で入ってきた。
「きょ、<狂王>陛下……」
公娼は、悲鳴寸前の声を上げた。
命じられた仕事を行っているとはいえ、慈悲のかけらもない主人を身近にした奉公人が抱く恐怖心だ。
トレボーは耳障りな音を立てた相手をじろりと睨んだ。
ワードナが僅かに身をゆすった。
「あっ!?」
公娼はかすれた声をあげてのけぞった。性器──否、全身から襲い掛かる快楽の波は、<狂王>への恐怖すら束の間忘れさせた。
「──ほう」
トレボーは驚いたようにそれを見つめた。
「やりおる。さすが、魔道王──の人形」
「──得体の知れぬ女を抱く趣味はなくてな」
今度の声は、部屋の片隅から聞こえた。
トレボーと公娼の視線の先に、机の上の魔道書にしおりを挟み、閉じるところだった老魔術師がいた。
「?!」
背後の魔術師が、老木でできた木偶人形と化した瞬間、公娼はバネ仕掛けの人形のように飛び上がった。
どこをとってもセックスのための肉しかないはずの身体が、重さを感じさせぬ動きで天上に張り付いた。
一瞬の後、疾風よりも速く、それは落下した。──トレボーの頭上に。
「──ふん」
自分の使用人──奴隷が暗殺者と化して飛び掛ってくる姿に対して、リルガミンの独裁者は一瞥も与えなかった。
机に向かうワードナをまっすぐに見据えたままで、女忍者の繰り出したクナイの一撃を手首ごと掴んで受け止める。
わずかに力をこめるだけで、暗殺者の骨は折れた──どころか粉々に砕け散った。
いかなる治療法をもってしても二度と使い物になるまい。
もっとも、次の瞬間に女忍者の頚骨も同じように粉微塵となっていたから、その心配は全く不要であったが。


133 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:36:06 ID:AAVQSlo3
<コズミックキューブ 地下2階・6>
「──いつから気付いていた?」
公娼が暗殺者であることを、だ。
「貴様は、いつからだ?」
<狂王>の質問に、質問で返す者は、この大魔術師しかいないであろう。
「──最初からだ。我は、何者も信用せん。数年前、どころか数十年も前、この女が生まれる前から
リルガミンに隣国のスパイが送り込まれ暗殺者として育てられていたとしても驚くべきことではないわ」
「少しは利口なようだが、──まだまだだ」
ワードナの視線が暗殺者の死体に注がれていることに気がつき、トレボーはすらりと美しい眉根を寄せた。
次の瞬間、驚くべき瞬発力を発揮して、死体から飛び離れた。
妖艶この上ない死体が、爆ぜるようにして新たな血しぶきを上げたのはまさにその次の瞬間だった。
「ほう、妖虫か。古風な手を使う」
女忍者の胎内から青黒い触手がと奇怪な節足が何本も生えてきたことを見取って、ワードナは冷笑を浮かべた。
剣の柄に手をかけて身構えるトレボーのほうは見向きもしない。
どころか、異界の妖虫のこともその瞳は移していなかった。
「田舎魔術師が。──疾く、去ね。地獄へ」
攻撃のための呪文を唱えることすらせず、<魔道王>は手を振った。
妖虫の動きがぴたりとやみ、どこかの闇の中で女の苦鳴と恐怖の声があがった──ように聞こえた。
「む、女だったか」
術者と同様に命を失った虫の死骸を見下ろし、ワードナは一人ごちた。
相手の実力は完璧に分析していたが、男か女かまでは考えもしなかった。女だからどうする、という気は全くなかったが。
「やるな……」
トレボーの声には、感嘆の様子は含まれていなかった。
だが、ワードナは振り返った。何かに気がついたごとく。
声は無関心を装う事に完璧に成功していたが、その目は本心を隠すことができなかった。
薄暗がりでぎらぎらと輝く蒼い瞳を客人に向け、<狂王>はあくまでも気のないそぶりで誘いの言葉を口にした。
「我の寝室へ──とは言わぬ。しばらく<天守閣>にでもつきあわぬか?」
意外な言葉に、<魔道王>はちょっと考え込み、驚くべきことに頷いた。


134 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:36:49 ID:AAVQSlo3
<コズミックキューブ 地下2階・7>
夜更けの風は冷たく、爽やかだった。
今ばかりは血なまぐさい支配者の君臨する都にも、涼しげな空気が流れている。
たとえ、夜明けとともに、今、目の前の女の号令で地上の地獄が再開するとしても。
<天守閣>上層のテラスで、トレボーは長らく無言だった。
「──貴様は、どういう人間なのだ?」
やがて、半陰陽の独裁者が口を開いた。
「知らんな。貴様が勝手に判断するがいい。──貴様に同じ質問をしたとして、どう答える気だ?」
「……今の貴様のように返答するだろう」
<狂王>は、<魔道王>を睨みつけながら答えた。
忌々しげな表情は、生意気な魔術師ではなく、おろかな質問をした自分へのものだった。
美貌の独裁者は、また外へ、リルガミンの街へと視線をそらした。
「我は……異形の者だ」
静かな声は、今までのものとはまったく異質の響きを持っていた。
「我は生まれつき、男と、女の両方の生命を持っている」
先ほど謁見室でさらしていた全裸を見るまでもなく、<狂王>は、完璧な乙女の身体に禍々しいまでの男根を備えていた。
その力も、人の身でありながら、巨人族をもしのぐ怪力であり、頭脳はどんな軍師よりも勝っている。
人間と言う種の持つ、極限の能力を備えて生まれてくる者──天才は数多かれど、
ここまで多くの、しかも強力で異質な力を同時に兼ねそろえた人間は、天才ではなく異形と呼ばれる。
トレボーは、まさにそうした人間であった。
「そして、お前も、そうした異形の人間ではないのか、<魔道王>よ?」
そろり、と試すように投げかけられた質問に、ワードナは答えなかった。
また、長い沈黙が降りた。
風が強くなったことに気付いたワードナは、先ほどの<狂王>のようにリルガミンを見下ろし、視線を戻した。
そして、トレボーが、じっとこちらを見つめ続けていたことに気がついた。
「──どうやら、我は貴様を気に入ったらしい」
そうした言葉を吐くのが、<狂王>にとって初めての経験であることは、誰の目にも明らかだったことだろう。
トレボーの頬には、いつもの驕慢な嘲笑ではなく、はにかみを抑えるための不機嫌さでいっぱいだった。
「我とともに歩まぬか、ワードナ?」


135 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:37:31 ID:AAVQSlo3
<コズミックキューブ 地下2階・8>
「わしとともに何処へ行こう、と言うのだ?」
ワードナは、トレボーの変貌に戸惑いながら言った。
質問を質問で返すのは、挑発の場合のほかに、こうした対処しづらい状況を切り抜ける場合もある。
「まずは、世界征服だ」
あまりに古典的な答えに、<魔道王>は声を上げて笑った。
それには失望も多分に含まれていた。
「おろかな答えだな、傲慢な君主よ。どれだけの王がその陳腐な野望を抱いたと思う?」
「我以外の者はそれを実行する力がなかった。ゆえに、ただの妄想で終わった」
あくまでも驕慢に言い切ったことばに含まれる事実を悟って、ワードナの嘲笑が止まった。
この神にも等しい天才君主ならば、あるいはエセルナート全土の征服もあるいは不可能でないかも知れない。
「だが、真の目的は、それではないぞ、ワードナ」
トレボーは、静かにことばを続けた。
「世界をこの手にした後は、すべての人間を殺し尽くす」
<狂王>の宣言に、<魔道王>は目をむいた。
「我は長らく、人間の下劣さ、弱さに飽いてきた。全てを支配し、全てを殺し尽くす事を考えてきた」
──だがその一歩を踏み出せなんだ。愚かしいことに、我一人が生き残る事を恐れていたのかも知れん。
その気になれば、我一人で子供を作ることすらできる<完全な人間>であるというのに、
それは我の中の男と女の比率が等しくなく、女が圧倒的に強いということも理由かも知れん。
おそらく、我がこの歳まで「女」として性交をしたこともなく、<サックス>の快楽のみを追及したのもそのせいだ」
淡々とした告白は続いた。
「……しかし、今日、我は貴様を知った。我と同じくらいに異形の魂を持つ闇の王を。
しかも、おあつらえ向きに貴様は「男」だ。我とともに歩むことに何の問題もない。
ああ、ワードナよ、全ての人間を殺し尽くした後、「男」の貴様と、「女」の我が一人ずつ残る。素晴らしいとは思わんか?」
<魔道王>は、異形の女王のことばに、沈黙を続けた。

136 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:38:15 ID:AAVQSlo3
<コズミックキューブ 地下2階・9>
トレボーはかまわず、身のうちの欲望を舌に乗せて声にした。
「女を殺し尽くそう、ワードナよ、トレボーのために。貴様の抱く女は我ひとりでよい。
男を殺し尽くそう、トレボーよ、ワードナのために。我を抱く男は貴様ひとりでよい。
全てが終わったら、我はこの<サックス>を切り落として貴様に捧げ、他に生きるもののない荒野で貴様の花嫁になろう」
曙光の中での告白を終えると、<狂王>は微笑を浮かべた。
生まれて初めて自分と同格の相手を得た少女の微笑みは、天使よりも邪気のないものだった。
ワードナは無言でその場を去り、そしてリルガミンの地下に篭城した。

自分を拒絶した<魔道王>に対して、トレボーは激怒した。
世界征服の手を休めてまで突如として創造された地下迷宮への攻撃を行い、
それがうまくいかないと見て取るや、ワードナの首に懸賞をかけた。
多くの冒険者たちが集まり、リルガミンはいつしか世界征服の王の拠点ではなく、冒険者の都となった。
迷宮で流れた多くの血は、どこまでも紅かった。
そう、今飲んでいる<ブラッディ・マルグダ>よりも、紅い。

ふと、ワードナは視線を上げた。
バーテン──ヴァンパイアロードが、黒大理石のテーブルの上に何かを滑らすようにして差し出してきたのに気がついたからだ。
「どうぞ。お探しのものが見つかったようです」
木の箱に入った、古びた骨──聖遺物を見て、追憶に霞んでいた悪の大魔術師の顔がしゃんとなった。
食い入るようにそれを見つめるワードナの視界で、二人の女の笑顔が浮かび、やがて片方だけが残った。
「……旦那?」
フラックが声をかけようとして、言葉を飲み込んだ。
ワードナは片手を振って三人の亜神を異界へ還すところだった。
代わりに、新たな三体の魔物を呼び出す。──グレーターデーモン、マイルフィック、ドラゴン。
ル´ケブレスたちよりははるかに弱い魔物に過ぎないが、彼らを呼び出した真意はバーテンと道化師にはすぐに通じた。
「──行くぞ」
どこへ、何をしに?、とはフラックは聞かなかった。代わりにスナップを聞かせて指をぱちんとさせた。
「そうこなくっちゃ!」


137 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/19(日) 23:42:31 ID:AAVQSlo3
地下2階の分はまだ半分くらいですが、とりあえず、切りのいいところまで書けたので。

138 :名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 00:04:04 ID:ZXckl8Qj
おおおおおお!
寝る前に素晴らしいものを見せていただきました!

139 :名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 00:13:19 ID:fEIjMdhq
職人さん毎回毎回GJです!
ワードナかっこよすぎ

140 :名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 07:21:54 ID:eokjDEcC
この渋いのと>>102の最後の行のが同じ人物とは・・・結婚コワス

141 :名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 11:08:36 ID:oxwqk/ab
いやいやそれよりもこれが無邪気な少女の初恋とは…異形コワス

142 : :2005/06/20(月) 12:19:18 ID:kCIRAARr
ヤッター

143 :名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 13:00:05 ID:StH6gPQH
マスター、トイレ借りるよ。

144 :名無しさん@ピンキー:2005/06/21(火) 00:01:23 ID:ZXckl8Qj
優等生なヴァンパイアロードと激しく道化師してるフラックが凄く燃え。
ゲームではお世話になりました、お二人とも。

んでもって純情ツンデレなトレボー萌え。
こんなトレボーにだったら「You are mine」とか言われて連れてかれてもいいかもしれん。

何と言うか順当に魔女を選んでも意表を突いてトレボーを選んでもどっちにしろ切ないよなぁ。
エロパロ小説で下半身以外が動かされるとは思わなかった……

145 :ロイヤルレディ:2005/06/21(火) 07:30:40 ID:ZKlDwKHu
>>143
きゃあ! ここは女子トイレよ
500GP払わなければ、人を呼ぶわよ!

146 :名無しさん@ピンキー:2005/06/21(火) 19:03:13 ID:81I65lRC
>>145
……このセリフ、裏返すと払いさえすれば居てもいいと深読みできるんだよなあ。
深読みから妄想に繋げるのも容易だけど。

147 :名無しさん@ピンキー:2005/06/21(火) 19:22:50 ID:W7/IJqX0
久しぶりにキテタ-('v')-!
素晴らしい!

148 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/25(土) 19:57:24 ID:42KUzldD
<コズミックキューブ 地下2階・10>
魔女は、うろうろと薄闇の中をさまよっていた。
足取りはしっかりとしているが、時々立ち止まってはあたりを見渡したり考え込んだりする姿は、この女には珍しい。
「……探し物は、みつからない」
歌うように呟く声を聞く限り、それほど深刻そうな様子ではなかった。
「<あれ>が見つからないとなると、手持ちの武器は、この<魔女の杖>と少々の術式。
それに──この胸に溢れるばかりに貰った、わが殿からの愛」
目をつぶって豊かな胸元に手を当てた魔女は、闇の中で微笑を浮かべた。
夫にたっぷりと愛されているという、ゆるぎない確信を持っている若妻の微笑だった。
……だが、目を見開いてその後に続けた言葉を聞いたものがいれば、魔神でさえも戦慄を覚えたであろう。
「それさえあれば、世界の全てを敵に回してお釣りが来るけど、今回の相手には勝算が薄いわね」
ふと、魔女は立ち止まった。
柳眉をしかめて、正面の闇を見つめる。
「あらら、ずいぶんと早いご到着で──」
のんびりとした声に、地の底から響くような声が答えた。
「見つけたぞ、我が宿敵。──ワードナの首をはねる前に、貴様との決着を、つける」
闇の中から現れたのは、黄金の巻き毛を揺らめかす美女だった。
銀に光る装備──<コッズ・アイテム>に身を固め、黒い大剣を手にした地獄からの使者を前にして、
魔女はわずかな動揺も見せなかったが、しかし、トレボーの剣には注目した。
「<裏オーディンソード>。……なるほど<私>が斬られたのも無理はないわね」
「──妖刀村正の中に、さらに呪われ、さらに強力な<裏村正>があるように、
聖剣オーディンソードにも、さらに呪われ、さらに強力な一振りがあった」
「噂には聞いていたけど、実在するとは思っていなかったわ」
「……むう」
<狂王>は不審げに眉間にしわを寄せた。
「……?」
魔女は柳のような眉をわずかに上げ、不思議そうな表情を作った。
「──貴様、本当にあの女と同一人物か?」


149 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/25(土) 19:58:13 ID:42KUzldD
<コズミックキューブ 地下2階・11>
トレボーが言うのは、地下4階の魔女のことに違いない。
「もちろん。どうして?」
「あの女はこの剣のことを予測していたどころか、対策まで考えていたぞ。──おかげで手間取った」
「まあ、さすが<私>」魔女は涼やかに笑った。
「貴様は、予想もせなんだか」
「うーん」
法衣姿の美女はこめかみに手を当てた。同性すらどきりとするような仕草だった。
「……まあ、私のほうがあっちより若い──はず、だから。色々と違うのよ」
同一人物か、別人なのかは、当人たちしか知りえぬ事情があるのだろう。
そういえば、魔女は、自分=地下4階の魔女が敗れて首をはねられたことについて一言も触れない。
「小娘が物知らずなのは、年長者の余裕で我慢してね。──百年ぶりに目覚めたおばあさん」
ころころと笑って続けた魔女に、トレボーの瞳が怒りに燃え上がった。
「なるほど、別人らしいな。──あの女は敬意に値する敵だったが、貴様は違う。
あの女は斃すまでに半日もかかり、我も敗れる可能性すらあったが、貴様は──」
「長くても半刻といったところかしら」
怒りの塊のような<狂王>の言葉を、タイミングだけですっとさえぎる。──挑発に関しては神業だ。
夫の好みに合わせてどんどん自分を変えてきた女は、敵に対しては無慈悲で冷酷なままだ──むしろそれが増してさえいる。
魔女がトレボーの背後を凝視ながら言葉を発したことに気づき、トレボーは嘲笑を浮かべた。
「……気になるか、<ソフトーク・オールスターズ−1>が? 貴様の分身は歯牙にも掛けなんだぞ」
たしかに地下4階の魔女は、トレボーが舌を巻くほど強力で狡猾な魔術師だった。
最強の冒険者たちでさえ、たとえ主君から傍観を命じられなかったとしても、あの戦いに割って入ることは不可能だったろう。
しわがれ声の美女は「その他大勢」を傲然と無視し、冒険者たちもまったく動けなかった。
しかし、目の前の魔女は、彼らの存在が気になるらしい。
冒険者たちもそれを感じ取ってフォーメーションを組んで対峙する。
相手の技量を軽視してはいないが、歴戦の戦士たちに、目の前の女と同一人物にすくみあがった面影は微塵も無い。
魔女と地下4階の魔女との差──雰囲気あるいは人間的迫力の差というべきものか。


150 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/25(土) 19:58:40 ID:42KUzldD
<コズミックキューブ 地下2階・12>
「──そこの人たちは、やっぱり、いないほうがいいわよね」
魔女が動いた。すっと片手を上げた瞬間、<ソフトーク・オールスターズ−1>の前に青い光が走る。
「テレポーター!?」
シーフのモラディンが驚愕の声を上げた。
高レベルの冒険者にとって、迷宮の中でもっとも恐ろしいのは呪文攻撃でもドレイン攻撃でもない。
それらは魔法の品々で防ぐことが可能であるからだ。
だが、宝箱に仕掛けられたトラップ……その中でもテレポーターは発動してしまえば防ぎようが無い。
それゆえにもっとも厄介な、恐ろしいものとされている。
だが、時間を掛けて準備し、巧緻な発動体を仕込むことができるトラップと違い、呪文によってその効果を生み出すことは不可能と言われる。
味方に掛ける<マラー>の呪文と違い、転移を望まぬ敵を、無理やり転送するのはそれほどに難しい。
かろうじてある種族のモンスターを送還する呪文など、不完全なテレポートのみが呪文として可能とされている。
だが、魔女が無造作にかけた呪文は、まったくテレポーターと同一の効果を挙げていた。
「はい、行き先は石の中──ではなくて、地上にしておいたわ、安心なさいな」
魔女はにっこりと笑って、光に包まれて転送される冒険者に軽く手を振った。
本物のテレポーターでさえも座標は指定できないのに、その気になればこの女は<消滅>よりも確実な滅びを自分達に与えることができた
そのことを悟って冒険者達が戦慄した瞬間、彼らは地上へと転送された。
もはやあたりに他の人影はなく、ただ<狂王>と魔女だけが静かに対峙していた。
「なにか? 不思議そうな顔をしているけど?」
「……」
トレボーは無言で魔女をにらみつけている。
「──<コズミックキューブ>は<マラー>の呪文を通さないわ。あの五人が戻ってくるためには自分の足を使うしかない。
最短距離を最速で来るとしても半刻はかかるわ。貴女と決着をつけるにはたぶんそれくらいで良い、はずよ」
「……わからぬな。それほどの力を持ちながら、貴様は何故あやつら如きを恐れた? それに、たやすく殺せるのに何ゆえせなんだ?」
「恐れてはいないわ。なぜ転送したのかは──そのうち判るわ」
魔女はにっこりと笑い、風を巻いて跳躍した。


151 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/25(土) 19:59:16 ID:42KUzldD
<コズミックキューブ 地下2階・13>
トレボーは驚愕した。
まさか、魔術師であるこの女が最強の君主である自分の懐に飛び込んでくるとは!
一瞬反応が遅れたが、かろうじて黒の大剣が間に合った。
火花が散り、魔女の杖が妨げられる。だが、魔力と加速がついた杖の運動エネルギーはそれだけでは止まらなかった。
ガッ。
トレボーの頭上でいやな音がした。
「おお……」
<コッズ・ヘルム>と金の豪奢な巻き毛の下から、血がひと筋、眉間を流れた。額が僅かに割れたのだ。
「あら、残念。初手で貴女の頭蓋を割ることができたら最高だったのに」
魔女は冷たい微笑を浮かべた。──彼女の夫は生涯見ることがないであろう、この女のもう一つの笑顔。
トレボーは無言で大剣を振るった。
至近距離だが、この異形の女王の技量ならば、相手を真っ二つにすることも容易い。
しかし、トレボーが全くの不意を疲れた一撃を最小のダメージで防いだと同様に、魔女も<狂王>の一撃を避けていた。
ふわりと飛び下がる法衣は、しかし、次の瞬間、胸元を大きく切り裂かれていた。
「さすが──」
傷は負っていないが、肩からみぞおちの辺りまでの斬撃は、わずかでも避け損なっていたら致命的な一撃であったことを物語っていた。
「決着まで半刻──嘘はないようだな。」
自分が尊敬の念さえ抱いた地下4階の魔女とはほとんど別人格だが、今対峙している女が同等以上の実力を持っていることを
トレボーは素直に認めた。魔女がこれほどの覚悟で全力でぶつかってくれば、それくらいの時間で──どちらかが死ぬ。
「……む」
改めて覚悟を固めた悪の大君主が、魔女を睨みつけようとして、言葉を失った。
「何? ──あ……」
魔女は自分の体を省みて、<狂王>の視線の意味を悟った。
先ほどの斬撃で、魔女の法衣は切り裂かれ、そこから下着がのぞいていた。
見た者全てが息を呑むような美貌──清楚さと妖艶さを兼ねそろえた女にふさわしからぬ一品。
絶世の美女と何の変哲もない地味一辺倒の下着の組み合わせには、怒り狂ったトレボーすら一瞬唖然とするものがあった。


152 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/25(土) 20:00:24 ID:42KUzldD
<コズミックキューブ 地下2階・14>
「──随分と、無様な格好だな……」
「そう? 暖かいし、肩が凝らなくていいのよ、これ」
色合いどころか、デザインもあまりにも野暮ったい。
コルセットこそしていなかったが、法衣からのぞく下着は、魔女の大きな乳房をすっぽりと覆っている。
肩紐も幅広く、がっちりと上半身を固めているような下着だった。確かに保守的この上ない。
むろん、布越しですら息を呑むような美しさと色気が漂っていたが、
妖魔の女王もかくやと思われる美貌と、<狂王>が戦慄する実力を持つ魔女のものとしては違和感がないでもない。
この女は、法衣の下に、見た男全てがその場で射精してしまうような下着を身につけている、
──そんなイメージを、トレボーは漠然と抱いていた。この女の美貌に接したときから。
「──ちなみに、下の方は、おへそまであるやつよ。お尻もすっぽり」
妙齢の女同士の会話としては、ある意味敗北宣言に近いセリフを魔女はためらいもせず口にした。
毒気を抜かれた風に、トレボーが魔女を見つめる。
魂さえ掛けて悔いぬ決戦であったが、突き詰めれば、そこには一人の男を奪い合う(たとえ殺すつもりであっても、だ)
という女としての戦いの要素が色濃く流れていたはずではなかったのか。
魔女は、そうした戦いは放棄しているのだろうか。
──だが、魔女は、恋敵の複雑そうな表情を見て笑った。
あでやかに、意地悪に。
「──お馬鹿さん。主婦が一人でお出かけするのに勝負下着なんか着るものですか。一体誰に見せるというの?」
「!!」
「私が凝った下着を着るのは、わが殿といっしょのベッドに入り込むときだけでいいの。
それ以外のときは、こういうもので十分。わが殿が大好きな、私のおっぱいとお尻──それを守ることが最優先。
──それに、女はお腹を冷やさないほうがいいのよ。特にこれから妊娠する予定の既婚者は、子宮を大切にしなきゃ」
魔女は胸を張った。「夫の昔の恋人」に対して、傲慢この上ない妻の言葉だった。
(女としての戦いにはもう勝負がついている。今更同じ高さに下って争う必要を認めない)
トレボーが抱いた一瞬の勝利の幻想を粉みじんに打ち砕く、冷酷な嘲笑だった。


153 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/25(土) 20:00:57 ID:42KUzldD
<コズミックキューブ 地下2階・15>
<狂王>はわなわなと震えた。
これほどまでの侮辱を受けたのは──ワードナに求婚を拒否された時以来だ。
「殺す──前に犯し尽くしてくれるわ、魔女め」
「それはご遠慮していただきたいわ。──私、主人がおりますもの」
普通の返事が、もはや相手の精神にやすりを掛ける挑発の言葉になっていることを、魔女は十分自覚している。
トレボーは無言で篭手を外した。兜も、鎧も。
宿敵が身を守る<コッズ・アイテム>を脱ぎ去るのを、魔女は黙って、見つめた。
やがて、異形の女王の完璧な裸体が現れた。
股間の<サックス>は怒張しきっている。
人生最大の怒りと憎しみに加えて、地味な下着とはいえ、絶世の美女の半裸を前に、欲情が男根を熱くたぎらせていた。
「我が<サックス>の餌食としてくれるわ、あばずれめ。突き刺し、引き裂き、喰らい尽くしてやる」
「女の勝負はあきらめたの? 賢明ね。──でも男としても中途半端。そのお粗末なもので何をしようと言うのかしら」
魔女は鼻先で笑った。
トレボーは、ほとんど茫然自失になるまでの怒りに目をむいた。
史上最悪の暴君として、あらゆる罵りの言葉を受けてきた女だ。
しかし、これだけは経験がない。──この<サックス>をお粗末と言われることは。
「あら、失礼。殿方はお持ち物をあれこれ言われるのが一番失礼だったわね。
──でも私が知っているたった一本は、貴女のご自慢のものよりずーっと素晴らしいもの」
魔女は先ほど<狂王>を撲殺し損ねた<魔女の杖>を握りなおした。
見る間に木の棒が形状を変えていく。
トレボーの異形の男根より、大きさは小ぶりで、形も通常の範囲内だが、一般的なものから考えればたしかに見事な逸品だ。
「──それが、あやつの男根か」
<狂王>は、はじめて見る「それ」の正体を看破した。
「そうよ。だけどこれはそれを型取ったただのおもちゃ。──貴女を地獄に返すにはこれで十分」
「面白い。──我が得意とするものが殺戮だけと思ったか」
魔女の意図を悟って、トレボーが大剣までも捨てた。


154 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/25(土) 20:01:28 ID:42KUzldD
<コズミックキューブ 地下2階・16>
「──本当は、女性がお相手と言うのも好きじゃないのだけど」
魔女は夫の男根を擬した木の棒に口付けしながら呟いた。
本音を言えば、男も女も人も人外も、夫以外の存在はジャガイモかカボチャと同類項、と笑わない瞳が雄弁に語っている。
「でも、まあ同性が相手なら、ぎりぎり不貞にはならない──かしら? この女を滅ぼす非常手段と言うことで許してもらいましょう。
もちろん、わが殿には今晩うーんと埋め合わせすることとして」
「我を女と呼ぶな! この<サックス>に掛けて、我は──」
「まだまだ未熟な可愛い女の子よ。そうね、恋に恋するお年頃。
いらっしゃい、お姉さんが大人の愛を少しだけ教えてあげる。それを知ったら、地獄にお帰りなさい」
魔女は愛おしげに舐めあげた男根にかぐわしい息を吹きかけた。
<魔女の杖>で作られたワードナの男根が、複雑な術式と魔力を蓄え、生身のごとく脈打つ。
力強い脈動を手の平に感じた魔女は、それを持ち上げてうっとりと頬ずりした。
「……この男根でいかされたら、貴女はその場でこの物質界からさようなら、よ。亡霊さん」
「面白い。では我の<サックス>で貴様を貫いたら──」
「それは完全な不貞行為になるわね。どんな形であっても夫を裏切ったことになる以上、私は自害しますわ」
水のように静かな表情で凄まじい誓約を口にした魔女に、<狂王>が息を呑んだ。
この女が宣言した以上、それは嘘ではありえないことをトレボーはどんな宣誓よりも確実と悟った。
「それは──貴様のほうが不利ではないのか?」
「それくらいのハンディキャップはあげなければならないでしょうね、予定していた物が欠けている以上は。
そうでもしないと、貴女を斃すほどの魔力を埋め合わせできないわ」
宿敵との邂逅までに探していた<あれ>が見つからなかったことが、影響を及ぼしているのか。
「なるほど、我の知らぬところでルールは公平と言うわけか。──ならば容赦はせん」
全裸の乙女は、半裸の若妻に飛び掛った。
そして、世にも妖しく美しい魔人同士の戦いが始まった。


155 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/25(土) 20:04:07 ID:42KUzldD
<コズミックキューブ 地下2階・17>
<ソフトーク・オールスターズ−1>は闇の中を走っていた。
魔女の手で地上に飛ばされた後、すぐに地下4階に<マラー>の呪文でテレポートした。
「──地下4階のあの女ならともかく、先ほどの魔女ならばどこかに我らが付け入る隙もあろう」
それがどれほど間違った認識であるかを、彼らは知らない。
表面上はどこか甘く柔らかな雰囲気の若妻を相手に、今彼らの主君が地下4階の魔女を相手にした時以上の
戦慄と畏敬を以って対峙しているところだ、ということも。
おそらくは、先刻彼らを決戦場から追い払った真の理由とともに、彼らには想像もつくまい。
「この速度なら、二人の戦いが終わるまでに十分間に合う。我らの一手が<狂王>陛下の勝利を呼び込む!」
その傲慢な勘違いの発言をさえぎる影があった。
「──いやあ、その前に、俺っちたちの相手をしてくんなよ」
闇からの声に、最強の冒険者たちは愕然と立ち止まった。
「なんだ、あんた達も一人欠員じゃないか。──ちょうどいい、俺っち達も今ちょうど一人面子が足りないところでさあ」
道化師は、振り返って背後を眺め、くつくつと喉の奥で笑った。
そこは、先ほど彼の主人が大慌てで目的地に走り去っていった通路だった。
「──何しろ、うちの大将、やっと素直になって重い腰をあげたところでね。あんたらに邪魔させたくないんでさあ。
あっちの痴話喧嘩が終わるまで、同じ<一人欠け>同士、楽しく遊ぼうじゃないか!
……そっちが<オールスターズ−1>なら、こっちも<オールスターズ−1>。相手に不足はないと思いますぜ?」
言いたい事を言って<地獄の道化師>が下がると、譲られた場所に新たな影が現れた。
青い礼服を完璧に着込んだ美しい男が、進み出て大仰にお辞儀をする。完璧なまでに古式の礼法にのっとって。
「Welcome to your doom,fool!! 
──冒険者達よ。貴様らの相手は、この<B10F・オールスターズ−1>だ!」
マイルフィック、グレーターデーモン、ブラックドラゴン、フラック、そしてヴァンパイアロード。
かつて<ワードナの迷宮>の最下層で、冒険者たちを恐怖と死の深淵へと突き落とした伝説の魔物たちが、
最強の冒険者たちの前に立ちふさがった。


156 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/25(土) 20:08:10 ID:42KUzldD
地下2階の後半です。
久しぶりにすらすらと行ったー。
WIZ4ではファイアドラゴン呼び出せない・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
代わりにブラックドラゴンで勘弁です。ゴールドドラゴンより魔法抵抗高いしw
<B10オールスターズ−1>は、敵としてのいやらしさでは
ポイズンジャイアントと言う手もあったけど、やっぱりドラゴンは一匹必要・・・ですよねw


157 :名無しさん@ピンキー:2005/06/25(土) 21:07:59 ID:eEUnWJdx
おお、クライマックス寸前ですな ワクワクテカテカ

・・・うーん、地下10階というか、あの迷宮ではドラゴンは明らかに格下ですからねえ。
個人的にはポイズンジャイアントを期待しとりました。・・・マカニトでコロリと逝くかも知れないのが難ですがw

158 :名無しさん@ピンキー:2005/06/25(土) 21:17:11 ID:KOkTvwTt
> 魔女は夫の男根を擬した木の棒に口付けしながら呟いた
ここで急いでるワードナが「ぬぉぉぉ!?」とか言いながら前屈みになってたりしてw

そういえば、ダークロードって召喚モンスターリストに入ってるんだよな。
このトレボーは大人しく成仏してくれるんだろうか……

159 :名無しさん@ピンキー:2005/06/26(日) 11:05:29 ID:rMEEQmcK
このスレに *愛* があると感じたのは俺だけではないはず。

160 :名無しさん@ピンキー:2005/06/27(月) 12:44:21 ID:T6CApvQ8
>ここで急いでるワードナが「ぬぉぉぉ!?」とか言いながら前屈みになってたりして
そこでチョトは(ごくり・・・いいわね)と思たトレボーたんが
自前のサックスもかつての恋人の精神にクロスリンクさせて対抗ですよ!?

「それくらい何よ、私だって…」 さすさす

  ワードナ「くほぉぉおぉぉ?!」

「あら、その程度?私なんか」 ちゅっ ちゅっ

  ワードナ「おへあひあへ」

「魔女めこざかしい!ならば私はこうしてくれる!」 ぎゅぅぅぅうう

  ワードナ「うゎなにくぁやめtwせdrftgyふじこ」

「甘いわね、殿方にはこう!」 ずぶっ ←(中央)

  ワードナ「ひぎぃ?!」




   ワードナ「イヤムシロ、コロシテクダサイ…」

161 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/06/27(月) 21:28:23 ID:Fh/QqxBS
>>158
>>160

. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    . . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 :
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄

……い、今更言えない・・・。
<魔女の杖>が変化させるときにワードナに協力してもらってないので
今のアレはワードナの本物とはリンクしてない設定だなんて・・・。
と言うか、最初リンクしているつもりで書いてたんだけど
「ヤキモチが服着て歩いてるような魔女さんが
トレボーに突っ込む奴にそんな細工は絶対にしないだろーなー」とか思い当たって
書き直しちゃったことも……。

162 :名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 11:51:15 ID:gPItEi+N
>>157
>マカニトでコロリと逝くかも知れないのが難ですが
そこは国産PC版という事で。
マカニトの効かないポイズンジャイアントの恐怖・・・
ドラゴンはもちろん、マイルフィクもフラックもヴァンパイアロードも目じゃなかったです。

163 :名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 21:32:27 ID:0ox2smHN
    タイショウ ガンバリスギ
       。。
    |   从   彡ミ             \
    |  ('A`)  il'A`リ         ギシギシ
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ノ( ヘヘ ̄        アンアン/


164 :名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 20:08:23 ID:F27QEUPM
>>162
コンフィグ画面で設定変えられたら良かったのになw

165 :名無しさん@ピンキー:2005/07/04(月) 23:25:32 ID:aNwvIJHz
>102
>魔女は白く細い指をわきわきと楽しそうに動かした。
>その笑顔にワードナはおびえきった表情になった。
ttp://49uper.com:8080/html/img-s/64824.jpg

166 :名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 13:40:03 ID:ONexEdjd
ワードナは おそれている

167 :名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 15:41:12 ID:KF3nL+vZ
>>162 >>164
前衛がレベル20を超えるか、村正が一本入手できるまで、冷や冷やしながら戦った日々…。

168 :名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 16:43:53 ID:MYralFjw
>>150
>呪文によってその効果を生み出すことは不可能と言われる。
今さらですが#1ダークゾーンエレベーター脇の、マビロ・マハマ・ディロマトの人ってこの方だったわけですか?
あれ男じじゃなかったっけ?

169 :名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 17:00:45 ID:MYralFjw
>>156
それとB10Fオールスターズと言うにはレイバーロードも忘れてほしくないですね。
ファイアドラゴンはB9Fでも遭遇した事がありますし、能力的にもB10Fオールスターズには役者不足ではないでしょうか。

170 :名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 17:52:43 ID:nzQxOEjW
>>165
これってOVAのワードナ様だっけ?
ムラマサで真っ二つにされちゃった奴

171 :名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 22:41:43 ID:LtrVKkbr
微妙に痛い椰子が来てるな・・・。

172 :名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 23:59:09 ID:4/yORAGs
>>169
レイバーロードもB9Fで出るよ

173 :名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 13:29:23 ID:m5EX6INs
プレイヤーの視点からすれば一匹しかいない上にあまり魔法使わない
レイバーロードよりもドラゴンの集団ブレスの方がよっぽど怖い

174 :名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 15:55:08 ID:60cAMNK1
それ言ったらやっぱりポイズンジャイアントのほうが恐い相手だけれど、問題はそこじゃないよな。

SSで雑談が広がるのはおもろいけど、相手の意見を否定しあって荒れたり、書いてくれてる職人さんの挙げ足取って悦に入ってどーすんのよ。
議論スレじゃねーだろ。ここは。

175 : :2005/07/07(木) 18:36:46 ID:PVdUI6+c
)>174

ウィズは同じところをぐるぐる行ったり来たりするゲームだからな…。


176 :名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 22:19:29 ID:eKRxMlWy
俺が見るに、今までで一番荒んでいるレスはむしろ>>174なのだが・・・


177 :名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 23:28:33 ID:++BcIe5N
>176
で?
職人さんの揚げ足取り続けたいから邪魔すんなって?


178 :名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 13:00:33 ID:Hi2JPbZY
オーク置いてきますね。

(・×・)\




179 :名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 20:03:59 ID:BXaMg7fN
まぁあれだ。

貴方がオールスターズだと思うものがオールスターズですが
他の人もそう思うかどうかは(ry

みんなお互いに他人の趣味にケチつけるのはやめよう。
十階に出てくるモンスターの数が5種類より多い以上、意見が
割れるのも当然なんだから。
ここはむしろ、「そうかー、この人はこいつらが気に入ってるんだ」と
肯定的に違いを認識しようじゃないか。

とマジレス。

180 :名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 22:09:30 ID:2MZbMjGN
それでいい、と思う。
て言うか、別に誰も職人さん(個人的には作家さんと呼びたい所だが)
の揚げ足取りをして喜んでるわけではないと思って言ったのだが。>>177

181 :名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 08:48:05 ID:peYdsi0D
職人さんと作家さんの違いって?

182 :名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 09:54:19 ID:2xqQJJtz
職人というと絵とかAAとかコピペとかそんな感じ。
SS書いてる人は何となく作家と呼びたい希ガス。


183 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:38:49 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 2〜 地下2階・1>
「くっ、こいつ──」
何度も渾身の一撃を与えているのに一向に倒れる気配がない敵に、戦士が苛立ちの声を上げる。
「ジンス、一度下がれ!」
雷電の指令に、大男がステップバックをする。
その空間を、強烈な一撃が薙いだ。一瞬の判断を誤れば致命的な一撃を食らっていたところだ。
「マイティオーク、これほど手ごわいとは……!」
パーティーの人数が足りないため、前列の三人目を受け持っているスティルガーが驚嘆の声を上げる。
司教の彼は、直接戦闘に参加せず、魔法の援護と防御に専念している。
この樫の木の化物と打撃戦になったら、一瞬で殺されることは目に見えていた。
白兵戦のプロである二人でさえ、この巨大な怪物相手では、攻撃を食らわないことで精一杯だ。
たまのチャンスに攻撃を入れても、人間の数百倍の生命力を持つマイティオークには痛くもかゆくもないだろう。
<災厄の中心>の迷宮で、単純な体力だけならば地獄の魔神よりも強い、といわれた化物だ。
「下がって! ──策がある!」
意を決したようにスティルガーが叫んだ。大きさ1フィート半もある古びた本がその手にあった。
「マバディ!」
司教の声と同時に、薄暗い影がマイティオークを包み込む。──樫の木の巨体が急に萎れたようになった。
「効いた! 今なら斃せる!」
スティルガーの指示が飛ぶより早く、雷電が飛び込んだ。細身の曲刀の一閃で、巨大な木の怪物は音を立てて崩れ落ちた。
「……すごいな、その法術」
ジンスが驚きの表情でスティルガーを見る。
「マバディ、相手の生命力のほとんどを吸い取ってしまう呪文だよ。僕はまだ習得していないけど、
この<死者の書>……、あ、違う、<死の本>にはその魔力がこめられている……いや、いた……」
過去形で言い直した司教は、悲しげに手に持った本──の残骸を見つめた。
使用すると三分の一の確率で魔力を失う<死の本>は、今の使用でまさにガラクタに変わってしまったのだ。
金貨五万枚で取引されるという高価な品も、資産数百万ゴールドのスティルガーにとっては本来惜しいものではない。
だが、それは地上での場合だ。迷宮の中で強力な魔品を失うことほど、大きな痛手はない。
特に、こんな強敵がうろつく迷宮では。


184 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:39:23 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 2〜 地下2階・2>
「これほどの魔物がいるとは、正直予想外だった」
スティルガーは唇を噛んだ。
世界の破滅の日でも取引をとめることはないというボルタック商店は市内の混乱とも無縁だった。
迷宮に入る前にそこに立ちより、運べる限界まで魔品を買い込んできたという、裕福で賢明な司教のおかげで、
先ほどの戦闘のように、本来のパーティーの実力以上の敵を撃破してきた四人だが、そうした魔品も尽きてきた。
そして──。
「いい知らせと、悪い知らせとがあるよ」
憂鬱そうな表情で偵察から戻ってきたダジャが報告した。
「いい知らせは?」
「この先の小部屋ゾーンに、トレボー軍の拠点があるわ。そこに誘拐された人が全員囚われているようね」
「おお!」雷電とジンスが声を上げた。
「悪い知らせは?」
「<バラの貴婦人>はそこに全員終結しているわ。トレボー王は出陣したらしくて<ソフトーク・オールスターズ>も不在。
他の連中はろくなのが残っていないわ。でも、逆にそのせいで<貴婦人>が残っているようね」
「本拠地の防御司令官というわけか」
スティルガーは腕を組んだ。
ちらりと雷電を伺う。
女忍者をさらわれた侍の決意は揺るがない。──女魔術師をさらわれた戦士の決意も、だ。
「やってみる──しかないな。ダジャ、配置は分かるかい?」
「スティルガー……」
女盗賊は相棒──今は夫に抗議が入り混じった声を上げた。
危険すぎる。四人がかりでも<貴婦人>にはまったく歯が立たないのははじめから分かっていたことだ。
司教の立てた戦略も、<貴婦人>とは戦わずに、アイリアンとオーレリアスを奪還するというものだったはずだ。
「まずは考えて見なければ、始まらないだろう。それに……」
司教は腕を組んだ。言うべきか、言わざるべきか、迷っている風だ。
「それに?」
「何かが、僕たちを後押ししてくれている感じがする。──君らは感じないか?」
「ああ、お前もそれに気がついていたか」
雷電が即答した。ジンスとダジャは顔を見合わせた。この二人は鈍いらしい。


185 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:39:51 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 2〜 地下2階・3>
「背後で何度か戦闘の気配があった。巧妙に隠してあったが、トレボーの召喚した魔物の死体をみた。
──おそらくは、先ほどのマイティオークと同じか、もっと手ごわい奴だ」
「まさか──誰が?」
「きっとトレボーとその配下が気に食わない奴らだろうね。連中にも色々あるんだろう。
反逆した<ソフトーク・オールスターズ>に先んじて市立博物館からハースニールを盗んだ奴もいる。
そもそも、トレボーは、<魔道王ワードナ>という敵がいる」
「ワ、ワードナまでもここに来ているのか!?」
ジンスが「御伽噺の中の大魔術師」の名に、息を飲み込んで聞き返した。
「それはわからないが、ワードナか、それに近い存在がこのあたりをうろついているのは確かだ」
夫の返答に、ダジャは片眉をあげて夫を睨んだ。
「……でも、そいつらが私たちの味方とは限らないじゃないの」
「──だね。そいつらの目的か何かは分からない。案外面白がってやっているだけかもしれない。あてにはできない」
「……でも少なくともトレボーの敵と言うことにはちがいない。不利にはならない不確定要素というところ?」
ダジャは考え考え言った。ためらいがちに見つめてくる妻の視線に、スティルガーが頷く。
「まあ、どちらにせよ、僕たちは引けない──いや、引かない」
女盗賊が一瞬息を呑み、にっこり笑って頷いた。
「あなたも? ──私もそう思っていたわ」
「気が合うね、さすが夫婦だ」
太っちょの司教は笑顔を浮かべた。
「戦略は、結局一つだ。<貴婦人>たちをおびき寄せ、隙を突いて二人を奪還する」
「見えない<敵の敵>が都合よく動いてくれるといいんだけど」
背後の闇を見つめながらダジャが呟く。
雷電とジンスは、無言で正面の闇を見つめている。
しばらくして、司教が立ち上がった。
「作戦が決まったよ──運を天に任せよう」

186 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:41:12 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・4>
「侵入者……?」
カディジャール婦人は視線を机から上げた。
「そのようですね」
ワンダ公爵婦人が頷いて立ち上がった。他の四人も同様だ。
部屋に駆け込んできた伝令は、すでに<貴婦人>が戦闘準備を整えているのにびっくりしたが、すぐに悲鳴のような声で報告した。
「しゅ、襲撃です。倉庫から火の手が!」
「取り乱すな、馬鹿者。──敵は何者か?」
クネグナンダが叱咤し、若い戦士ははっとしたように我に還った。
「──人数は不明です。しかし、戦士と侍が一人ずつ斬り込んできています。それと──」
遠くで大きな音がした。何かの魔法だろう。
「しょ、正体不明の魔物が二匹!!」
「魔物!?」
<バラの貴婦人>たちは顔を見合わせた。
トレボー王が地獄からの帰還の際に呼び出した魔物たちは、当然、彼女たちの味方だ。
その多くはこの拠点の周りをうろつかせているが、それ以外のものが現れたとは。
「あの化物たちを突破してきたのか。その戦士と侍、それに新手の魔物。あなどれんな」
「もしや、ワードナが……」
貴婦人たちは、彼らの主君が唯一警戒する<魔道王>の名を口にした。
たしかにあの悪の大魔術師ならば、地獄から呼び出した最強レベルの魔物にも対抗する存在を召喚できるだろう。
「──相手が何者かはわからぬが、これは陽動だ。目的は、……人質の奪還」
カディジャール婦人が断言した。
他の五人がはっとしたように顔を見合わせる。たしかに<狂王>不在のこの拠点への強襲の目的は、それしか考えられない。
敵の脅威や正体に目を奪われず、その目的を察知して防ぐのが現在の使命だ。
「ダイアナ、クネグナンダ、アンバーは応戦に出なさい。他の二人は私とともに、牢屋へ!」
カディジャール婦人の采配は完璧だった。
──ぱっと散った女ロードたちの最後の一人は、部屋から出る前に立ちすくむ伝令ににっこりと笑いかけた。
「緊張した? ──すぐに慣れるわよ。あなたなら大丈夫、見所あるもの。
──もし良かったら、戦闘が終わった後で私の部屋に来なさい。色々仕込んであげる」
マーラ伯爵婦人は情夫に優しいことで知られているが、六人の中で実は最も手が早いことは、あまり知られていない。


187 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:42:20 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・5>
「素直に飛び込んできたな! ──おかげで助かるが」
暴れまわる魔物を横目に、雷電が苦笑混じりの声を上げた。
彼らの突撃と同時に出現した二匹の魔物は、まるでパーティーの一員のようにぴったりとタイミングを合わせて戦っていた。
「スフィンクス──ピラミッドの守護者だ」
スティルガーが驚嘆の声を上げる。
賢者も及ばぬ知性と、強力な魔力、そして圧倒的な体力。人面と翼を持つ獅子。迷宮最下層級の魔物だ。
閃光を伴う爆風と、古代の神の激怒が、荒れ狂う奔流となってトレボー軍の兵士と魔物たちをなぎ払う。
ティルトウェイトとマリクト──魔術師と僧侶の最高攻撃呪文。
「スフィンクスの雄は最高級の魔術師、雌は最高級の僧侶だと言われるけど、本当だったんだ!」
司教は興奮した声を上げた。
「──だが、ここまでよ!」
爆風の中から声がした。
スフィンクスの片割れが飛び下がる。その肩口が斜めに切り裂かれて、大量の血が飛び散った。
「不意を打った私の一撃を、避けるか」
深手を与えた事を誇るよりも、一撃で切り殺せなかった事を悔いるのは、最強のロードならではのセリフだった。
ダイアナ公爵婦人は、焔と煙が晴れた中でその美しいたたずまいを崩さずに剣を構えなおした。
その左右に立つ二人の女も同様に、おそろいの<オーディンソード>を抜き放つ。
「<バラの貴婦人>──」
雷電が低い声で敵の名を呟いた。
「……三人か。陽動作戦は読まれていたな」
スティルガーが悔しそうな声を上げた。
「みたいね。──冷静ならば、それしか考えられないけど、こいつらの襲撃を前にしてその判断ができるとはさすがね」
いつの間にか戻ってきたダジャが司教の横に並びながら緊張した声を上げた。
当初の予定では、前衛の二人が切り込む間に彼女が牢屋を破る予定だったが、鉄壁の陣形を敷きなおした
<バラの貴婦人>のフォーメーションに、アタックを仕掛けることができず戻ってきたのだ。
「正面衝突か、……分が悪いな」
二体のスフィンクスを味方に付けてさえ、三人の女ロードは手に余る強敵だった。


188 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:43:00 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・6>
古代語の声があがった。
スフィンクスの片方が、傷を負った相方にマディを掛けたのだ。
治癒の術をかけたほうが、ふさがった傷跡をなぞるように舐め上げる。
──寄り添う二匹の魔物の姿は、単に仲間と言う間柄とは思えない。
スフィンクスは雌雄一対で行動する。この二匹はつがいなのだ。
「ごめん。──巻き込んでしまった」
スティルガーは慙愧の思いがこもった声を上げた。その顔は、うつむいている。
ダジャがその様子を見つめる。司教は、意を決したように顔を上げた。そして、女盗賊も。
「……雷電、ジンス。──行け! こいつらは、僕たちが食い止める」
「……そう、ここはあたしらに任せて行きなよ!」
「──なっ!?」
大男の戦士が呆然とした声を上げた。
全員でかかっても危ない相手に、どうして司教と盗賊の二人だけで持ちこたえられるだろうか。
しかし、スティルガーは行動を始めていた。
複雑な印を結び、手を振りかざす。見たこともない術だ。
「結界を張った! 少しだけなら、この呪文で持ちこたえられる!」
不可視の壁が、絶妙のタイミングで場を分割した。
一瞬、<バラの貴婦人>たちは奥への通路から遮断され、雷電とジンスの位置が奥への通路と繋がる。
──雷電は小さく頷いた。
「……感謝する。──見知らぬ人よ」
ジンスがあっけに取られた。
「雷電、何を言っているんだ?」
侍は、背中越しに戦士の疑問に答えた。
「本物のダジャは妊娠中だ。スティルガーは、身重の妻を戦いに連れてくるような男ではない」
「……ありゃ、最初からばればれだったようですね。あなた方の記憶からうまく再現してみたつもりでしたが」
偽ダジャが頭をかいた。声は女盗賊のままだが、口調がまるで別人だ。
「いや、確信したのは、突撃前のやりとりからだ。蘇生の術を掛けてもらった時に、なんとなく違和感はあったがな」
雷電は微笑した。


189 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:43:39 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・7>
「ならば、ここは任せてもらいましょうか。こちらの心配は不要なことは分かりますね?」
「ああ、貴公らがスフィンクスを操っていたのも、な。ならば、俺たちが心配するのもおこがましい」
「どういたしまして」女盗賊はにっこり笑った。
「──ばれたついでにお土産です。これを持ってお行きなさい。そちらも──勝ち目は十分あります」
偽ダジャが腕を振った。どこから取り出したのか、細身の曲刀がその手から飛び、雷電の手に移った。
「これは! 重ね重ね、かたじけない!」
「──そなたはこれを持って行くが良い」
偽スティルガーがジンスに言った。こちらは―途中から声さえも変わっている。なまめかしい女の声だ。
投げつけたのは、両手持ちの大剣だ。どういう投げ方をしたのか、柄がすっぽりとジンスの手に収まる。
「こ、こいつは……!?」
「結界が切れる、早く行きや!」
侍と戦士は頷いた。全速で走るために今まで使っていた剣を外して、駆け出す。
<貴婦人>たちは追おうとしたが、消える寸前の結界に阻まれてたたらを踏むうちに、追撃のタイミングを逸した。
二人の男が走り去った戦場に残ったのは、三人の女ロードと、女盗賊と司教──の偽者。

「……結果的には妊娠云々でばれましたが、──それ以前に、男と女が逆では、やはり無理がありましたよ」
偽ダジャが若い男の声で言った。
「──むう。かと言って、わらわが盗賊役で、そなたが司教役ではごまかしも利くまい」
偽スティルガーは女の声で答えた。
「姉上が魔法と法術を使うのはともかく、私が盗賊と言うのも無理がありますねえ」
「どちらにせよ、あの侍の目をごまかすことはできなかっただろう。だったら好きなほうに化けるのが得という物だ」
「姉上はその、「ふくふくした衣装」に興味があったようで」
「それに、そなたの女装も久々に見たかったものでな」
「……姉上は、よくそうやって私をいじめたものです」
「あれは、姉弟の仲良い遊びと言うものじゃ。それに、そなたもまんざらでもなかったはず。特に私の下着の着用を許したときなどは」
「そ、それは……その…」
ダジャとスティルガー、いやそれに「化けて」いる者たちは、最強クラスのロードたちに取り囲まれても平然と無駄話に興じていた。


190 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:44:18 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・8>
「……お前たち──何者だ?」
公爵夫人が苛立ちの声を上げた。
「さて? 正義の味方とでも言っておくかの」
偽スティルガーはこともなげに言い放った。
「なっ……!」
人を食った回答に、クネグナンダ公爵婦人が顔をゆがめる。
「──トレボー陛下の敵が、正義を名乗るか」
ダイアナ公爵婦人が冷静な声で問うた。返事は──嘲笑だった。
「そんなことはどうでもよい。あの魔女の敵と言うことは、そなたたちが悪者ということじゃ。
わらわの可愛いスフィンクスにも傷を負わせてくれたことだしな。許せん奴ばらじゃ」
単純明快、かつ傲慢極まりない決め付けに、一瞬、女ロードたちは顔を見合わせた。
「まあ、それはそれとして、仮装もそろそろ終わりにするか」
偽スティルガーは司教衣の袖を振るった。白い布が<貴婦人>たちの視界をさえぎり、闇に溶けた。
「──!!」
今まで偽司教と偽女盗賊の立っていた位置に、高貴な男女が並んでいた。
黒髪と小麦色の肌を異国の装束に包んだその姿は、<バラの貴婦人>が気圧されるほどの威厳と美しさに満ちている。
麻でできた純白の衣は、袖の縁取り以外の飾り気が無いシンプルなものであったが、豪奢なドレスよりも眼を引く。
たとえ、頭や首にきらめく黄金の装身具がなくとも、この二人が貴族──あるいはそれ以上の存在であることは疑いなかった。
「何者だ!?」
「そなた達ごときに名乗る名は、ない」
女──ネフェル王妃は驕慢に言い切った。
「さきほどの勇敢な戦士二人にならば、敬意を表して名乗ってもよかったが、な」
男──ラムセス大帝が静かに言葉を続けた。
二人の美しい貴人が、自分たち三人を見下していることに気づき、<貴婦人>たちは美貌に怒気をのぼらせた。
「われらを愚弄するか!」
三人の中で最も気が短いクネグナンダ公爵婦人が叫んだが、異国の女王とその夫は、地を這う虫を見るような視線を返しただけだった。
貴族は、自分に対して向けられる視線──尊敬と軽蔑に対する感覚が鋭い。
女ロードたちは卒倒せんばかりに怒り狂った。


191 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:44:46 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・9>
柳眉を逆立てる、とは美女の怒りの様を言う。
美しい女は、怒ってさえも人目を奪うほどに美しいのだ。
しかし、三人の貴婦人が眉を吊り上げ、肩を震わせる姿を見ても、今それに注目するものは居ないだろう。
ネフェル王妃が眉をしかめたからだ。
古来、憂い顔の美女はさらに魅力を増し、醜女すらそれを真似たという。
美しさに眼を惹かれる者の瞳は、より美しいものに吸い寄せられる。
この場に百万人の観客がいたとしたら、その全てが古代の女王のほうに目を向けただろう。
「嫌な匂いがする──」
場の中心を独占するその美女がつぶやいた。
「そなた達は、三人とも複数のおのこの精汁の匂いで満ち溢れておる。脂の乗り具合からして、三人とも既婚者と見た。
──わらわの大嫌いな不倫の汚臭がぷんぷんするわえ、──汚らわしい」
数千年を閲してなお、夫への愛情のみに生きる女王にとって、背徳の快楽は唾棄の対象に他ならないのだろう。
「私たちの夫はとっくに死んでいるわ──私たちが殺した」
「ますます汚らわしい、──この下衆めが」
貴婦人の反論に、ネフェル王妃は心底軽蔑しきった表情になった。
「……下衆、下衆と言うか、我ら<バラの貴婦人>を……! こ、この下賎の女がっ!!」
クネグナンダが激情に肩を震わせた。
その震えが止まった。
空気がぴぃん、と張り詰め、凍り付いていた。
「──下賎と言ったか、我が妻を?」
その声は、むしろ水のように静かだった。
「──下賎と言ったか、我が姉上を?」
再度の声は、さらに静かだった。
今まで太陽のような王妃の陰に、月のごとく寄り添っていた男が、ゆっくりと歩を進めていた。
ネフェル王妃が、ごく自然な動作で夫に場所を譲る。太陽が月に、月が太陽になった。
古代のどんな王よりも偉大で無慈悲で強力だった征服者──ラムセス大帝は、仮面のように無表情な美貌を三人の無礼者に向けた。
「その一言、償わせなければなるまいな」
<貴婦人>たちは自分たちの死刑宣告を遠いところで聞いたような気がした。


192 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:46:49 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・10>
「何を、寝ぼけた事を……」
クネグナンダ公爵婦人は嘲笑を浮かべようとしたが、しかし、それは失敗した。
身体が震えている。先刻までの怒りの震えではなかった。
──恐怖だ。リルガミン屈指の女ロード三人が、この男一人の存在におびえている。
しかし三人は、<バラの貴婦人>だった。剣を構えなおすと、震えはぴたりと止まった。
三本のオーディンソードから研ぎ澄まされた殺気が放たれる。
常人ならば、それだけで立っていられぬほどの濃密な気の中心にあって、古代の王は平然と歩き出した。
「良いものがあった」
今にも飛び掛らんとする剣客三人を全く気にすることなく、その間合いの中で若者は身をかがめた。
カタナとブロードソード──自分達の贈った剣の代わりに雷電とジンスが置いていったものだ。
拾い上げて両手に持つ。
笑顔がこぼれた。<貴婦人>でさえも一瞬心を奪われるほどに美しく、爽やかで、男の魅力に満ち溢れた笑顔だった。
「いい剣だ。──久々に良き戦士たちの魂に触れた」
女ロードたちが頭を振った。動揺した自分を叱咤するように、挑発の言葉を投げかける。
「そんな汚い剣、魔力もこめられていないものを──!」
「しかも、持ち主がやすやすと捨てて行ったものを乞食のごとく拾うとは!」
「まさか、その剣でわれらと斬り結ぼうというのではなかろうな!?」
闇を照らすロミルワの光の中で、オーディンソードの汚れなき刀身が誇らしげに煌いた。
──その光が翳った。
若者が手にした剣を振ったのだ。右手に持った刀と、左手に持った剣を一回ずつ。
それだけで、北風すさぶ地の最高神の名を冠した聖剣が、輝きを失った。
「汚いと言ったか、この剣を。確かにお前たちの剣は綺麗なものだな。
オーディンソード、……我はその最初の一振りを知っている。
後の世に魔道士と剣匠たちがヴァルキリー達のために数打ったものではないぞ。
八本足の戦馬に乗った片目の老人が腰に佩いていたものだ。
……その最後の一振りも知っている。
<災厄の中心>で魔女ソーンを討った剣士が愛用していたものだ。
──そのどちらも、柄は汚れて、刀身は刃こぼれしていた。
一日も欠けることなき修練と戦いと手入れを繰り返せば、そうなる。──この刀と剣のように」


193 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:47:55 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・11>
若者の声が続いた。
「……やすやすと捨てて行った、と笑ったな。
これほどまでに使い込んだ愛剣を置いていくことに、心を痛めぬ剣士が居ようか?
──居るならば、それはお前達のごとき似非剣士だけだ。
彼らがこれを置いていったのは、われらが贈り物を受けたから、不要になったから、ではないぞ。
命を捨ててまで取り戻さねばならぬもののために、自分の半身をも置いていったのだ」
妖々とつむがれる言葉は、高く、あるいは低く迷宮に木霊した。
<貴婦人>たちは呆然とそれを耳にした。桁違いの実力と経験を持つ師の教えに聞き入る未熟な生徒の如く。
「──そして、この剣でお前たちと斬り結ぶか、と問うたな?」
異国の王は、両手の剣を持ち上げた。
それに呼応して、というより、魅入られたように三人がオーディンソードを構える。
「斬り結びはせん……一合たりとも、な」
その瞬間、女ロードたちは若者に飛び掛った。
刃を交える金属音は──鳴らなかった。風のような、光のような斬り込みは、全てむなしく空を切った。
──クネグナンダ公爵婦人は、自分の胸元を見た。
銀の鎧が裂かれている。着られた感触も、音もなかったのに。
鎧がずれ、鎖帷子が落ち、肌着が下がるのを公爵婦人は呆然と見つめていた。
白い、大きな、熟れきった乳房が血を吹いて滑り落ちていくさまも。
どのような斬り方をしたのか、その奥にある心臓も見事に両断されていることを悟る前に、クネグナンダは絶命した。
──アンバー伯爵婦人は、衝撃を受けた次の瞬間に奇妙なものを目にした。
見慣れた肢体が、よろめくように歩いている。
首なしのそれが、鏡でよく見る自分のものだと気付く前に、伯爵婦人は、床の上に転がる生首として息絶えた。
──ダイアナ公爵婦人は、目の前の全てが若者の手によって切り裂かれたのを見た。
この男は世界すら切り裂くのか。急速に左右がずれていく視界に婦人は戦慄したが、
それが、自分が額から股間まで一瞬にして両断されているためであった、と知る前に、彼女は床に崩れ落ちた。
「一合たりとも切り結ばぬ、と言ったろう。……お前たちの剣は、この剣と刃を合わせる価値を持たぬ」
ラムセス大帝、史上最強の戦士は、斬り捨てた相手を見下ろして冷たく言い放った。


194 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:48:21 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 2〜 地下2階・12>
「──無礼者にはふさわしい罰を与えましたぞ、姉上」
ラムセスは振り向きながら最愛の人に声を掛けた。
駆け込むようにして、その首っ玉にかじりついた者がいる。
「うわわっ!?」
リルガミン屈指の剣客を虫けらのように斬り伏せた魔人は、同一人物とは思えぬ声を上げて反射的に抱きとめた。
その唇に、柔らかく熱いものが重ねられた。──ネフェル王妃の唇だった。
「……か……か……」
「か?」
「か、格好良かったぞえ! さすがわらわのラムセスじゃ、惚れ直したわ!!」
がくがくと肩をゆすぶるのと、首に手を回して抱擁するのとを交互に繰り返しながら、王妃は夫に熱烈なキスを与え続けた。
不意打ちに目を白黒とさせていたラムセス王も、唇を重ねるたびに、情熱的に応じはじめる。
「そなたの啖呵に胸がすっとしたわ。わらわの言いたいことを、よくぞわらわ以上に申してくれた。
やはり戦士のことは、戦士に、ということじゃな。──それに、やはり、そなたはいい男じゃ」
傍若無人な<貴婦人>には心底腹が立っていたらしい。
ラムセスの言葉と、その後の神業は、たしかに賞賛に値するものだった。
「──照れますね」
王妃の年下の夫は、頬を染めながら頭をかいた。すっかり気弱な若者の雰囲気に戻っている。
「なんの、夫婦で照れることもあるまい。──妻を何千万回も惚れ直させる夫は、もっと大威張りでよいのじゃ」
姉が、弟の下半身に手を伸ばす。
「ほれ、ここも大威張りでよいのだぞ」
王妃に触れられて、ラムセスの男性器はたちまち硬度を増した。
地面に対して垂直、下腹に張り付くような角度は若者の特権だった。
「おお、逞しいこと──」
ネフェル王妃は、夫の反応に心底嬉しそうな表情になった。
「わらわも、蕩けておるぞえ」
弟の手を取って、自分の秘所に導く。
王妃のそこは、すでにたっぷりと潤っていた。


195 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/10(日) 23:49:39 ID:Xsh9Tx06
<TO MAKE THE LAST BATTLE 2〜 地下2階・13>
「姉上──」
「来や──」
いきり立ったラムセスはネフェル王妃を抱き寄せた。
細身だが戦車も片腕で止めてみせた古代の王は、楽々と妻の身体を持ち上げた。
立ったままで交わり始める。湿った音と女のあえぎ声が重なった。
「ああ──硬い、大きい、それに熱いぞえ、ラムセス」
王妃はあからさまな表現で夫を褒め称えた。
古代の王は、何度も妻を突き上げ、王妃は嬌声を上げた。
ラムセス王が果てるのは早かったが、それは王妃の絶頂とぴったりとタイミングが合っていた。
「おお、たっぷりと出したこと。わらわの中に収めきれなんだわ」
弟が男根を抜いた際に、秘所からどろりとした精液が流れ落ちるのを見て、姉は艶っぽい笑いを浮かべた。
「姉上が、あまりに良すぎるからです」
ラムセスが妻を褒め称える。
「そんな事を申しても何も出ぬぞ。──出すのはそなたのほうじゃ。まだできるであろう?」
「もちろん──喜んで」
王妃は床に貼った。獣の姿勢で臀を高く上げ、夫に征服されるのを待った。
三人の<貴婦人>の死体で血臭に満ちているはずの通路は、王妃のその姿を取っただけで淫靡な匂いでむせ返るようだった。
「──」
主人たちを守るように立っていたスフィンクスが、声にならないうめき声を上げた。
「おお、すっかり忘れておったわ。──お前たちもつがいで楽しむかえ?」
お気に入りの魔獣があげた返事のうなり声を聞いて、ネフェル王妃はやさしく笑った。
「よいぞ。そなたらも、まぐわえ──」
許可の言葉を聞くやいなや、雄のスフィンクスが雌に飛び掛った。
主人夫婦の性交を目の当たりにして、魔獣のつがいも、興奮しきっていた。
まさしく獣の体位で交わり始めた護衛の痴態に、主人たちも情欲を新たにした。
「ラムセスや、わらわたちもあのように──」
「心得ました」
迷宮に、男女雄雌四対の嬌声が満ちた。


196 :名無しさん@ピンキー:2005/07/11(月) 00:00:01 ID:qsBWF1rt
おお、寝る前にいいものが見れた。GJ!!

197 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/11(月) 00:00:12 ID:hfnCF/Jr
タイトル失敗したー。
これは<TO MAKE THE LAST BATTLE 3>の前半です。
2じゃなかった。
1−3と12−13が「2」のままになってますが、見なかったことにしておいてくださいw

B10Fオールスターズは、ご指摘の通り、皆さんそれぞれご贔屓も思い入れもあって
それぞれが正しいWIZだと思います。
私のオールスターズは考えている流れが書きやすいので、たまたまあのメンバーになりましたが。
そもそもが出発点の「尻に惹かれっぱなしのワードナ」自体がアレな話ですしw


198 :名無しさん@ピンキー:2005/07/11(月) 03:23:53 ID:6COY86DZ
相変わらずドキドキワクワクするなあ

199 :名無しさん@ピンキー:2005/07/11(月) 04:59:49 ID:biMtQKEO
かっちょええねぇー。

200 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/11(月) 06:09:13 ID:hfnCF/Jr
うわ、一晩明けて見たらいつに増して誤字誤変換多いな。
最後の行、四対→四体です。数が倍に増えちゃうよw
保管庫の方、ここだけでも直していただけると嬉しいッス。
他にも色々あるけど、勘弁してください。

つか、最初っから今までどれくらい誤字脱字があるんだろう(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

201 :名無しさん@ピンキー:2005/07/11(月) 17:39:30 ID:6OXPW/OC
キャラの再利用が最高に巧いな…たまらんわ。

202 : :2005/07/11(月) 18:09:02 ID:0dzhtABd
すごい。

203 :名無しさん@ピンキー:2005/07/11(月) 20:19:30 ID:gQ/hThyK
ラムセス夫妻蝶惚れる

204 :名無しさん@ピンキー:2005/07/11(月) 20:51:31 ID:Og7uVD0x
王様カコイイよ、カコイイよ王様
>>87
読み返したら復活前のシーン、ちゃんと王様と王妃様の会話に読めるよ!すげえ伏線!

205 :名無しさん@ピンキー:2005/07/11(月) 23:12:48 ID:Zw0EA64r
で、モノホンの司教夫妻はどうしてるんデスカ?

206 :名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 01:03:15 ID:51ik+DXw
一体、このスレはどこまで面白くなるんだろう…

207 :名無しさん@ピンキー:2005/07/15(金) 18:32:59 ID:N1CYqN7v
>>206
スレが有る限り無限

208 :名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 16:19:25 ID:Ac5BVaxs
>>207
それは,レアアイテムを求めて彷徨うが如し

209 :名無しさん@ピンキー:2005/07/17(日) 11:38:34 ID:E33JwIzI
漏れにとってのレアアイテム、シランのお話を待ちつつキャンプ待機。

210 :名無しさん@ピンキー:2005/07/17(日) 12:06:12 ID:lY3O5ATq
>>209
IDがウィズおめ。
ソーンたんファンの漏れにとっては毎回の戦闘がララ・ムームーのごとく宝物どっちゃり状態だ。

211 :名無しさん@ピンキー:2005/07/17(日) 18:27:26 ID:F2tN6BYM
人間の女に興味がない俺にとってここは天国だ。
女系モンスターと魔女大好き。

今書いてるのが終わったら
真面目なロードとえちぃサキュバスで一作書かせて貰うよ。

212 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 00:07:25 ID:IWXVcoqL
211だけど、オリジナル迷宮でオリジナルストーリー書いてもいい?
それとも、やっぱり原作にある迷宮使わなきゃ駄目?

213 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 01:24:30 ID:XlIhk+EK
明確にWizってことが伝わればそれでいいと思う

214 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 04:23:40 ID:IWXVcoqL
一応、投下しておく。
駄目だったらそう言ってくれ。

215 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 04:24:03 ID:IWXVcoqL
いきなりの自己紹介だが、私はジャック。
酔狂な真似ばかりしていることからどこかの詩人がつけた、ジャック・ザ・レイバーロード、
つまり狂乱の君主ジャックというあまりありがたくない二つ名を名乗った方が通りがいいかもしれない。
数え上げるのも馬鹿馬鹿しいくらいにレベルが高い上、ミキサータイプではないソードタイプのカシナートの剣、
君主の象徴でもある聖なる鎧、強力な防護魔法がかけられた支えの楯に、いざという時のための転移の兜、
気品と頑強さを両立させた銀の小手に、聖職者の装身具としてはこれ以上のものはない破邪の指輪を装備し、
私が装備することは決して適わぬもののドレイン回避用に手裏剣まで携帯した、たぶん当代最強の君主だ。
ちなみに、同じ楯でも守りの楯を選ばなかったのは単なる洒落っ気という奴だから気にしないで貰いたい。
私は数年前までは村正を装備した当代屈指の侍だったのだが、ある時、私自身に充分な技倆があれば
別に村正でなくとも、極論すればただの長剣でも相手を斬殺、或いは撲殺する上で何らの不自由もないことに気づいた。
そして私は、私以外の仲間が全滅したことによって過剰な殺傷能力には何の意味もないことを悟った。
必要なのは、守るための力だったのだ。
幸いなことに私は善の戒律を奉じていたため、聖なる鎧が持つ防御力と神の加護、そして瀕死の重傷すらも完治させ、
友の死すら撥ね退ける僧侶系呪文に惹かれて、闘う者たる侍から守る者たる君主へと転職したのだった。
本来ならば私の武勇伝を詳細に語り、ゆくゆくは伝承歌の一節にでもして貰いたいところなのだが、
流石にそれは気が引ける。と言うより、ゆっくりとそんなことをしている暇はない。
最高の騎士であることを自負する私といえども、強大な魔力と身体能力で知られる悪魔族のみが
跳梁跋扈するこの魔城において単身、時を過ごすことが一体どれほどの危険を伴うのかは言うまでもない。
私は観音開きの扉の前に立ち止まった。この扉は精緻極まる装飾がなされていて外面だけは美しいが、
所詮は魔界の建造物の一部だ。美しさの中にもどこか人間の感性を蝕む異質な価値観が反映されている。
これだけでも、悪魔という存在が我々の世界に存在していてはならないものだということがわかる。

216 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 04:24:25 ID:IWXVcoqL
私は鞘に収めていたカシナートの柄にかけた手に力を込めつつ、中に潜む者達の気配を感じ取った。
侍としての気を読む能力は喪失する代わりに、君主としての邪悪と不浄に反応する独特の感性を手に入れ、
熟達の戦士として肌で戦場の様子を感じ取る感覚を再び手にした私だ。
扉一枚隔てただけの場所にいる悪魔達の数とそれぞれの実力を看破する程度のことは造作もない。
「ふん、ネザー級、アーク級が一体ずつ、グレーター級が四匹、それからどうでもいい雑魚が十二匹か」
なかなかに骨がありそうな相手だった。
ネザーデーモンによる致死性のブレス。アークデビルによる致死打撃。グレーターデーモンによる麻痺攻撃。雑魚共による呪文の集中砲火。
対応を誤ったらいかな私と言えども死ぬかもしれない程度には強力な攻撃を繰り出してくる部隊だ。
だが、その程度のことに臆する私ではない。その程度で臆するような私ならば、魔界の者共による人間界侵略の
野望を挫くため、その前線基地と目されるこの魔城に単身乗り込むような無茶としか言い様のない真似は端からしない。
名誉や財宝、自己修練のためならば、もっと他に幾らでも安易な道があるからだ。
私がこの城に単身挑む理由は、この世界を蹂躙する策謀が存在し、そのすぐ近くにそれを打ち破ることができる私が
存在したからという、ただそれだけのことだった。もっと簡単に言えば、山があるから登るのだというだけのことだ。
私は腰に佩いたカシナートを騎士道物語の英雄の如く勇壮に抜き放ち、正々堂々と名乗りを上げながら扉を蹴破った。
「聞け、悪魔達よ! 我が名はジャック。あるべき世界に還るその手伝いを、この私がしてやろう!」
私はたとえ相手が騎士でなかろうと、もっと具体的に言ってしまえば悪魔であろうとも、決して不意打ちなどしない。
それがかつて奉じた武士道にも、現在奉じる騎士道にも反する行為であるからだ。
「ほう、お前が名高きレイバーロードか。だが、中途半端な神の加護を得て慢心したか聖騎士よ。
数多の強者と戦いしお前といえども、たった一人ではどうしようもあるまい。人間風情がたった一人で我らを相手に戦えると思ってか?」
「かのレイバーロードといえど、戦友達の助けなくして我らに敵うものか。簡単に斃れて我らを退屈させるでないぞ、狂乱の君主よ」

217 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 04:24:50 ID:IWXVcoqL
広間の中心に佇んで私に嘲笑を向けたのは場の上位者であるネザーデーモンとアークデビルだった。
その他の論評するに値しない有象無象達は聞き苦しい喚き声を上げて騒いでいる。恐らくは主人達に追従して笑っているのだろう。
傲慢極まる態度だったが、今、私の眼前に佇んでいる悪魔達がどのような存在であるかを考えれば、その態度も納得がいく。
何しろ、ネザーデーモンとアークデビルといえば魔界でも支配層に当たる階級で、そこに属する者は神話にすら登場するほどの存在ばかりだ。
遭遇の機会は滅多にないが、万一を想定して対策を練っておいて損はないほどの実力を持っている。
私のような人間など、彼らからすれば虫けらも同然と断言しても決して過言ではないだろう。
だが、私も常人では有り得ないし、凡百の冒険者でも有り得ない。何と言っても私は当代最高の君主ジャックなのだ。
ネザーデーモン、アークデビル、マイルフィック、ヴァンパイアロード、フラックなど、名だたる怪物達との戦いを経験し、
かつての仲間達が次々と命を落としてきた中で唯一生き残った、人間としては恐らく最強の部類に属するであろう男だ。
余程の失敗をしない限りは、この程度の相手に敗北するものではない。
「その傲慢が命取りになるぞ、大いなる悪魔達よ……」
私はカシナートを構えたまま瞑目し、呪文詠唱の態勢に入った。詠唱速度には自信があるから、割り込まれることはないだろう。
「ふっ、抜かしおるわ」
幸いにして、悪魔達は自身が持つ強大な魔法障壁に過大な信頼を置いているようで、私の詠唱を妨げようとすらしていない。
その機に乗じて、私は大いなるハマンの呪文の詠唱を開始した。
「何だと、その呪文は……!」
「馬鹿な。くだらぬ神に仕える者にその呪文を使えるはずが……ええい、止めよ。者共、奴の詠唱をやめさせるのだ!」
流石に大悪魔だけのことはあり、詠唱の頭の部分を聞いただけでその正体を看破してきたが、もう遅かった。
私の詠唱は、悪魔達が飛びかかってくるよりも、或いは攻撃呪文の詠唱を終えるよりも早く完成した。


218 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 04:25:37 ID:IWXVcoqL
「………!」
大いなるハマンは魔物達を岩塊に転移させる奇跡を授けてくれることこそなかったが、蘇生や回復といった無意味な
奇跡を私に授けることもなかった。ハマンを通して神が私に授けたのは、魔物達を沈黙させる奇跡だった。
代償として力の一部が身体から流れ出ていくのがわかったが、私ほどの高位に達すれば一回どころか数十回のハマンであっても
さしたる消耗とは感じない。私にとってハマンとは、侍時代から通して単なる便利な魔法に過ぎなかった。
「呪文の使えぬ悪魔など、最早赤子に等しい。正義の刃を受けてみよ!」
突然に強いられた沈黙に下級の悪魔達どころか大悪魔達ですら驚愕している間隙を利用し、私は剣を振りかざして疾駆した。
私が魔術師だったならば悪魔の魔法障壁ですら無効化不可能なラカニトの呪文を使うところだが、私は剣に生きる騎士だ。
呪文を行使できなくなった相手に対してこれ以上の呪文攻撃を行うことは私の主義に反する。
「これが人間の力というものだ!」
これといって特殊な効果があるわけでもないカシナートも、私の超絶的な技倆と聖なる鎧による加護があれば、
グレーター級の悪魔程度ならば一撃の下に両断してなおあまりある破壊力を発揮する。
また、やはり私の超絶的な体捌きがあれば悪魔達の鈍重な一撃は掠りもせず、万が一直撃を受けたとしても
各種防具の頑強な装甲によって全てを無効化できる。億が一手傷を負ったとしても、聖なる鎧が即座に癒してくれる。
呪文の使えぬ悪魔を相手に行う近接戦闘で私が後れを取る道理がない。
生きている者が私と二体の大悪魔だけになるのに、さして時間はかからなかった。
「大悪魔達よ。傲慢の報いを受け、あるべき場所に還るがいい」
鋼の甲冑をも叩き潰すアークデビルの豪腕を掻い潜ってネザーデーモンに接近し、私は致死の吐息を吐き出そうと
開かれた奇妙に蠱惑的な唇を顎諸共に斬り砕いて未発に終わらせて、返す一撃でその細首を刎ね飛ばした。
豪奢な絨毯の上に首から血を噴き出させた胴体と何が起きたか理解できていないといった表情を浮かべた頭部が転がり、
血が絨毯に沁み込む間もなく塵となって消滅する。

219 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 04:25:58 ID:IWXVcoqL
「……!?………!…!」
支配階級にある仲間が容易く葬られたのを見たアークデビルが、声にならない叫びを上げて突撃してくる。
その目にあるのが死への恐怖か仲間の死に対する憤激かそれとも悲嘆かは、残念ながら私にはわからない。
私にわかることはただ一つ、この大悪魔を葬り去るか私が死ぬかのどちらかでしか戦いが終わらないことだけだった。
「魔界に還れ、忌まわしき異邦人よ!」
まともに受ければ流石の私も危うい豪腕を、相手に敬意を表する意味も込めて楯で受け止めた。
衝撃を殺しきれずに腕が痺れたが、怪我というほどのものでもない。
痛みと痺れを気にせずに、全力の一撃を私に受け止められたことによって体勢が崩れたところに、
竜のそれかと錯覚しそうになるほど太く逞しい首に向かって、グレーターデビルと同じく全力の斬撃を見舞った。
一瞬の攻防だった。
その一瞬の交錯でグレーターデビルの首が宙へと舞い上がり、筋骨隆々たる巨躯が首から血を噴き出しながら
重い音を立てて絨毯の上へと倒れこむ。
だが、ネザーデーモンと同じくその屍は血が絨毯に沁み込むほどの時間さえ、現世に存在し続けることができなかった。
頭部が地に落ちる前に塵となって消え、それを追うかのように胴体が崩れ去った。
「……しかし、こいつらも支配階級の端くれには違いない。それを従えるとは、一体どれほどの大物だ?」
通常、山よりも高い矜持を持つ悪魔達は余程の力の差がない限りは他者に従うことがなく、その傾向は
高位の悪魔になるにつれて顕著になっていく。そのことから、この魔城の城主は想像を絶する力の持ち主だと考えられる。
この広間の位置と城の構造から考えてここを抜けた先には玉座の間があるはずなのだが、さて、進むべきか退くべきか。
各レベルの呪文使用回数はほとんど残っているから問題ないが、私は既に半日以上も魔界の瘴気漂う城内にいた。
体力や魔力の消耗とは別に、精神が自覚しているよりも蝕まれている可能性がある。
集中の途切れかけた戦士の脆さは誰もが知っているところだが、さてどうするか。

220 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 04:26:20 ID:IWXVcoqL
「……ふん、迷うとは私らしくもない。私は既に仲間と共に死んだ身。今更、死を恐れる必要などないではないか。
人間界征服を担うほどの大悪魔と刺し違えるのも、また一興というものよ!」
結論はすぐに出た。いや、最初から出ていたのだ。私はそれを確認しただけだった。
私は痺れが残る左腕にディオスをかけてから、迷いのない足取りで真っ直ぐに広間を抜けた。
広間を抜けた先には豪奢な彫刻がなされた柱が建ち並ぶ大回廊があったが、ここばかりは城主の領域として
認識されているのか、玉座に至るまでの道を妨害する悪魔は存在しなかった。
「……凄まじい、妖気だな。ここか」
大回廊をしばらく行くと、巨人族が出入りできそうなほどの大扉に突き当たった。装飾の豪華さや位置から
考えて、ここが玉座の間に相違なかった。お誂え向きに、内部からはこれまでに私が遭遇した誰よりも禍々しい
妖気が発せられていた。
内部にいるのは一人。種族その他は不明。実力は私と同程度かそれ以上。ただし、今の私とかつての仲間達が
力を合わせれば苦戦はするだろうが間違いなく勝利できる。
「我が名はジャック。故あって貴様の首を貰い受けに来た!」
私は全身全霊を込めて大扉を蹴りつけた。金属が軋む耳障りな音を立てながら、ゆっくりと扉が開いていく。
「女だと!?」
玉座に腰掛けていたのは、私が想像していたものとはまるで違った。
「あらあら。ここまで一人で来るなんて大したものね、ジャック・ザ・レイバーロード」
王侯貴族もかくやと言うばかりの気品と美しさを持ってそこに在ったのは、一人の美女だった。

221 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 11:21:16 ID:OcoFwKvb
>一応、投下しておく。
駄目だったらそう言ってくれ。

先生、エロシーンに行く前に切られても判断の仕様が有りませんです。

222 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 21:46:04 ID:hv1eTTSA
ありきたりなレスで申し訳ないが、
>>215
>ヴァンパイアクイーンに肉の杭を打ち込んだ
まで読んだ。

223 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 21:58:22 ID:5gbRNusu
無理やりよんでも4行目あたりまで
文章がつまらない

224 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 23:03:55 ID:guWaFdxB
まあ待て。
道化劇の中にはハンサム金持ち最強騎士が色事に足下を掬われて滑稽を晒す物もある。
それを踏まえればこの文体もあるいは可であるかもしれん。
と言うかそう言う意図で書いてるようにも思うがどうだろう。

問題はそれだと艶笑噺になってエロとしては微妙な所なんだが。

225 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 23:24:48 ID:LCmXPXiA
まとめると【エロがないこと以上の問題はない】と言ったところか。

226 :名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 23:36:58 ID:dKlpw2NL
新人さんをあんまりいぢめるのは(・A・)イクナイ!!
エロ前で切ったのはまずかったけど、女キャラも出たとこだし次のシーンに期待しようよ。

227 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:38:58 ID:z0natn46
続きを投下させて貰う。

228 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:40:24 ID:z0natn46
「貴方の勇名は寝物語に何度も聞いたわ」
女は突然に乱入してきた完全武装の騎士に怯えた様子も驚いた様子も見せず、それどころか忠勇なる騎士を
褒め称える女王のような態度で、莞爾として微笑んだ。
その妖艶さと清純さが絶妙の配分で表れている美貌。天下の名工が「美女」という題で作品を作るにあたって、
最高の道具を使い、最上級の石材を用意し、一生涯をかけて彫り上げたとしても決して及ばないだろうと直観的に
思わせ、男の情欲に訴えかけてくる美麗なるも淫靡なる裸体。
このようなものが人間の美であるはずがなかった。
私は女が持つ底知れぬ実力に微量の恐怖を覚えつつ、カシナートを握る手に力を込めた。
「デーモンクイーンなる階級が存在するとも聞く……なるほどな」
魔王と対を成す魔女王が相手ならば、私が思わず圧倒されかかってしまうほどの妖気を放っていても不思議ではない。
何らの魔力を用いることなく、ただそこに在るだけで男を魅了する美と堕落の極地とも言える肉体にも疑問は湧かない。
「え……? デーモンクイーン? やめてよ。私をあんな年増女と一緒にしないで。ほら、貴方も知っているでしょう?
昔は綺麗だったデーモンクイーンが、今では更年期障害と欲求不満で喚き散らすだけのオバサンだってこと」
女は一瞬だけ不機嫌そうな表情になったが、そのデーモンクイーン本人のことを思い出したのか艶然と笑う。
憂いを孕んだ不機嫌そうな表情も、男を誘い込む妖艶な笑みも、どちらも凄まじく魅力的だった。
だが、そんなことはどうでもよかった。深い疑問が浮かぶ。この女は一体何者なのだ。
「貴様は一体何者なのだ? いずれ名のある悪魔には違いあるまい?」
今初めて、私は底知れぬ恐怖とえも言われぬ快感に襲われた。
私は誰一人として知る者のない大悪魔と相対しているのかもしれない。伝説に語られる勇者の如く。

229 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:40:56 ID:z0natn46
「ジャック・ザ・レイバーロード。悲しいわ。私は貴方のことなら何でも知っているのに、貴方は私のことなど全く知らない」
女は悲しげに微笑んだ。まるで演劇における恋する乙女役のような芝居がかった口調だったが、不思議と女が
本当に悲しんでいることが理解できた。
もしかして、私に名を知られているというのが悪魔にとって一種のステータスであるというようなことでもあるのだろうか。
「知る由もない。知遇を求めるならば、名乗るがいい」
悪魔の名や階級、種族名などの情報が入れば、それだけ戦術の組み立ての幅が広がる。実力が拮抗している上に
私のことを全て知られているというのなら、私も相手のことをできる限り知らねばならない。
「本当に、私のことを知らないのね……悲しいわ。私はサキュバスよ。名前は……そうね、マリアとでも呼んで貰おうかしら」
サキュバス。悪魔としてはそれほど高等な部類ではないが、とにかく淫蕩と美貌で名高い種族。この圧倒的な色気も納得できる。
だが、なぜサキュバス如きがデーモンクイーンと紛うほどの妖気を放っているのか。私にはそれが疑問であり、恐怖だった。
「ふん……マリアか。ありふれた名だ。私が知っているだけでも十人はいる。聖母を貶めるためだけに名乗っているのか?」
だが、私はそれを表面には出さないように努め、相手を挑発して少しでも冷静さを殺ぐために軽口を叩いた。
傲慢な悪魔達はちょっとした挑発で冷静さを失うから、この艶然と佇む美女も例外ではないだろう。
「自分の名前を棚に上げてそんなことを言うなんて、やっぱり貴方は面白いわね」
肩透かしを食らった気分だった。女は激昂することもなければ不快感を覚えた様子もなく、ただ楽しげに笑みを浮かべただけだった。
どうにも調子が狂う。これ以上の会話は私にとって害毒になりこそすれ、決して有益にはならない。
「……これ以上の会話に最早意味はない。戯言の時間は終わりだ」
私はカシナートを正眼に構え、サキュバス・マリアが動くのを待った。構えてもいない相手、しかも女を斬るのは主義に反する。

230 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:41:28 ID:z0natn46
しかし、サキュバスは動かなかった。ただ悠然と玉座に背中を預けているのみで、一切の変化がない。
「何をしている。拳を構えろ。呪文を詠唱しろ。なぜ動かない!?」
私は苛立ちを覚え、だがそれでも不意打ちに対応できる程度の冷静さを保ちながらゆっくりと玉座へと近づいていった。
一歩、二歩、三歩。私は徐々に速度を上げながらサキュバスに迫っていく。
サキュバスは動かなかった。私が玉座の前に立ち、鈍い光を放つカシナートの切先を眼前に突きつけても、サキュバスは動かず、笑みを崩さなかった。
「貴方こそ、なぜ剣を構えているのかしら?」
「なぜ……だと?」
質問の意図が今一つ理解できず、私は言葉に詰まった。鸚鵡返しに問い返すくらいしかできなかった。
「貴方は善の戒律を奉じているのでしょう? なぜ、戦う意志を持たない相手に刃を向けるの? 理解に苦しむわ」
サキュバスは本当に理解に苦しんでいるような顔つきで、私のことを真っ直ぐに見上げてきた。カシナートの切先に恐怖も示さずに。
「戦う意志を持たない、だと? 馬鹿なことを言う。貴様ら悪魔が真に人類に友好的であったことなどない」
私を撹乱する意図があるのだとしたら、それは失敗たと言うほかはない。駆け出しの者ならばともかく、私はその程度で揺らがない。
小細工が無意味であることを教えるために、突きつけた剣先を淫蕩な美貌に軽く押し付ける。力は加減しているので、斬れることはない。
「信じられないのならば殺せばいいわ。戦う意志を持たない者を殺したと、貴方の内なる戒律が崩壊してもいいのなら」
押し付けられた剣先に対する恐怖は見せず、しかし悲しげにサキュバスは言う。善の戒律を奉じる者を惑わすための策略ならば
看破された悔しげな表情を浮かべるはずなのに、なぜ信じて貰えなかった者特有の悲しげな表情を見せるのか。
「……話を聞こう」
しばしの葛藤ののち私は剣を引き、静かに鞘に納めた。
もう駄目だ。これが演技なのかそれとも真実なのか、その判断が私にできない。これが真実であるかもしれないと思う私がいる以上、
私にこの剣を振るうことはできない。もし騙されているのだとしたら、それは私の不敏と戒律ゆえのものと諦め、大人しく死を受け入れよう。


231 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:41:59 ID:z0natn46
「ジャック・ザ・レイバーロード。話すことなどないと言ったのは貴方よ。責任を取るべきではなくて?」
サキュバスは立ち上がると少し背伸びをするようにして私の首に腕を回し、身体を預けてきた。聖なる鎧は鎧と言いつつもその実
布製なので、密着してきたサキュバスの豊満だが引き締まった肉体が私の身体に触れて変形する感触がしっかりと伝わってくる。
少女のような無垢な肌から抗いがたい官能的な女の匂いが薫ってきて、悪魔を相手に劣情を催してしまう。
私からも行動することだけは辛うじて免れたが、その自制心もどこまで保つものか全く疑問だ。
私の負けだった。サキュバスとの戦いにおいて、密着状態で欲情することは死を意味する。エナジードレイン抵抗効果がある手裏剣を
携帯していようとも、その圧倒的な性的魅力には対抗することができない。色気に圧倒されている内に嬲り殺しに遭うか、腎虚で死ぬかだ。
「恨みはせん……悪魔を信じた私が愚かだったのだ」
私は静かに目を閉じ、淫蕩なサキュバスが次の行動に移るのを待った。最期は潔く迎えるということは、ある意味で武士道の集大成とも
言えることであって騎士道の集大成ではないが、負けた上で見苦しく足掻くのが褒められたことではないということだけは確かだ。
「……どうした?」
いつまで待ってもサキュバスは何もしてこない。ただ、静かに私の身体を抱き締めているだけだった。
もしかしたら私を嬲っているつもりなのかもしれないが、それにしてもやりようというものがありそうなので、疑問に思って問いかけてみる。
「ジャック・ザ・レイバーロード。貴方ってとんだ朴念仁ね」
私の当然の疑問に対して、サキュバスは呆れたような溜息をついた。言っていることの意味がよくわからないのだが、これは私が悪いのだろうか。
「男と女が二人きりで、話す以外にすること。ちょっと考えればわかりそうなものよ。もしかして、私って魅力がないのかしら」
サキュバスがどのような行為について説明しているのか、わからないわけではない。問題なのは、その真意だった。

232 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:42:30 ID:z0natn46
「それはつまり、私の命を奪おうということなのだろう? それとも、私が自ら堕落するのを待っているのか?」
もしそうなのだとしたら、サキュバスが想定している以上の時間を耐え抜くことでせめて一矢報いてやりたいものだ。
「あら、心外ね。そんなつもりじゃないわ。私はただ、貴方と一夜を共にしたいだけ」
私の胸元に頬擦りしているサキュバスが、綺麗に整った爪と指先で私の首筋を撫でる。男の身体のどこが弱いのかを知り尽くした手つきで
触れられたその快楽のあまり、私は情けなくも吐息を漏らしてしまった。
「ん……取り繕っても、無意味だ。サキュバスとの交わりが死を意味することを知らぬ者などいない」
「大丈夫よ。貴方は手裏剣に守られているもの。私が幾ら精気を吸おうとしても、出てくるのは精液だけ」
サキュバスは淫靡な笑みを浮かべ、その繊手で私の怒張しきった男根を聖なる鎧の上から撫でさすった。
「ふふふ、こんなに大きい……大分溜まっているみたいだから、貴方にとっても好都合ではなくて?」
「こ、こら、触るな……! やめろよせ!」
「あら、触るくらいいいじゃない」
溜まっているというのは事実だった。何しろ、私は君主となって以来、女に触れていないのだから。
そんな状態でサキュバスになど触れられたら、それだけでも凄まじい快感になってしまう。達するのも時間の問題だろう。
流石に服の上から撫でられただけで達してしまうという不名誉は耐え難く、私はその手から逃れようと身を捩ったが、
サキュバスが面白がって余計に触れてくるだけだった。仕方がないので、私はその手を掴んでやめさせた。
「ねぇ……お願いだから私のことを抱いて頂戴……私のことを抱いてくれたら、私のことを好きにしてもいいから……」
手が使えないのなら今度は口だとばかりに、サキュバスは潤んだ瞳で私を見つめてきた。

233 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:43:43 ID:z0natn46
「ねぇ、私と貴方が戦ったら、どちらが勝つかわからないわよね? それなのに戦うなんて、馬鹿馬鹿しいとは思わない?
それくらいだったら、どちらも死なずに済む上にどちらも楽しめるセックスの方がいいと思わない? そうして目一杯楽しんだ後で、
貴方は私にこう命令すればいいのよ。今すぐ死ねだとか、魔界に還れだとかね。信用できないのなら契約書を書いてもいいわ」
サキュバスは肉感的な身体を擦りつけてきながら、私に懇願している演技をしていた。目に涙を浮かべ、必死に縋りついてくるその様は
ともすれば本気で私に抱かれたがっているのだと錯覚してしまいそうになるが、私は必死に自分を抑えていた。
「どうして私のことを抱いてくれないのかしら? 貴方が侍だった頃、押し売りの娼婦……マリアを抱いたじゃない。それなのに、どうして私は駄目なの?」
私の全てを知っていると豪語するだけあって痛いところを突いてくる。だが、買ってしまった理由はきちんとあった。
まだ幼さの残る顔立ちのその少女は、母親の薬代を稼ぐために自身の処女を競売にかけて売ろうとしていたのだ。
悲痛な面持ちでその場に臨んだ少女を憐れに思った私は他の下種な男共を押し退けて少女を落札し、何もせずに解放しようとした。
だが、少女はそれでは申し訳ないと言い出して、押し問答の末に抱いてくれないのならば命を絶つとまで言ってきた。丁度、今のサキュバスのような目をして。
そこまでされて無碍にすることなど私にはできなかったし、何よりその少女は命を懸けている者の目をしていた。断りきることなどできなかったのだ。
「貴様とあのマリアは違う。彼女は親のために涙を呑んであの場に臨んだ。だが貴様はただ淫蕩な欲望で私に迫っているに過ぎない」
私の心の中にある美しい思い出が踏み躙られているようで不愉快だった。善の戒律さえなければ、と心の底から殺意が湧き上がってくる。
「……わかったわ。その可哀想な子と私を同列に語るのはやめるわ。だからお願い。私を抱いて」
サキュバスの証としてそれ単体でも劣情を刺激できる瞳から涙を零し、マリアは私に縋りついてきた。淫蕩な肉の感触が伝わる。

234 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:44:44 ID:z0natn46
「くっ……わかった。抱いてやる」
縋りついてくる淫蕩な肉体によって遂に自制心が崩壊してしまったこともあるが、涙と必死さ以外に共通点のないサキュバスの態度に
なぜか記憶の中のマリアを連想させられてしまったことも理由としては挙げられる。
「ただし、契約書は書け。私は貴様を信用していない。早くしろ。急げ」
これが私の自制心の限界だった。一旦理性が崩壊を始めると全壊に至るのは想像を絶するほどに早い。今ならば、悪に染まった
歴代の英雄達の精神状態の一端くらいは理解できる。
「ふふふ、私の魅力に気づいてくれたのね。嬉しいわ。もう、急かさないで。間違うちゃうでしょう?」
聞き分けのない子供をなだめるような笑みを浮かべたマリアが、どこからか取り出してきた契約書に「行為中に攻撃をせず、行為後は命令に従う」旨を
記載する間が物凄くもどかしかった。早く書き終えろと、私は何度も何度も急かした。
「書き終わったわよ。確認して……いいのね? これで契約成立……んむぅふっ……!」
契約書の文面を情欲によって飛躍的に高められた集中力で一瞬の内に確認した私は、艶然と微笑むマリアの言葉を最後まで待たずに口付けた。
口付けた瞬間、サキュバスは驚きで身を強張らせたものの、流石はサキュバスと言うべきか自ら唇を開いて私の舌を受け入れた。
荒い息をついて互いに互いの身体をまさぐりながら、舌と舌を絡め合う。
唇に柔らかく触れてくる唇。舌にねっとりと絡みついてくる弾力に満ちた舌。舐めることで愛撫を加えているはずなのに、いつの間にか私を愛撫している歯列。
一見無造作なようでいてその実丹念に行われる人外の性技による愛撫に、私は翻弄された。
そして口と口、舌と舌を触れ合わせることによって否応なしに流れ込んでくる、馥郁たる香りと豊潤な味わいの唾液。
爽やかでいて濃厚。濃厚でいて爽やか。甘くありながらも苦い。苦くありながらも甘い。私はたかが唾液に魅了されてしまった。
砂漠でオアシスを見つけた旅人のように、サキュバスの唾液を味わうことしか考えられない。
自然に流れ込んでくる分だけではとても満足できず、接する角度を変え、舌をより深くに潜り込ませ、啜り上げる力を強め、
積極的にサキュバスの淫らな唾液を口内に取り込んで喉を鳴らして飲んでいく。喉越しも最高である。

235 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:45:40 ID:z0natn46
恍惚として唾液を味わっていたところへ、下半身から発して腰を痺れさせ、背筋を駆け上って首筋を刺激する快感が襲い掛かってきた。
あまりに唐突な快感に耐え切れなかった私は、思わず仰け反って口を離してしまう。
まだまだ味わい足りないのに惜しいことをしてしまった。もう一度、甘露を味わおう。ああ、唾液が零れる。何と勿体無い。
唇と唇を繋ぐ唾液の架け橋が滴り落ちてしまうことさえ許容できず、それを啜りながら再び唇を合わせようとする。
だが、私の唇は無情なことにサキュバスの完璧なまでに美しい唇に触れる直前で押し留められてしまった。
なぜ邪魔をするのかと、微量の苛立ちを込めてサキュバスを睨む。
「あん、そんなにがっつかないの……もっといいことをしましょう?」
だが、サキュバスは私の視線を気にした様子も見せずに妖艶な笑みを浮かべ、意味ありげな視線を下に向ける。
私もそれに釣られて下を見て、愕然とした。次いで、これから訪れる快楽への期待に打ち震えた。
「い、いつの間に……!?」
私は全裸だった。身につけていた鎧や小手、兜に留まらず、その下に着ていた衣服などはいつの間にか剥ぎ取られ、床に散乱している。
一体、いつの間に脱がされたのだろうと考えかけて、口づけをしている最中に互いの身体をまさぐり合ったことを思い出す。
私が口に夢中になっている間、サキュバスは一人冷静に私の衣服を脱がしていたのだろう。私は完全に翻弄されていた。
「無粋なことは言わないの」
「ぉうっ……!」
先端から先走りを迸らせていきり立つ男根を無造作に掴まれ、その刺激だけでも達しそうになる。長い間女に触れていなかったとはいえ、
触れただけで達させかけるとは流石はサキュバス、淫蕩にして淫靡なる女魔だった。
「ふふふ、こんなに大きくて硬いなんて……流石にレベルの高い冒険者は違うわね」
サキュバスがうっとりとした様子で私の男根を褒め称えているが、この世でこれを超える肌触りのものはないのではないかとさえ思える
繊手で扱き上げられている私に、その賛辞を受け入れて喜ぶだけの余裕はなかった。ただただ、達さないように耐えるだけである。

236 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:46:13 ID:z0natn46
「うぅ……っ…!」
しかし、淫猥なサキュバスの責めに人間が耐えられるはずもない。男根の根元が酷く疼き出し、限界を告げる。
これ以上の我慢を続けることは、津波の前に立ちはだかるに等しい無駄な行為だった。
私は男根を脈動させながら、これまで抑え続けてきた全てを解放しようとした。
「あん、勝手にイッちゃ駄目……ねぇ、どうして欲しい、ジャック・ザ・レイバーロード?」
私が達しようとしているのを敏感に察知したサキュバスは男根を律動的に扱き立てる動きをそのままに、もう片方の手で根元を握り締めた。
既に達しているのに達させて貰えないという地獄の苦痛に悶える私の顔を悪戯っぽく見つめてくる。
「うっ……くっ……貴様……!」
「イカせて欲しい? それともこのまま? どこで? 手で? 口で? どうしたいの? かけたいのかしら? それとも飲んで欲しいのかしら?
さぁ、よく聞こえるように、この広間中に響くほどの大きな声でお答えなさいな」
それだけでも達してしまいそうな淫蕩な笑みを浮かべ、それだけでも達してしまいそうな問いかけを発し、サキュバスが男根を扱き立ててくる。
達させて欲しいかだと。達したいに決まっている。いつまでも苦しむのは嫌だ。
どこでだと。手も捨てがたいが、やはり口だ。あの口で果てることができればどれほどの快楽になるだろうかと想像するだけで射精感が込み上げる。
どうしたいかだと。白皙の美貌を汚し尽くすのも悪くないが、精液とは身体の内に納めるものだ。是非とも飲んで貰おう。
通常ならばそれに回答することなど考えられない質問だったが、今の私に理性などほとんど残っていない。
この地獄の苦痛から解放されるのであれば、そのくらいのことはどうということもなかった。
私は、この広い玉座の間全体に響くほどの大声で恥ずかしげもなくサキュバスに懇願した。
「た、頼む、出させて、く、くれ! く、口でっ……! 飲んで……くれっ……! 頼む、お願いだっ……!」

237 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 00:48:03 ID:z0natn46
最悪の第一印象を与えてしまってすまなかった。

>>221
すまない。うっかりしていた。

>>222
ありきたりなレスで申し訳ないが、
ヴァンパイアクイーンというのも美味しそうだな
と思った。

>>223
それはそうだろう。4行目までは俺も書いていてつまらなかった。

>>224
そう。そんなノリで書いているつもりだ。理解してくれてありがとう。

>>225
エロに入ったところだが、どうだろうか。

>>226
エロ前で一回切るのが俺のスタイルだ。
このスレの雰囲気に合わなかったのなら謝罪する。

238 :名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 01:02:40 ID:dQD+ihgM
>>237
GJ !
面白かったよ、続きが楽しみだ。

239 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:02:36 ID:z0natn46
よし、これから続きを投下する。
合計で8〜9レスくらいになるが、まだ完結ではない。
途中で切るのが俺のスタイルだから、できれば気にしないでくれると嬉しい。

240 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:03:11 ID:z0natn46
「うふ……ここと同じでとっても素直なのね。いいわ。飲んであげる」
サキュバスは淫蕩な笑みを浮かべながら私の前に跪き、今にも張り裂けそうなほどに
怒張した赤黒い男根へと顔を近づけた。私はこれから訪れる人外の快楽への期待に身を打ち震わせた。
心なしか、男根の疼きもより強くなった気がする。
しかし、私の希望は思いも寄らぬ方向で叶えられることとなった。
「な、なぜだ……!」
淫蕩な表情を浮かべたサキュバスは飲んでやるという言葉とは裏腹に、男根の根元を
握り締めたまま私への奉仕を開始した。
「だって……長く楽しみたいんだもの。それとも、すぐに終わっちゃう味気ないのがお好み? そんなはずはないわよね」
怒張し、先走りの露を零す先端に柔らかな唇を押し付けたかと思うと、上目遣いに淫らな表情を
浮かべたサキュバスは亀頭全体を濡らすほどに滴り始めていたそれを啜り上げた。
それだけで達してしまいかねないほどの快楽が下半身を貫く。男根が痙攣して精を吐き出そうとするが、
サキュバスの繊手で押さえられているせいでそれも叶わない。だが、刺激された男根にとっては、それすらも快楽だった。
「あらあら、口では文句を言っていたのに、こっちは随分と嬉しそうにしているわね。素直なのはいいことだから、ご褒美ね」
私の顔と男根とを交互に見て淫らな笑みを浮かべたサキュバスは男根に温かい吐息をかけながらゆっくりと唇を近づけ、
あちこちに口付け始めた。唇を触れさせるだけの単純な愛撫だというのに、触れた瞬間にその部分が堪えがたい熱を
持ち始める。唇が全体を通り過ぎた後には、男根は灼熱した一本の棒と化していた。

241 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:03:49 ID:z0natn46
「あん、吸っても吸ってもどんどん出てくるわね。んふぁ、美味し……ふふ、こっちも可愛がってあげるわね」
びくびくと脈動する男根の先端を啜って満足げな笑みを浮かべた、サキュバスは何と今度は私の陰嚢に手を添えた。
平常時にはさほど敏感な場所というわけでもないというのに、サキュバスの性技の冴えと私の興奮とが
そこを一つの性感帯となるほどに高め上げていた。冷たく温かい滑らかな指先にやんわりと撫でられただけで
陰嚢が収縮し、男根の先端を銜えたサキュバスの口へと先走りを送り込む。
「ふぅん、そうなのぉ……ここが好きなのね」
「な、っ、うぉっ……!」
男根が示した反応に気をよくしたらしいサキュバスは、男根に頬擦りしながら顔を動かして散々に刺激した挙句に、
私の陰嚢に口付けた。唾液と先走りで濡れ光った男根がサキュバスの美貌を汚していく光景と感触に
情欲を刺激され、ますます美貌を汚す先走りが量を増していく。
「あは……大きくて口に入りきらないわ……仕方がないから、舐めてあげるわね」
陰嚢を頬張ろうとして頬張りきれずにいるサキュバスが感嘆の声を上げ、別の愛撫に移る。
唾液で淫らに光る舌で陰嚢を舐め回し、或いは口付けるようにして吸引し、軽く歯を立て、唇で揉み込む。
一つ一つが射精一回分に値するほどの刺激を断続的に受けて、私はただただ身悶えするのみだった。
辛うじて両の足で立ってはいるが、サキュバスの頭に手を添えて支えにしているおかげなのだから世話はない。
どれほどの時を夢見心地のまま過ごしたことだろうか。唐突にサキュバスが口を離した。
何の前触れもなく快楽が喪失したことに不満と疑問を持って様子を窺うと、
目にしただけで快感が背筋を突き抜けるほど淫靡な笑みを浮かべた女が私の前に跪いている。

242 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:04:47 ID:z0natn46
サキュバスは唾液と先走りの混合液で濡れ光った唇を真っ赤な舌で一舐めすると、
まるで無邪気な小悪魔のように悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。
「さて、と……そろそろ本格的なのを始めましょうか」
私はその言葉に戦慄した。
私にとっては一つ一つが絶頂に至るほどの刺激だったというのに、この女にとっては単なる余興に
過ぎなかったというのか。この先に一体どれほどの快楽地獄が待ち受けているのか、それは最早想像不可能だった。
「それじゃ、いただきまぁす……」
「………!……!?……………!」
無造作に亀頭を頬張られた瞬間、尋常ではない灼熱感と共に思考が爆発した。
私は意味を成さないどころかそもそも音そのものを構成しえない嬌声を上げて、
サキュバスの淫猥な口がもたらす人外の快楽を享受した。
「あん……むふ……おっき…入りきらな……んむぅ……」
私自身これまでに経験がないほどにまで怒張しきった男根は流石のサキュバスでも手に余るらしく、
喉までを駆使して銜え込んでも半分程度しか口内に納まりきらない様子だった。
だが、そんなことは関係ない。全てが納まりきらずとも、それ自体が性器であるかのように思える
最高の口がもたらす刺激と、男根を至上の美味であるかの如く頬張る淫猥な姿がもたらす刺激は、
それぞれが単一でも男を射精に導くほどの刺激であり、それが同時に襲い掛かってきた場合の快楽が
一体いかほどのものであるかというのは言わずもがな。私は精を吐き出してこそいないものの、既に
何十回も達していた。既に欲望を吐き出しているはずなのに吐き出すことができていないという矛盾した
状態に私の心は狂いつつあり、男根の方は既に脈が硬く浮き出るほどに張り詰めていた。

243 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:05:35 ID:z0natn46
「びくびくして…あぁ、まだ大きくなる………ん、まだ出しちゃ駄目よぉ……はぁ、ん、美味し……もっとぉ……」
それなのに、サキュバスは私の矛盾をまだまだ解消させてくれるつもりがないようだった。
強い力で根元を握り締めたまま、サキュバスは拷問にも等しい快楽を生み出す丹念な愛撫を続ける。
しっとりと湿った唇を蠢かせて男根の半ばを扱き立て、通常ならば痛みしか生み出さないはずの歯列で
軽く圧迫することでむず痒い官能を刺激し、ざらついた長くて温かい舌が亀頭に絡みつき、
無限に湧き出す唾液と共にねっとりと吸い付いてくる口内の灼熱した粘膜全体が男根を包み込み、
蕩けそうな快楽を私にもたらす。
想像を絶する快楽だった。サキュバスが男根を吐き出し、再び口内に誘い込むたびに射精感が込み上げてくる。
だが、相変わらずサキュバスは真の意味で達することを許してくれない。
サキュバスの挑発的な視線を感じ、恍惚とした表情を見るたびに、腰を全力で叩きつけてこの口内を思う存分に
犯したいという欲求が込み上げてくる。
だが、私の君主としての、そして人間としての自制心がそれを許さない。完璧に納まりきらない小さな口に
そのようなことをしたら、このサキュバスに一体どれほどの負担がかかるのか。それを考えると、私だけの欲望を
追及することなどとてもではないができはしない。私はサキュバスの艶やかな髪を撫でることで気を紛らわせた。
「……あ……やっぱり……むぅふ…優しいのね、ジャック……お礼に…ん……イイコトして、あむ、あげるわ」
私が髪を撫でたことにか、それとも私が腰を振りたいという欲求に耐えていることに対してか、サキュバスは
驚いたような表情を浮かべる。

244 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:06:06 ID:z0natn46
だがそれも一瞬のことで、次の瞬間には奇妙に優しい、母が子を、妻が夫を、女が恋人を見る時に
浮かべるような慈愛と愛欲と慕情に満ちたそれへとサキュバスの表情が変化した。
男根を一旦口から離して唾液の架け橋を作りながら、サキュバスは艶然としかし優しく笑った。
「じゃ、思い切り出しちゃっていいわよ。遠慮はしないで、ね?」
大きく口を開けたサキュバスは亀頭部を銜えこむと、何とそのメロンを思わせる美しい乳房で男根を
挟み込んできた。柔らかさと弾力を兼ね備えたそれをサキュバスが揉みしだくたびに形を千変万化させ、
吸い付いてくる餅肌が、辛うじて先端のみを谷間から突き出している男根を優しく、時に激しく摩擦する。
その上に亀頭までを口に含まれて優しい舌遣いで愛撫されているのだ。
「くっ、あぁぁぁっ………!」
これまでに散々に焦らされ続けた男が、この上一秒とて保つ道理がない。
私は存在自体が性技としか言い様がない豊乳の乳圧と感触、口内の粘膜による愛撫を堪能しつつ、
これまでに経験したこともないほどの精液を放っていた。
陰嚢が目でわかるほどに収縮して溜めに溜めた濃密な精液を絞り出し、男根が心臓のように脈動して
それをサキュバスの口内へと注ぎ込む。
「んぷぅ……凄い量……飲みきれるかし……ぁむん……」
なおもその巨大な胸と舌技を駆使して愛撫を続けつつ、サキュバスは喉を鳴らして私の精液を飲み干していく。
口の端から飲みきれない量を零しながらも美味そうに吸い続ける様子がとても淫靡で、
口内に注ぎ込まれた大量の精液を飲み込み、嚥下していく喉の様子がとても艶かしかった。

245 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:06:37 ID:z0natn46
ようやく射精が止まった。長い長い射精を終えた挙句に中に残った精液を残らず吸い上げられたために
硬さを失った男根がサキュバスの美唇から引き抜かれ、下唇、顎と美貌を汚しつつだらりと垂れ下がった。
「はぁ……はぁ……」
数分間はあのペースで射精を続けていたように思う。虚脱感と脱力感が凄まじく、私は思わず尻餅を突いてしまった。
だが、不思議と硬い床に叩きつけられる痛みはなかった。代わって私が感じたのは、粘液質の湿り気を帯びた
座り心地のいい何かに腰掛ける感触だった。私は何か、椅子のようなものに座っていた。
「ん……? 椅子、だと…? そうか、玉座か」
それは玉座だった。私が広間に突入した際にサキュバスが腰掛けていた、豪奢な玉座だった。
私がここに座っているということは、射精を終えた瞬間に私が立っていられなくなることを見越したサキュバスが
行為の最中に流れを妨げない絶妙の動きで立ち位置を変え、私が怪我をしないように計らってくれたのだろう。
思いもかけない思いやりを向けられたせいか、自然と礼の言葉が口を衝いて出た。
「……ありがとう。貴様の……いや、君のおかげで助かった……」
先ほどサキュバスが見せた優しい表情や優しい気遣いに、私は魅了されかけているのかもしれない。
だが、不思議とそのことを不快に思わない自分がいる。同時に、それに愕然とする自分もいる。
どうすればいいのか、私の中に善と悪とは異なる新たな対立軸が生じるのを、私は自覚した。

246 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:07:08 ID:z0natn46
「え……ちょっと、いきなり何を……!?」
私がかけた礼の言葉に、サキュバスはなぜだか慌てた様子を見せた。私が礼を言うということが
意外だったのだろうが、たとえ相手が何者であろうと礼を尽くす真の騎士に対して随分と失礼な態度だった。
私がそのことについて少し抗議してみようと思い立つのと同時に、サキュバスは口を開いた。
「……ねぇ、そんなことよりも、その椅子、湿ってなかったかしら?」
随分と無理のある話題転換だったが、確かにその通りだったので一応頷いておく。
「それ、ね……私のなのよ。私、貴方が扉を蹴り開けた時から、濡れ始めちゃったの……」
羞恥心か欲情か。僅かに頬を染めたサキュバスは自身の秘所にそっと指を這わせ、しばらくまさぐってから
そっとその指を戻す。その指からは透明な粘液が滴っていた。
「ほら、こんなに……ね、凄いでしょう? こんなに興奮したの、私、初体験の時以来よ……あら、興奮した?」
サキュバスがその指を口に含んで自身の愛液を啜り取る、その淫ら極まる情景に欲情して
再び屹立した男根を見て彼女は満足げに笑う。
「ふふふ、この中に入れたいかしら?」
胸を強調するポーズを取って立っていたサキュバスが、指で自身の秘所を開いて私を挑発する。
淫乱なサキュバスには不似合いなほど綺麗な桜色をしたそこは、既に充分なほどに潤っていた。
愛液が肉感的な太腿を伝うばかりか、直接床に滴り落ちてすらいた。
淫花の濃密な香りが空気中を漂い、私の情欲を刺激する。早くこの中に入りたいと、強く思う。
淫乱なサキュバスを押し倒して思うさまその秘所を貪ろうと、私は即座に立ち上がろうとした。

247 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:08:03 ID:z0natn46
だが、それはできなかった。
玉座の空きスペースに足を乗せ、いつの間にか私の顔に秘所を押し付けるようにして立っていた
サキュバスに両肩をそっと押さえられて押し留められたからだった。
「じゃあ、まずは奉仕して貰わないといけないわね……嫌かしら?」
私の顔の前で唾液を上回る甘露とすら思える濃厚な蜜を滴らせる秘所を開きながら、
サキュバスが扇情的に腰をくねらせる。腰の動きに連動して巨大な乳房が揺れ動くのが、溜まらなく淫らだった。
耐え切れなくなった私は、言葉ではなく行動で返事をした。
「あん……! そんなにがっつかなくても……んぅっ、逃げないわよ……ひぁっ……」
苦笑交じりの喘ぎ声が聞こえてくるが、そんなものはどうでもよかった。
今の私には、この滴る蜜をどれだけ大量に味わえるかということだけが重要だった。
豊かに萌える茂みの柔らかな感触を、そこに頬を擦り付けることで充分に味わう。
淫らなサキュバスという種族には似つかわしくない慎ましやかな陰核を唇で挟み込み、刺激を与えるたびに
漏れる喘ぎ声とひくつく太腿の動きを楽しむ。
そして、蜜を零す秘密の花弁にそれらと並行して舌を差し込み、尽きることなく湧き出てくる淫蕩な甘露を掻き出して啜る。
「あぁ、っ、はぁ……どう、んぅ、美味しい、かしら……あっ、そこ、そこぉ……!」
私の頭を抱え込んで淫声を上げるサキュバスだったが、吸っても吸っても流れ出てくる蜜液の味の方が、
声によって煽られるよりも多くの情欲を掻き立てる。口を離すことができない。
母乳を求める赤子のように、私はこの世で最も甘い蜜を貪り続けた。

248 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:09:45 ID:z0natn46
しまった。クッキーを消し忘れていた……
まぁいい。今後はこれで行けばいいだけのことだ。

>>238
ありがとう。そう言って貰えるととてもやる気が出る。

249 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/20(水) 22:28:22 ID:z0natn46
ところで、さっき角煮を覗いたらこんなものを発見したんだが。

つttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1121793764/l50

250 :名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 16:12:13 ID:lQT3X6AT
ひょっとしてWizエロパロって尻しかれがデフォなのか?

251 :名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 16:31:56 ID:M8zKWRy0
んなこたーない
単にゲーパロ専用氏の作品が大変出来が良く、その影響を受けて尻しかればかりになっているだけのこと
評価を得られると証明されてると思える手法に群がるのは人としては理解できるところですな

252 :名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 16:35:58 ID:OU592y92
ここって#6はNGですか?
しかも小説版のネタなんですが…

253 :名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 20:23:00 ID:Ie+YnV6A
>>252
小説版と言うことは"サイレン"ですか?
個人的にはOKOKOK!!ですよ。お待ちしております。

>>霜氏
GJです!この後の展開が楽しみです。

254 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/21(木) 21:00:18 ID:a0eKN81I
>>248
GJ! 超エロいっス!

>>250-251
私に影響受けたり、手法を真似している人はいないと思いますよー。
逆に私が他の職人さんたちの影響受けてる方ですw

>>252-253
サイレン…といったら全裸の堕落ヴァルキリー…すごく見たい!!

>>103
すいません、どうも大嘘ついてたみたいです…orz
「旦那の精子飲みましょう」記事は婦人之友じゃなくて他の類似雑誌っぽいです。
つか、このスレの>146さんはひょっとして、私のを見て書き込んだのでせうか?
だったらごめんなさい(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

ttp://life7.2ch.net/test/read.cgi/live/1117415550/146-149


255 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:19:37 ID:RszA/Yxm
さて、オナニー小説しか書けない俺が、性懲りもなくまた来ましたよ。
早速続きを投下するが、まだ完結ではない。

256 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:20:15 ID:RszA/Yxm

「ん……ぁん……そろそろ、ぅん、いいわよ……ふぁ……」
私は顔中が愛液だらけになるのも厭わずにサキュバスの股間に顔を埋め、サキュバスの背中に回した両の手で
凄まじい弾力を持った豊満な尻を乱暴な手つきで揉みしだくことに夢中だった。
もし仮に一生をこのままで過ごせと言われたとしても全く苦にならないほどの快楽がここにはあった。
だから、私は最初、サキュバスの言っていることの意味がわからなかった。
「あら……入れたいんじゃなかったのかしら……? それとも、ずっと舐めているだけがお好み?」
上気した顔に浮かんだ妖艶な笑みを見て、ようやく私は言われたことの意味を理解した。
「……い、い、入れても、いい、のか?」
舐めるだけでも凄まじい快楽をもたらすこの蜜穴に男根を突き立てたとしたら、
どれほど破滅的な快楽がもたらされるのか。そのことを想像して更に情欲を掻き立てられた私は、
まるで童貞の少年のように慌てた答え方をしてしまう。
「ええ。貴方の好きなように、ね? どうする? 私を犯したい? 私に犯されたい?」
艶然と笑うサキュバスは私の膝の上に座り、甘えるようにもたれかかってきた。
頬を撫でる手の滑らかな肌触りが、首に回された腕の艶かしい温かさが、
筋肉質の無骨な胸板に押し付けられて形を柔軟に変える豊満な胸の感触が、
筋肉で張り詰めた腿を圧迫する柔らかくも引き締まった尻の重みが、
同じく腿を挟み込んだ股間から滴る熱い蜜のぬめりが、
これ以上の高まりはないだろうと私自身が思っていた情欲を、更に昂ぶらせる。

257 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:20:52 ID:RszA/Yxm
「ふふ、さぁ、どっちにする? 答えないとこのまま手でイカせちゃうわよ?」
込み上げる欲望を持て余して沈黙した私に業を煮やしたのか、サキュバスが男根へと手を伸ばしてくる。
それはそれで凄まじい快楽ではあるものの、やはりそれでは私の心が満足できない。
サキュバスは自分が本気であることを示すかのように男根に手を添えてきたので、私は慌てて答えた。
「待て、よせ! 答えるから! 私は……私は君を犯したい!」
「最初から決めているのなら、もっと早く答えて欲しいものね。まぁいいわ」
私の答えを聞いて満足感と不満感を等配合したような笑みを浮かべたサキュバスは、体重を感じさせない
動作で床に降り立つと優雅に寝転がり、上体を起こしたまま大きく足を開くという実に淫猥なポーズを取った。
「……いいわ。おいでなさい。好きなようにしていいわ」
その言葉が終わるのを待たずに、私はサキュバスに飛びかかった。
「ん、強引ね……」
勢いと体重によって押し倒されたサキュバスは苦笑しながら背中に腕を回して抱きつき、私を受け止めてくれた。
抱きついてくるサキュバスの温かく柔らかい身体の感触、特に私の胸に当たる胸の感触が、私をどこまでも高めていく。
私は衝動的に身体をずらし、眼前で揺れるたわわに実った果実のように大きく熟れた乳房に手を伸ばした。
パン生地を捏ねるように揉みしだき、刺激と興奮によって膨れ上がった桃色の乳首ごと乳房を頬張る。
「ぁ…ん…赤ちゃんみたい……んん、そう、上手よぉ……あぁっ……」
顔を埋めて巨大な乳房を貪っている私からは見えないが、きっとサキュバスは呆れと慈しみと情欲が
含有された淫蕩で美麗な表情を浮かべていることだろう。

258 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:21:32 ID:RszA/Yxm
馬鹿にされているようで癪に障る。私は少し見返してやることにした。
口内に含んだ乳房を歯型がつくかつかないかという強さで噛み、鬱血しそうなほどの強さで吸引し、
淫らに膨れ上がった乳首を舌先で執拗に弄ぶ。
もう片方の乳房を放置するような真似はもちろんしない。口による責めと並行して、そちらも責めている。
全体を跡がつかない程度に強い力で掴んで捏ね回し、親指と人差し指を使って愛らしくもどこか淫らな乳首を
擦り上げ、摘み上げ、捻り上げ、爪を立てる。
「あんっ、胸ばっかり……もうっ、んぅ……!」
私の頭を抱えるサキュバスの手に力が籠もる。声からも心なしか余裕が消え始めているように思える。
狙い通りに余裕たっぷりの態度を崩すことができ、男ならば誰もが一度は触れてみたいと思う美しい豊乳を
思う存分に揉み、噛み、吸い、舐められたのだから、まさに東方で言う一石二鳥というものだった。
「あっ、あぁ……ね、ぁん、もぉ、いい、でしょ……! あ、はぁう……入れ、てよぉ……んん……っ」
「あ、こら……!」
私の頭を抱え込んだまま喘ぎながら、サキュバスは脂の乗った太腿と腰を巧みに動かして男根を誘導する。
その動きですら男を達させる威力を秘めた愛撫としての役割を果たすのだから、全くサキュバスとは恐ろしい種族だ。
「ねぇっ、私を犯すんでしょうっ、ほら、早くっ、早く入れてよっ!」
秘裂の入口を男根に擦りつけながら、情欲に身体を火照らせたサキュバスが私の腰に脚を絡めて叫ぶ。
ここまでくれば私が何もせずとも交わることができるというのに、サキュバスが敢えて私を待っているのは、
一旦犯す者と犯される者の立場を定めた以上は、最後までそれを押し通そうという腹づもりだからだろう。

259 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:22:04 ID:RszA/Yxm
「うっ、わ、わかった! 今入れる、だから、そんなに動くなっ!」
それにしても、このサキュバスはどうにも気が短い。それとも、サキュバスは昂ぶると皆こうなるのか。
サキュバスは私の返答がなされるのを待つのももどかしいといった風に、その汗と愛液で滑らかに光る
贅肉の一片たりとも見当たらないほどに引き締まっている割に柔らかい、人間には有り得ない腹で扱き立ててきた。
「もうっ、早く、早くしてっ! 流れとタイミングが大事なのよぉっ、早くぅぅ!」
私はなおも腹で扱き立てようとするサキュバスを押さえ込み、溢れ出した蜜でしとどに濡れた淫花へと
遠慮も会釈も手加減もなしに、全力で男根を突き立てた。
すっかり蕩けた秘所は私の男根を拒むことがなく、それどころか深くへ誘い込むように蠕動する。
溶岩のような熱と万力のような締め付けが、私にこの世のものとは思えない快楽をもたらした。
「あぁぁっ、やっぱりぃっ、やっぱりぃっ、おっきぃのぉっ……あぁっ……!」
怒張しきった男根で秘裂を貫いた瞬間、サキュバスは快楽の叫びを上げて文字通り全身で私にしがみついてきた。
しなやかな両の腕を私の背中に回して爪を立て、脂の乗った太腿で私の腰を挟み、
引き締まった長い脚で私の背中を撫で回し、芸術品のような唇を私の口に押し付けて口付けをせがみ、
淫欲に満ちた蜜穴は全てを収めて貪るように締め付けながらも更に深くへと誘い込もうとする。
「ぐっ、あぁぁっ……!」
私はその全身を使った貪欲な要求に耐え切れなかった。
がむしゃらに全身を押し付けてより深くを目指しながら、再び大量の精液をその最奥に放ってしまった。

260 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:22:36 ID:RszA/Yxm
「あっ、あっ、出てるっ、出てるのね……! あぁっ、こんなに濃いなんてぇ……!」
一体どこにこれほどの子種が存在したのかというほどに精を吐き出した私の男根。
嬌声を上げてそれを締め付けながら淫らに腰をくねらせるサキュバスに獣欲を刺激され、
私は精を吐き出してなお硬さを保つ男根でより多くの快感を得ようと、何度も何度も激しく腰を律動させた。
最早、互いに相手にかける言葉は持たなかった。互いの情欲を刺激し合う愛撫もなかった。
あるのは、ただ結合部分からより多くの快楽を貪るための腰の動きと、互いを離すまいと
汗まみれになった互いの身体を求め合う淫らな手足の蠢きだけだった。
甘美な痛みすら感じるほどの強さでしっかりと抱き締め合ったまま、いきり立ち続ける男根の疼きが
命じるままにサキュバスの秘奥を貫き、ねっとりと蚯蚓のように絡みついてくる肉壁を堪能する。
抱き合ったまま転げ回って絨毯に汗と淫液の染みをつけ、頻繁に入れ替わる上下すら快楽の助けとし、
私達は淫欲に狂った。組み敷き、組み敷かれ、互いの体重すらも快感に変えて、私達は何度も絶頂に達した。
隙間なく男根を締め付ける肉襞の働きがなければ、私がサキュバスの胎内に放ったものが際限なく零れ出していたことだろう。
だが、そろそろ、この体位にも飽きてきた。同じ体位で何度も絶頂に達するのも、味気ない気がする。
「はぁ……はぁ……お、おい……そろそろ、体位を変えたい……はぁ…から、手と脚を……離して、くれ……」
「これで……ん、いい、かしら……?……あ、もっと大きくなってきた……素敵よ……」
絡みついていた手足を離して大の字になった美女と腰だけで繋がっているという淫らな状況に色欲を
煽られながら、私は一体どのような体位でサキュバスを犯すかを思案した。

261 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:23:08 ID:RszA/Yxm
答えはすぐに出た。
ただ繋がっているだけで達してしまいそうなほどの快感が常に私を襲っており、
悠長に考え込んでいる暇など存在しなかったからだ。
「……よし……四つん這いになれ……」
この豊満な肉体に淫乱さを備えた魔性の美女を獣のような姿勢で犯すということを想像するだけで、
その背徳的な肉体を征服したような気分になってくる。
「あんっ、もっとゆっくりぃ……」
私は腰を結合させたままサキュバスの身体を引っくり返して、豊満な尻を抱え込んだ。
少し乱暴にやりすぎたのかサキュバスが甘えたような声でやんわりと私を咎めるが、きちんと手足に
力を込めて踏ん張っている辺りから、その言葉が真意でないということが伝わってくる。
そもそも、この状況下での甘い叱責の言葉には、目の前の女を犯しているという淫靡な現実を強調する効果しかない。
「ん……乱暴にしちゃ駄目よぉ……」
サキュバスもそれをわかってやっているのだろう。繋がったままの尻を振りながら、甘い声で私を刺激する。
「よく、くぅ、言うものだ……激しく、腰を振っていた、女が……」
指が柔肉に食い込むほどの力で尻を掴み、わざと乱暴に腰を叩きつけた。
腰を引き始めると、まるで抜け出ようとするのを拒むかのように肉壁が絡みつき、肉襞が捲れ上がる。
その蕩けそうな感触に身悶えしながら更に腰を引くと、私が散々に放った白濁液とサキュバスが分泌した蜜とが
混ざり合った淫液が絡みついた男根が見え、視覚情報としての快楽を私に与える。

262 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:23:40 ID:RszA/Yxm
しかし、それに見惚れているばかりではない。
そこまでの動作をゆっくりと行った反動としての意味があるのかは私自身よくわからないが、
私は抜け出る寸前にまで引いた腰を全力で叩きつけ、最奥を目指して男根を捻じ込んだ。
「あっ、あぁぁっ! ひぃっ、んっ、あっ、そんっ、乱暴、とぉっ、激し、激しくはっ、違うっ、のよぉっ……!」
甘い抗議の声を上げながら、サキュバス自身も私の動きに合わせて尻を振って快楽を貪っている。
私の腰が叩きつけられると柔らかく変形して衝撃を吸収し、私の腰が離れようとすると凄まじい弾力で押し返す桃尻。
秘裂の上に所在なげに佇み、蜜穴が男根を締め付けるたびに連動してひくつく淡い色彩の窄まり。
これまでの昂ぶりのために噴き出した玉のような汗に濡れて光る、引き締まった白磁の背中。
その全てが私のために存在しているという現実は、溜まらなく淫靡で、溜まらなく幸福だった。
「ふんっ、それ、ならば、今のは、どう、なんだっ、気持ち、いいのだろうっ」
更に激しく腰を叩きつけ、或いはより深くを求めて腰を押し付けて尻の感触を楽しみながら、
サキュバスの魅惑の背中に問いかける。
「あんっ、いぃっ、いいのぉっ、これ、いいのぉっ、もっとぉっ、もっとぉっ……!」
私のタイミングに合わせて腰と尻を振りながら、サキュバスが正気を失ったような嬌声を上げる。
だが、快楽に正気を失いかけているのは私も同様だから、それに関しては何も言えない。
「これかっ、これが、いいのかっ、どうだっ、んっ?」
男根が精を吐き出す予兆として膨らみながら脈打つのを感じ取り、サキュバスと共に絶頂と達するべく
腰の動きを速め、覆い被さるようにして抱き締めた。
しっかりと繋がったまま速度を上げるには、これが最もいい体勢だったのだ。

263 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:24:17 ID:RszA/Yxm
「あっ、あっ、いいっ、もっとぉっ、そこぉっ、あぐっ、あぁっ、ひぁぁっ……!」
重力に従って揺れる乳房を鷲掴みにし、汗の浮いた艶かしい背中に幾度も口付け、
私はサキュバスの全身を貪り続けた。
揺れる果実を掌で強弱をつけて押し潰し、唾液と汗で濡れ光る背中に所有の証をつけ、空白が満たされることを
貪欲に求め続ける淫腔に精を吐き出す直前の最も昂ぶった男根を埋め込む。
そろそろ限界が近いのが、自分でもわかった。きっとサキュバスもわかっていることだろう。
サキュバスも私と同じで限界が近いだろうことがわかった。
ずっと繋がっていたせいか、私達は互いの身体の状態が理解できてしまうほどに心までも通じ合っていた。
「ぐぅっ、出るっ、出すぞぉっ……!」
「来てっ、一杯っ、私の、んっ、中にぃぃっ…!」
私達が絶頂に達するタイミングは、秒単位で考えてもほとんど誤差がないほどに一致していた。
男根から信じられないほど大量の精液が吐き出されたのが先か、肉穴が信じられないほどの強さで締め付けてきたのが先か。
それは考えるだけ無駄だった。正確には、考えるだけの余裕すらなかった。
私は男根から迸る精液を肉穴に注ぎ込むことに夢中だったし、サキュバスは蜜穴で男根から精液を搾り取ることに夢中だった。
互いに絶頂に達しながらも、まだ私達は互いの全てを貪り尽くそうと蠢き続けた。

264 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/21(木) 21:24:57 ID:RszA/Yxm
以上が今回の投下分だ。
ところで、サキュバスは正確にはサッキュバスだということを忘れていたのだが、
表記を変えるのも今更のようで恥ずかしいから最後までこれで突っ走ることに決めた。

>>251
どう考えても俺の作品に対しての当て擦りだという
被害妄想に陥ったので、厨臭いことに何とマジレスをする。

作品を非難したり批評したりする際には、
どんな形であれ他の書き手を引き合いに出すのはやめた方がいい。
勝手に名前を使われる側としては堪ったものではない。

作品の傾向の分析や批評がしたければ、せめて完結するまで待ってくれ。
それからならば、どのような評価も受け入れる。

>>252
オリジナル要素しか見つからない俺の作品がいいくらいだから
真っ当に原作を使って書くネタが駄目なわけがない。
ところで、サイレンといえばレベッカと女王様な俺はどこかずれているだろうか。

>>253
うん、ありがとう。
ある意味では予想通り、ある意味では意表を突いた結末を
用意しているから、楽しみにしてくれて構わない。

>>254
貴方にそう言っていただけるととても嬉しく、また励みになる。
どうもありがとうございます。

265 :名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 03:29:50 ID:VtsIlshJ
レベッカと女王様…SMなんて生半可なものじゃねえなw

266 :保管庫 :2005/07/22(金) 15:00:13 ID:8FOW5aGP
ゲーパロ専用様に続きまして、
ジャック・ザ・レイバーロードのお話もupさせて頂きました。
お名前ですが、保管庫の通りでよろしいですか?>霜ノ関◆ 様

>>249
どなたか存じませんがGJですな。
当スレへの誘導つきでまた感謝しきり。
保管庫メニューにも二次板へのリンク設置しました。
二次板は保守がなかなか大変だと思うけど、無事続くといいなぁ…

267 :名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 15:01:07 ID:8FOW5aGP
>>264
>サキュバスは正確にはサッキュバスだということを忘れていたのだが

 サッキュバス
 サキュバス
 スキュバス
 SUCCUBUS
 スクァヴァス
 スクゥブス
 さっきゅん

もともと日本語ではないし、とりあえず
その場で万人に伝わるような呼び方であれば無問題というコトで。

268 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/22(金) 21:41:00 ID:lOZSk/pP
>>266
いつも保管ありがとうございます。
保管庫の画面、黒地にオレンジブラウンの文字配色が迷宮らしい渋さで、とても好きです。
雰囲気が文字色でこうもかっこよく変わるか、といつも下書きと見比べてしまいます。


269 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:49:23 ID:Wqxni38G
よし、完結編を投下する。
少し投下に時間とレスがかかるが、まぁ勘弁してくれ。

270 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:50:09 ID:Wqxni38G
「ふぅ……流石に……ここまで続けると辛いものが、ある……」
腰そのものを突き込んでいるように錯覚してしまうほどに男根を深く突き入れて腰と尻とを密着させたまま
続けた長い射精を終えて、私は深く息を吐き出した。常人どころか熟練の冒険者でも疲労のあまり動けなくなるだろう
量の精を吐き出して、流石の私も随分と消耗してしまった。
このまま繋がっていてもどうにもできないので、すっかり力を失ってだらしなく伸びた男根を、果ててなお蠢動し続ける
魔性の蜜穴からゆっくりと引き抜いた。
私に向かって尻を掲げたまま倒れ伏しているサキュバスが、切なげな吐息を吐き出した。
「んっ……ねぇ……もう、終わりなの……?」
疲れたのかぐったりとしているサキュバスは、淫香を放つ蜜穴からスライムのような粘度を持つ白濁した淫液を
大量に溢れ出させながらも扇情的な視線を私に向けてくる。
更に多くを求めているらしく、湯気が立つほどに蕩けた淫花を見せ付けるようにして尻を振る。
「貴方なら……まだ出せるでしょう?……それとも、私にはもう飽きちゃった……?」
私が黙ったままでいることに不安を覚えたのか、それとも萎えきった男根に失望したのか、サキュバスは今にも
泣き出しそうな何とも言えない表情を浮かべている。男を篭絡する演技かもしれないとはいえ、罪悪感を覚えてしまう。
「少し、待っていろ……今、力を回復させる……」
「もう、早くしてよね……」
私は僧侶系呪文で最も重要であると言っても過言ではない、マディの詠唱を始めた。
魔城突入時には城主の許に辿り着く前に使い果たすことすら懸念していたのに、その第一回目をまさか
こんな状況で使うことになるとは我ながら失笑物ではあったが、消耗が深刻なのだから仕方がない。
私はマディを唱えた。
「ちょ、ちょっと、何をしているの……!?」
疲労困憊といった様子のサキュバスの背中に手を置き、そのなだらかな曲線を慈しみの心を持って撫で回す。
「騒ぐな。マディをかけているだけだ」
もともと翼がないのか、それとも翼を消しているのかは知らないが、金糸のような長髪、白磁の肌、そして玉の汗以外の
何物も存在していない綺麗な背中を、私はマディの力を込めた右手で、父が子を、夫が妻を、男が恋人にするように、
優しく丁寧に撫でていく。うろたえていたサキュバスの顔が安らかなものへと変わり、マディがきちんと効いていることを示す。
「ね、ねぇ、どういうことなの……?」
予想外の事態だったらしく、サキュバスはよたよたと身を起こしながら不安げな眼差しを向けてきた。
「交わっている最中、君はエナジードレインの効果を抑制してくれていたのだろう。そうでなければ、手裏剣を身体から
離してその守護を失った私が、こうして平然と話ができる状態でいられる道理がない。あれだけ濃厚な交わりを行えば、
流石の私といえども大量の精気を奪われてしまうだろうからな。
また、君達にとって最も効率のいい精気の吸収方法である交わりを行った直後であるというのに、
君がそれほどまでに疲労困憊している道理がない」
私は今、はっきりと眼前のサキュバスへの愛めいたものを感じながら、
不安げであると同時に何かを期待している様子のサキュバスをそっと抱き寄せた。
「あ……で、でも、それは契約を守っただけで……」
抵抗するでもなく、受け入れるでもなく、サキュバスは私の腕の中で何かを堪えているかのような表情を浮かべていた。

271 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:51:05 ID:Wqxni38G
「私は知っているのだぞ。サキュバスは、いや、エナジードレインの力を持つ者は、何らかの形で他者と触れ合うだけでも
無意識の内に微量の精気を奪い取ってしまうのだということをな。交わりともなればこれ以上ないほどに
濃密な触れ合いだから、その無意識の吸収量は意識的なエナジードレインにも匹敵することだろう」
手触りのいい髪を撫でながら、腕の中で俯きながら黙って話を聞いているサキュバスに向かって続けた。
「生理現象とも言えるそれは、契約書にある攻撃には当てはまらない。抑えようとして抑えられるものでもないからだ。
だが、それなのに君はそれを抑えてくれた。私はその誠実さに感動し、マディを唱えたのだ」
私が言い終えても俯いたまま沈黙を続けていたサキュバスが、唐突に何事かを呟いた。
「……何で……」
私が思わず問い返すと、サキュバスはいきなり顔を上げて、私に掴み掛からんばかりの勢いで捲くし立ててきた。
「何でよ! 何でそんなことするのよ! どうしてそんな酷いことをするの!?」
驚くべきことに、顔を上げたサキュバスの悪魔のくせに綺麗な瞳からは、大粒の涙が零れ落ちていた。
なぜ非難されなければならないのか、私には全くわからない。だが、女の涙というのは種族を問わず、心に刺さる。
「私……私、あのまま貴方に抱かれながら、消耗して、死のうと、消滅しようと思っていたのに……何で助けたのよ!」
話の意味が全くわからない。だが、これがわからないままでいてはならない問題だろうことはわかる。
小さな握り拳で胸板を叩きながら泣きじゃくるサキュバスを撫でながら、私は必死に話の内容を咀嚼した。
「この朴念仁、馬鹿、レイバーロード! 女が誠実さだけであんなことまでするわけがないじゃない!」
サキュバスは心に溜めていたものを吐き出すかのように叫ぶ。
遭遇時の艶然たる余裕が想像もできないほどに、今のサキュバスは感情的だった。
不思議と、幼い子供を連想させられる。

「貴方のことが好きだから……! だから、せめて抱かれたまま消滅したかったのよ!」
その叫びは、侍時代に一時期愛用していた虎殺しの槍のような強烈さで私の胸を貫いた。
「それなのに何よ! 誠実さに感動したからですって? そういうのが一番迷惑なのよ……私の覚悟なんて
まるで知らないで、私の思惑を台無しにして………!」
サキュバスの私に対する弾劾の形を取った独白は、次のように締めくくられた。
「どうせ、貴方にはわからないでしょうね……貴方みたいな朴念仁に、女心なんてわかるはずがないわ!
ふん、貴方なんかに惚れた私が馬鹿だったのよ……初めての男だからって、いつまでも引き摺っている私が……」
語尾は不明瞭な小声だったが、何となく言いたいことは理解できた。
言い終えたのとほぼ同時に私の胸に顔を埋め、今は静かに嗚咽しているサキュバスの今この時だけでも
触れていたいという思いが、背中に回された手に籠もる力から伝わってくる。
「……おい」
背中と頭を撫でながらかけた声に、泣きじゃくるサキュバスの肩が鞭で打たれたかのように震える。
「取り敢えず、幾つか質問させて貰う。返事は?」
先ほどの独白の中には、気になることが多すぎた。どれ一つとして、おろそかにしていいことはない。
「……いい、わよ。答えられることには、答えて、あげる」
嗚咽しながらもサキュバスは明瞭な声で返事をしてきたが、まだ気持ちが落ち着いていないのだろう。
官能を煽る仕草など全くなしに、ただ安心感を求めるような態度で肌を合わせてきた。

272 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:51:55 ID:Wqxni38G
「私のことが好きだというのは? 初体験の相手のことを引き摺っているとは?」
もしサキュバスが口走った言葉が真実だとしたら、これほど嬉しいことはない。私は既に、この女の虜だった。
「本当のことよ……私は、貴方が好きなの。貴方に処女をあげてから、ずっと……」
そう言って、サキュバスは私にしっかりと抱きついてきた。離すまいとしているかのように、その腕には力が籠もっている。
サキュバスがどうやら私のことを本気で愛してくれているらしいことは喜ぶべき事実だったが、一つ引っ掛かることがあった。
「処女……だと?」
私は三十年間の人生で恋愛らしい恋愛をしたことはなかったから、抱いた女といえばどこの誰とも知れぬ娼婦達くらいだった。
その中にはそこそこ美しい娘が多かったが、それでも眼前のサキュバスに匹敵する者はいなかった。いわんや、処女など。
そこまで考えて、私はふとある少女のことを思い出した。
みすぼらしさの中にも美しさを宿し、貧しさの中でも優しさを失っていなかった少女マリアの顔が、なぜか脳裏に浮かんだのだ。
自分の想像の突飛さに、そしてそれが唯一の正解だと認識している自分がいることに、私は驚愕した。
「まさか……」
記憶と照らし合わせるためにまじまじとその顔を見つめている私に業を煮やしたのか、サキュバスが見事な長髪を掻き上げ、
その妖艶さと清純さを兼ね備えた美貌に不釣合いな地味な髪型を作り出した。
「ねぇ……面影が残っていないかしら……?」
何かを祈るような表情を浮かべながら私を見つめ、サキュバスは審判を待っている。

「そんな……では……あの時の少女は……」
美貌と妖艶さは比べるまでもないほどにかけ離れていたが、瞳の輝きや隠れた健気さ、そして清楚さは
確かにあの時、私が処女を奪った年端もいかない少女のものだった。
「そう、私だったのよ……ねぇ、サキュバスにとっての処女喪失って、どういうことだかわかる?」
サキュバスは頬を寄せて鼓動を確かめるかのように私の胸に顔を埋めながら、突然に話題を変える。
「……いや、わからない」
サキュバスといえども初体験というものがあるのだから、当然、処女のサキュバスというのがいてもおかしくはない。
しかし、淫蕩な種族であるサキュバスが処女に一体どのような価値を見出すのかというのは、全く心当たりがない。
「インキュバスの筆下ろしもそうだけど、私達にとっては、初体験は本当に大切なことなの」
サキュバスは、いやマリアは彼女らにとっての初体験の意味を語った。
まず、初体験の相手の強さがサキュバスの能力の高さや美貌という名の格式を定めるのだという。
また、その際に相手がどれほどの愛や優しさを持って接してくれるかも、その決定に大きな影響を与えるのだとも。
サキュバスと一括りに呼ばれる者達でも、それぞれの能力には実は大きな個体差があるということも、確かにそれなら納得できる。
「子供の頃の私は貧相だったでしょう?」
そのことに関しては、咄嗟に否定できなかった。
何しろ、栄養が悪かったのか身体は年齢の割りに未発達だったし、服装も貧しさしか感じさせないものだった。
そう思って何も言えずにいたら、マリアが呆れたような表情を浮かべながら、温かく笑った。
「……もう、こういう時はお世辞でも否定しなさいよ」
だが、次の言葉を紡ぐにあたって、急激に表情が曇った。

273 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:52:32 ID:Wqxni38G
「綺麗じゃなかったから、魔界でも落ち零れだった。ろくな男が寄ってこないだろうってね。
落ち零れだったから、私は他のサキュバス達にいじめられていたわ。ほら、私の処女が競売にかけられていたでしょう?
わかっているとは思うけど、親の薬代っていうのは嘘よ。本当は、どこの馬の骨とも知れない下種な男に私の処女を
奪わせるための、他のサキュバス達の下種な企みだったの。私はもう駄目だと思ったわ。下種な男に乱暴に犯されて
落ち零れのサキュバスになって、どこの誰ともわからない中途半端な冒険者に殺されるか、魔界の貴族の戯れで殺されるかの
どちらかしかない、ってね」
そこまで言い終えて、マリアの表情が急激に変化した。急に晴れやかな表情になったのだ。
しみじみと話を聞いていた私としては面食らうことこの上なかったが、マリアは構わず続けた。
「でも、私を買ったのは貴方だった。最初、私はチャンスだと思ったわ。貴方はとても強い人だったから、これで
あの連中を見返せると思った。でも、貴方は強いだけでなくてとても優しかったから、最初は私を抱こうとしなかったわよね。
結局は私から強引に頼み込んで抱いて貰った……でもね、私が貴方にあそこまで強引に頼んだのは、打算だけじゃなかったのよ。
誰かに優しい言葉をかけて貰ったのも、誰かに優しく撫でて貰ったのも、あれが初めてだったから……貴方のことを愛してしまったの」
悲惨な身の上話から繋がった愛の告白だったが、不思議と打算めいたものは感じなかった。
全てを明かそうとしているだけだからだろうか。
「……あれから私は強くなったわ。いいえ、貴方に強くして貰った。だから私は他のサキュバスを率いる女王みたいなものにもなったし、
愚かでくだらない他の男の慰み物にされるようなこともなかった……貴方以外のものにはならないと誓ったから、必死で身を守ったわよ。
でもね、そんなことは無駄だとわかっていたわ。魔界のサキュバスクイーンと人間の男が結ばれるなんて、無理だもの。
私はこのままジャック・ザ・ラーフィングスラスター……貴方が侍だった頃の二つ名よね……に恋焦がれたまま生きていくんだと思っていた」
マリアは述懐する。

「そんな時にね、この城の話を聞いたのよ。この城を使って人間界に版図を広げようっていうデーモンロードの計略をね。
知っていたかしら。この城の本当の城主は私じゃなくて、アークデビルとネザーデーモン、それからアークデーモンだったのよ。
アークデビルとネザーデーモンは貴方が、アークデーモンは私が斃して、デーモンロードの計画を挫いたってことになるわね」
おかしそうにマリアは笑う。しかし、その笑みもすぐに消えた。
「……ねぇ、最後に頼みがあるの……」
縋るような目で私を見、私の手を取る。
「ここの処女も……貰って欲しいの……」
マリアが私の手を導いたその先にあったのは、何と彼女の尻に咲いた菊の蕾だった。
「貴方は、終わったら私を追い返すか、滅ぼすかするんでしょうから……最後の、思い出に……」
マリアが涙を零しながら私の胸に縋り付いてくるのを見て、私は女というのはどうして自己完結したがるのだろうと疑問に思う。
「マリア……何を誤解しているのかは知らないが、私には、君を滅ぼすつもりもなければ、魔界に追い返すつもりもない」
「え……?」
私の言葉が想定の範囲内にあったようで、マリアは呆けたように私の顔を見つめてきた。
「契約を履行するとしたら、私は君にこう言う。私の妻になってくれ、君の故郷が見てみたい、とな」
まさか悪魔を相手に愛の告白をする羽目になるとは思ってもみなかったが、人間に恋する悪魔がいるのだから問題はない。
もしかしたら、ロードとしての力を失ってしまうことになるかもしれないが、それは一途に私を思い続けたマリアに応えるという
ことの前には、些細な問題であるに過ぎなかった。
「私は君を愛している。少女マリアも、サキュバスクイーンのマリアも」

274 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:53:09 ID:Wqxni38G
「……本当……に……? 本当に、私のことを……?」
マリアは大粒の涙を零しながら私の胸に取り縋った。私もその様子に愛しさを覚え、強く抱き締めた。
「そうだ。本当だ……私は君を愛している」
私はマリアに口付け、その柔らかな唇を味わった。乱暴に貪るのではなく、あくまでも優しく愛撫する。
「…ん……嬉しいわ……ねぇ、ちょっといいかしら?」
私の意図を理解してくれたのか優しく舌を絡めてくれていたマリアは、唇を離してから私の顔を悪戯っぽく見上げてきた。
「ここの処女も、ちゃんと貰ってね? あ、大丈夫よ。私達は排泄ってしないから、汚くないわ」
甘えるように囁きながら、菊の蕾を私の手に押し付けてくる。
本来ならば排泄に使う場所を犯すように求められているという興奮が、再び私を昂ぶらせた。
「あら、ここはやる気になってくれたみたいね……。さぁ、来て……」
先ほどまで力を失っていたのが嘘かと思えるほどの角度でいきり立つ男根を見て満足げな表情を浮かべると、
マリアは四つん這いになって尻を掲げ、両の手で尻たぶを開いて自ら慎ましく咲いた菊の窄まりを見せ付ける。
「でも、ここは初めてだから……その、優しくしてね、痛いのは嫌だから……」
自ら掲げた尻を自ら開いているという卑猥な状態で、マリアは恥ずかしそうに、しかしどこか嬉しそうに笑った。
「あ、でも、貴方はいつも優しかったから……今回も大丈夫よね」

私の男根はその淫靡な情景に更にいきり立って先走りを零し始め、私の心はその言葉に更に昂ぶった。
「大丈夫だ、優しくする……!」
そう言いながら豊満な尻の谷間に顔を埋めた私は、舌の根も乾かぬ内に貪るような勢いでその蕾に舌をねじ込んだ。
「んっ、ぬるぬる……するぅ……」
口の周りとマリアの尻を涎で汚しながら、私は舌で清潔に保たれた菊の蕾の中を探索した。
蜜穴の絡みつくようなそれとは違う、締め付けるために締め付ける強烈な締め付けが私の舌に襲いかかってくる。
尻たぶを揉み解すようにして愛撫しつつ、少しずつ緩み始めた蕾の中を舐め解していく。
「何、だか、不思議な、感じ……」
私の愛撫に掲げた尻を揺らして応えながら、マリアは恍惚といった表情で吐息を吐く。
そろそろ頃合だろうと思って舌を抜いて顔を離し、物欲しそうにひくつく菊の蕾を指先で撫でた。
「指を入れて拡げるから、力を抜け。そうしないと痛いぞ」
触れられた瞬間に小さく震えたマリアが頷くのを確認してから、先ほど彼女の胎内から流れ出てきた淫液を
潤滑剤として塗りつけてから、私はゆっくりとその指を蕾に突き立てた。
予想以上の抵抗と締め付けが私の指を襲うが、私は構わずに指を奥までねじ込んだ。
「んっ……はぁっ……!」
中で指を曲げ伸ばしして掻き混ぜてやると、マリアはそのたびに仰け反り、吐息を漏らした。
仰け反る際の白い喉がとても魅力的だったので口付けの衝動を喚起され、私はその白い肌にむしゃぶりついた。
差し込む指の本数を一本ずつ増やして狭い入口を押し拡げながら、唇と喉とを交互に味わう。

275 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:54:24 ID:Wqxni38G
「そろそろ、いいみたいだな。ほら、指が四本も入っているぞ」
しばらく弄り続けていると、硬く閉ざされていた蕾も大分花開いてきた。
「んっ、そんなに……入っている、の……?」
蕾を拡げられる快楽に酔っていたらしいマリアは、信じられない、と言った風に嘆息する。
「ああ、本当だ。ほら、四本分の動きだろう?」
「あっ、ほんっ、とうっ、みたい、ねぇっ……!」
少し嬉しくなったので指を激しく蠢かせてみたら、マリアは快楽に咽び泣きながら掲げた尻を振った。
「ねぇっ、もう、いいからっ、入れてっ、貴方のをっ、貴方のを入れてっ……!」
涙を零しながらねだられて無碍にできる男がいようはずもない。
「よし、入れてやるから、力を抜いて全て私に任せろ」
先走りを塗りつけるように尻たぶに擦りつけてから、すっかり硬度を取り戻した男根を蕾に添える。
「痛かったらそう言え。いつでもやめる」
「……いいわ、来て……!」
蕾に込められていた力が抜けたのを確認してから、自分で言うのも何だか恥ずかしいが、
太く硬く大きくなった男根を少しずつ押し込んだ。狭い入口が無慈悲に押し拡げられていく様は、
征服欲と嗜虐欲を刺激し、奇妙に背徳的な快楽を私にもたらす。
尻たぶを掴みながらの押し込みによって、亀頭部が完全に中に収められた。
蜜穴とはまた一味も二味も違う締め付けに、これだけで達しかける。
「んっ、痛っ……あっ、裂けちゃうっ……!」
だが、マリアが悲鳴を上げ始めたことで、辛うじてその衝動に耐えることができた。

「やめるか?」
正直なところを言えば、このままやめたら私自身治まりがつかないのだが、ここはマリアの身体の方が大事だった。
「ゆっくり、やれば……大丈夫、だと、思う……」
相当な激痛を感じているに違いないマリアは、健気にもそんなことを言ってくれた。ここまで言われたならば、
その信頼と要求に応えるのが男としての義務であるように思う。
「わかった。しっかりと力を抜くんだ。そうすれば、痛みも引くはずだ……」
異物を押し出そうとする強烈な締め付けに今すぐにでも最奥まで貫きたくなるが、
その衝動を堪えてゆっくりと男根を蕾に埋めていく。
「あっ、そこ、何か、っ、気持ちいいっ……!」
男根が半ばまで突き立てられた時、マリアは痛みとは違う叫びを上げた。
どうやら、性感帯に男根が当たったらしい。押し戻そうとしていた力が急激に抜け、きつい蕾が花開いた。
あまりにも急な脱力のおかげで、押し戻そうとする動きに抵抗するために込めていた力が行き場を失い、
勢い余って男根が根元まで一息に挿入されてしまう。
凄まじい圧力と熱とに、私はそれだけで達した。
衝動を堪えきれずにマリアの尻たぶを全力で掴み、思い切り男根を突き込んでしまった。

276 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:55:09 ID:Wqxni38G

「あっ、あぁぁっ……! 深いっ、深いよぉっ……! あっ、熱いのがっ、出てるっ、出てるぅっ……!」
苦痛の声が上がることを覚悟していたが、幸いにしてマリアは既に肛腔を犯される悦びに目覚めたようで、
高らかな嬌声を上げて背筋を反り返らせるのみだった。
「いいっ、熱いのがっ、あぁっ……! 動いてっ、動いてよぉっ……!」
精を注ぎ続けたまま動かない私にもどかしいものを感じたのか、マリアは背筋を反り返らせたまま激しく尻を振り回した。
「あっ、ぐぅぅぅっ……」
達したばかりで敏感になっている男根を刺激され、私は情けなくも悲鳴を上げた。
これではどちらが犯しているのかわからない。だが、どうしようもない。
私はただただ、マリアが求める通りに腰を叩きつけるだけだった。
蜜穴がもたらす包み込まれるような快感とは違う、強制的に魂を揺さ振るような暴力的な快感がもたらされる。
常に達し続けているかのような凄まじくも素晴らしい快楽の中で、私は引き締まった尻たぶに指が食い込むほどの強さで掴み、
汗でぬめる肌の滑らかさを楽しみ、マリアが上げる嬌声と肉同士がぶつかる感触と音に興奮し、
食い千切られそうな締め付けに悲鳴交じりの嬌声を上げながら、マリアを犯し、マリアに犯され続けた。
忘我の境地に至ったまま、時間だけが過ぎていく――

部屋全体が一つの寝台であるというとんでもない寝室の中。
「あっ、そこっ、あぅっ、吸ってっ、もっとぉっ……!」
私の顔面に騎乗した十二歳の少女が、未熟な秘裂から湧き出す蜜を啜られて嬌声を上げる。
もっと強い刺激が欲しいのか、私の頭を両手で掴み、肉の薄い腿で私の頬を挟み込んで
長期にわたる刺激ですっかり蕩けきった蜜穴を私の口に押し付ける。
「いっ、いいっ、あっ、硬くてっ、素敵ぃっ、あんっ、ひっぃぃっ!」
私の腰に跨った十六歳の少女が、熟す寸前の淫花に私の硬くそそり立った男根を根元まで受け入れて、
盛んに腰を振っている。どこまでも深くに受け入れては何とかして私の精を搾り取ろうとしているようだが、まだまだ甘い。
「あっ、あぁぁっ、あひぃぃっ、そんっ、そんなに吸っちゃ駄目ぇっ……! パパっ、それっ、よすぎるよぉっ! あっ、あぁぁっ……!」
陰核を弄りながら啜ってやると顔面騎乗していた少女が達し、蜜穴から大量の蜜を噴き出しながら私の顔に倒れ込む。
「ひぃあっ、あっ、あっ、凄っ、凄いっ、ぃっ、あぁっ、そんなっ、お父様っ、激しっ、過ぎるぅぅぅっ……!」
跨って男根を受け入れていた少女の腰を掴んで私のペースで突き上げると、最後の抵抗とばかりに
凄まじい締め付けを行いながら達し、私の胸に倒れ込んでくる。
当然、その締め付けに抵抗する意味もないので私もタイミングを合わせて達し、熱く滾った精液を少女の胎内に吐き出した。
「……はぁ、ん……熱いのがぁ……ん……」
少女は鼻にかかった甘い声を出しながら、私の胸に頬を摺り寄せてくる。

277 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:55:52 ID:Wqxni38G
「パパっ、次は私の番だよ!」
十二歳の少女が私の頬にキスして甘えてくる。
二人は私の実の娘だった。母親はもちろん、今も私の子を妊娠中のサキュバスクイーン・マリアだ。
あれから私達は、浅ましいことにマディを使い果たすまで交わり続けた。
そして、互いに精根尽き果ててからはしばし休み、その後、彼女の故郷である魔界に向かい、
彼女が勢力を持つ地に至ってからはその地の支配を磐石のものとするべく刃を振るい、現在に至る。
現在の私はダークロードとして悪魔達に崇められており、かつてはマリアによって統治されていた多数の淫魔と
少数の悪魔達で構成された魔界の王国を治めているのだったが、その実態は見ての通りである。
デーモンロード、マイルフィック、フライプリミアー、デス、トライアス、ノブナガといった魔界の強豪達とも人間の身で
互角に渡り合った実力は健在なれど、その剣技の冴えを見せ付ける機会が一向にやってこないのだ。
私がしていることといえば、妻であるマリアに始まり、彼女の盟友、部下、更には彼女らがこの三十年の間に
産み落とした数多の子供達、そしてそれらとの間に生まれた孫達と四六時中交わり続けることだけだった。
しかし、多くの女を好きなように犯しても誰からも文句を言われない生活というのは理想と言うべきかもしれない。
その辺りをどう捉えるかで私も昔は悩んだものだが、今となってはいかに楽しむかに主眼を置いている。

「わかったわかった。さぁ、脚を開いて仰向けになりなさい、アリシア。お父様が遊んであげるから」
「はーい。一杯気持ちよくしてね!」
既に蕩けきった淫花を見せ付けるように開脚しながら、アリシアが私を満面の笑顔で手招きする。
母親譲りの幼いながらも淫蕩な美貌に男根が激しく昂ぶる。
いざ挑まんとしたその瞬間、背後から最も愛する女の声が聞こえてきた。
「ねぇ、貴方……人間界で貴方に関する面白い話があるのだけど、ご存知かしら?」
何人目になるかは最早わからない私の子を孕んだマリアが、大きく膨れた腹を愛しそうに撫でている。
「いや、知らんが。どういう話なのか、聞かせてくれないか」
人間界で私に関する話とは何だろうか。私に関する伝承歌ならば既に聞いたし、私が魔道に堕ちたという
誹謗中傷も甚だしい憶測も聞いた。今度は何だろうか。
「いいわ。教えてあげる。かつて貴方が就いていた侍と、今貴方が名乗っている君主。この二つの職業で
魔道に堕ちた者を、それぞれラーフィングスラスター、レイバーロードと呼ぶようになったらしいわ」
何と理不尽な話なのか。私がラーフィングスラスターと呼ばれたのはどんな苦境でも笑顔を絶やさなかったからだし、
レイバーロードと呼ばれていたのは正義が廃れた時代に正義を通したからだ。
決して、悪評ではなかったはずだ。それなのに、その誇り高い二つ名を堕落者の称号として定めるとは。

278 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:56:24 ID:Wqxni38G
「それは捨て置けん話だな」
私は堕落したのではない。道を踏み外したのでもない。
私は自分の意思でこれまでとは異なる道を見つけ、躊躇うことなく自発的に足を踏み入れたのだ。
他者の誘惑に打ち勝つことができず、自らの弱い意志に負けて道を踏み外した者達とは根本からして違う。
「そうでしょうね。そう思ったから、貴方に話したのよ。だから、貴方がお裁きなさいな」
マリアはずっと私だけを見てきたというだけあって、実に私のことをわかってくれている。
夫に尽くし、夫を理解し、夫を喜ばせる。誠に得がたい妻である。
「……資格なくラーフィングスラスターを名乗る者には狂気の哄笑を、資格なくレイバーロードを名乗る者には
内面に相応しく醜悪な獣人としての生を、それぞれに与えようではないか。それこそが弱さの報いよ」
それだけの試練に打ち勝つことができて初めてその二つ名を名乗れる。
それくらいのものでなくては、かつて私をその二つ名で讃えた者達に申し訳が立たないのだ。
「わかったわ、ジャック・ザ・ダークロード。マリア・ザ・サキュバスクイーンとの連名で命令書を書いて、
貴方の下に集った全ての悪魔を動員して貴方のお望み通りに取り計らうわ……」
淫靡な笑みを浮かべたマリアは淫液に塗れて恍惚としている娘達の一人に歩み寄り、命令書の作成を命じた。

「ねぇ、このところ、ご無沙汰だったわよね……? どうかしら、私のお尻を犯してみない?」
膨れた腹を抱えて大儀そうに私に擦り寄りながら、マリアは出会った時にそうしたように私の手を取り、菊の蕾へと導いた。
「ここなら乱暴にしない限りは赤ちゃんにも影響がないわ……っていう話は前にもしたわね」
妊娠時特有の色香を振り撒きながら、マリアが淫らに尻を振って私を誘惑する。
私の答えは既に決まっていた。
「来い、マリア。加減がしにくいから、自分で入れてくれ」
黙って私を待っていたアリシアに内心で謝りながら身体の向きを変え、マリアに向かって胡坐をかいて屹立した男根を示す。
「いいわよ。それじゃあ、ゆっくりと楽しみましょうね……んっ、あぁっ……!」
腹を守りながら私の膝を跨ぎ、男根に繊手を添えて固定すると、マリアは既に充分に解れた蕾へと硬い男根を受け入れた。
暴力的ではあるがきちんと制御された締め付けに襲われ、私は半ば恍惚となりながら緩やかに腰を動かした。
「パパ……酷いよぉ……お股が熱いのぉ……」
「お父様はね、お母様が一番お好きなのよ。さ、いらっしゃい。お姉様が慰めてあげる」
「えーんっ、お姉ちゃぁん……!」
先ほど私の相手をしていた二人が火照った肉体を鎮め合う淫らな音をBGMに、私とマリアも互いに互いを求め合った。

279 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 00:59:03 ID:Wqxni38G
完結記念に勝手にage

ようやく完結したが、俺のリビドーはまだ滾っているので
またジャックを主人公に色々と書かせて貰う。
俺の作品はお腹一杯と言う人は名前をNG登録するなりして
各自で対策を採ってくれ。

>>266
色々と尽力していただき感謝する。

作者名はそのままでいいが、タイトルは
「ジャック・ザ・ダークロードの回想録」
に変えておいて貰えると嬉しい。
ネタバレを恐れてこのタイトルを最初に出せなかったのが
未熟の証明であるように思えて汗顔の至りである。

>>267
いや、原作での表記の話。
攻略本とゲーム見直してみたら、サッキュバスだったものでな。

280 :名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 01:48:55 ID:lxyDgkDM
>>霜氏
完結編キタ━━━ヽ( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚≡゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )ノ━━━!!!!!!!!!!
エロいと思ったら実はもの凄く一途な純愛ものだったのですね。
地上世界では有り得ないような幸せな結末も合わせて、とても暖かな読後感でした。
力作をありがとうございました。次作も期待しております。

それと、ジャック頑張れw

281 :保管庫 :2005/07/23(土) 10:44:57 ID:10rwMrI0
ジャック・ザ・ダークロードの回想録/完結編追加しました。
あと、HTMLが長くなってしまったので適当なところで分割させて頂きました。ご了承下さいまし。

282 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:53:05 ID:Wqxni38G
AVを見てオナニー代わりに一発書き上げた俺が来ましたよ。
12〜3レスくらいになる。あまり長くはないが、まぁ許してくれ。

283 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:53:39 ID:Wqxni38G
「しかしだな、デーモンロード殿。この布陣では我が軍勢が危険に晒されてしまう」
これから行われる天界との戦の主戦場となる天界と魔界の境界線付近の地形図を睨み、
次いで魔界軍の盟主たるデーモンロードの厳しい顔を睨みつけた。
「ダークロード殿。直接的な戦闘力において貴君の軍勢に勝る軍はないのだ。
その最強の一軍に最も重要な拠点を任せるのは当然のことではないか」
しかし、我が軍を激戦地に配備しようとしているデーモンロードは、事も無げに返してくる。
無論、我が濃厚な精と妻の濃密な乳によって育った強力無比なるサキュバス達と、狂気に染まることなく
ラーフィングスラスターを名乗ることに成功した剣豪達、獣に変ずることなくレイバーロードを
名乗ることを許された君主達、私の子種を戦士達に提供し続けること条件に傘下に入ったアマゾン達、
そして親衛隊として私と同じ装束を纏うことを許した者達を擁した我が精強なる常勝不敗の軍勢にとっては、
どれほどの激戦地であろうとも何らの関係もない。必ずや、全ての敵を討ち果たして凱旋門を潜るであろう。
だが、だからといって何の見返りもなく激戦地へと身を投じることを是とするはずもない。
それが命を懸けるに値する盟友のためではなく、寝首を掻くために我らを消耗させようと企図する
低次元な策略を弄する輩のためとあっては、尚更である。
仮にも盟約で結ばれた間柄であればこそ、見返り次第ではその役を引き受けてもいいというだけであり、
盟約そのものが存在していなければ即座に斬り捨てるべき輩であった。
入城の際に鎧兜は取り上げられたが、幸いにして騎士の魂である剣だけは腰に佩いたままである。
「なれど、危険には相応の見返りがあって然るべきであろう?」
何らの報いもなく部下を死地に赴かせるわけにはいかぬということを、魔界の闇に染まりし名剣カシナートの
柄に手を乗せてみせることによって狡猾な大悪魔王に示す。
「……よかろう。ダークロード殿。少々席を外して見返りとなるものを探して参るゆえ、暫しの間、これにて
お待ちいただいてもよろしいか?」
魔界でも大きな勢力を持つデーモンロードが直々に探して持ってくるというのであれば、相応の品であるに違いない。
それを断る理由など、あるはずもなかった。私は簡潔に承諾の意を告げた。
「構わない」
「では、決まりだな、ダークロード殿。おお、そうだ。お待ちいただく間に貴君が退屈せぬよう、妻に相手をさせよう」
何やら勝手に納得して頷くと、デーモンロードは巨体を揺らしながら部屋を出て行った。
直後、ねっとりと絡みつくような声が聞こえ、ノックの音が響いた。
「ダークロード様、失礼してもよろしいかしら?」

284 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:54:11 ID:Wqxni38G
「どなたかな?」
「あら嫌だわ、ダークロード様。ジェシカですわよ」
「おお、奥方か。これは失礼致した。どうぞ、お入りを」
入れ替わるようにして入ってきたのは、胸の部分が大きく開いた絢爛豪華なドレスを纏い、妖花の魅力を放つ貴婦人だった。
年の頃は、人間に換算して三十七歳ほどといったところだろうか。
若さの輝きは既にないが、女としては濃密な雌の匂いを放つ成熟しきった時期の一つである。
「主人に言われて参りましたの。精一杯のおもてなしをさせてくださいまし」
湯気の立つ紅茶の杯を乗せた盆を持ってたおやかに微笑む彼女は、ジェシカ・ザ・デーモンクイーン。
素晴らしい美女と見れば欲情し、手向かう者に一片の慈悲も示さぬ私に言えた義理ではないが、
男ならば誰にでも股を開く淫蕩さと弱者に対して一片の慈悲も示さぬ残虐さで有名な女だ。
だが、いかな悪女といえども同盟者の夫人であり、高貴な身分にある者には違いない。
私は席を立って一礼し、彼女が盆をテーブルに置いてソファに座るのを待った。
「これはこれは。奥方にそこまでしていただけるとは恐縮の極み。どうぞ、お座りを」
「あら、奥方なんて他人行儀な。どうぞ、ジェシカとお呼び捨てくださいませ」
静々とこちらに歩み寄りながら、デーモンクイーンは私を誘惑するように微笑んだ。
そう言われても流石に立場というものがある私には不可能なので困るのだが、一応は目礼くらいは返しておく。
「あっ……!」
丁度、デーモンクイーンが私の前を通り過ぎようとした瞬間、それは起こった。
絨毯の長い毛足が絡まりでもしたのか、盆を運んでいたデーモンクイーンが勢いよくつんのめった。
「大丈夫か、奥方」
駆け出してデーモンクイーンが倒れるのを抱きとめはしたものの何分咄嗟のことであったため、紅茶にまでは配慮が行き届かない。
「は、はい……ですが、ダークロード様のお服が……」
腕にもたれかかったまま、デーモンクイーンがおずおずと私の胸元を見る。
私は湯気の立った紅茶を浴びてしまった。シャツに紅茶が沁みこみ、肌に纏わりついてくる。
幸いなことにすぐに飲めるように温めに入れてあったので火傷はしていないが、不快なことに変わりはない。
さてどうしたものかと濡れた服を持て余していたら、唐突にデーモンクイーンが私の服に手をかけてきた。
「まぁまぁ、これは申し訳ないことをしてしまいましたわ。
ささ、濡れたお服をお脱ぎくださいませ。お風邪を召されてはなりません」
淫蕩な笑みを浮かべながら熟練の娼婦のような手つきで這い回るデーモンクイーンの手によって、
気づいた時には上半身を裸にされてしまっていた。

285 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:54:44 ID:Wqxni38G
「あ、奥方、何を……」
「あぁ、逞しいのですね……流石は音に聞こえしダークロード様ですわ……」
私の抗議の声など意に介した風も見せず、鼻にかかった声で甘えるように裸の胸に頬を寄せてくる。
しかも、それだけではない。情欲を刺激するような仕草で甘えかかりながら、しっとりと湿った生暖かい手で
身体を撫で回し、ぬらぬらと光る蛞蝓のような舌を胸元に這わせ、挑発的な視線を送ってくる。
「奥方、おやめなさい……」
強引に振り払うことも可能だったが、相手は仮にもデーモンクイーンである。
勢い余ってどちらかが手傷を負うようなことになるかもしれない。迂闊に実力行使に出られるものではなかった。
しかし、どう取り繕ったところで、振り払えないでいる本当の理由を誤魔化すことはできない。
私は何よりもまず、濃密な雌の魅力を放つ成熟した女性が示す媚態に不覚ながらも欲望を覚えてしまったのだ。
美しく、淫らで、愛らしいサキュバス達との長年の交わりによって、欲望に敏感な反応を示すように調教され、
ありとあらゆる雌を征服できるように鍛え上げられた男根が熱く滾り、雌を求めてズボンの下で脈動する。
「まぁ、こちらも逞しいですわぁ。うふふ、流石はダークロード様ともなればご立派な剣をお持ちですわね」
流石は淫乱をもって鳴るかつての魔界最高の美女だった。私が抱いた欲望を目聡く察知し、胸に唇を寄せて
熱い吐息を漏らしながら、布越しにもはっきりと怒張が見て取れる男根にズボンの上から手を這わせてくる。
凄まじい快感を与えながらも決して男を達させることのない、男を昂ぶらせるためのものとしては最上級の愛撫だった。
「う……く……」
快楽のあまり、呻き声が出てしまう。抑えようとして、これだった。
「ああ……若くて逞しい殿方の香りが……」
淫蕩な魔女王は私の肌に唾液の跡を残しながら顔を下方へと移動させ、下腹の辺りで鼻を鳴らして当然としている。
だが、私の期待通りにと言ってしまうと最初からこうなることを望んでいたと思われてしまって語弊があるのだが、
デーモンクイーンは私の体臭を嗅いだだけで満足するようなことはせず、ズボンに手をかけてきた。
「さぁ、どうぞ、私めにご立派な愛剣を拝見させてくださいませ」
いやらしい手つきでズボンにかけた手を、ゆっくりと焦らすように下げていく。
丁度急角度で屹立していた男根が引っ掛かり、下方へと引っ張られて弾性エネルギーを蓄積していく。
「ああ、楽しみですわぁ……きゃんっ! ふふ、ご無体なことをなさいますわね」
怒張し、鋼のような硬度に至った男根の弾性力が限界を迎えた瞬間、ズボンを撥ね退ける勢いで
男根があるべき角度に戻り、その先に淫蕩な笑みを浮かべて佇んでいたデーモンクイーンの頬を打つ。
わざとらしい悲鳴を上げるデーモンクイーンだったが、先走りに濡れ光る男根に頬を擦り付けながら
淫蕩な笑みを浮かべている様は、淫らな喜びに耽溺しているようにしか見えない。

286 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:55:17 ID:Wqxni38G
「素晴らしい剣をお持ちですのね……邪魔な鞘に包まれていない、常に剥き出しの剛直……
太く硬いだけでなく、形も淫らに美しい……まさに名剣ですわね」
瞳を潤ませ、頬を染め、媚薬でも含まれているのではないかと思える熱い息を吐きかけながら、うっとりと男根に手を添える。
しっとりと湿った温かい手に触れられて男根が更に緊張し、硬さと大きさを増していく。
「あらあら……切先が汚れてしまいましたわね。私がお清め致しますわ。ダークロード様はお座りになっていてくださいませ」
デーモンクイーンは娼婦の手つきで男根をゆるゆると扱き立てながらそっと腰を押し、私をソファへと座らせた。
私の脚を開かせてその間に跪き、デーモンクイーンは私の男根に顔を寄せてくる。ねっとりと湿った息に亀頭が刺激され、脈動する。
「ふふ、元気ですわね……では、失礼しまして」
男根を扱き立てながら、蛞蝓のようにぬめる長い舌を絡めて先走りを舐め取っていく。
「うっ……くぅ……は……」
粘度の高い唾液が絡みつく感覚に身震いし、ざらついた舌で擦られる感触に嘆息する。
流石は長い年月を淫液に塗れて過ごしてきた人妻というべきか、男を奮い立たせる仕草や
男を昂ぶらせる手管に関してはまさに一流だった。
「もう、ダークロード様ったら……これでは幾らお清めしてもきりがありませんわ」
舐め取れば舐め取るほどに昂ぶって先走りを零す男根を見て、
陰嚢までをも唾液に塗れさせながらデーモンクイーンは淫らに笑う。
「仕方ありませんから、こうしてあげますわ」
ゆっくりと、まるで私に見せ付けるかのような仕草で男根に肉感的な唇を押し当て、舌先を鈴口に
差し入れながら少しずつ口内に納めていく。
「んむふぁ……大きすぎて、収まりきりませんわぁ……あの人のより、立派だわ……」
豊潤な唾液を湛えた口内に男根が蕩けそうになり、蛞蝓のような舌が這い回るたびに吐息が漏れる。
サキュバス達が与えてくれる淫蕩な快楽とはまた一味違った、貞操観念のない淫猥な人妻のみが
醸し出せる濃厚な快楽だったが、なぜだかどうにも物足りない。
「私の、ん、むぅ、口技も、なかなかのもので、しょう、ダークロード、様ぁ」
時に口を窄めて吸引し、時に抗うかのように舌を押し付け、悪戯をするように歯を当てる。
なるほど、自分で言うだけのことはあって確かになかなかの技だったが、やはり物足りないものは物足りない。
愛しい妻や娘達の愛撫に比べれば、やはり雲泥の差というものだった。何しろ、彼女らの愛撫が
第一に私に快楽を与える目的でなされているのに対して、デーモンクイーンの愛撫は基本的に自分が
快楽を貪るためのものであり、男を喜ばせることは二の次という有様だった。
気持ちいいことは気持ちいいが、どうしても心の底から快楽に酔うことができない。

287 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:56:03 ID:Wqxni38G
「ん……いいぞ、奥方」
だが、それでも気持ちいいことには違いない。その点だけは認めねばならず、また女性に恥をかかせるわけにもいかなかった。
私はデーモンクイーンに敬意を表してその頬と頭を撫で、軽く男根を動かして快楽を覚えていることを伝える。
私の反応に気をよくしたのかデーモンクイーンは勝ち誇ったような表情を浮かべ、大きく開いたドレスの胸を肌蹴た。
「んふぅ……嬉しい、ですわぁ……こういうことも、んぅ、できましてよぉ…? 挟んであげますわぁ」
肌蹴た胸元から飛び出してきたのは、牛を連想させる巨大な乳房だ。デーモンクイーンが軽く手を添えただけで
大きく波打って形を変えるそれは、年齢によって弾力や張りといったものが失われつつある点ではマリア達に
一歩も二歩も後れを取るものではあったが、単純な大きさと質感においては勝るとも劣らぬ逸品だった。
淫乱な人妻らしく黒ずんで大きく尖る乳首が陰性の情欲を刺激してくる。
デーモンクイーンは一頻り乳房の揺れを私に見せ付けた後、私の膝にそれらを押し付けるようにして男根に近づけ、
先走りで濡れ光った亀頭部を乳首や柔肉に擦りつけ、肉の海に埋没させた。
「あんっ、ダークロード様の剣、素敵ですわ。硬くて、熱くて、大きくて……」
止まらない先走りで胸を汚しながら、デーモンクイーンは感極まったような歓声を上げる。
「はふ……では、いきますわね。たっぷりお情けをくださいませね」
「うぉっ……!」
その威圧感すら覚える柔肉に包み込まれた途端、私は情けなくも声を抑えられなかった。
妻達には及ばぬものの、熟女特有の柔らかな肉がもたらす快楽は無視しえるほど軽いものではなかった。
男のツボを心得た動きで乳房を動かして男根を扱き立てながら、僅かに飛び出した亀頭を唇で愛撫する。
淫蕩な娼婦もかくやというほどのデーモンクイーンによる愛撫は、理性を失わせるほどではないがそれでも
快楽に狂い掛けるほどの刺激を男根にもたらしていた。
追記すると、柔肉が陰嚢に押し付けられる感触に射精感を刺激され、徐々に私の射精欲が高まっていく。
底なしに精液を吐き出すことができる私は基本的に射精を堪えないので男根が射精体勢に入り、膨らんでいく。
「ぐっ、うぅっ……」
「遠慮、むふぉ、なさらずに、ん、どうぞ、むぅ、ん、お出しください、な」
それに気づいたらしいデーモンクイーンによって射精を促すように先端を甘噛みされ、私は呆気なく達した。
男根が震え、スライムのような粘性を持った大量の白濁液が吐き出される。

288 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:56:36 ID:Wqxni38G
「あっ、そんな、凄い、凄いですわぁ、こんなに、あむ、濃厚な……あの人のより、濃いなんて……
それなのに、こんなに、んぐ、沢山……あぁん、飲みきれないわぁ」
精が吐き出されるのに合わせて先端を吸引して飲み干そうとしたデーモンクイーンだったが、
予想以上の量に驚いたのか口内に納めきれずにむせ、それでも貪欲に口をつけて精液を貪り啜る。
口から零れ落ちる精液に唇の周囲を汚され、むせて口を離した隙に顔中を汚すほどの勢いで吐き出される
精液に上半身を汚されながらも、なお貪欲に、実に美味そうな表情を浮かべて男根にむしゃぶりつく様は
それ単体で私の男根を昂ぶらせ、更なる精を吐き出させる。
たっぷり数分間はこのペースでの射精が続き、デーモンクイーンの上半身は白濁したスライムに
襲われているかのような状態だった。
「ふっ、あぁ……こんなに……やだ、濡れちゃう……」
噎せ返るような淫臭が漂うが、デーモンクイーンはまるで気にした様子も見せず、むしろ恍惚とした表情を
浮かべて、顔や胸から滴る私の精液を美味そうに啜っている。
粗方啜り終えると、残った唾液などをドレスを使って拭い去り、上気した頬に艶然とした笑みを浮かべた。
「あら、ドレスが汚れてしまいましたわ……仕方がありませんから、脱いでしまいましょう」
ドレスから解放されたデーモンクイーンの肉体は、退廃的な美を湛えていた。
熟女と人妻特有の脂の乗った豊満な肉体。僅かに垂れ下がった豊乳。少し贅肉のついた腹と尻。
そして豊かに萌え繁る股間の叢と、その奥に鎮座する濃厚な蜜を滴らせる使い込まれて黒ずんだ蜜壷。
どれを取っても、欲望に直結する魔性の肉体だった。
「あん、あまり見ないでくださいな。歳のせいかすっかり衰えてしまったので、お恥ずかしいですわ」
控えめな言葉だったが自信に満ち溢れた表情がその言葉が謙遜であることを雄弁に語っている。
謙遜することで逆に自らの肉体を誇示する。どこまでも自尊心の高い女である。
しかし、その自尊心は必ずしも自惚れではなく、確かに魅力的な肢体ではある。そのことは、
先ほど精を吐き出したばかりだというのに男根が硬く張り詰めていることが証明している。
「さぁ、来てくださいませ。貴方様の太い剣で、私を貫いてくださいまし」
男根の準備が整っていることを一瞬で確認した淫乱な女王は背を向けるとテーブルに手を突き、
私に向かってその淫らに肥えた豊満な尻を突き出してきた。
「見て……もうびしょびしょだから、前戯なんていりませんわ……さぁ、思う存分に刺し貫いてくださいませ」
ご丁寧に脚を大きく開き、蜜の雫が滴らせながらひくつく淫腔を私に見せ付けてくる。

289 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:57:08 ID:Wqxni38G
「あっ、来る……あっ、あぁっ……! 太いぃっ、あぁっ、凄いわぁっ……! あの人のより凄いぃぃぃっ!」
そこまで挑発されれば、もうじっくりねっとりと責めて焦らしてやろうなどという気分にはならない。
私は柔らかい尻を掴んで固定し、卑猥に黒ずんだ秘裂に熱く滾った男根を一息に突き入れた。
一気に根元までをねじ込み、先端に当たる秘奥をしつこく激しく突き解す。
デーモンクイーンの秘裂は、マリア達のものに比べると柔らかく、ねっとりと絡みつくように包み込んでくる。
柔らかいがゆえに緩いという欠点はあるものの、まずまずの名器であると言って過言ではない。
汗と粘液に塗れた肉と肉がぶつかり合う淫靡な音が静寂に支配されていた広い部屋に響き、
髪を振り乱して泣き叫ぶデーモンクイーンの嬌声と合わせて、外部にいる者に室内での秘め事を
察知されてしまうのではないかという危機感を覚える。
だが、それがよかった。私にそういった嗜好はないと思っていたのだが、実は私は淫蕩な交わりを
他者に見せ付けるのが好きなのだった。女を乱れさせ、自身も乱れ狂う様を見せ付けることを考えただけで、
どこまでも昂ぶることができるのだ。
誰かにこの音を聞かれているかもしれないと思うだけで、男根の硬度と大きさが増していく。
「いっ、あっ、あっ、あっ、あぁぁぁっ……!」
淫らな人妻が私の与える快楽によがり狂い、腰を振り、尻を掲げ、涎を垂らし、蜜壷から淫らな液を
絨毯に滴らせる様に興奮を増しながら、私は何の技巧も加減もなく、ただ私の欲望を解き放つためだけに
全力で柔らかい尻に腰を打ちつけた。
激しく叩きつけたすぎたせいでデーモンクイーンのふくよかな尻が赤くなっているが、それで勢いが弱まるはずもなく、
却って情欲を滾らせてより強い力で腰を叩きつけて、その魅力的な身体を全力で犯す。
「あっ、凄いぃっ、あぁうっ、凄ぉいのぉっ、あぁっ、ひぃっ!」
相手が人間だったとしたら苦痛と衝撃で心身共に破壊されてしまうほどの勢いだったが、悪魔に限っては
気分さえ高まっていればどれほど激しい抽送を行ったところで快感しか生み出さない。
ゆえに、悪魔を相手にする時はただひたすらに激しい抽送を行えばそれでいいのだった。
最奥を抉るようにして激しく貫くと、デーモンクイーンは絶叫して断末魔のように強烈な力で締め付けてきた。
「あっ、そこぉっ、そこですわぁっ、はぁっ、はぁっ、ふぃっ、もっとぉっ、もっ、あぁぁぁぁぁっ! イクっ、イカされちゃうっ……!」
デーモンクイーンは女と言うより雌と呼びたくなるほどの痴態を見せながら達し、びくびくと痙攣しながらくず折れ、テーブルに突っ伏した。

290 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:57:40 ID:Wqxni38G
「ふむ……奥方、まだ終わりではないぞ」
デーモンクイーンは問題なく達して満足なのかもしれないが、置いてけぼりにされた私には不満しかない。
つまりは、この女には自分の快楽だけが重要なのであって、相手の快楽を導くことにはまるで無関心なのだ。
これまでに相手の男達が達してきたのは、単にそれらの男達が未熟だったか、或いは同様に自分の快楽だけを追及したからだ。
私のように相手に快楽を与え、相手から快楽を貰うという流儀の男とは、まるで相性が合わない。
相性が合わない、というよりも自分のことしか考えていない女を相手に、私だけが尽くす必要はない。
ここまで自分勝手なところを見せられたなら、後はこちらも自分勝手に快楽を追及するだけだった。
「はぁ、ん、凄かったですわぁ……ふぇ?」
身体を支える力もないのか、重そうな乳房をテーブルに押し付けるようにしてぐったりしている
デーモンクイーンの太ってこそいないがやはりふくよかな腰を掴む。
猛り狂う男根と淫花とで繋げたデーモンクイーンの身体を勢いよく持ち上げ、その勢いを利用して
後方のソファに座り込むようにして倒れ込む。
「あっ、やめっ、イッたばかりっ、あぎひゃぁぁっ……!」
衝撃と重力によって蜜壷に男根が先ほどよりも更に深く突き刺さる。
達したばかりで敏感になっていたデーモンクイーンは、しとどに湧き出すねっとりとした蜜で私の陰嚢と
ソファとを湿らせながら男根を締め付けて再び達した。全身から力が抜けていく。
だが、デーモンクイーンの胸に背後から手を回して揉みしだくことによって強引に支えて倒れることを許さず、
突き上げの速度と衝撃と角度を女にとってより深い快楽を刺激される凶悪なものへと強化する。
デーモンクイーンは、悲鳴とも嬌声ともつかない最早意味をなすことのない絶叫を上げて身を捩っている。
意識してではなく無意識で行う断続的な締め付けの強烈さは、私の一突きごとに達していることを示している。
私はその快楽地獄にデーモンクイーンを叩き落してなお満たされることがなく、熟れきった肉壷を自分の快楽を
貪るためだけに抉り続けた。
はっきり言ってしまえば、女や雌という以前のただの肉壷として扱っていることになる。
罪悪感を覚えないと言えば嘘になるが、私を男として扱わず、肉棒として扱う相手なのだから仕方がないとも思う。
数えるのも馬鹿馬鹿しいほどの回数を突き上げて男根を昂ぶらせていく内に、射精感が込み上げてきた。

291 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:58:13 ID:Wqxni38G
「うっ、くぅっ………!」
当然、私はそれに逆らうことなく、不満と共にこれまでに溜めに溜めてきた濃厚な精液を吐き出し、
発狂しそうなほどの快楽に苛まれながら貫かれている本人の意思とは無関係に私を貪欲に求める胎内に
その最奥を埋め尽くす勢いで注ぎ込んだ。
「あっ、あぁっ、出てるぅぅっ、濃いのがぁぁっ……妊娠しちゃ……あぁぁっ、ひぃぃっ、もう許してぇぇっ!」
泣き喚きながら私に絡みついてくるデーモンクイーンをきつく抱き締めながら、私は大量の精を注ぎ込み続けた。
「ん……ふぅ……おお、まだ残っていたな……」
内部に残っている分までを残らず注ぎ込み終えてから、まだ犯していない場所が残っていることを思い出す。
少し硬さを失いつつある男根を再び昂ぶらせるために軽く淫壷を突き上げた途端、面白いことが起こった。
「あっ、あぁ……ひぅっ……ひぁぁぁ……」
何と、繋がったままの肉壷の少し上にある尿道から、黄金水が勢いよく噴き出したのだった。
淫臭と紙一重な悪臭を放つ黄金水は、綺麗な放物線を描いて絨毯を濡らしていく。
「あ、ぁぁ、み、見ないでぇ……ひぃう……う、うぅぅ……あっ、ひぃっ、また硬くぅぅっ……!」
身分の高い貴婦人が快楽のあまりに失禁しているという淫らすぎる光景に男根が硬さを取り戻し、
貫かれたままのデーモンクイーンが少量の尿と共に蜜と嬌声を振り撒く。
「よし」
私はまだ犯していない場所を貫くため、何の躊躇いもなく男根を引き抜いた。
「あっ、ひぃっ、やめっ、出ちゃっ…出ちゃうぅぅ…」
ぽっかりと拡がりきった肉壷の口からゼリー状の白濁液が流れ出して肉付きのいい太腿とソファを汚すが、
そんなことは全く私には関係がないことだ。力なく秘裂から精液を垂れ流すデーモンクイーンを絨毯の上に
うつぶせに転がし、マディを唱えて彼女の体力を回復させた上で覆い被さる。
狙うのはそこすらもこの女にとっては性器だろう、使い込まれた証として黒ずんだ菊の窄まりだった。
尻の柔肉を掻き分けてそこを探り出した私は散々に吐き出したものに充分な潤滑液としての効果が
期待できることを確信し、破裂しそうなほどに硬く張り詰めた男根の先をあてがった。
「あ、あ、も、もう、満足したから、お許し、くださ……ひぃっ、そこはっ、そこはぁ嫌ぁっ、そこは弱いのぉっ……!」
これから何をされるかに気づいたデーモンクイーンは必死に身を捩じらせて逃げようとするが、そんなことを
許すほど甘い私ではない。尻を掴んで動きを封じ、物欲しそうにひくつくそこへ男根をねじ込んだ。
凄まじい締め付けだった。こちらの締め付けに限っては、マリア達に引けを取らない。流石と言うべきか。
感嘆しながら腰を捻ってみると、何度目になるかわからない絶叫が上がった。ただし、苦痛の叫びではない。
甘い叫びをBGMに、背中と腹を密着させ、羽交い絞めにするように腕を回して牛のような乳を揉みながら、
小刻みに腰を動かして中を抉る。無論、口付けも忘れない。

292 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:58:45 ID:Wqxni38G
「あんっ、駄目っ、駄目へぇっ、そこはっ、そこはぁっ、よわっ、あんっ、ひぎぃぃぃっ!」
自分で弱いと言うだけのことはあり、少し抉るだけでデーモンクイーンは面白いように達した。
もちろん、達するたびに強烈な締め付けが襲い掛かってくるため、私も彼女が五回達する内の一回くらいの
割合でタイミングを合わせて達し、内部にまるで薄まる気配を見せない濃厚な精を注ぎ込んだ。
もう、互いに十回以上も達しているだろうから、デーモンクイーンの腹の中は私の精液で一杯だろう。
恐らく、ちょっとした浣腸以上の量の粘液が腹中を掻き回しているはずだった。
何度目になるかもわからない絶頂に二人同時に達し、貪るようなキスを交わしつつ中に精を吐き出す。
「……待たせたな。ダークロード殿……ふむ、そろそろ頃合かと思ったが、まだ楽しんでいたか。
話に聞いていたよりも精力家のようだが、いや、全く大したものよ」
そこにようやくデーモンロードが戻ってきた。「妻に相手をさせる」ということはやはりこの交わりのことを
指していたようで、一向に動じた様子もない。目に欲望を宿らせつつも、表面上は平然としている。
「んっ、ふっ、少し、待っていて、くれぬか、デーモン、ロード、殿。もう少しで、きりのいい、所に、なるのだ……!」
その通りだった。現に、あと少しで私も満足できそうなのだ。私はより一層の速度と力を持って男根を突き入れる。
「あっ、あっ、あっ、あぎぃっひっ、あぁぁぁっ、あんっ、やめっ、あっ、許してぇぇぇっ……!」
呼応するようにデーモンクイーンの嬌声が高まっていき、急激に弾ける。これまでにないほどの締め付けと
共に達した彼女は、それに応じて精を吐き出す私の男根に満たされたような表情を浮かべて意識を失った。
「ほう、ジェシカを失神させるとは実に大したものよ」
今度こそ、心底から感心したように厳しい顔を歪めた。恐らくは笑みを浮かべているつもりなのだろう。
「……は、ふ……デーモンロード、殿……待たせて、すまぬな。では、話を、伺おう……」
私はようやく力を失った男根を魅力的な尻から引き抜いた。
大きく私の形に口を開けた菊穴から、まるで排泄時のような音と勢いをもって濃密な精が噴出される。
彼女は意識をなくして正解だった。意識があれば、擬似的な排泄を男二人に視姦される羞恥に苛まれただろうからだ。
私は既に淫液で使い物にならなくなったデーモンクイーンのドレスで身体を拭いながら、デーモンロードの方を見た。

293 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:59:21 ID:Wqxni38G
「ふっふふ、厚い面の皮よの。他者の妻を犯して、確実に孕むほどの精を注ぎ込んでおきながら取引とは」
泣き叫ぶデーモンクイーンを散々に犯しておきながら言うのも何だが、この男には愛がないのだろうか。
言葉の辛辣さとは裏腹に、デーモンロードの表情は楽しげだった。
「もし孕んだのだとしたら、私が責任を持ってその子を引き取らせていただこう。
無論、不義密通を咎められるのであれば奥方も共に私がいただき、責任を取る」
「いや、よい。子を孕んだとしても、それは我ら夫婦の子。貴君の強き血統とそれの魔力、
そして我が志を受け継ぐ強力無比な我が後継者の誕生を後日、祝っていただきたいとすら思う。
第一、それは私をただの肉棒として扱い、私はそれをただの肉壷として扱ってきたのだ。
今更、それが他の肉棒を銜え込もうと頓着はせぬわ」
私はデーモンロードの次の一言でその認識が誤っていたことを悟った。
「むしろ、そうすることによってそれが満たされるのであれば、これほど嬉しいことはないと言うものよ。
ダークロード殿、愚妻の満たされぬ肉体を満たしていただき、誠に感謝致す。もしよろしければ、
今後も愚妻が望むのであれば是非とも肉体を慰めてやっていただきたい」
そう言って、信じられないことにデーモンロードは私に頭を垂れた。
そこまでするほどに、この男は妻を愛しているのだった。私は自らの不明を恥じ、黙って彼よりも深く頭を垂れた。
「……さて、本題に戻ろうではないか、ダークロード殿」
「……うむ、そうだな……これは?」
奇妙な沈黙が場を支配したが、意を決して口を開いたデーモンロードが一枚の地図を差し出してきた。
「貴君の軍勢に激戦地を任せるに当たっての見返りとして割譲予定の領土の地図だ。
それでよければ署名していただきたい」
破格の条件だと言ってよかった。
その領土は非常に狭いものの土地自体が豊かであり、国力の増大に必ずや貢献するだろう場であった。
「本当によろしいのか?……わかった。配置の件、しかと承った」
「うむ。感謝する。さて、後は我ら夫婦の時間としたいのだが……」
「うむ? ああ、なるほど。わかった。では、いずれ戦場でお会いいたそう」
未だに前後の穴から淫液を垂れ流すデーモンクイーンの媚態をちらちらと見ているデーモンロードを見て、
私は込み上げてくる失笑を必死に抑制しながら立ち去った。

294 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/23(土) 23:59:52 ID:Wqxni38G
「……ジャック? これはどういうことかしら?」
「お父様、外で誰かに精を注がれたのですね?」
「父さん、何でそんなことするのよ!」
「そうですわ、そんな余裕がおありでしたら、その分も私達に注いでくださらないと困ります!」
「いや、だから、な……」
居城に帰って妻達が待つ寝室に一歩足を踏み入れた途端、私は窮地に立たされた。
部屋に入るなり先制攻撃を受けた私は、あっという間に包囲されてしまったのだ。
「その、男には付き合いというものがあってだな……」
「貴方ほどの人なら断れるでしょう! どうして断らな……この匂い、デーモンクイーンね?」
「えっ、お父様、あの方と交わられたのですか!?」
「もう、父さんってば見境ないんだから……」
「父様……確かにそれは断れませんわね。でも、それはそれ、ですわ!」
「う……」
部屋の角に追い詰められてしまった。どうにも、愛しい女達には弱い。
私を取り囲んだ愛妻と愛人達、娘や孫達が一斉に言い募ろうとした瞬間、思いも寄らぬ助け舟が来た。
「みんな、待って! パパだって悪気があったわけじゃないんだよ! パパは女の人に優しすぎるだけなの!」
幼いアリシアが私を庇うように仁王立ちしている。娘に庇われるのは情けない限りだが、今は頼った方がよさそうだ。
その甘い考えが間違いの元だった。
「それにね、考えてもみなよ。パパの、まだまだこんなに元気なんだよ? みんなの分も充分残ってるよ!」
「うぁ……!」
言うなり、身を翻したアリシアは私の男根を小さな口で頬張り始めた。不意打ちだった。回避する暇がなかった。
こういう時は、常に交わることができるように後宮内では一切の衣服を纏う事を禁止する、という掟が恨めしい。
普段は有効活用ばかりしているのだが、まぁ、人間とはそういうものだ。
「それもそうよね……みんな。たっぷり可愛がって貰いましょうね」
「「はーい!」」
アリシアの舌技に男根を昂ぶらせながら、私は愛すべきサキュバス達が飛びかかってくるのを見た。

295 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/24(日) 00:00:41 ID:Wqxni38G
タイトルは「ジャック・ザ・ダークロードと昼下がりの情事」でよしなに。

人妻陵辱物のAVを見て思いついたネタを衝動的に書いたものなので
あまり長くないが、そこはご容赦願いたい。

それにしても、書きたいものが多すぎて困る。
サキュバス妻や愛人達との愛欲の日々も書きたい。
ロリからお姉さんまでのサキュバス娘達との近親相姦ハーレムも書きたい。
ジャックVS女冒険者も書きたい。
ジャックVSコッズアイテムも(ry
ジャックVS(ry
とにかく書きたいものが一杯ある……
何から書いていこうか迷う今日この頃。

ところで、これまでのログを見る限りでは例がなかったようなので
一応質問しておくが、モンスターの擬人化やふたなり属性は構わないか?

擬人化の例)
コッズアイテムは、斃して入手するまでは剣、楯、兜、手甲、鎧を
それぞれに対応する美女戦士精霊っぽいのが装備している
などのような設定の微妙な改変。

>>281
お早いお仕事に感嘆するばかり。
編集の方はそちらのご都合に合わせてご自由にどうぞ。

296 :名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 13:01:22 ID:XYg4Fqzq
つ【やってから考える】


297 :名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 14:15:59 ID:Fn6wCp+J
作者露出度を今の半分程度に抑えてもらえると
安心して萌え萌えできますよ。

298 :名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 21:32:34 ID:HNKg9r6w
アイディアが湧いてくるのはいいけど、別にジャック自体はさして面白味のあるキャラでもないし
固執することもないんでないの?

299 :名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 21:51:00 ID:IYDVGLHz
>297
確かにアクの強い作者さんだけどね・・・
逆に謙虚過ぎ⇒うじうじ書くな、いちいち聞くな、見苦しい!
淡白過ぎ⇒冷たい・スレに愛が感じられない
って感じで作家も人それぞれなことを気にしだしたらキリがないよ。

>295
ふたなり属性はゲーパロ専用氏の地下4階で既出。
擬人化に期待。

300 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/24(日) 22:01:02 ID:bfGwEnaS
>>296>>299
答えてくれてありがとう。
その方向性で行ってみることにするよ。

>ふたなり
確かにトレボーたんがそうだった。
美女にそんなものはついていないというイカレた脳内フィルターのせいで
いつの間にかサックスがどこかに消えてしまっていたよ。
「ふたなりいない」発言によって、作者であるゲーパロ専用氏には
大変な無礼を働いてしまった。
深くお詫びする。

>>297
このレス以降は出過ぎにならないように自重するよ。
よく考えてみれば、オナニーを垂れ流すのは作品中だけで充分だ。

>>298
意見を求めた覚えはないのだが、まぁ、意見を貰った以上は
マジレスくらいはするのが礼儀というものだな。

まぁ、俺なりの考えはあれことあるわけだが、要するに、あれだ。
俺のオナニーみたいなものなんだから好きにさせてくれ、頼むから。

以上。

301 :名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 22:08:32 ID:YJhTIKe4
ぶっちゃけ自分キャラ大暴れするのが目的だからキャラ代えはあり得ない、と。
明言ありがとう。

302 :名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 22:25:01 ID:7MsDqCfH
>>300
なら終わったら批判や評価受け入れる、とか言うなよ
勝手にやれば

303 :名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 22:30:13 ID:s6zEqpfN
ひぎぃぃぃっ!は萎える…。

304 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/24(日) 22:34:01 ID:bfGwEnaS
すまない、297。
前言を一時的に撤回してこのレスだけ露出狂にならせて貰う。
大きな誤解を招きかねない方向に流れを誘導されたまま放置するのは
後に禍根を残しかねないから、少しだけ訂正させて貰う。

>>301
理論化して自分の考えを懇切丁寧に説明するのが面倒だったから
「オナニーだから」というセンスのない冗談を交えて「俺の好きにさせろ」と言ったわけだが
どうも俺のセンスが悪すぎて誤解を招いてしまったようだ。
かくなる上は、俺がどのような意図によってジャックを使うかを説明させて貰う。

一人称小説の主人公は同一人物を使って書いた方が継続して
設定や文体を使えるため、作者にかかる負担が軽くなる。
一作目の主人公にしたジャックを何度も使うのはそういう理由からだ。

ついでに言うと、俺は三人称よりも一人称の方が得意だから一人称を使っている。

>>302
「真っ当な」批評や批判は作品が「終わった後」なら受け入れる。
俺の発言にはそういう意味が含まれていたが、もしかしたらどこか言葉が
足りなかったかもしれないからもう一度言おう。

真っ当な批評や批判は書き終えた作品についてのみして欲しい。

執筆中の作品や「主人公が誰になるか」というような「今後の構想」については
批評をされても俺としては困るしかないわけだ。

具体的に言うと、>>303の意見は終わった作品についてのことだから
俺としてもきちんと受け止めて考えてみようと思う、ということだ。

305 :名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 23:22:30 ID:eHtHjcXr
読み手に(アンタにとって)節度あるレスを期待するのは勝手だけどさ
それを当然だと思うのは滑稽だから止めた方がいいぞ。

露出する気ならそれなりに腹括るのが2chでコテ名乗る最低条件だろ。

306 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/24(日) 23:51:49 ID:SxD7qeCv
携帯からカキコ。
規制早く解けてー。
せっかく書き込み可能文字数が倍に増えたみたいなのにー。
>>300
お気になさらずー。



307 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 00:04:29 ID:lA1UQkFQ
>>304
職人に文句たれるアホの相手するなよ。
俺は続きが読みたいから、変な奴等に潰されてほしくない。
更新待ってるから、適当にがんばってくれ。

308 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 06:43:45 ID:he5GmYRK
>>304
一人称小説だから作者の労力軽減のために同一キャラで回す。
そいつは一人称を持つそのキャラクターが受けている、場合に取るべき手段だろう。
受けるキャラが先にありきで、思いついたキャラはこれだけだから、と言って押し通すのはリスクがありすぎるように思う。
実際鼻につくキャラクターのせいで受けが取れていないし。

労力軽減のために却って余計な物(自分のコテハンに対しての悪評)を背負い込んだ形だと思う。
それをやるなら、一つ一つの話でキャラを作ってその内受けた奴でシリーズ化するべきだっただろう。

309 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 07:56:07 ID:SW4Y0R9a
>>308
お前さんのレスには「読んで感想言うだけの有象無象にしては要求だけ一人前」という印象しか受けんかった。
>>305が言ってること(コテハンはそれなりに腹括れ)には大体同意するけど、「いくつかストーリーを書いてウケたものだけ続けろ」だの何だのは何様だ?
「俺が書きたいものを書いて投下してるだけ」に決まってるだろ。嫌ならNGに入れろと本人も言っている。

>霜の人
何が何でもアンタを潰したい人がいるみたいだから、どっちベクトルの感想であってもレスは一切しない方がいいと思う。
無論作品についての感想にあたらないこういうレスも全て。

310 :309:2005/07/25(月) 07:57:41 ID:SW4Y0R9a
普通は誤読しないと思うが一応訂正。
「俺が書きたいものを書いて投下してるだけ」の「俺」とは個人ではなく作品を投下する人一般の一人称のつもりで書いた。

311 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 08:19:03 ID:u4XQAiSs
俺は>>302の言葉に尽きると思うが。
今後の構想に差し支えない批評なら受け入れる、っていうのは
自分に都合のいい意見しか容れない=自分の好きにやるっていうのと変わんなくね?

なら最初からそういうスタンスで突っ走れよ、と。


312 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 08:57:08 ID:SjUHSj35
このスレも崩壊への道を歩み始めてますな。

313 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 09:42:25 ID:vV9x81r7
作者がしゃしゃり出るタイプの書き手に、その言葉尻をとらえる
粘着がまとわりつくとどんなスレでももう駄目だな。
霜ノ関氏の参入は書き手が増えると言うことではありがたかったが、
危惧してた通り粘着を招き寄せたな。粘着は別に霜氏を本気で
問いただしたいわけじゃなくて、とにかくスレの雰囲気を悪くして
職人の足を遠のかせ、過疎化→dat落ちさせれば目的達成なんだから、
その辺を考慮して対処することだ。

314 :『古代皇帝の呪い』:2005/07/25(月) 17:39:09 ID:eCVmlhJA
『偉大なるかなハルギス。神々をも脅かす幽界の覇者。
 ハルギスを崇めよ。ハルギスを称えよ。そしてハルギスを畏れよ。
 時の流れに朽ちゆく身に、再び生の息吹を宿すのはハルギスのみ』

アルマール市は東西世界の接点、典型的な小オアシス都市から始まったこの町は、
交易路の要衝にあって諸方の富と文物を吸収しつつ、時代を経て一の独立国家と呼べる
勢力を持つに至った――名の上は、諸侯を戴く領邦のひとつに過ぎないが。

アルマール領主は代々世襲し、確かに事実上の王と呼んでいいかもしれない。
しかし砂漠を流浪するベドウィンの血は、王統的な国家のかたちを本来好まぬ。
アルマール市は確かに拠点ではあるが、周囲の広大な砂漠に散った無数の小部族を
必ずしも制御してはいない。
この辺りで領主とは、たいがい部族連合を束ねる大族長のことを指す。

過酷な自然条件からくる、砂漠仁義ともいえる強烈な部族の連帯意識を持ち、
一転、敵に対しては容赦ない殺戮と略奪を喜ぶ。何より武勇を尊び、生命を軽んじる。
交易市として知られるアルマールの領主ウディーンもまた、このような人物であった。
莫大な黄金と宝石、美酒と美女に囲まれても、真に心満たされることはない。
無一物で他部族との抗争に明け暮れた若い日…。彼の心を真実満たしてくれたのは、
ただ闘争と冒険だけなのだ。そのことをウディーンは自身知っていた。

変転して定まらぬ砂漠の勢力図が、いっときの無風を迎えた時代。
アルマール領主ウディーンが、砂漠に忽然と現れた古代遺跡の発掘に
異常な執念を見せたのも、この、やむにやまれぬ血の欲求からであった。


315 :2 崩壊 :2005/07/25(月) 17:40:14 ID:eCVmlhJA
遺跡は突如崩壊し、数百の人命を巻き添えにした。

駆けつけた領主は、酸鼻をきわめる現場の状況に身を震わせ、まず怒りを覚えた。
崩れ落ちた岩盤の下から次々に運び出される、彼の民の無残な姿を見て、彼は怒った。
自分自身に、もあるが、彼はこの遺跡は敵だと感じた。
「あの穴はなんだ!」
見渡す一帯が陥没した崩落箇所を指して、領主は荒々しく叫ぶ。

「遺跡の地下に、迷宮のような巨大な空洞の構造があったのです。
 嵐で砂中より現れていた地上部分は、遺跡全体のほんの一部に過ぎないようです」
「なぜ最初からそれが分からなかった? この遺跡はなんなのだ!」
領主の理不尽な怒りに、現場を指揮する学者は当惑した。

「結論からいえば、これは墓所です。相当な有力者のものと見えます。
 あの穴から新たに発掘された金属製の――おそらく魔法銀ですな――プレートには、
 歴史に知られぬ名が記されております。最後の皇帝ハルギス、と」
「知らぬ」
苛立ちを学者にぶつけ、領主は石塊を踏み砕きながら作業現場へと向かう。
黒く口を開いた地下空洞を見下ろし、領主は拳を震わせた。

「許さぬぞ。忌々しいハルギスめが」


316 :3 父と娘 :2005/07/25(月) 17:40:50 ID:eCVmlhJA
領主ウディーンは当座、発掘現場に留まり、崩落箇所の処理と人命の救助を自ら監督した。
数日来り、最初の発作的な激情は去り、領主は冷徹な部族長となって部族を指揮した。
何かを見極めるまでは、けしてこの場を動こうとせぬ。急ぎの客人すらここで迎える。
灼熱の太陽の下に腕組みして立ち、あるいは天幕の内に床机を置き、極度に無口になった。

遺跡地上部には無数の天幕が立ち並び、負傷者と、そして死者とが運び込まれる。
その看護者の中に、領主の愛娘マナヤの姿があった。

「お前は、そのようなことをしなくてもよい」
領主は、一人娘に鷹揚に語りかけた。
「ここはまだ危険だからな」
「お父さま…」
十六の歳を数えたばかりの少女は、一度はためらいがちに口ごもり、
しかし、あえて父に反して意思を示した。
「お父様、幾多の戦士を抱える館の主、わが父よ。
 わたくしとてアルマール領主の娘。族民を束ねる家の者が、
 この災時にただ手をつかねて見ていることが許されましょうか。
 わたくしは、わたくしにできることを致します」
見つめる瞳に強い光を宿す。領主は、それ以上の議論をしなかった。

言葉少なに父娘は別れた。遠来の客人が少女を評す。
「亡き奥方に似て美しい姫君になられた。お心は、若き日のお父上より大胆かな」
「聞かぬ娘よ」
一度決めたら梃子でも動かぬ。誰に似たやら?


317 :4 選定 :2005/07/25(月) 17:41:26 ID:eCVmlhJA
人の血と死を目の当たりにしながら、少女マナヤは冷静だった。
わが手を取って励ましてくれる美少女に、傷ついた男たちも感激したものだ。
瑞々しい黒髪が埃を被り、白い肌を陽にさらすことも厭わず、
献身的にはたらく乙女の姿には、救護隊も否が応にも奮起した。

マナヤの存在は、災禍の中にある族民の胸にも一点の希望を灯した。
しかし果敢な領主令嬢の活躍も、
日々に運び出され、運び去られる死者の姿を忘れさせるものではない。

また乾いた風が砂塵を運ぶ。娘の疲れた顔に、領主の顔にも笑みが戻る。
「懲りたろう」
「いいえ…。でも、この場所の空気はなにか変です。
 こんな事故があったせいかもしれませんが、暗い、悪意のようなものを感じます」
「いにしえの皇帝の墓所らしいからな。ハルギスとかいう」
「ハルギス」
少女はふと眉を寄せる。
「どうした」
「分かりません。分からないけど、何か不安な…」
今日は早く帰って休め、と領主は娘の肩を抱く。

たれ一人気づかぬ、天幕の内に置かれた、
一体の死者が身じろぎし、その腕がゆるゆると上がり始めたことに。
硬直した指先がゆらりと宙を迷い、やがて幕間に覗く少女の背を選び、止まった…。

父と離れて歩き出した少女が、その後に目に見えぬ影を引き連れていったことに、
そう、誰一人、気づく者はなかった。

(ss1)


318 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 19:34:39 ID:DYNXpgwx
ベニ嫌いの俺だがこれには期待してるぞ、ガンガレ

319 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 21:34:34 ID:lk2rDraN
作家養成スレでもないのに作者の執筆姿勢や態度について文句垂れるな。
ここはうぃzのエロSS投下のためのスレであって人間試験会場じゃない。
うぃzのエロSSさえ投下してくれるならどんな奴でもいいだろ別に。

批評専用スレでもないのに展開や構想に口出したりするのはやめろよ。
主人公が気に入らないっていうのはただの感想の範疇に入るが
だからといって「次から別の奴に変えろ」的なことを言うのは
感想とか批評とかを超えて単なる読者の身勝手だろ。
読ませて”貰ってる”わけでも読んで”やってる”わけでもなくて
作者と読者は対等なんだから、偉そうにこれからの作品にまで口出しするな。

>霜氏
あなたはあなたで一々俺達の言葉に答えなくていい。
俺達があなたに求めているのはあなたのSSだけであなたとの交流じゃない。

320 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 21:48:07 ID:Q3iMM3fI
>「次から別に奴に変えろ」的なこと
何でそんな過激な話になってるんだ?
>>298は単に迷ってるらしい作者に「気分変えてみれば?」位の
ノリで軽く言っただけだと思うぞ。

ていうかこの流れ自体最初の>>298に霜ノ関氏が過剰反応して話が
迷走し始めたようにしか見えないんだけど・・・
作者自身が主人公に大変思い入れがあるのは伺えるし別に良いが
第三者が勝手にレスを曲解して話を大きくするのそれこそ煽りだぞ。

321 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 22:02:21 ID:lk2rDraN
>>320
「何から書こうか迷っている」という霜氏に対して
題材じゃなくて主人公について口出しするのはおかしいだろ。
少なくとも主人公は決まっていたみたいなんだし。

「面白味のあるキャラでもない」という発言つきでそういうことを言うのは
どう考えても「気分変えてみれば」というノリとはまた違うだろ。


それに2chでは「〜した方がいいんじゃないか」は
「〜しろ」という言葉の婉曲で使われることが多いというのも
誰もが知っていることだろ。

あと、レスを見た限りでは霜氏が過剰反応したのは
298じゃなくて>>301-302に対してだと思うぞ。

322 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 23:09:06 ID:BnUr3xXW
まるで『スレ崩壊のガイドライン』があって、それに沿っているかのように
当のSS作者とは関係のないところで話が進んでるな。
こんなの何事もなかったかのようにスレを進める以上の良策はないぞ。
どんな正論を述べようが、もめて関係ないレスでスレが流れればスレを
潰したい奴の思うつぼだ。

323 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/25(月) 23:17:31 ID:Epxrpd23
ごめんなさい、まちがえた。
別スレに書き込んじまった。思いっきり豪快に・・・。

http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1076254388/642-651

もう駄目、最近こんな間違いばっかり・・・。orzorzorz

324 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 23:30:43 ID:w3IWZVtC
……やっぱそっちのスレに逝って読まないと駄目なのかな?

まあ、ドンマイ。

325 :名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 23:51:39 ID:he5GmYRK
どんまい。
ミスを吹っ飛ばす位GJなんですから……向こうでも書いたように、1/3はかすってる内容でしたし(笑)
やっぱり勧善懲悪堅忍不抜臥薪嘗胆一気呵成は物語の基本でカタルシスですねえ。
そして年若い恋人達の、やっぱりでやっぱりなやりとりとツンデレぶりがまたもう……堪能いたしました。

次はいよいよ我らがファング……じゃなくてワードナ様の出番でしょうか?
どうまとまっていくのか、いよいよ佳境に入る物語を楽しみに待ちます。



326 :名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 01:10:04 ID:UucxWbTb
>>323
内容はいつもながらGJ。
ただ、ミスったのはしょうがないけどこちらに投下してくれた方が、いつか検索でログを発見した人に優しいと思うわけですよ。

327 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 03:45:32 ID:49r57Ujq
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・14>
淫蕩な音が闇を充たしていく。
古代の王と王妃の交わりは、ある時は緩やかにある時は激しく、大海がうねるように続いた。
傍らの魔獣のつがいも同じように交わり続けている。
空気そのものが媚薬に変わったような香気の中、王妃がのけぞりながら嬌声を上げた。
「ああ、よい……よいぞ、ラムセス。そなたは、どうじゃ?」
「私も…です。姉上」
「そうかえ。──ならば、もっとわらわを愉しむがいい。そなたの喜びは、わらわの喜び──」
「姉上の喜びは、私の喜び」
獣の体位で交わりながら、ネフェル王妃は首を捻じ曲げ、
背後から覆いかぶさるようにして自分を貫いている夫と口付けを交わした。
スフィンクスも、同じ体位を取る。自分たちを真似るペットのしぐさに、主人夫妻が笑みを浮かべた。
「んん──。そう言えば、ラムセスや──」
「なんでしょう、姉上?」
「あの二人、勝てるかの──?」
「……さて、正直、難しいところですな」
力強く腰を動かしながら、大帝は悲観的な答えを返した。
王妃の眉が少し曇る。
偽司教と偽女盗賊として、ともに迷宮を歩いた短い時間、彼らはまちがいなく夫妻の<仲間>だった。
「──あの<バラの貴婦人>とやら、けしからん売女どもじゃが、なかなかの使い手。
あの二人の好漢があたら命を捨てるのは惜しい。──と言って、わらわたちがこれ以上手を貸すわけにも行かぬ」
「然り。人は、己のけじめは己の手で着けなければなりません」
「聞いても、せん無いことだが、そなたの見るところ、勝ち目はどれくらいじゃ?」
「さて。──戦士の勝負は、強いものが勝ちます」
生前、もっとも無慈悲な征服者と呼ばれた王は、どこまでも冷徹な戦士だった。
その秋霜のような真実の言葉に、王妃の眉はますます悲しげにひそめられた。
「──ただし、戦士の強さとは、つまるところ覚悟の重さです。
……今のあの二人ならば、私が戦っても百に一つ、いや二つくらいは取られますかな」
王は、唇の端に微笑をのせて言葉を続けた。
王妃の顔がぱっと明るくなる。
「なんじゃ、それを先に言いや! ──そなた相手に<勝ち目がある>戦士など、この世に何人おるかえ?
あの腐れ女どもがそなたに何回挑んだとして、勝ち目は──」
「一度たりともありませんな──たとえ、砂漠の砂粒、全ての数だけ戦っても」
「それでは、勝負は見えておるではないか。──あやつらの勝ちじゃ」
ネフェル王妃は少女のようにはしゃいだ。
まっとうに生きるものが勝ち、邪まに生きるものが敗れる。
そうしたことを無邪気に喜ぶこの王妃がいなければ、ラムセス王の治世は暗黒時代になっていただろうと言われる。
魔人と呼ばれた冷酷な征服者は、ただ一人姉に対しては絶対服従であり、そしてその姉は慈悲と正義感と義侠心にあふれていた。
ラムセス王時代の古代帝国の輝かしい業績のうち、今なお語り継がれる文化とモラルは、全てネフェル王妃が作ったようなものだ。
しかし、王妃が、何かを思い出したように目を見開いた。
「しまった──」
「いかがされました?」
「たしか、<貴婦人>とやらは六人と言っておったな。──今そなたが斃したのは、三人」
「残るは三人。──二対三ではなかなか厳しいですな」
「むむ。一人分だけ、加勢に行こうぞ」
王妃的にはどうしても雷電たちを勝たせたいらしい。ラムセス王は苦笑した。
なぜ姉が、そこまで見ず知らずの冒険者風情に加担するのか、ラムセス大帝はこの場に来る前に聞いている。
単に正義感や、古い友人の敵の邪魔をする、という理由だけでは王妃の情熱は説明が付かなかったからだ。
「──女の浪漫じゃ」
問われて、ネフェル王妃は簡潔この上ない言葉で答えた。
「女の、浪漫……?」
「好きな女を救いに、男が危険を顧みずに戦いに赴く。女子の本懐、これに如くものはない。手助けもしたくなるものじゃ」
「はぁ……そ、そういうものですか」
多少辟易しながら、ラムセス王はしかし異論を唱えることはなかった。
しかし、今にも加勢に駆けつけたそうな王妃に対しては、静かにその唇をふさぐことでその動きを抑えた。
「──ご心配をなさらずに。今、三人目の戦士が到着したようです」
「三人目?」
不意にスフィンクスが立ち上がり、左右に分かれた。うなり声を上げて通路の奥を睨みつける。
「……ここ、通ってもいいですか? あっちに行かなきゃならない用があるんです」
通路の向こうから現れた少年は、魔獣の視線を受けてもいささかも動じずに問いかけた。

328 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 03:46:20 ID:49r57Ujq
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・15>
「よかろう」
ラムセス大帝は頷いた。
ネフェル王妃を抱きしめ、背後から貫いている淫蕩このうえない体勢だ。
だが、東西の美女代表の片割れが半裸で性交している情景に立ち会いながら、少年はそれに目を奪われることはなかった。
主人の言葉に反応して、すっと左右に分かれたスフィンクスを一瞥し、夫妻に軽く頭を下げた。
「ありがとうございます」
「む。──良き覚悟じゃ。先ほどの二人に勝るとも劣らぬ」
少年が自分の美貌にまったく心動かされなかったことを、ネフェル王妃はむしろ喜んでいた。
「この先に何が──誰がいるか知っておろうな?」
「はい。──僕が一度裏切ってしまった、大事な人です」
「そうか、──再び裏切ることはあるかや?」
「いいえ、決して」
「ならば、行くがよい。三人目の戦士の座、任すに足る」
ネフェル王妃は満足げに言い、王がそれを受けて頷く。
「そなたはすでに十分な武器を持っているようだな。ならば我が与えるは、言葉一つ。
戦士ならば、勝つために二つの物以外の全てを捨てる覚悟を持て。
捨ててはならぬのは、誇りと守るべきもの──それ以外はいつ何時でも捨ててよいものと知れ」
「ご忠告、ありがとうございます」
アリソンは頭を下げた。
──砦の扉をくぐって消え去るその姿を見送ったラムセス王が、感嘆の呟きをもらす。
「今の世は、面白いものですな。我らの時代には一人もいなかった腐りきった騎士がいると思えば、
あれほどの戦士たちが、同じ場所に集うこともある」
「ほほほ。惚れたかえ、ラムセスや。そなたは魔品に執着することはないが、良き戦士を集めるのに躍起になったものじゃ」
「然り。あの三人──同じ時代に生まれていれば、私の戦士に欲しかった」
「手に入れておれば、もう三十ほど国が取れたかの?
だが、諦めよ。──あやつらが命を捧げる相手はそなたではないぞえ」
「──ですな。しかし、惜しい……」
ネフェル王妃は、手に入らぬおもちゃに未練気な弟を優しくたしなめるように口付けを与えた。
「さて、わらわたちは帰るとしようかえ? そろそろ棺の中が恋しくなったわ」
「結果をご覧にならないので?」
「──三対三になったのであろ? 後は、見ずともわかるわ。──わらわは眠くなった。ラムセスや、添い寝をくれるかの?」
「喜んで」
闇が溶け始めた。
美しい夫婦と、一対の魔獣の姿が消えていく。
ピラミッドの主が帰還した後は、僅かに淫蕩な残り香だけが残った。

「ふふ、襲撃者が、貴女たちのナイトだといいわね」
マーラ伯爵婦人がオーレリアスの背後から優しく声をかけた。
半裸の女エルフの首筋に優美な唇を当て音を立ててキスしたが、オーレリアスは快楽ではなく苦痛の表情を浮かべる。
獣の姿勢で床に這う女エルフは、背後から肛門を犯されていた。
大きめのディルドーを片手で動かしながら、伯爵婦人が優しく微笑んだ。
おもちゃを──奴隷をいたぶるときの蔑みの表情だ。
「襲撃者は、侍と戦士だそうよ。ひょっとしたら、貴女のお仲間が生き返ったのかも」
苦痛にゆがんでいたオーレリアスの表情に驚きが走る。
それが期待と喜びの表情に変わる寸前に、伯爵婦人はディルドーを強く動かして新たな苦痛を与えた。
「あら、だめよ、こんな程度で音を上げちゃ。──トレボー陛下の<サックス>はもっと大きくて硬いのよ。
あなたは華奢だから、それを受け入れるような身体になるまで、いっぱい嬲ってあげる。
ふふ、襲撃者が貴女の恋人だったらいいわね。こんな浅ましい姿を見させることができるもの」
慈母のような表情で女ロードはささやいた。
彼女を知る男が、みな心引かれる優しさは、女に対して向けられることはない。
否、その優しさを与えた夫や過去の情夫たちに対しても、必要ならば裏切りと死を与える──この笑顔で。
「マーラ、遊びすぎないでね。──そろそろ来るわ」
カディジャール婦人が戸口に視線を注ぎながら釘を刺した。
こちらも、女忍者をディルドーで犯しながらの言葉だが、マーラほど執拗ではない。
愉しみは襲撃者を撃退してからゆっくりと、という考えだ。
アイリアンが、強い光の溜まった瞳で睨んでくるのを涼しい顔で無視しながら、<バラの貴婦人>のリーダーは立ち上がった。
他の二人もそれに習い、剣の柄に手をかけた。

329 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 03:46:53 ID:49r57Ujq
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・16>
青銅の扉が、ゆっくりと押し広げられる。
侍と戦士の二人組が入ってきた。
「雷電──!」
「ジー君!!」
女忍者と女魔術師が驚きの声を上げる。
死んだと思っていた──実際一度は死んでいたが──恋人たちが、本当に来てくれた。自分たちのために。
驚愕は歓喜に代わり、それに羞恥が混じった。
<貴婦人>たちにいいようになぶられていた自分たちの姿に気がついたからだ。
「あらあ。そんなに恥ずかしがらずに、貴女のいい人に、よくお顔と身体を見せてあげたらどう?
──久々の再会だもの、私たちにおもちゃにされている姿でもきっと喜んでくれるんじゃないかしら?」
マーラ伯爵婦人がオーレリアスの髪をつかんでぐいと突き出す。
半裸の女エルフは羞恥と屈辱と慙愧の念でパニック状態になる。
「──彼女を放せ」
大男が、静かにことばを放つ。
侍のほうはともかく、単純な戦士は挑発に乗って突っ込んでくる、と思ったマーラ婦人は予想が外れて眉根を寄せた。
「あら、思ったよりも冷静ね」
カディジャール婦人が雷電から目を離さずに言った。
「トレボーの連れてきた魔物たち相手に戦い尽くめだったからな。
ジンスも俺も、この数日でずいぶんと場数を踏んだ。もう、そんな手には引っかからん」
「そのようね。地上に戻れば、20…いいえ25レベルにはなっているかしら。
私たちにとっても手ごわい相手になっていたでしょうね。
でも、残念。今のあなたたちは、その貴重な経験がまだ体に馴染んでいないわ。
精神力はともかく、戦闘力はこの間私たちと戦ったときと同じ、マスターレベルに成り立てのひよっこさん。
つまり、──今回も勝ち目はなし、よ」
婦人はにんまりと笑った。
彼女が言ったとおり、もし彼らが引き返し、<冒険者の宿>で休息を取りながら
その戦闘経験を自らの魂に摺込む儀式を行った後ならば、
あるいは<バラの貴婦人>をも瞠目させる達人に生まれ変わっていたかもしれない。
だが、今の二人は、レベル的には<貴婦人>にやすやすと敗れ去った状態と変わりない。
「……果たしてそうかな? 戦いは、何が起こるかわからぬもの。この数日でつくづくそれを思い知った」
雷電は、手に提げていた刀をゆっくりの鯉口をゆっくりと切った。
「その刀──村正!?」
カディジャール婦人が驚きの声を上げた。
「……なるほど、強気の理由はそれね。どこで拾ったかは知らないけど、
そんなものを手に入れたくらいで私たちに勝てると思っているのなら、ずいぶんと舐められたものだこと──」
「この刀を手に入れたから勝てる、とは思ってはおらんさ」
「まあ、そういうことにしておいてあげましょう。そちらの戦士の剣も、業物と見たわ」
ジンスが背負った大剣の、肩口から見える柄頭と雰囲気だけで推測したカディジャール婦人は、すばやく計算した。
「……確かに一騎討ちなら、千にひとつ、いいえ、百に一つの勝ち目ができたかもしれないわね。
戦いは、常に確実に勝つことが大事。──こちらは三人で戦わせてもらうわよ。
私はこの侍を、マーラはあの戦士を。ワンダは、隙を見てどちらかに加勢しなさい」
三対二ならば、わずかに生まれている逆転の可能性さえもなくなる。
──だが、それは誇り高い騎士道に生きる者の言葉か。
他の二人がにやりと笑った。
美女が、その美しさを崩さずにここまで卑しく笑えるものだと知れば、悪魔とて戦慄するだろう。
「──恥を知りなさい! <バラの貴婦人>」
ミッチェルの声は、かつて彼女たちを遠い目標に仰ぎ見ていた女君主見習いの悲痛な叫びだった。
「何とでも言いなさい。……一人だけナイトが誰も来てくれないお姫様」
ワンダ公爵夫人が嘲笑した。
──これが女騎士の最高位にあると言われた人間の言葉か。
あらゆる希望を失い、今、最後に信じて心の支えとしている騎士道すらみじめに踏みにじられた少女が、
迷宮に連れ去られてからはじめて涙を流した。
ミッチェルの頬を伝う涙を見て、ワンダは笑みを濃くした。
「──待て。その子のナイトなら、ここにちゃんといる!」
入口から声が上がった。
ミッチェルが眼をいっぱいに見開き、ワンダが愕然と振り向いた。
「……もっとも僕は、まだ騎士見習いの身分だけどね。
ワンダ叔母さん──いいや、背徳者ワンダ、貴女の相手はこの僕だ!」
戸口を潜り抜けながら、アリソンは昂然と言い放った。

330 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 03:47:37 ID:49r57Ujq
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・17>
傷だらけの黄金の鎧を着込んだ少年をちらりと見やって雷電がわずかに口元を緩めた。
味方が増えたことではなく、少年の示した勇気を喜ぶ先輩者の笑み。戦士は、見ず知らずの戦士に共感できる人種だ。
「これで、三対三。異存はあるまいな」
「……」
「もうひとつ、いや二つだけ言わせて貰おう。やはり、戦いは何が起こるかわからぬものだったな。それと──」
「それと──?」
「何が起こっても、この戦いは俺たちが、勝つ」
矛盾する二つの言葉は、<貴婦人>たちがとっさに言い返せないほどの重さを含んでいた。

「──そう言えば……」
棺の中で、姉が弟に問うた。
「あの侍に渡した刀、あれは──<あれ>、かえ?」
「もちろん。その名を冠した刀は幾振りか持っておりましたが、あの男にふさわしいのは、やはり<あれ>でありましょう」
「わらわも、そう思う」
「新刀よし。外道よし。されど古刀に如く物はありますまい」
「さすが、目利きじゃの」

カディジャール婦人は雷電と対峙した。
慎重に間合いを取りながら、相手を見据える美女の口元に冷たい微笑が浮かんだ。
「その刀、<村正刀>ではないようね。<裏村正>でもない」
「左様。茎(なかご)には、ただ、村正とだけ刻んである」
「ムラマサ・ブレード……。これは、また骨董品を」
婦人の微笑は嘲笑を含んでいた。
妖刀村正には、実はいくつかの種類がある。
<災厄の中心>の迷宮で強力な魔物を屠るために鍛えられた<村正刀>──ムラマサ・カタナは、
オーディンソードと同じく<必殺>の能力を持ち、巨大な悪魔すらも一撃で斬り殺すことが可能だ。
また最強最悪の妖刀と呼ばれる<裏村正>は、持ち主の生命をすすって攻撃力を増し、その力は文字通り桁外れだ。
だが──。
「初代<村正>。遠い昔の<ワードナの迷宮>ならいざしらず、今の世で通じると思っているの?」
この百年。迷宮での戦闘は大きく変わった。
新たに生まれた迷宮は強力な魔物を生み出し、それに対抗するため、魔法加工を含めた防具と体術は著しい発達を遂げた。
かつての戦いならば十分に致命傷を与えたろう攻撃が、魔物にも冒険者にも中規模のダメージしか与えられないことも多くなった。
そんな中で武器も大きな変化を遂げた。
単純な切れ味──攻撃力ではなく、<必殺>の魔力が込められた武器が重要になってきたのだ。
火竜の数倍もの体力を持つエアジャイアントやマイティオークも、<必殺>の能力を持つ剣ならば一撃で斃すことが可能だ。
オーディンソードやムラマサ・カタナはそうした意図のもとで鍛え上げられた剣である。
純銀の魔法鎧で完全武装した女ロードの領袖は、自分の体力にも自信があった。
──<必殺>の能力さえなければ、何も怖いものはない。<村正>も、この侍も。
女ロードの嘲笑に、雷電は答えなかった。
村正を抜いて青眼に構える。青眼──もっとも基本的な構えだ。
「ほほ、構えまで古臭い」
「そちらは、随分と新しい剣技らしいな」
婦人の構えたオーディンソードの切っ先は、中段とも下段ともつかぬ位置に向けられていた。
しかも、身体の中心線がずれ、バランスが捻じ曲がった姿勢だ。──雷電が見たこともない構え。
「剣技は日々進歩する。<必殺>の効果を持つ剣を持てば、重要なのは力でも速さでもない。──多段攻撃よ」
「なるほど。──しかしそれが進歩と呼べるかな?」
婦人の姿勢は、見るものが無意識に不快感を抱くものだった。
美しいものは、バランスが狂えば逆に醜く見える。
「──ほざきなさい!」
カディジャール婦人は地を蹴った。
雷電が応じる。
先に仕掛けたのは女ロードだったが、斬撃は侍のほうが速かった。
「──後の先」
剣理の基本中の基本だ。
だが、婦人は余裕を崩さなかった。
自分の体力と体術、それに鎧の防御力を考えれば、村正の連撃でさえ耐えられる。
しかし、こちらが雷電を斃すのには通常の攻撃で十分おつりが来る上に、
多段攻撃のうち一回でも<必殺>の効果が現れれば、そこで戦いは終わりだ。
──その確信にひびが入ったのは次の瞬間だった。

331 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 03:48:23 ID:49r57Ujq
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・18>
──どん!
みぞおちに、重い衝撃が走った。
切りかかる勢いを完全に殺され、カディジャール婦人の足が止まる。
鎧越しに衝撃が伝わる。多少内臓を痛めたが、これは計算のうちだ。
刹那の間を空けて、袈裟懸けがくる。盾で受け流し、体をかわして鎧の厚い肩で受ける。
これでダメージは最小限だ。残念ね、お侍さん。
──どん!!
一撃目と同じような衝撃。予想外だ。なぜ初撃の同様の威力がある──!?
「……がっ!?」
熱いものが口からこぼれ落ちる。血反吐だった。
「なっ──」
──どん!!! どん!!!
左右に籠手をくらって、オーディンソードを取り落としてしまう。手が、手が動かない。
「──防御が、受けが効かない!?」
そんな、私の体術は、剣技の粋を集めた最新最高の技術のはずだ。
どん!! どん!!!
両足の骨と筋肉が鎧の下で断ち切られるのを婦人は悟った。
やめてやめて──。こんな斬撃をくらい続けたら──死んでしまう!!
「昔、師に教わった。技に溺れる剣のことを、小細工と呼ぶ、と。
両手両足が動かぬくらいで闘志を失う剣士には、ふさわしい技ではあるがな」
真の技とは、力とともに、修練によってのみ、自然に身に付くものだった。
けっして、剣の魔力に合わせて考え付くものではない。
数十年間、ひたすらに打ち込みを続けた男は、流れるような動作で青眼に構え直した。
──そんな男にこそ、この古刀はふさわしい。
単純な切れ味ならば、今なおオーディンソードやムラマサ・カタナの追従を許さぬ妖刀村正は──。
まっすぐに振り下ろした一撃は、あさましく逃げようとするカディジャール婦人を、鎧ごと真っ二つにした。

「ところで──」
優しい闇の中で、弟が姉に問うた。
「姉上が渡したあの剣は……」
「ああ、<あれ>じゃな」
「やはり──」
姉のやらかした悪戯に頭を抱えているような声に、王妃は悪びれずに強弁した。
「なんじゃ。別に盗んだわけではないぞ。だいたいアラビクも、マルグダも、ベイキすらおらぬリルガミンに、
あんな物騒なものを置いていては危険じゃ。だから、わらわがしばらく預かっておこうと思っただけじゃ。
現に役に立ったではないか。わらわのすることに間違いはない」
市営博物館から魔剣を強奪したのは王妃お気に入りのペットであったらしい。
「──まあ、その通りですな」
幼い頃から、ネフェル王妃のいたずらで被害をこうむり続けた男はため息混じりに呟いた。
もっとも姉は、その後で弟にたっぷりと埋め合わせをする女性だったから、被害を受けるのも彼の愉しみではあったが。
「わらわは、剣のことは良く知らぬのじゃが、──要するに、あの手の物は力任せに斬れればよいのであろ?
──ならば、あの大男にふさわしいと思ったのでな」
無邪気に笑いながら、この世でもっともシンプルでもっとも枢要な剣理を言い当てた姉に、弟は絶句した。
「……つくづく、かないませんな、姉上には」
「当たり前じゃ、女房が亭主より賢くなくて、どうするのじゃえ?」
簡単に言い切った妻が、棺の中で身を寄せてきた気配にラムセス王はにっこりと笑った。

「──その剣……!」
マーラ伯爵婦人は、ジンスが抜き放った大剣を見て眼を見開いた。
「<ハースニール>!!」
<ダイヤモンドの騎士>の装備のひとつを目の前にして、<バラの貴婦人>が戦慄する。
オーディンソードと同じ<必殺>の能力を備え、<ロルト>の魔力を無限に秘めた魔剣は警戒するに値する武器だ。
「へえ。こいつ、そんな名前なんだ」
ジンスが、初めて聞いた、と言うように復唱した。
伯爵婦人の眉が上がる。
「何かいわくがありそうな剣だけど、ま、俺にわかるのは、こいつがいい剣だってことくらいだ」
大上段に構えながら言ったジンスの言葉に、伯爵婦人はあきれた。
子供すらその伝説を知る魔剣を知らぬとは、この大男は本物の馬鹿のようだった。

332 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 03:49:10 ID:49r57Ujq
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・19>
(所詮は戦士──下位職に過ぎないわね)
上位職の中でも忍者に次ぐ能力を必要とするロードから見れば、ジンスのような戦士は侮蔑の対象だった。
(この男、<ハースニール>でロルトの術を使えることすら知るまい)
ならば、<必殺>の一撃だけを警戒すればいい。
この馬鹿男の剣筋など、容易に予測できる。
大上段から振り下ろす一撃──それだけだ。
そして、伯爵婦人の予測どおりにジンスの斬撃は来た。
「甘い──」
さすがにかわしきれはしない剣速だ。──マーラは盾の正面でそれを受けた。
受け止め、流し、もう片手のオーディンソードで相手の首をはねる。
これから先、数秒のイメージ、必勝パターンはすでに脳裏に描き出している。
思い通りの戦闘展開に、マーラは唇の端を吊り上げた。
ガツン。
予測の中にない物音がした。
「──え?」
伯爵婦人は自分の盾が真っ二つに切り裂かれていく様を頭上に見た。
<必殺>の効果──ではない。
魔剣の切れ味と、タイミングと、あとは単純な力が生み出す芸当だった。
「な、な……」
愕然としながら、半ば無意識に右腕を動かす。
間に合った。盾が分離仕切る前に、オーディンソードをその下の空間に滑り込ませることに成功した。
横に構えた剣で、上段からの攻撃を受ける。
まずは聖剣で受け止め、押し戻しと受け流しを行いながら、バックステップで間合いを取り直す。
──瞬時に描き直した戦闘イメージが、再度破られた。
「嘘、嘘、嘘──」
マーラは、自分のオーディンソードが小枝のようにへし折れていくのを呆然と見つめた。
聖剣を苦もなく切り裂いたハースニールにとって、頭蓋骨はもっと柔らかい斬撃対象だった。
頭頂から股間までを一気に斬り下げられて、伯爵婦人は絶命した。

「──どうやって生き返ったのか、教えてくれるかしら? 可愛いアリソン」
ワンダ公爵婦人は、にこやかに微笑みながら、かつて我が子のように可愛がった少年に問いかけた。
アリソンは答えなかったが、指輪をつけた右手を一振りした。
「指輪?──ああ、<命の指輪>か、<回復の指輪>ね。うっかりしていたわ。
あなたの実家は、リルガミン屈指の魔品蒐集家ですもの。その次期当主が自動治癒の魔品を身に付けていても不思議ではない」
ワンダは、改めてアリソンの装備に目をやった。
「わお、<ゴールドプレート+5>──私の剣の<必殺>の効果が打ち消されるわね。
でもあなたの剣も<必殺>の魔力のない<カシナートの剣>。──さすがのご実家も魔剣はコレクション不足だったみたいね」
「──この剣に、見覚えがありませんか」
「──?」
小首をかしげた美貌に、アリソンの視線が堅く突き刺さる。
「オーディンソードの一振りくらい、宝物庫を探ればあった。だが、剣だけはこれを使うべきだと思って持ってきた」
観賞用に飾られていたにしては、使い込まれ、傷ついている剣に気付き、ワンダが、あ、と声を漏らした。
「それは……」
「ジークフリード叔父さんの愛剣だ。これで、貴女を、斬る」
「──おもしろいわ。しばらく見ないうちにずいぶんと格好良くなったわよ、アリソン。
ジークの代わりに、ほんとうに私の夫になってもらいたいくらい。ね、私の再婚相手にならない?」
「問答無用!」
嘆かわしいというも愚か、と言わんばかりにアリソンが飛び掛る。
斬り込みの意外な鋭さに、公爵婦人は眉をしかめたが、そこは実力の差でたちまち盛り返した。
つばぜり合い。至近距離でワンダはアリソンを見つめ、アリソンはワンダを睨んだ。
「うふふ、だいぶ腕力もついたようね。さすが男の子、頼もしいわ。──ね、キスしてあげましょうか?」
返答は──突き放してからの荒削りな攻撃だった。容易く受け流す。
「うん、なかなかいい一撃よ。──叔母さん、濡れてきちゃった。
あなたさえ良ければ、本当に戦いをやめてもいいわよ。あなたはもう、十分に騎士の資格があるわ。
私の夫になって、トレボー陛下の騎士におなりなさいな──」

333 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 03:49:55 ID:49r57Ujq
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・20>
アリソンは誘惑には乗らず、斬撃を繰り返した。
ワンダはため息をついた。
「そう、そんなにあの娘のことが気になるの。──仕方ないわね、じゃあ、お死になさい!」
本気になった<バラの貴婦人>は、たやすく未熟な少年を追い詰めた。
オーディンソードが、カシナートの剣を上から押さえ込む。
中段で絡み合った二本は、どんどんと押し切られて切っ先が床に着かんばかりに下げられた。
「ほらほら、ジークの形見の剣もこんなものね。──言っておくけど、もう降伏は許さないわよ。
前は優柔不断で命を失ったけど、今回は正しい選択を選ばなかったのが失敗だったわね」
ワンダはこれ以上ないくらいに優しい微笑みを浮かべた。
──その瞬間、アリソンは全力をこめて握っていたカシナートの剣を手放した。
尊敬する叔父の形見の剣を。
この剣で敵をとると宣言した剣を。
からん、と音を立てて長剣が床に転がった瞬間、ワンダはアリソンの次の行動を見切っていた。
剣を投げ捨てた瞬間、腰の短剣を抜き放ち、自分に切りつけてくる。
(お馬鹿さん──そんな飾り物でどうしようと言うの?)
その短剣が特別な魔品でないことは戦闘前に見切っていた。
だから、自分の首筋に向かうその刃を、わずかに身をそらせることでかわす行動にはいささかの怯えもなかった。
──それが、正確にワンダの頚動脈を断ち切るまでは。
「──え?」
信じられないという表情で、短剣を、それを掴むアリソンの手を眺めたワンダの目が見開かれる。
「──自動回復の能力を持つのは、<命の指輪>や<回復の指輪>だけじゃない」
持ち主に、回復能力と同時に<必殺>の効果も与える魔品──<トロルの指輪>を輝かせながらアリソンは言った。
「ある人が教えてくれた。誇りと守るべきもの──それ以外はいつ何時でも捨ててよいものと知れ、と」
恨みをはらす、という思いを捨てれば、叔父の形見さえも勝利のために捨ててよいものだった。
「……やるわね。でも、その指輪が…あっても、あの状態で、よく剣を捨てる…決断を……」
致命傷から血を吹き上げながら、ワンダはアリソンを見つめた。
その美貌は、おどろくほどに穏やかだった。
逃げ回ることに疲れた罪人が、ひそかに待ち焦がれた断罪を受けるときのように。
「──次に生まれてくるときは、決断を早めにする男になれ。……そう教えてくれた女(ひと)もいた……」
アリソンは、視線をそらしながら呟いた。
自分がアリソンを殺すときに言ったことばを聞き、ワンダは蒼白な美貌に微笑を浮かべた。
かつて少年が、憧れとときめきを抱いた微笑みを。
「──そう…か。いろんなものを…汚してしまったけど、アリソンを立派な騎士にすること…は、できたみたいね。
それだけは、あの世で…ジークに言い訳が立つわ」
ぐらりとよろめきながら、公爵婦人は微笑を笑顔に変えた。
「…叔母さん……」
「ふふ、浮気も裏切りもやるほうは、もうこりごり。やられる側のほうが、よっぽど気が楽だわ。
やっぱり……私はこういうの、性に合ってなかったみたい。
──ジークに謝りに行くわ。……さよなら、ごめんね」
がっくりと倒れこむワンダの死体をアリソンは両手で抱きとめた。
<貴婦人>のなかで唯一、己の罪に苦しんでいた女は、六人の中で唯一、死に顔が穏やかで美しい女でもあった。

「雷電……」
「ジー君!!」
解放された女忍者と、女エルフは対照的で同一の反応を示した。
無言で見つめるアイリアンと、駆け寄って抱きつくオーレリアスは、誰が見ても心中に同じ思いを抱いているとわかる。
アイリアンが意を決して、雷電に近寄り、唇を重ねるまでの間に、オーレリアスは6ダースのキスをジンスに与えてはいたが。
「いろいろ、あったな。──帰ろう。リルガミンに」
ひと段落が着いた後で雷電が言うと、皆は頷いたが、オーレリアスだけは異を唱えた。
「待って。──あっちはもう少しかかるみたい……」
そっと向ける視線の向こうに、飛び入りの加勢とその恋人の修羅場を認めて、四人は思わず物陰に隠れて息を殺した。

334 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 03:50:29 ID:49r57Ujq
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・21>
「……」
「……」
ものすごく重苦しい沈黙に、アリソンは押しつぶされそうだった。
今まで決して友好的でなかった元婚約者との歳月とか、ワンダの誘惑に一度は乗ってしまったこととか、
助けに来るのがめちゃくちゃ遅れたこととか、色々なことが頭の中に渦巻いて、言葉が出てこない。
<バラの貴婦人>を倒した勇者は、もうアリソンの中の何処にも存在していなかった。
(こういうときは、ごめん、が良いのかな、それとも──)
あの王様と王妃様や、ワンダ叔母さんに聞いてみたいところだが、そんな助言は誰からももらえなかった。
「……」
「……」
重さをさらに増した沈黙を破ったのは、ミッチェルからだった。
「その指輪──貸して」
「え?」
「<トロルの指輪>。回復の力があるんでしょう? 私、お尻が痛いの」
ありあわせの布で覆っているが、下半身裸のミッチェルがトレボーや貴婦人たちにいたぶられていたことに思い当たり、
アリソンはうろたえた。指輪をあわてて外す。
「ああ、き、気がつかなかった。大丈夫!?」
「大丈夫じゃないから、指輪を貸してって言ってるんじゃないの!!」
「ご、ごめん──」
動転しきった少年は、先ほどまであれほど声にするのに苦労した言葉が、なんのためらいもなく言えたことに気がつかない。
少女はため息をついた。それは傷が癒され始めたためだけではなさそうだった。
「……で、あなたが私のナイトなの?」
「い、いや、そういうわけでも……」
なんであの時はあんなセリフがすっと言えたんだろう、自分でも疑問だ。
「──最低。自分の言葉に責任くらい持ちなさいよ!」
少女はそっぽを向いた。
別人のように大人びているその美貌に、自分が知っているお転婆娘のしぐさをみつけて、なぜかアリソンは心からほっとした。
「私、トレボー王の花嫁になれるところだったんだからね。その辺も責任を感じなさい」
「ああ、──な、なりたかったの?」

(馬鹿──!)
女忍者が声を上げようとして侍の手で口をふさがれた。
(ジ、ジー君より馬鹿な男の子、はじめて見た)
女エルフはふき出しそうになって、これも戦士に口をふさがれた。

「──あなたって、本当に頭悪いのね!」
そこから先、侯爵令嬢が浴びせた罵詈雑言は、アリソンはおろか、聞き耳を立てている四人にとっても聞くに堪えないものだった。
ひとしきり元婚約者を罵倒し終えた少女が、大きく肩で息をして黙り込んだ頃には、
アリソンは塩を掛けられたジャイアントスラッグのように身を縮めていた。
「ごめん」
何に対して謝っているのか、全然わからなかったが、とにかく少年は謝った。
この返事でまた同じくらい罵倒されそうな予感がしたが──。
「……いいわ。許してあげる。ずいぶん遅れたけど、あなたは来てくれたから──」
意外な返事が戻ってきた。
「……え?」
「……そうね。謝罪の証にこの指輪をもらっておくわ。それで許してあげるわよ」
「あ、ああ、うん」
ミッチェルの突然の変心に戸惑いながら、アリソンは頷いた。
少女は、そっぽを向いた。──何事かを真剣に考えているようだった。
「あ、あの──」
眉間にしわを寄せ、ただならぬ様子の少女に、少年は声を掛けようとする。

(──この阿呆!)
(──そこは黙って待っているとこだろ!)
雷電とジンスが怒鳴りつけようとして、アイリアンとオーレリアスに後ろから殴りつけられた。

335 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 04:06:50 ID:49r57Ujq
<TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・22>
ミッチェルは、長いこと考え込んでいたが、やがて決心をつけたようにため息をついた。
振り返ってアリソンを見つめる。
少年は、自分の心臓がどきんと脈打つのを感じた。
元婚約者は、今まで見た中で一番美しい女に成長していた。
「さっきの話だけど、あなた、本気で私のナイトになるつもりだったの?」
「え、ああ、──うん」
「そう。じゃ、誓いなさい。私に生涯の忠誠を捧げるって」
おおよそ傲慢極まりない女王のことばだった。たしかにミッチェルならトレボーの花嫁になれたかもしれない。
ものすごく理不尽なことだが、アリソンは頷いた。
ワンダの誘惑に乗りかけ、一度は見捨ててしまった弱みがある。
(一生、ミッチェルの騎士か)
それは奴隷みたいなものかもしれないな、と心の中で呟く。
見習いとはいえ、騎士道に背いた男にはふさわしい罪の償い方かもしれない。
「うん。僕の一生を、ミッチェルに捧げる──捧げると誓います」
「……そう。じゃ、私も誓うわ。──私の生涯をアリソンに捧げます」
「──え?」
ミッチェルはにっこりと笑った。トレボーに、いや他のどんな男にも渡したくない笑顔。
「……お尻はさんざん犯されたけど、私の処女は、まだ無事。
<バラの貴婦人>の口で犯されたけど、あなたも、まだ童貞。
お互いずいぶん傷ついたけど、純潔の誓いはこれからでも守れる──そうじゃないかしら?」
<トロルの指輪>を左手の薬指にはめていた少女は、頬を染めて元──いや今、婚約が復活したばかりの相手を見返した。
「ああ、──うん」
花嫁候補に比べて、花婿候補はどこまでも間抜けな声をあげたが、
少女が家紋入りの指輪を外して、自分の左手の薬指につけてくれるのを見て、俄然情熱を燃やした。
「み、ミッチェル!」
抱きつく婚約者にファーストキスを許した少女は、くすりと笑ってその身体を押し戻した。
「──これ以上は、まだ駄目よ、アリソン」
「うん。リルガミンに帰って、あの街を復興させて、結婚式を挙げてから──」
「それ、私がおばあさんになる前にちゃんと片付けてね」
夢見がちな少年と現実的な少女はまさにお似合いだった。
「──あ、それから、アリソン」
「何?」
「あなた、これから一生、私以外の女とは、口も聞いたら駄目よ」
「え?」
「私も、あなた以外の男とはもう一生口も聞かないわ……何か文句あるの?」
「い、いや、ない」
「そう。覚えておきなさいね。私、すごく嫉妬深いから。純潔の誓いは絶対破っては駄目よ。
──この先、私以外の女からちやほやされようとは夢にも思わないことね」
「……はい」
アリソンは絶望の声をあげた。
なんとなく、この先の一生が見えたように思えた。
「──がっかりすることはないわよ。あなたは私が一生ちやほやしてあげるから。それに──」
「それに?」
「私たちの娘となら、もちろん口を聞いてもいいわよ。
私、二十人はあなたの子供を産むつもりだから、その半分、十人くらいは私以外の女と口を聞いていい計算になるわね。
十人よりもっと多く娘がほしかったら、──頑張りなさい、私の未来の旦那様」
衝撃的で甘美な未来図を語る少女に、少年はくらくらとなった。
寄り添って頬にキスをする婚約者に、アリソンはこの先の一生は悪くないものかも知れない、と思い直すことにした。

336 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 04:07:43 ID:49r57Ujq
規制解除&60行改定カキコ。
行の上限が増えると書きやすいけど、読みやすさはどうなんだろう?

シーン別に書き始めて後でまとめてみたら、バトルと、アリソン&ミッチェルの会話との温度差がすごいことになってるw
雷電たちは奥様戦隊と化しているし。(んま! 近頃の若い子達ったら!)

ミッチェルは実は「隠れ異形」(<サックス>はついてませんよw)の女の子。
地下牢でちょっぴり覚醒しかけましたが、精神的にトレボータンと似通った部分がある子で、
アリソンが救いに来なかったら、ホントにトレボーの花嫁として魔人になっちゃう人でした。
純潔の誓いが「自分たち以外の異性とは一生口も聞かない」と「自分たち以外の異性は皆殺し」ではずいぶん差がありますが、
覚醒したらトレボータンとも殺伐としたやりとりができる女王の資質を持っていました。
アリソン君が見つめてくれている限り、旦那にラブラブな普通の(?)奥様でいられるのですが。
ミッチェルが朝起きて「この世の全てに恐怖と死を!」と言い出すか、
「昨日の夜いっぱい仲良くしたから、また赤ちゃん授かりそうな気がするの」と言い出すか、
リルガミンの未来は、実はアリソン君次第だったりしますw

「私(だけ)が一生ちやほや……」は他スレでも使ったお気に入りのシチュ。つか芸幅狭いな、私orz

337 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/26(火) 04:14:20 ID:49r57Ujq
貼り直します。申し訳ない…。

>>324-326
あー、データ落ちしたら読めるようになるタイミングがズレますね。
貼りミスで動揺しまくりで思い至りませんでした。
アルコール抜いた頭で考えてみると、まさにその通り……。
あっちのスレまで行って読んでくれた方、ありがとうございました&すみませんでした。

しかしよりによって、同じシチュ使ったスレ(しかもそれを言及してる当のスレ)に誤爆するとわ…。


338 :名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 13:22:47 ID:EOxR3C3d
今回は戦闘メインの話なのに面白くてなんかエロいのはなぜでなのですか

ありきたりな事しかいえないけど、GJ!!

339 :名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 14:03:12 ID:hancNmR/

--------ここまで読んだ---------


>>ジャック・ザ・ダークロード
なんかちょっとデーモンロードを見直したー( ´∀`)
人外ゆえの性衝動のジレンマと、夫婦愛の深さとの絶妙なミックス感。
前作は愛があるのに今回は愛のないセックスなの?と思いきや、
転じてハートウォーミングとはニクイ展開でつね。

>>古代皇帝の呪い
ゴメン、元ネタ見てないけど各章の締めくくりが偉人伝みたいなカッコ良さがあってイイ!
次はドキドキホラー展開?

>>TO MAKE THE LAST BATTLE
長作乙。豪快ワロス
いっそ誤爆先にスレの宣伝でもしてきたらどうかとw
ミッチェルタンはメガテンで言うと魔人アリスみたいなモノ?

340 :5 歴史の闇 :2005/07/26(火) 14:45:09 ID:KRypO808
『ハルギスよ汝の辿りし道を、かつて行く者は多し、しかして帰る者はなし。
 七つの門に閉ざされた、光なき道を汝はゆく。
 黒き術もて死界の秘密を盗み取り、速き知恵もて冥府の主を欺きたり。
 かくて賢者は永生を得たり。おそるべきハルギスよ』

***

「でも、ハルギスという王は実在したのでしょう」
少女が問い返す。学者は首を捻り、席を立って、文献の広がるテーブルの前を行き来した。
姫君に講義をしているようで、彼はどうにも落ち着かなかった。

「ハルギスは王ではありません。碑文には皇帝、と記されています。
 皇帝は東洋の絶対君主の称号で、王に王たる神君の意、
 この名がみだりに用いられることはありえません。
 皇帝を名乗るほど強大な国家が、この荒漠なアルマール領にあったとは誰も知りませんし、
 その記録もない。ハルギスなる名も知られていない。
 ここアルマールのみならず、周辺地域の文献にも見当たらない。それが謎です」
「実在はしなかった?」
「それにしてはあの遺跡の規模は異常です。あれが本当に廟だとすると。
 確かにかつて、絶大な権力を持った何者かがいた、それはハルギスという名だった、
 彼は何者だったのか…それが分からない」
「誰も知らない皇帝。遠い時代の?」
夢をみる少女の口調に、学者はかすかに笑う。



341 :6 生者の埋葬 :2005/07/26(火) 14:45:51 ID:KRypO808
「精密な年代測定が必要ですが、建築様式や文字の形態を見るに、
 さほど古いものとも見えません。せいぜいが二、三千年前。
 その程度の時隔で、まして文字があるのに、
 皇帝と帝国の記憶が現代に全くない、というのは不自然です」

不自然という学者の表現に、少女はすこし不安になった。
崩壊の日からずっと続いている、不快な違和感。

「考えられるのは、わざと記録されなかった、あるいは記録が抹消されたということです。
 意図的に、そして大規模に隠蔽されたのだ…と思います」
「隠された? なぜ?」
眼鏡を置いて見つめる。少女の美しい瞳に、学者は胸をつかれる。

「それは。その理由こそ分かりません。しかし…。
 王統の廃滅や思想の弾圧なら、史上にいくらでもありうる。
 しかし、これほど徹底的に一国の存在が葬られた例はありません。
 そうさせるだけの感情を、私は他に知らない」

学者は、少女の感情を言い当てた。
「恐怖です」


342 :7 自動死体 :2005/07/26(火) 14:46:28 ID:KRypO808
領主ウディーンは、案内に従って天幕に入った。
案内の男は医師だといった。領主に示す。
「ご覧ください」
「…なんだ?」

それは動いていた。肉色の塊から、腕が突き出していた。
それが人間の体だと気づくのに間があった。それほど損壊した肉体だった。
「こんな状態で、生きているのか?」
「いいえ。この男は死んでいます」
領主は医師の顔を見返した。
虚空に指を掻き、男は半分の身を起こそうともがいている。

「身体の半分以上が失われていますし、心臓もありません。
 目は開いていますが、眼球の反応もありません。脳も機能していないのです」
「それでも、動いている」
生きているように、見える。
筋肉の痙攣などには見えない。戦士ウディーンは、数え切れない死者を見てきた。
肉体がどれだけ損傷すれば人間が死ぬかは分かる。この男は、死んでいるべきだった。

動く死体は、破れた肺から唸りをあげて息を吐いた。
このような異常な現象は経験がない。しかし思い当たる節は、なくはなかった。
「妖異の術か」
「ご領主、ウディーン様、この場所は一体なんなのです?」

答えず、首を振って、領主は天幕を出ていった。悄然と医師が後を追った。
喉から空気を吐きながら、死体が呟き続ける。
「…る…ぎ…す…」


343 :8 来臨 :2005/07/26(火) 14:46:59 ID:KRypO808
マナヤは目覚めた。

なにか夢を見ていたよう。不安な鼓動が胸に残って、胸元に汗を感じた。
体を起こし、笑顔を作ってみる。

紗のカーテンをのけ、少女は素足のままベッドを降りた。
薄い夜着に肌が透ける。窓から差す、月の光が恋しかった。

両手を広げて、つまさきで歩く。
子供のころ、こんな遊びがあった。今だって子供じゃない?
まっすぐの線を外れないよう、危ういバランスを取って、それが崩れて、
マナヤはふっと息をつく。

どうして時間は過ぎてしまうのだろう。
砂漠は変わらないのに。
変わらない砂の下に埋もれて、何も思わず、いつまでも眠っていたい。

月光の下に、黒い影が落ちた。

マナヤは凍りついた。
影はするすると伸びて人のかたちとなり、ゆらりと立ち上がった。
窓の月を背に、影は少女に手を伸べる。夢と現実が繋がって、少女を絶望させた。
再臨のときは来たれり。

(ss2)


344 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:16:54 ID:2rvyZbkw
「ララ・ムームーのエロ小説キボンヌ」
ウィザードリィの神々が現れて挨拶をしてきた。
全部で16レスくらいになる。

345 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:17:27 ID:2rvyZbkw
「止まれぃ。ここを通ることはならぬぞ」
俺の前に四本の腕を持った巨大な悪魔が出現し、立ちはだかる。
長年の迷宮暮らしのおかげですっかり怪物の類を見慣れた上に何度もここを通っている俺には、
今かかっているラツマピックがなかったとしてもそれがアークデビルと呼ばれる存在だとわかる。
「うぬ? 今日は一人ではないか。どうしたのだ?」
いつものように腕組みしながら現れたアークデビルは、今日はいきなり殴りかかっては来なかった。
鬼みたいな顔に訝しげな表情を浮かべて、一人でここまで歩いてきた俺を訝しげに見下ろしている。
何十回も顔を合わせていると人と悪魔の間にもちょっとした親しみが生まれるようで、
時々こうやって話しかけてくることがあるのだ。命のやり取りを通して生まれた友情という奴に
分類されるのだろうが、俺は強敵と書いて「とも」と読むような暑苦しい趣味はない。
まぁ、俺は悪の戒律を奉じているから、本当に退屈した時や貴重な情報が聞けそうな時以外は相手をしないが。
「どうした、早く答えぬか」
答えたくないので黙っていたら急かされた。悪魔には黙秘権という概念はないらしい。
本当のことを言えば、ダークロードの宝箱を開けたはいいが高圧電線を引き当ててしまって俺以外が
全員灰になってしまったという、まぁ、「しまった」が二つも重なってしまったということだ。
わざわざこちらまで来たのは、ダークロードの所から地上への転移地帯までが遠くて危険だったからだ。
不特定多数の相手に襲われ続ける転移地帯ルートよりも、アークデビルとララ・ムームーさえ斃せばいい
こちらのルートの方が割に合う賭けのように思えたからだった。
ヤカンやフェニックスで荒稼ぎして強くなりすぎたパーティが、調子に乗って唯一のスリルだとばかりに
危険な罠に挑んで火遊びをし、それに引っ掛かって受けた凄まじい被害の尻拭いに生き残りが奔走しているという、
初心者向けの教訓話にそのまま使えそうな話である。
もしこれで罠の解除に失敗したのが俺でさえなければ、俺はきっとアークデビルに面白おかしく話して聞かせたことだろう。
だが、俺が事の経緯を話してやるつもりがない以上、今回のアークデビルとの会話はここで終わりだ。
「鑑定屋の分際で生意気なんだよあのボケェ!」
「何の話だ!?」
九割以上の的中率を持つカルフォを外した挙句に「俺がリーダーなんだから俺の言う通りにしろ」とテレポーターの解除を
俺に命令してきやがった馬鹿司教への憎悪を思い出して気合を入れつつ、速攻でアークデビルをぶち殺すべく俺は跳んだ。
一応、灰を掻き分けて手に入れた特効薬が三つほどあるから即死や石化、麻痺といった状態に
さえならなければ最低でも三回の攻撃には何とか耐えられるのだが、この後にララ・ムームーが控えていることを
考えれば長期戦にもつれ込んで余計な消耗をするのは避けたい。
一気に撲殺するべく首に脚を絡めて組みつき、振り払おうと暴れ回るアークデビルの攻撃を際どいところで
回避しながら、忍者としての修練の末に剣以上の凶器と化した両の拳を全力で打ち込み続けた。

346 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:18:08 ID:2rvyZbkw
「よっしゃ!」
三十秒も殴り続けただろうか。俺の拳は骨が見えるくらいに酷い状態になったが、アークデビルの頭も挽肉になっていた。
倒れる巨体に潰されないように飛び退きながら、俺は小さく歓声を上げた。俺は勝ったのだった。
「……って次はラクダ野郎がいたか……あー、手が痛ぇ」
だが、次の相手が控えていることを思い出し、その喜びも消える。差し当たっては手の傷を治そうと思って袋から
特効薬を取り出そうとしたのだが、痛みのせいではなく関節自体が壊れているせいで手が使えない。
仕方ないので口を使って特効薬を取り出し、岩を噛み砕けるほどに鍛え上げた顎の力を使って瓶の口を開ける。
「たかがあの程度でこんなになるたぁな……明日からフェニックス通いして鍛えるか」
傷口に沁みる特効薬に舌打ちしながら、不甲斐ない拳を鍛えることを誓う。
「さて、次はこいつなわけだが……」
俺の目の前には扉がある。アークデビルが守っていた扉の向こうには、メイルシュトローム最強の生物がいる。
しかし、躊躇う理由にはならない。ここまで来た以上、もうここを突破しなければ地上には戻れない。
腹を括るしかなかった。俺は扉を蹴破り、間髪入れずに室内に駆け込んだ。
「うらぁっ、ぶっ殺してやるから覚悟しやがれ!」
いつものように部屋の真ん中付近に不確定名称「ララ・ムームー」というラクダのような影が見えるのを確認した俺は、
可能な限りの大ダメージを与えるべく不意打ちの手刀を叩き込もうと肉薄し、驚きのあまり急停止した。
「なっ、何だ、お前っ、進化したのか!?」
俺と同じように驚愕の表情を浮かべて硬直していた不確定名称「奇妙な動物」は、何とも異様としか言い様がない存在だった。
今すぐ回れ右したい衝動に駆られたが、それでは何の解決にもならない。俺は何とかして声を絞り出した。
「……お、お前……ララ……ムームーだよ……な?」
恐る恐るその奇妙な存在に問いかける。頼むから何かの間違いだと言ってくれ。
「………うん」
そこにいたのは、一人というべきか一匹というべきか、それとも二体というべきかが微妙な生物だった。
いかにも慌てて着込みましたといった感じでトーガを纏ったラマとラクダの合いの子のような外観の生物、つまりララ・ムームーの背から、
小麦色の肌をした美少女の素っ裸の上半身が全く下の生物と調和した様子もなしに生えているのだ。
ララ・ムームーは実は人とラクダとラマのキメラの失敗作か何かだったのだろうか。
俺は何だか見てはいけないものを見てしまったような気まずい気分のまま、ララ・ムームーの背中に生えた少女と見つめ合った。
「……違うよ。私はキメラじゃないよ。魔法生物だけど」
背中から生えた少女が口を開く。声にはまだ幼さが残っている感じだが、実年齢を知る参考にはならない。
「えっとね、これはトーガ・ラマスーツって言うの。
簡単に言うと着包みと鎧と拘束具を足して平均したみたいなもので、私の力を抑制する機能つき」
何やらもぞもぞと動いてララ・ムームーの抜け殻、いやトーガ・ラマスーツから這い出ようとしながら、無表情な少女は淡々と語る。

347 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:18:40 ID:2rvyZbkw
「私は人と会う時はいつもこれを着ていなければならない決まりなんだけど、君達しか来ないから普段は
鬱陶しいから脱いでいるの。入口のところにいるアークデビルが時間を稼いでいる内に着ればいいから」
直立不動に保たれたトーガ・ラマスーツを脱ぎ捨てて地面に降り立ったララ・ムームーを見て、俺は息を呑んだ。
驚くべきことに、こいつは身に寸鉄一つ帯びていない完全な全裸だったのだ。引き締まった小麦色の尻が艶かしい。
しかし、俺に背を向けているララ・ムームーはそんなことを気にした様子も見せず、トーガ・ラマスーツが着込む
トーガの位置がずれているのを直しながら淡々と語り続けた。
「でも、今日はもう来ないと思って油断していたわ。まさかこんな時間に来るなんて……アークデビルの悲鳴がしたから
跳ね起きてスーツを着ようとしたけど、結局間に合わなかったよ……ちゃんといつも通りの時間に来てよね」
「あ、いや、悪かったな……」
淡々と詰ってくるララ・ムームーに思わず謝ってしまったが、よく考えてみれば怪物の都合が悪い時に
部屋の中に突入するのは冒険者の心得みたいなものだから、謝る理由などない。
そう言い返してやろうとした瞬間、ララ・ムームーがこちらを向き、俺は言葉に詰まった。
「まぁ、いいけど。君とは顔なじみだから許してあげる。で、理由を知りたい?」
十四、五歳くらいの年頃のララ・ムームーが生意気なことを言いながら俺を見上げて問いかけてくるが、俺は答えられなかった。
ビューティのカツを喰らってだらしなく見惚れていた時のように、俺は少女の綺麗な裸に見惚れていたのだった。
頭頂部から爪先までに続く、理想に近いなだらかな曲線。
大人への過渡期特有の幼さと落ち着きが等配合されたような、「ララ・ムームーはエジプト人なんだぜ!」という
リック・ザ・ピックの法螺吹き野郎の言葉の意味がわかる、異国情緒溢れる整った顔。
少し小振りな感があることは否めないが漲る若さを感じさせる形のいい胸と、その先端を飾る桃色の乳首。
贅肉の欠片も見当たらず引き締まっている割に柔らかそうな腹。
筋肉と脂肪の割合とつき方が理想に近い感じの太腿とそこから伸びるすらりと長い脚。
その間に見える、ここだけ妙に幼い感じがする毛も生えていない綺麗な割れ目。
俺はそれらに魅了され、知らず知らずの内に欲望を滾らせていた。
膨らみきった逸物が、動きを妨げないように作られた忍者装束の前を凄まじい勢いで押し上げている。
この所グウィリオンやジプシー、ロイヤルレディなどの迷宮に住む女達とヤっていないせいで溜まって仕方がない。
幸いなことに今の俺には運さえよければララ・ムームーに一人で勝てる力がある。
折角の機会だから、ララ・ムームーから出てきた目の前のエジプト美少女で発散するか。
そう思ってじりじりと間合を詰めようとした瞬間、ララ・ムームーに機先を制されて俺は動けなかった。
「それはね、男の人が今の貴方みたいな状態になっちゃうからだよ。
でも、凄いね。男の人のってこんなになるんだ。それとも、君のが大きいのかな?」
相変わらずの無表情の上に僅かばかりの好奇心を乗せて、ララ・ムームーがなかなか痛い所を突いてくる。
それならきちんとした服を着ろ、という反論が頭に浮かぶが、行動を見透かされていたという事実に
僅かばかり動揺していた俺は、咄嗟に言葉に詰まってしまう。

348 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:19:12 ID:2rvyZbkw
「……冗談だよ」
にこりともせず、ララ・ムームーは言いやがった。
俺は顔を顰めて床に唾を吐いた。一瞬でも動揺した自分が憎たらしくて仕方ない。
「……もしかして、面白くなかった?……ちぇ、ウケると思ったのに……」
俺の反応からウケなかったことに気づいたらしいララ・ムームーは、無表情を僅かに悔しげなものへと歪めて舌打ちした。
しかし、こんなギャグがウケると考えるとは、どうやら、ララ・ムームーのユーモアセンスはかなり腐っているらしい。
「本当はね、私を造った人の命令なの。最初に私からトーガ・ラマスーツを脱がせた人の物になりなさいって」
これはギャグで言っているのだろうか。
幾ら何でも、先ほどの笑えないギャグよりも真実味のないこれが本当の話ということはないだろうと俺は思う。
ララ・ムームーがにこりともせずに「……冗談だよ」と言うのを俺は待った。待ち続けた。
「あ、造った人のことを訊かれても困るよ。私、その人のことは記憶を消されているから」
だが、俺の沈黙をどう受け取ったのか、ララ・ムームーは俺が望んでいるのとは全く異なる答えを返してきた。
どうやら、これはギャグで言っているのではなかったらしい。
力に魅せられたソーンか、快楽主義者のマンフレッティか、はたまた聖人面したゲートキーパーか。
ざっと容疑者の名簿が脳内に出来上がるが、どうにも黒しかいないように思える。
「それで、そんなことを俺に教えてどうするつもりなんだよ。俺の物になるとでも言うつもりか?
だったら一発と言わず、二発三発とヤらせてくれよ?」
これはもう話の流れからしてそういう流れだ。極上の異国美少女を抱けるとは願ってもない幸運だ。
嬉しくなったので、最近吹けるようになった口笛を吹いた。
「そうだけど違うよ」
しかし、ララ・ムームーの答えは要領を得ないものだった。そうだが違うとはどういうことなのか。
俺は目の前にぶら下げられたご馳走を持っていかれたような気分だった。苛々する。
「どっちなんだよ、はっきりしやがれ」
「ええとね、本当の条件はね、トーガ・ラマスーツを着た私を斃してスーツを剥ぎ取ることなの。
力ずくでスーツを脱がせた人の物になるっていうのが、造った人の命令なわけ」
淡々としたララ・ムームーの語り口に微妙な変化を感じ、俺は冷たい汗が背筋を流れ落ちるのを感じた。
ララ・ムームーは構わずに続ける。
「だからね……私と戦って勝たないといけないの。そうしないと、私は貴方の物にならないし、ここからも出られないの」
その瞬間、俺は身震いした。何の力も感じられなかった小柄な少女の裸身からこれまでに戦った誰よりも
強い力が立ち上り、物理的な圧力すら伴って俺に吹き付けてきたのだった。
「トーガ・ラマスーツを着せられていたのは」
ララ・ムームーと名乗った少女は例の如くの無表情で俺を見ながら、淡々と語った。
「そうしないと誰も私に勝てないから」
ララ・ムームーと呼ばれるメイルシュトローム最強の生物は、気圧されて立ち竦む俺に向かってゆっくりと迫ってきた。
ヤバイ。勝てる気がしない。誰だ、一人でも勝てるとか言いやがったのは。
援軍にホークウインド卿を寄越してくれ、大至急。

349 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:19:44 ID:2rvyZbkw
「頑張ってね」
ゆっくりと、だが全くの無駄のない熟練の戦士や忍者のような足運びだった。
もしかしたら、メイルシュトロームをうろつく中では一番強い忍者と言われている俺よりも
足運び限定では上かもしれない。
「ぐっ……!」
掴んだだけでも折れてしまいそうな細腕から繰り出された超高速の引っ掻き攻撃が
左腕を掠った瞬間、有り得ないことに僅かに引っ掛かった指先が忍者装束ごと肉をごっそり削っていきやがった。
幸い動かないほどの怪我ではないから特効薬はまだ温存できるが、痛いことには変わりがない。
「……真面目にやらないと死んじゃうよ?」
それだけの攻撃を繰り出してなお息一つ乱していない小柄な少女は、
淡々とした口調で喋りながらも矢継ぎ早に致死の一撃を繰り出してくる。
「ぐぇっ……!」
眼福としか言い様のない豪快な大開脚から放たれる鋭く重い蹴りがこめかみを掠り、脳味噌に響く鈍痛を残す。
この少女の攻撃は、直撃イコール死の図式が成り立つクリティカルヒット級の威力を秘めている上に、
完全回避が不可能なほどの速度で迫ってくるのだった。防御や回避は考えても無駄かもしれない。
しかも熟練の僧侶や魔術師よりも強力な呪文を使ってくる。
ますます勝てる要素がなくなってきた。トーガ・ラマスーツで力が抑えられていたというのは本当だったらしい。
こいつはララ・ムームーだが、俺の知っているララ・ムームーとは別の生物だった。
「……畜生、絶対生きて帰ってやるからな!」
俺は全神経をララ・ムームーの動きに集中し、呪文を使う暇を与えないよう被弾覚悟の超接近戦を挑んだ。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

「……負け……ちゃっ……た……」
俺の前にララ・ムームーと呼ばれるメイルシュトローム最強の生物が倒れている。
仰向けに倒れているララ・ムームーは息も絶え絶えといった様子で、ぼんやりと俺を見上げていた。
俺が全力で蹴りつけた片目は腫れ上がった瞼で塞がり、滅多打ちにしてやった全身には至る所に痣ができ、
上手く隙を狙ってかけてやった関節技の効果で、関節が幾つかおかしな具合に捻じ曲がっている。
口の端から血を垂らして全裸で大の字になっているララ・ムームーという光景を事情を知らない奴が見たとしたら、
十中八九、憐れな少女がボコボコにされた挙句にレイプされかかっていると受け取るだろう。
ガチンコファイトに勝利してその惨劇を演出したのは俺だった。
俺はララ・ムームーを見下ろし、激痛を堪えて小さく笑った。
「俺の……勝ち……みてえ、だな……」
ここだけを見れば俺の完全勝利に見えるのだろうが、俺の状態を見ればその認識もすぐに改まる。

350 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:20:16 ID:2rvyZbkw
何しろ、俺ときたらララ・ムームー以上の重傷だった。
部分的に石化させられた挙句に殴られた左腕は肘から先が砕けてしまっているし、
残った右も全力で殴り続けたせいで衝撃に耐え切れずに潰れている。
蹴りの直撃を受けたせいで右目が視神経ごと飛び出して、顔の前で振り子のように揺れている。
岩も噛み砕ける自慢の歯と顎は砕けている。頚動脈でも噛み切ってやろうと思って噛み付いたら、
柔らかそうな質感の皮膚からは予想もつかないほどの反発を食らって砕けたのだった。
身体中の至る所を掠めた引っ掻き攻撃によって忍者装束ごと肉が持っていかれ、全身が生肉色である。
これはもう、急いで特効薬のシャワーを浴びないと痛みで狂い死ぬか出血多量で死ぬかのどちらかだ。
ラバディを喰らった挙句に毒を受けているというような状態が今の俺に一番近いかもしれない。
「ち、畜生……滅茶苦茶に、やり、やがって……」
ララ・ムームーが完璧に動けなくなっていることを確認してから背を向け、特効薬が入った袋を探した。
さて、袋は無事に見つかったが、今回は両手が使えない上に口も使えない。どうするべきか。
満足に使えるのは骨だけは何とか生きている足くらいのものだった。
「……仕方ねえな……」
一瞬だけあまりに酷な現実に呆然としたが、すぐに気を取り直して激痛を発する足を瓶に伸ばし、
必死に瓶を掴み取ろうと努めた。
関節が限界以上に捻れて外れそうだが何とか堪え、瓶を掴み取ることに成功した。
後は簡単だった。
掴んだ瓶をそのまま脚を振り上げて放り上げ、落ちてくるところに蹴りを入れて叩き割ればよかった。
たったそれだけの動作で、俺の頭上にガラス片交じりの薬液が降り注ぐ。
傷口にガラスが刺さって痛いが、直後に染み透った薬液の魔力で全身の傷が一瞬で癒される。
よし、完全復活完了だ。
そう思いながらもどこかに傷が残っていないか自分の身体を見てみる辺り俺もチキンだが、
こうして改めて自分の身体を見てみて気づいたことがある。
肉ごと忍者装束を持っていかれたせいで、何と今の俺は本当の意味で全裸に等しかった。
はっきり言って、腰に布を巻いているだけバーサーカーやトログラダイトの方がマシだろう。
そこらに散らばっている忍者装束の切れ端を集めれば腰巻くらいは作れるだろうが、それも手間がかかりそうだ。
「てめえのせいで、素っ裸だ。どうしろってんだよ」
この惨状を引き起こした張本人のことを思い出し、悪態をつきながらララ・ムームーの方を振り返った。

351 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:20:48 ID:2rvyZbkw
「……これ……で……私……は、君……の、物……」
ララ・ムームーは焦点の合わない目でぼんやりと宙を見上げ、ほとんどうわごとのように呟いている。
仰向けになってもほとんど形を崩さずに天を目指している胸や痣だらけでも手触りのよさそうな肌は
扇情的だったが、所々でへし折れている手足や塞がった目、虚ろな瞳がそれを台無しにしている。
俺は自他共に認める悪人でレイプも嫌いではないのだが、殴りつけて屈服させるようなのは嫌いだったりする。
快感よりも苦痛の方が強く顔に出ている女は、抱いてもあまり興奮できないタチなのだ。
だから、このままこいつを犯したとしても自分で扱くより気持ちいいということはないだろう。
「ちっ、手間かけさせやがって」
舌打ちして最後の特効薬の瓶の首を手刀で斬り落とし、ぬるぬるした薬液を大の字で横たわる
ララ・ムームーの小麦色の裸身にぶちまけた。流石はマディの効力が封じ込まれた薬液だけあって、
中身を全てかけ終えた時には、傷だらけだったララ・ムームーは元通りの完璧なエジプト美少女になっていた。
もともと綺麗な身体だったが、まだ乾いていない薬液がこの辺りではあまり見かけない小麦色の肌を艶かしく光らせているせいで、
そこに外見不相応な妖艶さが加わり、存在自体が誘惑のような姿になっている。剥き出しの逸物が再び熱く滾り出す。
「……治して、くれたの?」
ララ・ムームーは手を開閉したり足の指を動かしたりして身体の調子を確かめながら、俺のことを見上げている。
「ああ」
発された問いに素っ気無く答えを返した俺だったが、頭の中はこの身体を思う存分に撫で回したいという
人間的にはアレでも生物としては正しい衝動で一杯だった。
俺はララ・ムームーに跪くようにして膝を突き、無造作にそのぬらぬらと濡れ光る魅力的な身体に手を伸ばした。
「……私、マディ使えるし、ヒーリング能力もあるから別によかっ…あっ……」
何か生意気なことを言い出すララ・ムームーを無視し、薬液にまみれた形のいい胸を軽く掴んだ。
ララ・ムームーが小さく吐息を漏らして震えるが、それにはお構いなしに薬液を擦り込むようにして撫で回す。
胸が小さめの女は強く揉むと痛がるから、感じさせてやるつもりがあるのなら手触りを堪能するように撫で回すのが一番いい。
俺は薬液でぬめる柔らかい肌と手の中にすっぱりと収まる胸の弾力を堪能しながら、もう片方の手で身体中を撫で回した。
「ん……ふ……何……してるの…?」
「ああ、イイコトだから気にすんな。黙って悶えてろ」
くすぐったそうに身を捩るララ・ムームーに適当な答えを返しつつ、首筋に始まり、肩、二の腕、手首、
胸元、腹、脇腹、太腿、尻、膝、足首、爪先、そして割れ目付近といった具合に、
性感マッサージとローションプレイの合いの子のような手つきで全身を撫で回していく。
本当に手触りがよくて触っているだけで凄まじく興奮してきたのだが、今すぐ突撃したいのを堪えて愛撫に徹する。

352 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:21:19 ID:2rvyZbkw
「はぁ……ん……ひっ、ぁ……」
身を捩るララ・ムームーを半ば押さえつけるようにして撫で回していると、次第にララ・ムームーの息が荒くなってきた。
感じてくるとやたらと声を出す女もいればあまり声を出さない女もいる。ララ・ムームーはどうやら後者らしい。
「どうよ、気持ちいいだろ?」
刺激されて尖った乳首を摘んで捻ったり、臍の辺りを指先で撫でたりして反応を楽しみながらララ・ムームーに訊いてみた。
実際、俺に、いや、俺に限らず繰り出す攻撃のほぼ全てがクリティカルヒットになるような高レベルの忍者に
全身を念入りに愛撫されて感じない女は少数派だと言っていい。はっきり言って、俺達の愛撫は不感症の女も悶絶させる。
一般人は敵の急所を見抜いて一撃で倒す技としか認識していないクリティカルヒットの技だが、実は色事にも応用できるのだ。
たとえば乳首の弄り方一つとっても、摘む強さから引っ張る角度、舐める位置から口に含む部分に至る全てを
相手の好みに合わせて加減できる高レベルの忍者ならば、それだけでイクほどの快感を女に与えられる。
一流の忍者は男女共に一流の色事師でもあるのだ。どんなに純情な奴でも、技術だけは訓練所で叩き込まれるのだ。
「ふぁ……身体が熱くて……むずむずする……気持ちいいよ……んぅっ…そこ……もっとぉ……」
全身を這い回る俺の腕を抱え込むようにしがみつきながら熱い吐息を漏らすララ・ムームーは、快楽によって
潤んだ瞳で俺を見上げ、更に多くの快感を要求してくる。何も知らないように見えて意外に好き者のようだ。
「こんなに濡らしやがって、床に垂れてるじゃねえか。お前、案外エロい奴なんだな」
見れば、すっかり全身から余計な力の抜けたララ・ムームーの毛も生えていない桃色の割れ目からは、
舐めたら舌に絡みついてきそうなほどねっとりとした愛液が滴り始めている。
俺の手が触れるたびに感度のよさを示してくれるララ・ムームーは、火照った顔に不思議そうな表情を浮かべていた。
「……私、んっ、えっちな、ぁ、娘、なの…?」
「いや、これで普通だろうぜ。むしろ、他の女の方があんあんうるさかったな」
ここまで素直な反応を示されると、愛撫を加えた俺としても物凄く嬉しい。
あまり嬉しいので、俺も楽しくララ・ムームーにも気持ちいいという一石二鳥のサービスをしてやる。
「ひっ…ぁ……んっ、ふぁっ……ぁんっ……」
力なく投げ出された両脚の間に身体を割り込ませて汗と薬液に濡れた太腿を撫でながら開脚させ、
露わになった割れ目に舌を這わせ、ねっとりとした愛液を舐め取る。とても美味い。
「あっ、それ、いいっ、もっと、もっとして……」
もっと舐めたくなったので中に舌を差し込み、少し激しい舌遣いで掻き混ぜて啜り上げたら、
ララ・ムームーは凄まじい反応を示した。柔らかい太腿で俺の頭を挟んで固定し、
舐め取る側から愛液が湧き出してくる割れ目を擦りつけてきたのだ。
「げっ、おい、ちょっ、待てって……!」
柔らかい太腿の感触は最高だったが、万力のような力で頭ががっちりと固定されていて動かせない。
擦り付けられてくる割れ目は匂いといい味といい最高だったが、口が塞がれるのと愛液が流れ込んでくるのとで息ができない。

353 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:21:52 ID:2rvyZbkw
「気持ちいいよぉ……そこぉ……そこもっとぉ……」
逃れようともがく動きすらララ・ムームーには快感となって伝わるのか、びくびくと震える太腿に込められた力が強まる。
こうなったら、腹を括るしかない。あの死闘を制した挙句に女の股に挟まれて窒息死しましたでは本当に笑い話だ。
「ひゃんっ、そこっ、そこもっとっ……!」
口内でサクランボの茎を蝶結びにできる器用さと某殺し屋のように頭蓋骨を貫くほどの強靭さを兼ね備えた舌で
ぎちぎちに締め付けてくる内側を探り、特に反応が顕著な所を探り当てる。
太腿を抱え込むようにして必死に顔を動かし、ララ・ムームーの急所を激しく舌で刺激し続けた。
とにかく、早いところイカせて脱力させないと流れ込んでくる愛液で溺死するか押し付けられた割れ目で
窒息死するかのどちらかだから、俺も必死だった。息苦しさを堪えつつ、命懸けでララ・ムームーの急所を探り続ける。
先ほどまでの興奮もどこへやら、今の俺は生きるのに必死だった。これはセックスではなく、戦いだった。
「あっ、んっ、いぃっ、そこっ、そこぉっ……!」
「ぐぇぇ……!」
舌を触手のように蠢かせて弱点を責め立てながら鼻先で陰核を押し潰すように擦り上げてやった瞬間、
俺の頭を柔らかく固定している太腿に何の前触れもなく鬼のような力が込められ、割れ目に密着している
口の中にねっとりとした愛液が大量に噴き出してくるのを感じた。どうやらイッたらしい。
ララ・ムームーが全身を震わせて悶絶している数秒の間、俺は頭蓋骨はみしみしと軋む痛みに悶絶していた。
物凄い筋力だった。これが柔らかい女の太腿でなく硬い石か何かだったら、間違いなく俺の頭蓋骨は砕けていただろう。
もしかして、ララ・ムームーを自分の物にする条件が力ずくなのは、最低限それだけの力がなければ、
一緒にいるだけで諸事情によって遅かれ早かれ殺されてしまうことになるからだろうか。
流石はメイルシュトローム最強の生物だった。普通にセックスするのさえ命懸けだ。
「ぁ……ふぁ……あ……」
ララ・ムームーの全身からすっかり力が抜けて拘束が外れた瞬間を見逃さず、太腿の間から頭を引き抜いた。
「ぷはっ…! マジで死ぬかと思ったぜ……しかし、空気がこんなに美味えとはなぁ」
空気の美味さに感動しながら、脱力しきったララ・ムームーを見る。
「……ん……気持ち、よかったよ……」
俺の視線に気づいたのか、荒い息を吐いて小振りな胸を上下させていたララ・ムームーは
初めて見た時には仮面のように無表情だった顔に満足げな目元を緩めている。
物凄く可愛かった。笑うと可愛くなる女はたくさんいるが、こいつはその中でも上位に位置する。
緩んだ表情に見惚れたせいで返事をするのに一瞬だけ間が空いたが、正直に見惚れていたと言うのも
馬鹿馬鹿しいことのように思えるので適当に流してさっさとヤってしまうことにした。
「……おう、そうか。んじゃ、俺も気持ちよくならせて貰うわ」
ララ・ムームーの華奢な身体を組み敷き、背中に腕を回して逃げられないように抱き込む。
俺の行動に気づいたのか身じろぎして逃げようとしているが、もう遅い。
既に、鉄棒のように硬くなった逸物を一回イッて蕩けた割れ目に押し当てている。

354 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:22:24 ID:2rvyZbkw
「あ……待って」
少しだけ押し込んだ瞬間、待ったがかかったが、待ってと言われて馬鹿正直に止まる男はまずいない。
少なくとも、俺の知る限りでは俺も含めてこの状況で待つ奴はいない。
「知るか」
俺は構わず腰に力を入れると同時に体重をかけ、逸物を押し込もうとした。
だが、無理だった。
「あのなぁ……」
先ほど俺を窒息死寸前まで追い詰めた太腿が、再び俺に牙を向いた。
「おいこら……」
人間どころか魔物としても規格外の筋力で俺の腰を挟み込み、これ以上の全身を阻んでいる。
特効薬の薬液が既に乾いてしまっているせいで滑らない上に筋力が拮抗しているので、進むことができない。
「てめえ、いい加減にしろよ」
俺はかぶりつく寸前でお預けを喰らった犬のような気分でララ・ムームーの顔を睨みつけた。
「待って……初めてはベッドがいい……本の中ではそうだったから。
あと、私、初めてだから優しくしてね……って言うと男の人は喜ぶって書いてあった」
ララ・ムームーが読書家だったということには新鮮な驚きを覚えるが、それよりもまず一体どんな本を
読んでいるのかと問い詰めたくなり、更には正直に言うなよとも思う。
「しょうがねえな……」
何を考えているか今一つわからない顔を見て毒気を抜かれたので、溜息をつきながら腰を引いてやった。
くっついたままでいるとまた突っ込みたくなってしまうので、断腸の思いで身体を離して立ち上がる。
「あ……ベッドは向こう。それと、初めてっていうのは本当だから……」
指された方を見てみると、普段は何もない部屋の隅に小さなベッドがあった。いつもは隠しているのだろうか。
毛布やシーツが乱れているのは、アークデビルの悲鳴で飛び起きたきりそのままだからだろう。
「……で、お前は何してる」
上半身に飛びつき、そのまま俺の首に腕を回してしがみついてきたララ・ムームーに冷たい視線を送る。
正直な話、腹にくっつくくらいの急角度で発情している逸物が俺の腹とララ・ムームーとの間に挟まれて、
とろとろに蕩けた割れ目に擦られる位置にあるのが素股をしているみたいで気持ちいいのだが、それは言わないでおく。
「あのね……お姫様抱っこでベッドに連れて行って」
逸物が素股状態になっているのに気づいているのかいないのか、例の如くの無表情で俺を見上げてくる。
これも本で得た知識なのだろうか。だとしたら、ろくでもない本ばかり読んでいるとしか言い様がない。
「……わかったわかった。言う通りにしてやるよ」
力ずくで犯そうとしてもたぶん無理だろうから、ここは大人しく言うことを聞いてやることにする。
膝裏に手を回して全体を支え、背中に腕を回して上体を支え、最後に俺の首に掴まらせる。
体重だけは外見相応なララ・ムームーはとても軽いので、特に困難はなかった。
「これで満足したか?……まだ何かあるならさっさと言え」
「ううん……満足したよ。それじゃ、ベッドで、ね?」
ララ・ムームーは俺の投げやりな問いかけに首を横に振ると俺の肩に頭を預け、嬉しそうに目を細めた。

355 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:23:10 ID:2rvyZbkw
「んじゃ、いただくからな。力むと痛いから全身の力抜けよ」
大柄な俺には少し小さい気もするベッドにララ・ムームーを下ろし、蜘蛛が獲物を捕らえるようにゆっくりと覆い被さった。
「心配してくれたの?」
首に腕を回して抱きつきながら、ララ・ムームーは不思議そうに俺の顔を見てくる。
「まぁな。ギャーギャー喚かれたら萎えるしよ」
「ふぅん、意外に優しいんだね、君」
俺の答えに一瞬だけ意外そうな顔を見せ、直後に僅かな笑みを浮かべる。
何となく雰囲気が和んだのはいいが、これから一発ヤるという空気が消えてしまったのはどうにも困るところだった。
雰囲気を和みモードから濡れ場モードに戻すべく、クリティカルヒットを繰り出す熟練の指先を割れ目に潜り込ませた。
指を食い千切られそうなほどきつい穴に指先だけを差し込み、僅かに曲げ伸ばしして微弱な刺激を与えていく。
「んぁっ……は……ふ……きゅ、急に、何、するの……んっ…あ、も……もっと……ぁ…ん」
快楽の色の混ざった抗議の声が上がるが、既に知り尽くした入口付近の弱点を責め抜いたのですぐに大人しく身を任せてくる。
例によって太腿が動いて俺の腰ごと腕を抱き込もうとしてくるが、先ほどの轍を踏まないために前もって太腿に
殺人的な力が入らないように忍者の寝技を駆使して押さえ込んであるため、普通に抱きつかれているのと同じ圧力しか感じない。
「ん、そろそろいいだろ」
シーツに染みができるほどの愛液を滴らせる蕩けきった割れ目に逸物を押し当てる。先端に感じられる愛液のぬめりが気持ちいい。
女巨人には「子供みたい」と笑われるがそれでも一応あいつらとヤれるほどの巨根だから、こんな毛も生えていないような
割れ目に果たしてまともに突っ込めるのかどうか疑問だったが、少しずつ慣らしていけば何とでもなるだろう。
「ん……ふぁ…い、入れる、の……?」
俺の指先が与えた快楽の余韻に浸っていたらしいララ・ムームーが酔っ払ったような目で顔を見上げ、
背中に手足を回してしがみついてくる。準備はできたということだろう。
「おう。じゃ、いただくぜ……おっ、凄ぇ、締まりだな……流石、処女……」
俺は腰をゆっくりと突き出し、毛も生えていない桃色の割れ目に逸物をめり込ませた。
小さな割れ目を押し拡げて突き刺した逸物の先に蠕動する肉壁が絡みつき、噛み付くように締め付けてくる。
これまでに犯してきたどの女よりも強烈な締め付けと心地よい肉壁を備えたこれは、紛れもない名器だった。
少し締め付けが強すぎるような気がしないでもないが、これから何度も何度も使い込んでゆっくりと
いい具合になるように慣らしていけば、全く気にならないと言ってもいいほど些細な難点もすぐに消えるはずだ。
俺の物になるということはこれからずっと連れ歩けるわけだから、その気になれば四六時中ハメたままでもいられる。
全く、明日からの生活が楽しみで楽しみで仕方がない。

356 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:23:42 ID:2rvyZbkw

「あっ、ぐっ……痛……っ…!」
先を突っ込んだら、何かを引き裂いたような感触が伝わってきた。
処女膜を破ったのだった。
あれだけ殴っても涙一つ零さなかったララ・ムームーは、処女喪失による痛みに涙を零しながら苦鳴を漏らす。
痛みを紛らわせるためか反射的にかは知らないが、俺の身体に絡めた手足に力を込め、しっかりと抱きついてきた。
俺も同じくらいに力を込めてしっかりと抱き返してやり、涙に濡れる頬にキスしながら囁いた。
「そうか、痛ぇか……我慢しろよぉ、もうすぐよくなるからよ」
苦痛と恐怖で泣き出されて萎えてしまうといったことがないよう、しっかりと抱き締めて安心感を与えてやる。
男のことを気分的に受け入れている女というのは全くちょろい。身体を密着させて優しい言葉をかけたり、
励ましてやったりすれば、ただそれだけのことで処女喪失に対する恐怖や不安を解消させることができ、
それと同時に苦痛を和らげてやることができる。
案の定、ララ・ムームーは俺の頬にキスを返しながら、痛みを堪えるように笑った。
「う…ん…我慢、する……」
「よし、いい子だ……」
頭を撫でてやりながら、少しずつ少しずつ、壊さないように引き裂かないように、慎重な動きで奥を目指していく。
強烈な締め付けと共に余すところなく包み込んで絡みついてくる肉壁の感触がとても心地いいせいで、
思わずこのまま全力で突っ込んで思う存分に腰を振りたくなってくるが、処女にそれをやったら確実に
嫌われるので今後も付き合いが続く可能性がある相手には絶対にできない。忍者として鍛えた自制心をフル稼働させる。
蛞蝓が這うような速度で少しずつ押し進み、たっぷりと時間をかけて根元までを内部に納める。
それにしても、凄まじい快感だった。徐々に慣らしながら進んだおかげで入れただけでイクという事態を
避けられたが、もし誘惑に負けて一気に貫いていたら発狂しそうな快楽の中で早漏の不名誉を被っていたことだろう。
「……ん…全部…入、った…?」
腰が密着したことがわかったのか、ララ・ムームーが俺の頬にキスをしながら囁くような声で訊いてくる。
「おう。しかし、よ…凄ぇな、お前の中。何つーか、すぐに出ちまいそうだ……まだ痛いかよ?」
本音を言うと今すぐにでも好きなように突きまくりたいところだったが、痛がるようならまだやめておくつもりだ。
折角、自制心を働かせてここまで耐えたのだから、それを無駄にしてはいけない。
「ん…まだ、少しズキズキする……かな…?」
もう大丈夫そうだが、強がっている可能性もあるので少し別の所を責めてリラックスさせてやった方がいい。
「そうか、んじゃ、気持ちいいだけにしてやるよ」
頬に当てていた唇を離して少しずつ下を責めていき、首筋を舐め上げたり胸元にキスマークをつけたりして
ちょっとした愛撫を加えていく。全身を撫で回したことで急所は全て知り尽くしているので、悶えさせるのは簡単だ。
瑞々しくなめらかな肌の弾力と僅かに滲んだ汗の味を楽しみながら、首筋から胸元にかけてを何度も舐め回す。

357 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:24:15 ID:2rvyZbkw
「ふぁっ…っ…あぁ……ぅ…ん…」
涙目で苦痛を堪えるような表情を浮かべていたララ・ムームーの顔に、少しずつ快楽の色が浮かんできた。
背中に回していた手を俺の後頭部に回して優しく抱え込み、もっと舐めろと要求してくる。
太腿で俺を殺しかけたことを反省しているのか、今回は強すぎる力で絞めつけてくるようなこともなかった。
「よしよし、これくらいの力なら可愛いもんだ。どれ、可愛がってやるか」
ララ・ムームーが喘ぎ声を漏らして身じろぎするたびに連動して程よく締め付けてくる肉壁に身震いしつつ、
力加減というものを理解したことに対する褒美としてぷっくりと膨らんだ桃色の乳首に舌を這わせてやる。
「あっ……んっ…」
余程気持ちいいらしく、尖った乳首の先を舌で撫でてやるたびに全身を震わせている。
俺が探り当てた急所によると、こいつは乳首の先が弱い。乳首全体でもなければ乳首の側面でもなく、
とにかく先端のごく狭い部分を責められるのが弱いのだ。
こいつの場合、乳首をしゃぶるよりは舐めてやった方がより高い快感を導けるのだった。
俺としては舐めるのでは物足りないのだが、処女だということで特例扱いにしてこいつの快楽を優先してやっている。
次回からはしっかりと俺のやりたいようにやらせて貰うつもりだ。
「あぁ…ん……そこ、好きぃ……もっとぉ……」
恍惚として俺の舌を求めているララ・ムームーの声からは、完全に苦痛が消え去っている。頃合だった。
そろそろじっとしているのが辛くなってきたこともあり、俺はゆっくりと腰を動かし始めた。
「えっ、あっ、んんっ…ひっ…ぁ、ぁ……!」
咽び泣くような声を上げてしがみついてきたのでまだ痛いのかと思ったが、よく確かめてみるとララ・ムームー自身も
俺の動きに合わせて腰を動かしている。どうやら、胸を弄ったことで完全に痛みが紛れたらしかった。
「き、きも、気持ち、いぃ…よぉ……もっと……もっとぉ……」
しっかりとしがみついて囁き声のような嬌声を上げるララ・ムームーがとても可愛らしいので、押せば甘い抵抗を返し、
引けばいやらしく引き止めようとする名器のこともあってついつい俺も腰を激しく動かしてしまう。
処女を相手に激しく突くのは少しまずいかもしれないが、ララ・ムームーならば平気だろう。
それに、激しくとは言っても、しっかりと両手足を使ってしがみつかれてしまっているせいで、実質的には
身体を密着させたまま身体を揺さ振っているだけだ。動き自体は激しいものの突く運動としては大したものではない。
「あっ、気持ちっ、いい、よぉ…っ…ん…くぅ……ひゃ……ぃっ…」
だが、俺達にはそれでも充分だった。
俺はララ・ムームーの弱点ばかりを責めているし、ララ・ムームーの中はただ入れているだけでも気持ちいい名器だ。
こうして密着したまま揺さ振るだけでも、相当な快感がもたらされる。ララ・ムームーは夢見心地のような表情で
身悶えしていてイク寸前のようだったし、決して早漏ではない俺も腰が砕けるような快感にもう発射寸前だった。
「おら、イッち、まえ……!」
「あっ、んっ、やぁっ、そこはぁ……っ…!」
個人的な好みとして女よりも先にイキたくない派の俺は何とかしてララ・ムームーをイカせるべく、指や舌では届かない
弱点がそこかしこに並ぶ場所を激しく突き擦った。ララ・ムームーの肉壁が獣のように絡みついてくる。

358 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:24:48 ID:2rvyZbkw
「あっ、そこぉ…そこだめぇっ、くぁっ……んんっ…!」
責めた所は弱点ばかりだったので当然のことながらどこも反応が凄まじかったのだが、
その中でも一際反応が顕著だった部分ばかりを重点的に擦ってやると、ララ・ムームーは
忍者として鍛え抜いた俺の骨が軋むほどの力で抱きつき、全身を大きく震わせながら高らかな嬌声を上げた。
激しく震える肉壁も食い千切られそうなほどの強さで締め付け、俺も一緒にイケと雄弁に要求してくる。
俺は耐えた。
最後の最後まで耐えて、耐え切れなくなる限界まで達したところで解放するのが気持ちいいのだ。
ただし、頭の中で小難しいことを考えて快感を紛らわせるような我慢の仕方は激しく邪道だ。
また、もう駄目だと思った瞬間にイクような奴に至っては論外だ。
あくまでも、快感を何よりもはっきりと認識しながら耐えるから気持ちいいのだ。
「ぐっ……あぁ……!」
最後に繰り出された強烈な締め付け攻撃に俺は屈した。込み上げてくる射精感を抑えきれない。
情けない声を上げながら、俺はララ・ムームーの華奢な身体を抱き締めた。
「ちっ……も、もう駄目だぁ……!」
腰を一際深く沈め、これまでに強いられてきた長い禁欲生活によって溜まりに溜まった精液を
子宮に直接流し込むような勢いで全力でぶちまける。
雄の本能に従ってララ・ムームーの身体を押さえ込み、孕みにくい安全日の女でも確実に孕ませそうな量を流し込み続ける。
ドクドクという効果音が脳内で響くほどの量が、大きく痙攣する逸物から迸っているのが感覚としてわかる。
「あっ、熱い……のが……中にぃ……ぁん……」
すっかり身体から力が抜けたララ・ムームーは、火照った顔に陶然とした表情を浮かべている。
身体の中に精液を注いでいる最中にこういう顔をされると、出している俺としてももっと出したくなってしまう。
幸いなことに、ぐったりとした様子のララ・ムームーとまだまだ元気な俺とを繋げている逸物はまだ硬い。
実年齢は五十を超えたが一応イハロンで三十歳程度の肉体年齢を保っている俺だったが、
下半身の方は三十どころかまだまだヤりたい盛りのガキ共並みに若いらしかった。なお、頭の中身に関してはノーコメントだ。
「まだ、終わりじゃ、ねえぞ……」
激しい運動をしたばかりで息が乱れているが、まだまだ俺は元気だ。しかし、このまま二発目というのも味気ない。
「折角だし、バックでヤって、みるか」
ぐったりとしているララ・ムームーの背中に腕を回し、身体をうつぶせにひっくり返してから腰を掴んで尻を掲げさせる。
もちろん、逸物を抜くような勿体無いことはしない。身体をひっくり返す時の逸物を捻られるような感触をきちんと味わう。

359 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:25:20 ID:2rvyZbkw
「……ふぇ…? な、何ぃ……?」
汗だくになって火照った上半身をぐったりとベッドに投げ出して尻だけを俺に対して掲げているという、凄まじくエロい状態の
ララ・ムームーはまだ事態が飲み込めていないらしく、快楽に酔っているような表情で俺の顔を見上げてくる。
「抜かずの二発目って奴さ」
誰もが振り返りそうな可愛い上に綺麗な本当の意味での美少女に尻を掲げさせているという状況に
更なる興奮を味わって発情しまくってはいたが、まだ相手の言葉も聞こえないくらいには盛っていない。
「抜か、ず…?…何、それ…んひゃぁっ……!」
しかし、長々と話し込んでいられるほど冷静でもなかった。よく意味が飲み込めていないらしく問い返してくる
ララ・ムームーの言葉が終わるのすら待たず、俺は腰を動かした。
若々しい弾力と女の柔らかさを兼ね備えたいい尻を割り開くようにして揉みながら、カリが引っ掛かる所までゆっくりと腰を引く。
刺激を受けて充血した肉がめくれ、出て行くのを引きとめようとするかのように逸物に絡みついてくる感触を存分に楽しむ。
割り開かれたせいで丸見えになったアヌスがひくつくのを見てここも弄ってやりたい衝動に駆られるが、
ここは次回以降にここだけを徹底的に可愛がってやる予定をもう立ててあるので我慢する。
腰を引いたら、今度は押し込む。今度は逆に押し潰すように尻を揉みながら、根元までゆっくりと押し込んでいく。
先ほどまでは行かないでくれと懇願していた肉壁が、今度は拒むように締め付けてくるのを楽しむ。
ついでに、腰に密着して変形し、必死に押し返してくる尻の弾力も楽しんでおく。
イッたばかりで敏感になっているララ・ムームーは、こんな具合に動かしただけでも大袈裟な声を上げて仰け反る。
何というか、可愛いという以外にこいつのことを表現する言葉が思いつかない。
「こういう、こと、だって、の!」
その反応に情欲を煽られてしまった俺に、いつまでも悠長に逸物を抜き差ししているような余裕があるはずもない。
途中でくずおれられて逸物が抜けてしまうといった興醒めなことが起こらないよう華奢な腰を掴んで尻を固定し、
ララ・ムームーの強靭な肉体でなければ壊してしまいかねないほどの強さと速度で腰を叩きつける。
「あっ、強っ、強ぃっ、よぉ…っ…! ひぃんっ、ふぁ……あぁっ、ん……!」
肉同士のぶつかる音が立つたびに啜り泣きのような声が聞こえてくるが、別に苦痛を感じているわけではない。
苦痛を感じているのなら俺の動きにタイミングを合わせて尻を押し付けてくることもないだろうし、
第一、本当に嫌がっているのならもっと辛そうな声で泣くだろう。
だから、小さめの枕を抱え込んで尻を振るララ・ムームーが放っているのは、紛れもない嬌声だ。
「ひっ、ぁ、ぁぅ……ぃ……いぃ……んぁぁっ……!」
心の底から気持ちよさそうな恍惚とした表情を浮かべたララ・ムームーは、汗と愛液で濡れ光る尻を
高々と掲げながら激しく腰を振り始めた。どうやら、もう気持ちよすぎて抑えが効かないようだ。
それにしても、俺がもうそろそろイキそうな頃合になると同時に自分もイク寸前になるとは、
こいつと俺の身体の相性はもしかしたら物凄くいいのかもしれない。

360 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:25:52 ID:2rvyZbkw
「うっ……そ、それじゃ、二発目、イカせて、貰うぜ……っ…!」
お互いにイキそうになっているのなら、先にイクのは嫌だなどと変に意地を張る必要はもうない。
俺がイケばララ・ムームーもイクだろうし、ララ・ムームーがイケば俺もイクだろう。
腰とララ・ムームーの尻が隙間なく完璧に密着し、更にはその華奢な身体が浮き上がるほどの力を
腰を掴む手に込めて俺の方へと引き寄せ、より深くへと逸物をねじ込んだ。
「ひっ、も、ぉっ、やぁっ……ひぁっ…ぁぁ…………!」
ララ・ムームーが枕を抱き締めたまま大きく反り返り、声にならない嬌声を上げる。イッたらしい。
かく言う俺も、逸物全体がぎちぎちに締め付けられたことによって訪れた、脳味噌が破裂しそうな快感に
耐え切れず、再びララ・ムームーの中に大量の精液を吐き出した。
「うっ……す、凄ぇ……っ……」
エナジードレインを受けている最中のような、全てを搾り取られていく心地よい脱力感を感じる俺。
女を抱いてここまでの快感を味わったことは、これまでになかった。
心地よい脱力感を覚えて精液を吐き出しながら、汗の浮いた小麦色の背中に覆い被さる。
「……ぁ……お腹が……熱……ん…っ………ぁ…」
快楽の余韻に浸りながら、熱く滾った精液を注ぎ込まれる感覚に身悶えしている、幸せそうなララ・ムームー。
俺が与えてやる快感によがる女はいても、幸せそうな表情を浮かべる女はこれまでにいなかった。
覆い被さった俺に対して、ララ・ムームーは繋がったまま身体を反転させて抱きついてきた。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

「……ねぇ……」
俺達は繋がったまま、小さなベッドに寝転がっていた。唐突に、腕の中のララ・ムームーが俺の顔を見てくる。
「私達って、愛し合っているの?」
例の如くの無表情でわけのわからないことを言われ、俺は思わず聞き返した。
「あ? 何だよそりゃ。どういうこった?」
「こういうことをするのは愛し合う人同士だって、本に書いてあったから……」
また本の話か。本当に、こいつは一体どんな本を読んできたのか。こいつの本棚を漁りたくなってきた。
「……それに……好きな人とすると幸せな気持ちになれるって……だから、私は君を愛しているのかもしれない」
抱きつき、胸に頬を擦り寄らせてきながら、俺の顔を真っ直ぐに見上げてくる。
「……君は、どうかな。私のこと、愛している?」
正直な話、俺には愛というものはよくわからない。愛したこともないし、愛されたこともない。
「……知らん。たぶん、愛しちゃいねえとは思うがよ」
ララ・ムームーの表情が曇る前に付け足した。
「だがよ、一緒にいりゃ、その内に情も湧いてくるかもしれんぜ」
「……うん。一緒にいよう……」
だが、幸せそうに俺の胸に顔を埋めてくるララ・ムームーの表情を見ると、愛されるというのも悪くないことのように思える。
同時に、愛されるために愛し、愛されたから愛すということも、とても幸せなことに思える。
「……ちょっと疲れたから寝るわ。抱き枕になってくれや」
だから、もう少しここでじっとしていよう。俺はララ・ムームーを抱き締め、目を閉じた。
「……うん。私も寝るね」
ララ・ムームーが寝息を立て始めるのを聞きながら、俺は夢の世界に旅立った。

361 :霜ノ関 ◆EWgLYoRkiM :2005/07/27(水) 19:27:37 ID:2rvyZbkw
タイトルは「ララ・ムームーの正体」でよろしく。

指摘される前に言っておく。
アークデビルの居場所は扉の外にずらさせて貰った。また、後続モンスターも省略した。
ララ・ムームーの中の人に関しては何の考察もしていないから、ただの思い付きだ。
プレイヤーは生存者一人でララ・ムームーに特攻しようなどと考えないことは百も承知だ。
そして忍者がエジプトを知っているのは仕様だ。

以上。

362 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/07/27(水) 21:20:47 ID:BF5L5CFh
>>314
あの名作『砂の王』を思い出しますねえ。
エロそうな龍の女帝が名前と分身だけしか現れてないところでの
続編ストップは悲しかったものです。

>>361
GJ!
ララ・ムームーの中の人…たしかにエジプト人だw

>保管庫管理人様
いつもありがとうございます。
申し訳ありませんが、今回投下分は
TO MAKE THE LAST BATTLE 3〜 地下2階・「後編」
になります。ここで終わり、とわかり辛い終わり方だったかな・・・。

363 :保管庫 :2005/07/28(木) 12:01:11 ID:cP9001p3
『古代皇帝の呪い』ss2に続いて「ララ・ムームーの正体」をupしました。

>ゲーパロ専用様
おおっと、やはりそうでしたか。
修正しました。申し訳なく。

364 :w:2005/07/29(金) 01:44:17 ID:2cyIr2Vd
>>361
ネット上の駄目なエロSS 第四章
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112961822/l50

365 :名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 02:13:59 ID:5RR1Uxkb
>>336
GJ!
誤爆ドンマイ。
戦闘終了後のアリソンのヘタレっぷりが微笑ましいっす。

>>361
まさかララムームーが来るとは思わんかったですw
GJ!

>>364
つまらないことして数少ない職人潰そうとするなよ夏厨。

366 : :2005/07/29(金) 13:33:22 ID:BgYR8GMw
>>362
あの『砂の王』は、ウィズを離れて『アラビアの夜の種族』という小説として完結したはず。
と、むかしSFオンラインの記事で読みました。少なくとも店頭では見たことがない。


367 :9 夜の訪れ :2005/07/29(金) 13:34:03 ID:BgYR8GMw
『ハルギスは死してまた蘇らん。去りてまた来らん、人の身に
 自ら生くる者のハルギスをおいてあらんや。
 幾たびか死して幾たびか生くる。なれこそ神のごとき者――いなや、神を否む者』

***

再臨のときは来たれり。乙女は訪いをよろこぶ。
「だれ」
静止した部屋の空気に染み取られるように、声は消えた。
マナヤは問いを次いだ。
「お父さま?」
違うと分かっていた。父は決して館には帰って来ない。
息が途切れた。

跪礼する騎士のように、影が少女の前にひざまづく。

「だれ」
同じ言葉を繰り返すしかなかった。なめらかに優雅に立ち上がり、
影はマナヤを抱くようにかいなを広げた。
あとずさる足がすくんで、背が壁に当たる。

冷たい手が、手首を捉えた。
間近に見上げる顔には、顔がなかった。それはただ黒い塊だった。


368 :10 奪う口づけ :2005/07/29(金) 13:34:35 ID:BgYR8GMw
溢れる悲鳴を塞き止めて、影が少女の唇を塞ぐ。
引きむしる指は砂を掻くように手応えなく、すり抜けて宙に迷った。
持ち上げた首と腰を取られて、少女の身体は抱き寄せられる。

舌をからめて伸びる冷たい塊が、ずるりと喉の奥へ侵し入った。

少女を抱き捕えた全身が脈うつ。ずるずると、とめどなく流れ込む。
舌の根を圧し撫でられ、喉奥が激しく痙攣した。
涙が溢れ、口の端から胃液が零れる。
その揺り返す身体の反応に乗って、塊はさらに深く奥へと飲み込まれた。

いまや黒い影の姿は萎んで、ほとんど少女の口中に消えていた。
捕え支えるもののなくなった体が、よろめいて壁に押し当たる。
蛇のような異物の尾が胸元から喉へ這い上がり、
ぴちゃりと音を立てて歯の間に潜り込んだ。


369 :11 喪失 :2005/07/29(金) 13:35:19 ID:BgYR8GMw
それで終わりだった。あとに何も残らなかった。
差し込む月の光に映され、マナヤは呆然と壁にすがっていた。
膝が崩れて、すとんと床に座り込む。
静かだった。自分の荒い息だけを聞いていた。

あれは幻だったのか。
しかし、異質の塊が胃にわだかまり、冷たい感覚が全身に散っていくのを感じていた。
奥底から激しく込み上げてくるもの、
恐怖。
マナヤは床に伏して何度も嘔吐く。
その悲鳴は声にならぬ。少女の声は失われていた。


370 :12 語る悪意 :2005/07/29(金) 13:36:50 ID:BgYR8GMw
崩落箇所の瓦礫撤去はまだまだだ。本格的な発掘再開など、いつになるかも分からない。
しかし地上の遺体は、半数がすでに運び出された。埋葬が始まっているだろう。
一両日中には、残る負傷者たちもアルマール市へ運ばれる。
その看護者の中に、娘の姿がないことに領主は気づいた。

すべてが急速に消耗していく。侍女たちの慌しい動きを、ぼんやりマナヤは眺めている。
身体の異変を父ウディーンに知らせることだけは、何とかおし止めた。
父に知らせてはならない。いや、誰にも知られてはならない。
ただの気疲れにすぎない。あれはただの幻、だから。
(だから…?)

言葉は死んだ。


館の一部を開放され、収容された負傷者たちもまた、奇妙に騒然とした空気に包まれていた。
いままた一人の男が立ち上がり、周囲に語りかけている。
「この災害も元をただせば、ひとりウディーンの酔狂のためだ。
 われら族民が辛酸を舐めるのは、いつも領主一族のためではないか。
 娘の高慢な顔つきを、諸君らは見たか」

(ss3)


371 :名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 19:25:53 ID:cxzyuiem


372 :名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 23:38:26 ID:TE871F7c
age

373 :名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 07:57:20 ID:R6Api6QO
エロパロなの、これ?
ある程度書きためないといつまでも状況説明だけだらだら続いても????。
長編なら長編でいいけど二回も三回もエロも盛り上がりもない文たれながしされても????。
健全板にいったほうがよくないか?

374 :名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 06:30:28 ID:m4t5zEyD
保守

375 :名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 13:03:50 ID:LPOlaXSN
ホシュ

376 :名無しさん@ピンキー:2005/08/11(木) 12:35:29 ID:MdHXMkXK
>>366
これか
ttp://www.sf-fantasy.com/magazine/bookreview/020601.shtml

377 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/15(月) 19:17:34 ID:VEz7vMkF
<コズミックキューブ 地下1階・1>
二匹の白い蛇が、絡まりあっていた。
ロミルワの魔法光の下で白々と輝く裸身を晒す一匹は、豪奢な金髪の乙女であり、
もう一匹は、裂けた法衣からのぞく半裸も悩ましい若妻であった。
美しく、淫らで、自分以外の女が賞賛を浴びる事に非寛容なことで知られる黄泉の女支配者──龍の女帝でさえも、
この二人を見れば、嫉妬する前にその妖艶さにうっとりと魅入られることだろう。
しかし、龍の女帝その人でさえ、それ以上近づいたり、ましてや美と性戯を競おうと思うまい。
地獄から来た半陰陽の王と、その生誕を誰も知らぬ魔女との間に流れるのは、必ず相手を滅ぼす決意だった。
そして、このどちらもが、魔界の君主たちをもはるかに凌駕する力を持っている。
「ふふ、荒っぽいわね。──だめよ、女はもっと優しく扱うもの」
トレボーの手をかわしたり、あるいは外したりしながら魔女が言った。
「うるさい、貴様など、握りつぶしてやる」
宿敵の豊かな胸元に伸びた腕は、フロストジャアントを握殺する凶器だった。
しかし、それは、魔女がわずかに身をよじらせただけでむなしく法衣の表面をすべり、あらぬ方向へずらされた。
「──くそっ!」
「あらら、女の子がそんな言葉を使っちゃいけないわ。もっと、優しく、たおやかに。
でないと、男の子ががっかりしちゃうわよ。男の子を幸せな気分にさせるのが女の子の義務──と、権利ね。
その逆も然り。言葉を交わすだけでも好きな人を幸せにできる、と気付かない人は、とても不幸なのよ」
「うるさい、うるさいっ!」
かつてリルガミンどころか、エセルナート全土がその名を聞いただけで震え上がった女君主が、真っ赤になって掴みかかる。
「──そうじゃないのよ、そこは、こう」
魔女が笑いながら指を滑らすと、<狂王>は熱く甘い吐息を吐いた。
「ほらほら、手のほうがお留守よ。そんなのじゃ、殿方を悦ばせることができなくてよ。
うんと悦ばせてあげたら、お返しにこんなことだってしてくれるのに──」
白い手が、大胆に女君主の胸元に伸びた。
巨大なメロンのようにたわわに実った乳房を無造作に、そして繊細極まりない動きでひと揉みすると、
トレボーは甲高い声を上げさせられそうになって、慌てて唇をかみ締めた。
「あら、大きさの割に感度がいいのね。──処女のくせに、生意気よ」
魔女はわずかに目を眇めた。
地下4階の自分がそうであったように、この半陰陽の女君主の胸が、自分より大きいことがあまり気に入らないらしい。
もっとも、もう一人の彼女は、それを揶揄して会話を楽しむ性格だったが、
こちらのほうは、そこまで人間ができていないのかもしれない。
──魔女自身は「まだ若いから、ですわ」と主張するのであろうが。
報復は、執拗な言葉責めの形を取った。
「まだ硬いわね。もう少し熟れていないと殿方が美味しくいただけないわよ。
女の乳房は、柔らかく、張りがあって、吸い付くように滑らかじゃなきゃ。
……良いおっぱいというのは、乳腺と女の甘肉と脂肪をたっぷりと詰め込んで作るの。
こういう筋肉だけの見せ掛けの大きさじゃ駄目。見るだけじゃ、夫も子供たちも満足できないでしょ?」
「わ、我は…男だと言って…いるだろうがっ!」
「こんな身体をした殿方が、どこの世界にいるものですか」
白い指先が、薄桃色の乳首の先を弄う。
硬くしこった先端に触れられて、乙女が息を呑んだ。
「──っ!」
「……」
その反応をちらりと一瞥した魔女は、しかし、ライバルに快楽だけを与えはしなかった。
人差し指を曲げ、たっぷり反動を溜めてから、乳首を指ではじいた。
「──あっ!?」
トレボーがのけぞった。声が裏返っている。
「反応がいいこと。──ひょっとして貴女、虐められるのが好きなのじゃないかしら?」
「ば、馬鹿をいうな!!」
乙女が、怒りに任せて魔女に手を伸ばした。
軽く身をよじってそれを──かわしきれなかった。
ずだずたの法衣の裾が、女君主に握り締められ、引き裂かれた。
「きゃっ!?」
魔女は小さな色っぽい悲鳴を上げた。──服を剥ぎ取られた際に、女が上げるべき理想的な反応。
──精神的には、まだ余裕がある。しかし──。
「……さすが、天才を超えた<異形>。学習したわね」
トレボーは、僅かな時間に、相手の動きとこの「女の戦い」の戦法をマスターしつつあった。
この魔女を相手に。
闇の中で、トレボーの眼がぎらぎらと光った。

378 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/15(月) 19:18:30 ID:VEz7vMkF
<コズミックキューブ 地下1階・2>
<狂王>の動きの変貌は凄まじいものだった。
肉体的な能力と素質ならば、この女君主に勝る者はいない。そこに、技と経験が加わりつつあった。
魔女は防戦一方となった。
すでに法衣はなく、野暮ったい上下の下着のみが魔女が身にまとった防具であった。
(いけない、このままでは……)
魔女が美貌に焦りの色を浮かべた。
探していた<あれ>が欠けている以上、苦戦は覚悟していたが、よもやこれほどとは──。
──トレボーが肌を密着した。魔女は逃げようとしたが、抱きすくめられた。
力だけならば、この女君主の抱擁とて逃れられないものではない。
だが、トレボーは魔女の動きを察知し、巧みにコントロールし始めていた。
美女たちの下腹部が強く密接する。
分厚い下着の上から、硬くこわばった<サックス>を押し当てられ、魔女は恐怖と不快感に眉をしかめた。
あまりに大きく、硬く、熱い<サックス>──夫以外の人間の男根は、魔女にとって最も驚異的な敵だった。
「……どうした、動きが鈍くなってきたぞ、──わが<サックス>を感じて昂ぶってきたか?」
「馬鹿なことを──うぬぼれ屋の男は、みんなそうね。無意味に自分の男根を過信する。
女にとっては、一番好きな男のものこそが一番素敵な男根だというのに……」
「ははは、ついに我を男と認めたか!」
「……あ…」
自らの失言に、魔女は動揺した。
ペースを握られたことを自覚すると、焦りが倍増する。
若妻の動きは、ますます鈍く不正確なものになっていった。
対して、天才を超えた天才たる乙女は、ますます力強く主導権を取り始める。
乳房を守る下着に手がかかる──ついに引き剥がされた。
「ああっ……」
白く大きな乳房をさらされ、魔女は悲鳴を上げた。──今度の声に、余裕はない。
「ふん。我にとやかく言うだけあって、それなりのものではあるな。小賢しい──握りつぶしてやる」
トレボーは恐るべき力を秘めた手を伸ばした。
まともに掴めば、柔肉など宣言どおりに簡単に潰されるだろう。
しかし、幸運なことに、女の脂がうっすらと乗った肌理細やかな肌は、トレボーの急いた一撃を滑らした。
「ああ…」
危機を回避したが、魔女の顔は蒼白だった。
敗北も、死も、消滅すらも恐れぬ最強の魔女の美貌が恐怖に歪む。
犯される──女として壊される。
どんな女も、魂の根源に抱いている強姦への恐怖心、それを呼び覚まされたのだ。
魔女は、その長い生涯ではじめてパニックに陥った。
あるいは、それは「わが殿」を得てしまったゆえの恐怖であったかもしれない。
犯され、女として壊されたら──夫に合わせる顔がない。
それは、魔女にとって、どんなことよりも恐ろしいことだった。
──この女は、結婚によって弱くなったのかもしれない。
魔女は、這いずるようにしてトレボーから逃げようとした。気力が、完全に萎えている。
「ははは、逃げても無駄だ。──犯し尽くしてくれると言ったであろう!!」
半陰陽の乙女は、舌なめずりをして獲物を追う。
宿敵たる若妻は、無様に這う姿さえも美しく妖艶な女体の持ち主だった。
<狂王>は、<サックス>を怒張させてその上にのしかかった。
もはや唯一の、今となっては心もとない守りとなった性器をおおう一枚の布に荒々しく手をかける。
「ひっ──!」
魔女が顔を覆った。
性器を、夫以外の人間に見られる苦痛と屈辱──絶望感。
無力感が精神力を消滅させていく──強姦される女は、体力よりも先に気力の限界によって抵抗力を失う。
半陰陽の君主の前で、魔女は、いまやただの無力な女に過ぎなかった。
トレボーは、獲物が力を失ったことを悟り、勝利の雄たけびを上げた。
これ以上ないと言うほどに膨れ上がった<サックス>を振りたて、宿敵の胎内を突き破ろうと体制を整えた。
「──いや、いや! やめて、許して!」
魔女が首を振った。
「馬鹿め、内臓ごと引き裂いてくれるわ」
<狂王>が欲情と高揚感に歪んだ美貌に獰猛な笑みを浮かべた。
その時──力なくもがいた魔女の手に何か硬いものが触れた。

379 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/15(月) 19:19:13 ID:VEz7vMkF
<コズミックキューブ 地下1階・3>
(何──これ)
魔女は恐怖に麻痺した頭でぼんやりと考えた。
無意識にまさぐる指先は、何か懐かしい形を伝えてきた。
記憶は、脳だけが覚えているものではない。
手が、肌が、五感もが覚えているものだ。
そして、恐怖や絶望に混乱した頭が思い出せないときも、身体はちゃんと覚えている──大切なものを。
魔女が掴んだもの──夫の男根と寸分たがわぬ形を取った<魔女の杖>。
握り締めた瞬間、魔女の瞳に光がよみがえった。
自信と安堵。暖かく揺るぎのないものが胸の中に満ちてくる。
材質が異なるとはいえ、毎日触れているなじみの形状は、それがもたらす全てを呼び起こしていた。
私は誰? ──これと同じ形のものを毎晩愛しんでいる女。
私は誰? ──これの本物の持ち主に愛されている女。
私は誰? ──わが殿の妻。
──ならば、こんな小娘に遅れを取ると思う?
──断じて、否。
魔女はすばやく身を翻し、乙女を突き離した。
床の上に押し倒された姿勢からのその動きは、体術の天才たる女君主ですら予想も対処もできないほどに見事なものだった。
「──!?」
トレボーは床に転がったまま、立ち上がった敵を呆然と見上げた。
一秒前とは、まるで別人がそこにいた。
全裸の美女は、顔立ちも姿も先刻とまったく同じであったが、
誇りに輝くその美しさも、身のうちに秘めた強さも、全く違う人間であった。
「はじめまして、かしら?──さっきまで、私、自分が何であったのか、ちょっと忘れていたみたい。
でも、もう大丈夫。ちゃんと思い出したもの。改めて貴女と勝負しますわ、覚悟なさい」
魔女──悪の大魔術師ワードナの妻。
この女は結婚で弱くなったところが確かにある。
しかし、──さらに強くなった部分のほうが多い。
攻守を入れ替えて自分の上に覆いかぶさってきた女に、トレボーはその先翻弄され続けた。

立ち上がって反撃しようとする金髪の乙女の身体を、成熟しきった若妻は巧みに支配した。
汗に濡れる乳房も、大きく張り詰めた臀も、今だ穢れを知らぬ秘所も、魔女の愛撫に蹂躙され、
<狂王>は火のように熱く、蜜のように甘い息を吐いた。
「そう、いい子ね。──可愛いわよ、トレボー」
処女の痴態を妖艶な眼差しで見下ろす魔女の美貌に、黄泉路より戻った女君主は陶然となった。
この魔女は、意地悪だ。
自分をこれほどまで燃えさせるくせに、口づけを求めて桃色の唇を差し出しても、
愛撫を求めて<サックス>を突き出しても、決してその望みをかなえることはない。
たとえそれが、相手を屈服させるもっとも良い方法であるとわかっていても、
若妻は、キスと男根への愛撫だけは、頑として行わなかった。
あくまでもトレボーを「女」として扱う──それこそ若妻が自分に課した制約だった。
不利となるが、そうすれば愛する夫を裏切らずにいられることが、魔女の力を極限にまで高めている。
──それが、トレボーを焦らせた。
不用意に繰り出される手技をかわす魔女は、ついに、座したトレボーの上に背後から覆いかぶさる体勢を確保した。
「う……」
絶対的に有利なポジションを取られて、金髪の女君主は動揺する。
「ふふ、勝負あったかしら。──これもわが殿のおかげね」
魔女は宿敵に密着した状態で、耳元でささやいた。
その単語が指す男の名を思い浮かべたトレボーが、びくりと肩を震わせた。
その様子を知ってか知らずか、魔女は片手に持った<魔女の杖>の男根にゆっくりと舌を這わせた。
「ふふ、大サービスよ、この男根であなたを貫いてあげる。
さあ、どっちがいいの、可愛いトレボー。あなたの女の子の部分? それともお尻のほうかしら?」
金髪の乙女は答えなかった。
代わりに首がねじ切れそうになるほどに首を振り向かせた。
強い光が溜まった瞳が、魔女の美貌を睨んでから、視線を僅かにずらす。──魔女の口元に。
「まあ、やっぱりこれが気になる? 素直な子だこと。……でも欲望に忠実すぎる女の子は、はしたない、と言われるのよ」
ワードナの男根を形取った<魔女の杖>に注がれるあからさまな視線に、魔女は柳のような眉をひくりとさせた。
先ほど自分から与えると言ったばかりだが、気が変わったらしい。
夫に関するものを、愛のライバルが臆面もなく欲しがる、となれば嫉妬心のほうが前に出るのだ。
魔女の眇めた目に、地獄の炎よりも凄まじい焔が宿る。

380 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/15(月) 19:19:56 ID:VEz7vMkF
<コズミックキューブ 地下1階・4>
「……ふうん。これが欲しいの?──でも、まあ、よく考えたら、いくら偽物でも、
男の子の悦ばせ方もろくに知らない女の子には、過ぎた代物よね。」
魔女は微笑を唇に浮かべた。美しいが、同性の敵だけに与える毒がたっぷりと含まれた意地悪な笑みを。
「でも、幸いあなたにはいい練習道具があるじゃない。しばらくそれでお勉強したらどうかしら?」
「……?!」
トレボーは、魔女が白い手を伸ばし、自分の頭の上に載せるのを呆然と見ていたが、
それにゆっくりと力がこめられ、ある方向へ押されるのに気が付いて、愕然とした。
「──な、何を……!」
「あなたのご自慢の<サックス>、自分のお口で味わってみる気はない? きっといい練習台になるわよ」
下へ──自分の下腹部から凶暴にそそり立つ男根に顔を近づけられている。
半陰陽の君主は、ほとんど戦慄していた。
真に一流の戦士は、みな身体が柔らかい。
筋肉量だけでなく、しなやかさを秘めていなければ爆発的な力を生み出すことができないのだ。
ましてや、大人の男のひじから先までの大きさを誇る<サックス>ならば、楽々と自分の口元に届く。
魔女は、<狂王>に、自分の<サックス>を口に含むように強制しようとしているのだ。
「や、やめっ──!」
トレボーがうろたえきった声を出す。
男根を口に含む事を強制される処女の羞恥と戸惑いと恐怖心。
驕慢な女君主が、生前も復活後も出したことのない声音だった。
「あら、いやなの?」
「あ、当たり前だ!!」
「だったら、なぜ抵抗しないのかしら?」
ゆっくりと、蝸牛の歩みの如くゆっくりと、乙女の頭を押し下げながら若妻が笑った。
「ぐっ、き、貴様の術が──」
乙女は首筋にありったけの力を投入して抵抗するが、
若妻の繊手は世界で最も高い山にも匹敵する重みを持って、下への移動を強制していた。
「嘘おっしゃい。──私、全然力をこめてないのよ。貴女の頭に軽く手を載せているだけ。──ほら!」
「!!」
魔女はぱっと手を離した。
トレボーが頭を振って上体を元にもど──さなかった。
いまや自分のすぐ口元の位置にある<サックス>の先端を見つめたまま、半陰陽の女君主は硬直していた。
「ほらね。貴女が、それをしたがっているのよ」
魔女は優しく意地悪な微笑を浮かべた。
耳元に唇を寄せて、年下のライバルにささやきかける。
「さあ、トレボー。女の子のお勉強のお時間よ。それをお口に含んでみましょう。
大丈夫、どんな女もやっていることよ。好きな殿方を悦ばせる技の、初歩にして奥義たるものの一つ」
「あ…う……」
<狂王>はぎゅっと眼をつぶった。唇も。
乙女の、純潔の精神に任せた抵抗だったが、しかし──少女は必ず大人の女になる存在だった。
半陰陽の女君主は、自分が自らすすんで薔薇色の唇を開き、男根の先端を受け入れるのを、眼をつぶったまま感じた。
「ふふ、いい娘ね。──どう、はじめての男根のお味は?」
眼をつぶったままのトレボーは答えなかった。
魔女は笑みを濃くした。
「ほら、含んだだけじゃ駄目よ。もうちょっと奥まで飲み込んで見なさい。──そうそう、亀頭の全部くらい。
そうしたら、唾液をたっぷり塗りつけてあげるの。そうすると、動きが滑らかになるわ。
ふふ、もうお口の中が、唾液でいっぱいでしょ? それを舌ですくって塗りたくるのよ」
「──!!」
トレボーがびくっと身体を震わせた。つぶっていた眼が見開かれる。
「ああ、舐めるのが強すぎよ。──男根の先端は、殿方の身体で一番感じる部分。
準備が整ってないのに、いきなり乱暴に舐めつけたら駄目じゃない。<サックス>持ちのくせに、そんなこともわからないの? 
──わからないか。<サックス>をしゃぶるほうは始めてだものね」
口の中の動きを透視できるのか、魔女の的確極まりない指摘に、乙女の頬が一瞬にして赤く染まる。
魔女は指導の方針を変えた。
優しく、こと細やかに。──処女を堕落させる悪魔は常に懇切丁寧なのだ。
「唇をすぼめて──そう、うまいわよ。お次は、その唇の輪で優しくしごいてあげるの。
上手上手。舌の先で先端をちろちろと舐める。──筋がいいわ。そうしたらもっと深く、限界まで飲み込んでみて。
ええ、いいわ、その感覚を忘れないで。──時々根元を手でしごいてあげると気持ちいいのよ。
うん、上出来。──誰だか知らないけど、貴女の旦那さんになる人、とっても幸運ね」
先刻までだったら爆弾発言だったであろう言葉も、術に掛けられたように霞んだ女君主の耳には届かなかった。

381 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/15(月) 19:20:29 ID:VEz7vMkF
<コズミックキューブ 地下1階・5>
「さて、そろそろ仕上げよ──でもその前に聞いておかねばならないことがあるわね」
魔女は、自らへの口唇奉仕に酔う宿敵をじっと見据えながら言った。
ライバルの技術指導を従順に受け入れる金髪の乙女が、淫らな動きを止めることなく霞んだ瞳を向ける。
「ずいぶんと気持ちよさそうね、トレボー。──でもそれは男の子としての悦び? それとも女の子としての悦び?」
はっとしたように半陰陽のロードの動きが、止まった。
魔女の質問は、悦楽に酔う<狂王>がその快楽を忘れる唯一の重大事項だった。
「……」
「今、貴女は<男根を愛撫されている男の子>でもあり、<男根を愛撫している女の子>でもあるわ。
どちらにしても快楽を得られるけど、二つの快楽は別のもの。そして、貴女はそのどちらをより強く感じているの?
トレボー、あなたが眼を霞ませるほどに感じている快感はどちらのもの?」
「……」
石のように硬直したトレボーの唇から、粘膜質な小さな音をたてて、<サックス>の先端が外れる。
「……う…あ…」
「さあ、答えなさい、半陰陽の乙女よ。貴女はどうしたいの?
──精を吐き出したいの? それとも精を吐き出させたいの?」
それは、トレボーに、男か女かを選択させる問いであることを、本人は悟ったであろうか。
あるいは悟っていたかもしれない。
しかし、異形の女王は、ためらいながらもはっきりと答えた。
「──精を……吐き出させたい」
「そう。では、続けなさい。もうすぐその望みがかなうはずよ」
魔女は、微笑して答えた。
しかし、美しいだけで何の感情もこめられていないその微笑の底にある心情を知る術はない。
魔法にかけられたようにトレボーは、再び自分の<サックス>を口に含んだ。
魔女が指導した技巧の全てを駆使して自分の男根を責め立てる。
処女の表情が、切なげに歪む。
「ふふ、夢中ね、お嬢さん。では私から、贈り物」
床にぺたんと座り込んだトレボーの前に魔女がかがみこむ。
「──っ!!!」
魔女がかぐわしい息を男根の根元に吹きかけた瞬間、トレボーは射精していた。
──自分の口の中へ。
数多の美女を犯し尽くした<サックス>の奔流は、今日はじめてそうした行為に身を任せた処女には厳しいものであったが、
トレボーの前に立つ魔女は、にこやかな笑みを絶やさずに先回りした。
「吐き出しちゃ駄目よ。──素敵なレディーは、愛する殿方の精を一しずくたりとも無駄にしないの」
「……!!」
逆らえない。──この美貌と、この声で優しく命じられたら。
逆らいたくない。──今自分を責め尽くしている、この快楽に。
自分のものとはいえ、むせ返りそうな勢いと濃度の精液を口と喉に受け、
トレボーは咳き込み、口中のものを吐き出しそうになったが、必死に耐えた
永遠に続くかと思った<サックス>の凶悪な脈動が収まってきたとき、乙女はほとんど失神寸前だった。
「──ふふ、まだ終わりじゃないわよ。尿道に残った精液もちゃんと吸ってあげなさい。
それが殿方をお口でいかせてあげるときのエチケット。というより、殿方が喜ぶから覚えておくべき技巧ね」
呆然としながらもそれに従う女君主の蕩けた表情に、魔女はくすりと笑った。
「まあ、いい顔しているわよ、トレボー。とっても素敵なレディーまで、あと一歩というところね。
さ、お口の中の精液をよく味わいなさいな。──どう、美味しいでしょう?
こんなに青臭い、生臭い粘液が、とっても美味しく感じちゃうのは、貴女が女の子の証拠」
乙女は、強制されるまま──自分の意思で、口中の精液を味わい始めた。
ぎこちない音は、次第に大胆に、淫らになっていく。
金髪の乙女が、魔女を見上げた。
「──ふふ、なあに、その切なそうな表情は? 私に何か命じて欲しいの?
ふふふ、いいわよ。今の貴女、すごく可愛いからお望みどおりにしてあげる。
──トレボー、お口の中の精液を飲み込みなさい。一滴残らず、ね
それで貴女も、淑女の入り口に立てるわ。──ほら、ごくん」
<狂王>は、命令どおりに行動した。
熱い粘液を飲み下すとき、乙女はぎゅっと目を閉じた。
先ほどまで彼女の瞳を覆って視界を霞ませていた涙が、つぅっと頬を伝った。
自らの意思と<サックス>で、唇の純潔を穢した乙女は、いままさに、何かを失い、──何かを得た。
魔女は、もう微笑を消していた。無言無表情で宿敵の変貌の瞬間を見つめている。

382 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/15(月) 19:21:22 ID:VEz7vMkF
<コズミックキューブ 地下1階・6>
<B10F・オールスターズ−1>を前にして、冒険者たちは獰猛な笑いを浮かべた。
かつては<ワードナの迷宮>で最強の魔物と恐れられた存在も、百年を閲した今では中級位の魔物に過ぎない。
<ニルダの杖の探索>や<災厄の中心>の迷宮では、より強力な魔物が群れを為して徘徊しており、
そして冒険者たちはそれらを撃破してきたのだ。
その冒険者たちの頂点──<ソフトーク・オールスターズ−1>がこんなロートル魔物に敗れるはずはなかった。
「一気に、蹴散らす」
ホークウインドなき今、リーダーを務める司教のタックが指令を出す。
<フォーメーション>──オールスターズが伝説の忍者の指導のもとに編み出した最強の連携攻撃だ。
五人の戦闘力を最も効率的、効果的に発揮する汎用戦闘パターン。
どんな魔物相手でもこの戦い方ひとつで<1ターン・キル>だ。
幾何学模様のように美しい動きを見せて、他の四人が無言でその体勢に入ろうとする。

「──!?」
パーティーの紅一点、尼僧のサラは目を疑った。
戦闘位置を確保しようとした自分の目の前に、いつの間にか青い影が立ちふさがっていた。
死すべき定めの身にはありえない完璧な美貌が冷たく冴えわたり、青の礼服に映える。
尼僧は、忌むべき不死者の姿に陶然となった。何百回となく同類を滅ぼしたはずの、汚らわしい存在に。
「たった一つの戦い方しか知らぬのか?──声を掛け合い、目配せで指示し、背中で悟る冒険者の動きは、
この私とて予測不可能だが、お前たちの動きならば百万手先まで完全に読みきれる」
ヴァンパイアロードは、サラの反応を無視して手を伸ばした。
華麗極まりない動作で抜き手が心臓を貫く。
この闇の王の下僕になりたい、というサラの瞬間的な欲情はかなえられることがなかった。
瞳に陶然としたものと絶望とを半々に浮かべながら、最強の尼僧は絶息した。

魔術師のプロスペローは、もっとも効率的な破壊の呪文、すなわちティルトウェイトを唱えようとした。
しかし、──その呪文全てが無効化されるとは思ってみなかった。
この魔物たちは各々が、七割から九割の高確率で呪文を無効化する。
しかし、五体すべてが無効化に成功するとは──計算外だった。
「ちがうちがう、そうじゃないんでさあ。──そこはマハマンでなきゃ」
小揺るぎもしない魔物たちのうち、最も小さな影がため息をついた。
「──欲をかきすぎたね、魔法使いの旦那。──俺っちたちとの戦いは賭博でさ。掛け金は命だけを受け付ける。
そして掛け金をケチってる博打打ちは、お家にいくら大金があっても勝てやしませんぜ?」
たしかにプロスペローは魔力を──というよりも1レベルのエナジードレインに匹敵する消耗を惜しんだ。
──その代償は大きかった。フラックの後ろから巨大な手が伸びて魔術師を鷲づかみにした。
マイルフィック、取った先手を間違わなければ十分に斃せていた相手から、強烈なエナジードレインを受けたプロスペローは
一瞬で髪の白い老人になるまで精気を失った。麻痺まで受けた彼から、死せる魔神は最後の一滴まで生命力を吸い尽くすだろう。

同じ瞬間、司教のタックは、選択にとまどっていた。
型にはまった<フォーメーション>の中で、彼のポジションには唯一柔軟な選択の余地がある。指揮官の特権だ。
冷静な司教は、二人の仲間が殺された事を見て取って、行動を選択した。
一瞬にして三対五の戦いになってしまっている。この行動で逆転、少なくとも互角までもっていかねばならない。
「セズマール! ティルトウェイトだ!」
侍に命令変更の指示を出す。フォーメーションにない行動だが、侍は頷いて飛び下がった。
プロスペローの呪文は無効化されたが、今度の二連発を全て無効化することは確率的にありえない。
司教と侍で魔法使いの最高呪文に達するものは少ないが、そこは<オールスターズ>だった。
閃光と爆炎──またも全てが無効化されるとは!
「司教よ。解呪を私にかけるべきだったな。──戦いは数ではない。司令塔の役割を知らぬ指揮官には、敗北だけが待つ」
「お武家さん、びびりなさったね。──今のは確実に一人を倒して戦いの流れを変えるべき瞬間でしたよ。
魔法で簡単にカタをつけようなんて考えてたら、腰の<村正>が泣きまっさあ──」
二匹の魔物のことばが終わる前に、巨大な龍の吐く火焔と大悪魔のエナジードレインを食らった二人は、消し炭とミイラに姿を変えた。


383 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/15(月) 19:22:12 ID:VEz7vMkF
「ひいいっ!」
盗賊のモラディンが悲鳴を上げて逃げようとする目の前に<地獄の道化師>はふわりと着地した。
「ああ、うん。なんだ。その──」
最後に出番を得たフラックは、何か歯に挟まったような表情を浮かべて自分の獲物を見つめた。
「いまいち盛り上がらない相手さね。──そうだ、こういうときは、あれだ」
ぱちんと指を鳴らす。
「……決め台詞! 何かびしっとしたことを言って締める! これ!!」
──だが悲しいことに道化師は、こういうときに言うべき言葉を持たなかった。
すでに気死した風のモラディンを尻目に、道化師は腕組をして考え込んだ。
しかし、フラックは、どうにもそうした言葉とは無縁の存在だった。
頭をかきかき、小男は振り返った。
視線の先で、青い影が苦笑していた。死者の王にこの表情を浮かばせられるのはこの道化師だけだ。
「──旦那、なにかいいのはないかね?」
「……とっておきのが一つ、ある」
ヴァンパイアロードが闇の中で紅い唇を静かに動かした。
フラックがにっこりと笑った。伝わったらしい。
モラディンが駆け出した。仲間たちの死体を見捨てて逃亡する。
<地獄の道化師>が追った。
背中を貫いた抜き手が、麻痺と石化をもたらして冒険者の最後の一人を倒す瞬間、
フラックはちょっと照れた風に、しかしきわめて真面目な表情でセリフを棒読みした。
大見得を切って。
「──勇気をなくした冒険者など、俺っちにとっては木偶に等しい!!」
……迷宮のあちこちから拍手が聞こえたような気がした。
少なくとも、ヴァンパイアロードは、必死に笑いをこらえながら何度か手を叩いた。


384 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/15(月) 19:30:06 ID:VEz7vMkF
コズミックキューブ 地下1階・前編です。
久々の魔女さん、というか、メインヒロインなのに濡れ場を書いたのはすごい久しぶりorz
保管庫で初期の魔女さんを読み直してようやくイメージが戻ってきました。管理人様に感謝です。
つーか、初期の魔女さんって嫉妬バリバリの怖い女性ですたね。エロも濃かったし(笑)
そろそろワードナとがしがしエロい事しないと。最近ラブラブだけどちょっとセックルレスな夫婦になりつつあるしw

前回散々バトルしたので、オールスターズの戦闘は短めに。
最後の決めセリフだけは決めてました。
もちろん、『隣り合わせの灰と青春』のパロディです。
ヴァンパイアロード本人に言わせるか、フラック君に言わせるかは、めちゃくちゃ迷いました。
「驕慢な冒険者を見下してばっさり」という展開&殺陣をラムセス君で使ってしまったので、ここはコミカルに・・・。

385 :名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 22:04:52 ID:Hbk+KXja
おー、待ってました!
魔女さんも戦闘も(・∀・)イイ!!

386 :名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 23:38:20 ID:v+ovkCCQ
お待ちしておりました!
いや、セルフフェラで蕩けるワードナたん(たん、ですよね、ここまで可愛くなると)にめいっぱい萌えました。
この話の作りからすると彼女が想いを遂げることなさげなのが寂しいですが、あるいは今回のM看破は何らかの布石なんでしょうか。
初期は嫉妬ばりばりと申しますがそこはそれ、時経れば変わっていく物ですし。

戦闘は何とも渋いところを。
確かにこの面子相手だとケチったら死にますわな。
最強加護の《リセット》を唱えられない以上死んだらはいそれまでよ、と。
――まあ、こちらのスレにいる兵の中にはその加護を外してプレイしていた方もごろごろ居そうですが。

387 : :2005/08/16(火) 19:31:22 ID:uLqKN81r
すばらしい。

388 :名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 21:18:32 ID:B6PUq4rq
>>386
・・・・・・想像して吐きそうになりますた。

トレボーたんでしょ、トレボーたん。

389 :名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 22:14:49 ID:azYThBpj
それはそれで

390 :名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 22:34:37 ID:eU8dV7Ju
いや、ワードナたんだ。

391 :名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 23:07:48 ID:ZLQgsQJ7
つまり、魔法少女ワードナが御所望と。

392 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/17(水) 05:30:19 ID:8jgB4bI7
>>388-391
ワードナ(ま、魔法少女……orz)
魔女「あら、いかがなさいましたか?(わくわく)」
ワードナ「……待て。なんじゃ、その(わくわく)は?」
魔女「いえ、別に……(そわそわ)」
ワードナ「……その後ろ手に隠し持ったリボンやらフリフリドレスとかは何じゃ?」
魔女「──ええと、その、おほほほ。……そうだ、魔法のステッキは<魔女の杖>で代用しましょう!」
ワードナ「……言っておくが、絶対にやらんぞ!」
魔女「そ……そうですか……(しゅん)」
ワードナ「じ、自分でナニをするのも絶対やらんぞ。だいたい儂は体が硬いのじゃ」
魔女「モグレフやソピックでAC下げながら力説するほど、お嫌ですか(笑)」
ワードナ「あああ、当たり前じゃ! 男の尊厳とか、そういう問題じゃ!」
魔女「まあ、そちらのほうについては、私も全然その気はありませんのでご安心くださいませ。
夫にご自分の口や手で慰めさせるなんて妻の恥ですわ! 私が全部いたします!
……と言うより、わが殿はご自分でなさるの、禁止!」
ワードナ「あわわ、そ、そこまでは…」
魔女「破ったら、この服を着ていただきますからね? 変身ポーズもきめていただきますからね?
主題歌も歌っていただきますからね? マスコットはポケットサイズ2頭身のヴァンパイアロードとフラックでよろしいですか?」
ワードナ(orz)

このワードナさんを離れて、まっさらな設定で魔法少女というのもいいかも。
モンスターもみんな女の子で……ってそれはカオスエンジェルw

393 :名無しさん@ピンキー:2005/08/17(水) 08:00:48 ID:4Zlhko72
♪マハリク マハリト ヤンバラヤンヤンヤン(以下ry

394 :名無しさん@ピンキー:2005/08/17(水) 10:09:43 ID:Ia0se3qC
ポケットサイズ二頭身フラックたんとかヴァンパイアロードたんはかなり欲しいな・・・

395 :名無しさん@ピンキー:2005/08/17(水) 14:28:32 ID:2LTqPWq1
お供は小動物かふわふわしたモノでないと。ボーパルバニーとファズボールあたりで。

396 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:43:35 ID:aIH5CGWM
大分、間を空けましたが
>53-66の続きです。
今回はワーウルフ

397 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:44:30 ID:aIH5CGWM

「アオイが生きてる!?」
そっと吹きかけるように囁いたリディの言葉に俺は
不覚にも驚いた事を認めてしまう言葉を吐いた。
「そう、もちろん名前が同じだけなんてオチじゃないわよ。
 あの、人斬りアオイよ」
俺はきっと間抜けな面をしていたんだろう。
疲れきってベッドに横たわっているリディは嬉しそうに笑みを浮べた。
「はい、これで一発分消しね」
リディはそう言うと豊満な乳房から俺の手を剥し、ぐいっと押し返した。
リディは意外に力が強く、押し返された勢いで俺はベッドにあお向けになった。
「待てよ、どういうことだ!?
 俺はシムゾンが死ぬ所ははっきり見た。
 アオイがシムゾンを見捨てるはずが・・・・あっ!」
頭の中に湧いてくる事をそのまま口から出していた俺はそこである事を思い出した。
たった一つ、アオイがシムゾンから離れて行動する理由がある事を。
「マクベインか・・・!」
「何?マクベイン?」
耳ざとく俺の呟きを捕らえたリディが押し返したばかりの俺の方へ顔を向けた。
「ねえ、何、マクベインって?」
知らない単語の出現にさっきまでへばってたリディは
身体まで起こして俺の顔を覗き込んで来た。
「俺から情報聞き出す条件は分かってるだろ?」
「・・・お尻じゃだめ?
 綺麗にしてるからさ」
愛嬌たっぷりに困った顔を見せリディは息を吹きかけた。
こいつは女の使い方ってのを良く分かってる奴だ。
「あん、駄目よ、触っちゃ!」
「いいだろ、おっぱいぐらい。
 ケツで許してやるから」
そう言うと極上のおっぱいの持ち主はため息を吐いた。
重力に引っ張られている白く綺麗で滑らかなおっぱいが目の前でぶらぶらしているんだ。
我慢しろなんて拷問だ。
「ん・・・もう、早く話して・・・」
「お、おう、すまん。
 マクベインってのは人の名前だ。
 畑違いとはいえ聞いた事ぐらいあるだろ、”マクベインの狼”って。
 そこのリーダーだった男」
「知ってるわよ、最低最悪と言われた傭兵隊でしょう。
 ・・でも、壊滅したんじゃなかった?
 あたしの記憶違いかしら」
リディは話に夢中になると感じてる振りすらしてくれなくなる。
胸を弄られている素振りすら見せず真剣な顔をしている。

398 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:45:27 ID:aIH5CGWM

「そのはずだ。
 だから、アオイがシムゾンの仲間になったんだからな」
「どういう事?」
「・・・少し前まで傭兵の間じゃそこそこ有名な話だった。
 マクベインを付け狙っている女侍の話はな。
 本当かどうかともかく、その女侍にマクベインの死体を持っていったら
 何でもしてくれるって噂付きでな。
 噂の真偽が判明する前にその女侍はいつしか”人斬り”の異名で呼ばれる凄腕の冒険者となった」
喋りつかれてリディの身体を抱き寄せた。
柔らかい重みが心地よくのしかかってくる。
「どうして”人斬り”なんて呼ばれてるの?」
頬を合わせたリディの声が耳にかかる。
「情報屋ならそれぐらい知ってるだろ」
「あなたの口から聞きたいのよ。
 冒険者の方が正しい情報持ってる事は珍しくないもの」
まったく一発分で搾り取るだけ情報を搾り取ろうとするんだからな。
「・・・あいつは度の過ぎた正義の味方って奴なんだ。
 冒険者も生き残る為には少々汚い事もやるだろ?
 理由も聞かずに用心棒やったり、金持ちの代理で喧嘩したりとかなら可愛いもんだ。
 あいつはそういうのすら許せないらしく、冒険者を殺す事も多かった。
 人斬りってのはそこらへんから来てるんだろう」
「ふぅん・・・なんでそこまでやったのか分かる?
 あたしの情報じゃアオイはこの何でもありのドゥーハンで”監視つき”の身らしいよ。
 他の凶悪犯でも、あんたでも監視はついてないのに」
そりゃ、どういう意味だ。
俺は監視されなくちゃいけないような事してねえぜ。
「まあ、そこらへんは本人に聞くしかねえだろ。
 結局、マクベインはシムゾンに殺された。
 シムゾンの口から直接自慢されたし
 あいつは法螺で自慢するような阿呆じゃねえからまず本当だろう。
 それでシムゾンは報酬として忠実な”人斬り”を仲間にしたってわけだ」
「・・・ねえアオイはどうしてそこまでしてマクベインの命を狙ってるの?」
「さあ、それも知らねえ」
嘘だけど。
昔、酔っ払ったシムゾンに聞いた事があるが話していいものか分からんしな。
ちらりと見るとリディは男の腕の中にいる女とは思えない目で黙っていた。
新情報を覚えている情報と照らし合わせて何か考えてるんだろうが
もうちょっとこう可愛げのある表情で考え込んで欲しいぜ。

399 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:46:23 ID:aIH5CGWM

「そろそろ準備しろよ」
「あっ、うん・・・」
まだ色々と考えているみたいだったがそう言うとリディは身体を起こして四つん這いになった。
「ん・・・」
「何してるんだ?」
「ん・・ちょっと・・準備よ・・」
四つん這いになったまま、リディはあそこに手を伸ばしている。
何となくやってる事が分かった俺は素早く起き上がると反対側の方へまわった。
「ちょっ・・!
 見ないでよ!」
リディは慌てて身体をひねろうとしたが、甘い。
「いいから、見せろよ」
俺が尻を掴んで逃がさないように鑑賞モードに入ると
リディはため息をついて観念し指を動かし始めた。
縦すじの中へと細い指を入れ精液を掬い取ると、上に佇むお尻の穴へと塗りたくる。
「俺のチンコを入れる為に尻に精液を塗るのってどんな気分?」
「・・・その最低な質問の答え、聞きたい?
 高くつくわよ」
うっ、おちおち質問もできねーな。
まあいいや。
今日の方針は決まった。
アオイを探そう。
あいつ、いい女だったからなー。
もし、今でもあのマクベインを殺した奴のいう事を何でも聞くって命令が有効なら
あいつとやり放題って事も可能なわけだ。
へへ、まあとりあえずこの尻をたっぷり味わってからだ。
「そろそろいいか?」
「ん・・・」
短い返事を聞くと真っ白な尻の谷間にあてがい腰を突き入れた。
「んんっ!」
使った事があるとはいえさすがに尻はスムーズに入っていかない。
リディの身体は皮膚が薄いせいで細いくせに妙にエロい。
おっぱいは勿論だが脇の下とかお腹までもが気持ちいい素晴らしい体の持ち主だ。
そして、そいつは穴の中も例外じゃない。
まんこも相当にいいものだったが、ケツはまたこりゃすげえ。
俺のものとリディの尻の中の肉がぴったりと張り付く。
尻なのにヌルヌルしててキツいのに容易に突く事が出来る。
これは尻じゃないだろ、もう。
チンコ用の穴としか思えない。
先端に纏わりついてくる腸の動きに身を委ね俺はあっという間に発射させられていた。

400 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:47:25 ID:aIH5CGWM

てなワケで潜ってきたんだが、五階まで来てまだアオイには会えてねえ。
目の前にいるのがアオイじゃないとしたらの話だが。
妙な言い方になってしまうのは俺にもよくわからねえからだ。
「ウゥゥゥーーー・・・」
ワーウルフって生き物がいる。
人狼、その名の通り人と狼が混ざったような生き物だ。
体の外側はふさふさの毛に覆われ手には鋭い爪が生えている。
しかし、二本足で動き顔は人と変わらず知能も高い。
そしてもう一つ。
人狼は元は人間だと言われている。
戦いに明け暮れ、血に染まり続け、戦闘で得られる恍惚状態から帰ってくれなくなった人間が
人狼へと姿を変えてしまうというのだ。
それが本当かどうかは俺は知らない、
が、もし本当なら目の前で威嚇するように低く咆えているメスの人狼はどうなのだろうか。
銀色の長い髪をたなびかせている雌の人狼。
少なくとも俺は初めて見た。
伝承が本当なら血に染まり続け、戦い続けた女がいるって事になる。
そんなの俺は一人しか知らない。
分かったろ?俺がアオイに会っているのかどうか分からないと言った理由が。
「グルゥゥゥ・・・」
俺の事を分かっているのかいないのか、人狼は豊かな胸を見せつけながら睨みつけてくる。
しかし、いいおっぱいだ。
何故かは知らないが上半身だけ裸で隠そうともしていない。
そういやアオイも結構でかかった。
直接見たわけじゃないが、大きさはあんなもんだった。
とするとやっぱりあれはアオイだろうか。
あんな無防備におっぱいを曝け出して・・・。
あの肩を抱いただけで斬りかかっていたアオイがあんな格好をしているなんて・・・
「ウゥゥ・・・」
俺が一人でしみじみとしていると、人狼がゆっくりと後ずさり始めた。
何故だ。
フリーダもイーリスも連れてないのに何故警戒されているんだ?
顔はいいし優しいし強いしと俺が警戒される理由は何もない。
元はアオイだったのかも知れねえが所詮は人狼か、仕方無い。
こうなりゃ力づくで俺の魅力をたっぷり叩き込んでやるとするか。
その獣臭くなった膣の中にな。


401 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:48:08 ID:aIH5CGWM

さすがは人狼と言った所だろうか。
逃げ足が異常に速い。
人狼の動きの速さは知っていたつもりだったが逃げ足はそれ以上に早く
俺もついていくのが精一杯だ。
五階は滅びた古代エルフ都市だとからしく墓場みたいな場所だ。
何なのかしらねえが床は液状化してるし階段は多いし変な仕掛けは多い。
まあ、言い訳だ。
結局、俺は人狼に追いつけなかった。
だが、捕まえる事が出来ればどっちでもいい。
この先は確か、妙に広い変な場所だが行き止まりになっていたはずだ。
追い掛け回す間中、ブルンブルン跳ねていたおっぱいももう逃げ場は無い。
うへへ、走りまわされた分は体で払ってもらうぜ。
「おい、アオイ!
 観念して股開け!」
そう叫んでドアを蹴り開けるとそこには
剣のぶつかり合う音、怒号、詠唱と血なまぐさい音が充満していた。
別にこの場所じゃ珍しくもなんとも無いものだが音を立てている主にはさすがに俺も驚かざるを得なかった。
俺の心の、この世で見たくないもの上位ランカーがその場に集結していたからだ。
「おい、なんだてめえ!
 今は取り込み中だ!失せろ!」
まず、第四位、むさい男の集団。
むさい男に偉そうな口をきかれると本当にむかつく。
こいつ殺すか。
後一歩でも近づいたら斬ろうと思っているとしゃがれた声が響いた。
「待ちなさい。
 あなた達では彼には勝てませんよ。
 いいからあなた達は聖獣の相手をしていなさい」
俺に詰め寄ろうとしていたむさい男達を止めたのは堂々第二位にランクしているマクベインだ。
青いフードに顔を隠してはいるがこのしゃがれ声は聞き間違えようが無い。
やっぱり生きてたのか。
そして、マクベインの手下らしい男達と戦っているのは第三位、聖獣どもだ。
聖なる獣、だなんてふざけた名前だが、中身は最低の魔物だ。
法王庁のカスどもに天使の名をつけられているがこいつらの本性は悪魔よりも残虐で救いが無い。
悪魔は狙いをつけた奴をいたぶるが聖獣どもは数を競う。
殺しては生き返らせて遊ぶ悪魔は、非道だがその分隙があり助かる事もある。
だが、聖獣は徹底的に、生き返る事の無いように殺す。
最低最悪の奴等だ。

402 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:49:07 ID:aIH5CGWM

「きっ、貴様はシラン!?
 何故、貴様がこのような所に!?」
そして、輝く第一位。
ランゴバルトの糞ったれだ。
法王庁の番人だとか言われてるらしいがその通り。
正に法王庁を象徴する糞ったれだ。
「なっ、なんでもいい!
 助けろ、シラン!
 ワシを助けたら貴様の罪を不問にしてやってもいいぞ!」
ランゴバルドの糞が寝ぼけた事を叫びだした。
相変わらずの頭の悪さにうんざりするぜ。
老いぼれすぎて脳みそが溶け出してるらしい。
「なんだ?俺の罪って。
 俺がなんか悪い事したか」
「なっ、なんかしたか、だと!
 己は追放された理由も忘れたか!」
ランゴバルト爺さんは顔を真っ赤にして叫んだ。
大概に爺のくせしやがって結構遠いのによく聞こえる声だ。
こりゃ殺さねえと死なねえな。
こいつの面なんて一秒も見たくないが仕方なく俺は二つの糞が剣に届く範囲まで近づいた。
「くっくっくっく、何ですか?
 私も知りたいですねえ、シランさんが法王庁を追い出された理由」
マクベインが笑いながら言った。
だが、しゃがれ声と抑揚の無い言い方のせいで楽しそうには聞こえない。
「俺は別に何もしちゃいねえよ。
 ちょっと女の姿した色っぽい聖獣がいたから押し倒しただけだ」
「”だけ”だと!
 ふざけるな!!
 貴様が犯した罪はそれどころではないわ!
 その一つでさえ許し難い大罪を貴様はどれほど重ねたか忘れたとは言わせんぞ!
 司教の娘を何人も犯しあまつさえ、かどわかした事を忘れたか!!」
こいつら戦闘中じゃなかったのか?
ランゴバルトの奴はもう完全にマクベインを忘れ俺の方に向き直っている。
「養女なんて言って、司教や大神官の性奴隷だったんじゃねえか。
 街に逃がす礼に抱かせてもらっただけだ。
 あいつらだって喜んでた」
「司教は愛を与えていたのだ!
 貴様のやっていた事とは違う!
 そのうえ貴様は教会で預かってた子供達までさらい・・」
「だからそれは将来おっさんの性奴隷にされる女の子を逃がしただけだ」
いっとくが、これは言い訳じゃねえぜ。
本当の事だ。
法王庁ってのは本気で腐ってるからな。
「身寄りの無いガキを街に放り出すのと奴隷にするのはどっちが罪になるんだ?
 お前の大好きな聖典にはなんて書いてあるんだよ、言ってみろ」
ランゴバルトは顔を四階のマグマみたいに赤くしてブルブル震えてやがる。
一丁前に怒ってるのか、糞のくせに。

403 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:50:13 ID:aIH5CGWM

「なあ、ここに雌の人狼が来なかったか?」
ランゴバルトのカスは放っておいて俺はマクベインに訊いてみた。
こいつも相当なカスだが、今の状況じゃ他に訊く奴もいねえしな。
「くっくっく、相変わらずですねえ。
 今も女の子を追っかけてるんですか?」
「女の尻より追う価値のある物があるなら教えて欲しいね」
そう言うとマクベインはゆっくりと部屋の隅を指差した。
「あの子じゃないですか?」
その指先の方向には首と胴がお別れしている人狼の死体が転がっていた。
「・・・ちっ、まあいい」
糞ッ垂れ、人狼とはいえ女の子を平気で殺しやがって。
だから、こいつらは糞なんだ。
どうせ、やったのはマクベインの手下と戦ってる聖獣だろうがな。
「可哀想に・・・」
俺は人狼の頭と身体をくっつけるとカーカスを唱えた。
流れていた血が引き、人狼の身体が光りだした。
こいつは自慢の一つなんだが俺は可愛い女の子の蘇生を失敗した事が無い。
死体さえあれば、だがな。
聖獣がマクベインの手下と戦闘中で本当に良かった。
「ウウウ・・・・!」
見事、蘇った人狼は少しだけきょとんとした後すぐに小さく震えながら唸りだした。
よっぽど怖かったんだろう。
攻撃する気配も無く縮こまっている。
「来い」
そう言ってしゃがみ込んでいる人狼の手を引くと彼女は大人しく立ち上がった。
目茶目茶びびってる様子だが、ただの人狼が聖獣達を見れば無理もない。
本当の獣ならまだいいが人狼は知性がある分、恐怖を知っている。
しかも、一度殺されているんだ、恐怖で身体がすくんでも仕方無いだろう。
だが、結局こいつはアオイじゃなかったらしい。
アオイならどんな状況だろうとマクベインを見て黙ってるはずが無いからな。
「シ、シラン!暴言も許してやる!
 法王庁に戻れるよう口を聞いてやってもいい!
 ワシを助けろ!」
怒りすぎて石像みたいに動かなくなっていたランゴバルト爺さんがたわけた事を抜かした。
どういう風に考えたらそんな台詞が出て来るのだろう。
「お前のしてきた事を思い出せ。
 お前が絶世の美女でもガキンチョでも助けねえよ」
「お、お前はこの男を、マクベインを放っておいてもいいと言うのか!?
 この殺人鬼を・・」
まだも食い下がるランゴバルトへ俺は向き直った。
「殺した数ならお前の方が上だろ。
 助けを求めるのはお前の大好きな神様にしろよ」
そう言い捨てて俺はこの手で殺したい奴等ばかりがいる部屋から出て行った。
「くっくっく、これで邪魔される心配もなくなりましたね」
マクベインの笑い声とランゴバルトの悲鳴が背中に浴びせられる。
へっ、暇人どもが殺しあってろ。
俺は忙しいんだ。
この狼娘とセックスしないといけないからよ。


404 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:54:16 ID:aIH5CGWM

俺が手を引っ張ると何も言わず黙ってついてくる。
怯えた目で俺を見るだけで唸りもしない。
完全に恐怖に囚われている狼娘を前に俺は少し考えた。
フィアケアで治してやるのは簡単だ。
だが、それではまた逃げ出すんじゃないかと思うわけだ。
と、なれば取るべき行動は一つ。
肌の温もりで癒す事だ。
「さあ、いい子にしてればすぐ終わるからねえ」
ここらなら床は普通だし墓場臭くもねえしいいだろう。
両肩をつかむと狼娘は怯えた目で俺を見てキョロキョロと眼球を動かした。
目を合わせるのすら怖いらしい。
ウーウー唸ってた時は分からなかったが、こうして見ると結構可愛い顔をしている。
あどけない少女のような・・澄んだ瞳。
俄然やる気が出てきた俺は狼娘のぎゅっと閉じた口へ唇を近づけた。
「あたっ!」
キス寸前という所でいきなり殴られた。
「ウウゥゥゥ・・・」
あーあ、そんなに唸っちゃ可愛い顔が台無しだぜ。
両肩をつかんでいたおかげで狼娘のパンチは大した威力は無かった。
だが、ここで調子づかせてはいかん。
俺は手を一気下げると狼娘の肘の所を掴んだ。
「ウォォウッ!?」
筋肉はなかなかのもんだが骨格自体は華奢なもんだ。
両肘を捕まえて壁に押し付ける。
へへ、可哀想だが今のお前はおっぱいをぷるぷる揺らすだけしか出来ないぜ。
「そう怖がるなって。
 やさし〜くキスしてや――ングッ!!」
ぐあっ!いってえ!
くそ、油断した!
キスしようと近づけた唇に噛み付かれた。
そっちがその気なら俺も容赦しねえぞ!
「ンンッ!」
俺に噛み付いてるって事はこいつは逃げられないって事だ。
逃がさないように掴んでいた手を離すと俺は狼娘のおっぱいをわさわさと揉み始めた。
あー唇が千切れそうだ!いてえ!
でも、おっぱいは目茶気持ちいい!
つるんつるんでぷにゅんぷにゅんだ。
でも唇いてえ!
しかも俺の二の腕に爪を突き立ててやがる!
ちっくしょう!いてえ!
でもおっぱはすべすべで気持ちいい!
「ングググ・・」
はたから見ると変な光景だっただろう。
俺思いっきり唇を噛まれてるし、狼娘はおっぱいをつねられている。
お互いにくぐもった悲鳴を上げながら俺達は温もりを共有し始めていた。

405 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:56:35 ID:aIH5CGWM

もしかして、こいつ怯えてるのか・・・?
思いっきり噛みつかれているにも関わらず
俺はなんだかこいつが可哀相に思えてきた。
痛みが麻痺し始めこいつの口の温かさを知ったからかもしれない。
考えてみりゃ俺に追い掛け回され、聖獣どもに殺され、今はまた俺に捕らえられている。
セックスなしで帰すつもりは無いが
このままやるのも少し可哀想な気もして俺はフィアケアを唱えた。
「・・・!」
その効果は劇的に現れた。
狼娘が顎の力を緩め俺の口を離したのだ。
「・・・な・・・に・・・?い・・・ま・・の・・」
「お、お前、喋れたのか!?」
呆然とした顔で俺を見つめる狼娘はたどたどしくも言葉らしきものを口にした。
「しゃ・・べ・・・・れ・・るよ・・」
そうか、そうだよな。
知性があって人間と変わらない顔をしてるんだから喋れて当然か。
「い・・まの・・なに・・?
 ふあ〜って・・・?」
突然、心から恐怖心が消えたのがよほど不思議だったらしい。
狼娘は大きな瞳をまっすぐに俺に向けている。
「今のは・・そうだな。
 キスしたからだ。
 キスしてたから気持ちよくなったんだ」
「き・・・す・・・?」
人狼はなんだかよく分からないという顔で見つめてくる。
「これだよ」
まだズキズキと痛む唇を押し付けると狼娘は頭を壁に押し付けながらも唇に触れさせてくれた。
ぬるぬるとした液体が唇の間に流れ込む。
見えないが多分、俺の血だ。
彼女が俺の腕にざっくりと突きたてていた爪を抜くと
俺はこっそりとフィールを唱えてから、銀色にたなびく髪に手を差し込んだ。
恐る恐る舌を挿し入れると彼女は目をぎゅっと閉じてピクンと跳ねたが噛み付きも嫌がりもしなかった。
歯茎を舐めると少し生臭い唾液の味がした。
歯も人間と変わらないな、ちょっと犬歯が長いぐらいで。
意外にも獣臭さはほとんど無い。
いつも何食ってんだろう。
「ん・・・」
唇を離すと唾液の糸が俺達をつないでいた。
狼娘は俺の口が離れるとしっかりと閉じていた目をようやく開いた。
「き・・す・・・?」
「ああ、今のがキスだ」
そう言うと彼女はきょとんとした顔で俺の血で赤く染まった自らの唇をそっとなぞった。

406 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:57:50 ID:aIH5CGWM

なんだか分からないが嫌がってないと確信し俺はおっぱいいじりを再開した。
ぐにぐにと揉んでも狼娘は表情も変えず形を変える自分の胸を見下ろしている。
「ん・・・」
小さな息を漏らすとちらっとだけ俺を見上げまたうつむく。
この娘はもしかして俺がやってる事がよく分かってないのだろうか?
なんだか何も知らない子供のような反応を見せる。
もしかしたら人狼としては子供なのか?
身体がこんだけ立派に育ってりゃどっちでも構わんけどな。
「ンアッ!」
少し大きめの乳首をつまむと人狼は体をくねらせた。
固くなった突起をくにくにと擦ると狼娘の顎が上がっていく。
刺激に耐えているのだろうか。
まるで遠吠えするみたいに上を向いて、ウォフウォフと小さく喘いでいる。
可愛いもんだ。
こんな敏感なくせに露出してたのか。
下はズボン履いてるから一応恥ずかしいっていう感情はあるんだろうに。
まあいいや。
どうやらもう抵抗する気は無いみたいだからその隠してる下半身の方を拝ませてもらおう。
「フゥー・・・フゥー・・・」
お・・・なんだ?
胸を離してズボンに手をかけると狼娘は荒い息を吐きながら俺の肩をつかんで引き寄せてきた。
また噛まれるのかと身構えたがどうやら違うらしい。
身体を引き寄せると彼女はぺろぺろと俺の口を舐めだした。
キスのつもりだろうか。
柔らかい舌がねちょねちょと唾液を擦りつけてくる。
狼ってより丸っきり犬みたいだが顔つきは女だ。
じゃれているつもりじゃないのは目でわかる。
俺をオスとして見てる。
「ァウッ・・」
隙をついて狼娘の舌を甘く噛んで捕らえると目を見開いてちょっとパニックになっている。
フンフンと吹きかけられる鼻息が熱い。
舌を離してやると狼娘は慌てて引っ込めてしまったが逃がすつもりは無い。
口の中にまで追いかけて舌を舐めてやる。
ちょっと戸惑ったみたいだがすぐに慣れ、娘は挿れた舌を舐め返してきた。

407 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:58:56 ID:aIH5CGWM

「ん・・・」
十分に味わった後、唇を離すと肩を掴んでいる手に力が込められた。
「どうした」
「・・ま・・だ・・・」
「キスか?」
狼娘は潤んだ目でこっくりと頷いた。
よっぽど気に入ったらしい。
しかし、いつまでもキスばっかりじゃなあ。
俺は狼娘の股に手を入れズボンの上からそっとあそこに手を当てた。
「ゥッ!?」
「ここにもキスしたいんだけどいいか?」
そう言って指をそろそろと前後させると、狼娘はじっと俺を見返してきた。
「・・き・・す・・?」
「ああ、そうだ」
少し考えたような顔をして狼娘はまたこっくりと頷いた。
へへ、素直で可愛い奴だ。
ズボンをずり下ろそうとすると尻を浮かせて協力してくれた。
「ほう・・・」
下半身は大分人間と違うみたいだ。
足全体が灰色の毛で覆われててそれは肉厚のドテまで続いている。
俺の視線を感じてか狼娘は恥ずかしそうに目を伏せている。
「ァ・・・・」
膝に手を置いてゆっくりと足を開かせていくと人狼の女の部分が露わになった。
産毛に覆われた縦すじは短く、クリトリスが見当たらない。
それに小陰唇も無い。
何もはみ出してないし掴んで遊べるようなものはついてないんだ。
うーむ。
見た事は無いが狼のまんこに近いのだろうか?
なんだか正に”穴”って感じだな。
だけど、奥の方の桃色の肉は誘うようにぐにんぐにん蠢いている。
しばらくその穴を鑑賞した後、顔を近づけそこにキスをした。
その肉は想像以上に柔らかく湿っていたが匂いは人間のものに近いように感じた。
ちょっと酸いような香ばしいような匂い。
「ァウンッ・・!」
ちょっと舌を出して舐めてやると狼娘の腰が跳ねた。
構わずに舐め回すと俺の顔に押し付けるように腰を浮かせてくる。
「ゥオオオンッ!」
舌を吸ってくる穴を少し舐めてやってると内腿あたりから穴までびくびくと痙攣し始めた。
狼娘はせつなげに咆えると腰を地面に落とした。
まだあそこはぴくぴくと震えている。
感度の良さに感心すると俺はズボンを脱ぎ逸物を取り出した。

408 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 18:59:46 ID:aIH5CGWM

「いくぞ」
俺がそう言ったのは彼女に聞こえていたのか分からない。
ただ小刻みに震えながら虚空を見つめていた。
構わずにあてがったものを挿入するとか細い顎は跳ね上がった。
「ォンッ!」
くっ、狭い!
肉は柔らかいがそれでもぎゅうぎゅうと押し込まないと入っていかない。
だが、中はぐねぐねと激しく蠢き、濡れているのに張り付くほど吸い付いてくる。
なんちゅう膣だ。
俺のが食われてるような気さえしてくる。
「ク〜・・・・」
子犬の悲鳴のような小さな声に気付き顔を上げると狼娘は目を閉じて震えていた。
痛い・・・・のか?
もしかすると処女だったのかもしれない。
膣の中とは裏腹にじっと動かず耐えているような表情の狼娘に俺は腕をまわした。
ぐっと抱きしめて身体を起こすと彼女は腕の中でうっすらと目を開けた。
俺の上に座らされた身体をどかそうともせずに抱き返してきた。
華奢で筋肉質でふかふかで優しい匂いがする。
肩の上に乗せられた彼女の頭を撫で銀色の髪を指ですく。
浅く荒い息が俺の耳を暖めている。
片腕で抱きしめたまま俺はもう一つの手を降ろした。
産毛に覆われた腰を持ち、ゆっくりと前後に動かした。
狼娘の抱きつく力が強くなる。
ただでさえ吸い付きのきつかった胎が益々強く求めてくる。
「おい、聞こえるか?
 このぬちゃぬちゃ言ってるのお前の身体だぜ」
俺の肩に顔を押し当て熱い息を吐きかけていた人狼がいやいやするように顔を振った。
一丁前に照れやがって可愛い奴だ。
「おら!」
「クぅぅぅーん・・・」
掴んでいた腰を激しく前後に揺さぶると狼娘の喉からせつなげな咆哮がこぼれだした。
粘液の擦れる音も更に大きくなり人狼の性器は俺を咥えこんで離さない。
俺は情けない事にこの娘を気持ちよくさせてやる事も忘れ
いつの間にかただ蠢く肉の動きに意識を奪われ、そのまま胎の中に射精していた。

409 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 19:01:44 ID:aIH5CGWM

「痛くないか?」
そう訊くと狼娘は大きく頷き、また俺の顔をペロペロと舐め始めた。
さっきからずっとこの調子だ。
出した後、抜こうとすると狼娘は嫌がって強く抱きついてくる。
痛そうだったくせに随分と気に入ったのかさっきから俺の顔を舐めっぱなしだ。
ま、悪い気はしない。
どうするべきか困るだけで。
「なあ、そろそろ抜かない?」
今度は首を横に振り少し俺を睨んでくる。
「・・だ・・め・・・。
 ・・・いっ・・しょ・・・」
「一緒って・・・・俺と?」
人狼はこっくりと頷くと少し恥ずかしそうに上目使いで見てくる。
なんだ、おい。
その媚びた視線は本能で使ってるのか?
「・・じゃあ、俺んち来るか?
 街の中だけど」
そう言うと彼女の表情は劇的に変化した。
キラキラと目を輝かせ強烈に抱きしめてくる。
「くぅんっ!」
喉の奥から甘えた声で鳴いている。
こいつ狼ってより丸っきり犬みてえ。
野良犬から警戒心や恐怖心を消したらこうなったって感じだ。
まんまだけど。
あーあ、どうすっかな。
可愛い女と同居すんのはいいんだけど、うちにはネコがいるからな。
ボギーキャットとワーウルフって仲良くやれるんだろうか?
「名前は?」
「・・ない・・よ・」
「無いのか、じゃあ・・・そうだな。
 ギンってのはどうだ。
 銀色だからギン」
「・・ぎ・・ん・・・?」
少し宙を見上げて考えたような顔をした後、ギンはにっこりと笑ってくれた。
「仲良くやろうな」
そう言うとまるで返事の代わりと言うように、ギンの中がクッと残り汁を吸い上げた。

410 : ◆JBtnEvJis6 :2005/08/17(水) 19:02:34 ID:aIH5CGWM
投下終了です。

411 :名無しさん@ピンキー:2005/08/17(水) 23:14:33 ID:3/utRYfK
シランキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
なんか伏線もキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
GJ!!

412 :名無しさん@ピンキー:2005/08/17(水) 23:21:42 ID:uhuZOm4s
GJ!

413 :名無しさん@ピンキー:2005/08/18(木) 04:09:42 ID:VEi8pPjG
>こいつは自慢の一つなんだが俺は可愛い女の子の蘇生を失敗した事が無い。
うはwww名句キタw
毎回この辺のネタが楽しみです。

414 :名無しさん@ピンキー:2005/08/18(木) 20:27:22 ID:GTMA9OJB
このスレの神職人たちは、ほんと文が上手い。

415 :名無しさん@ピンキー:2005/08/19(金) 15:51:19 ID:kXJntM8b
猫×狼に期待

416 :名無しさん@ピンキー:2005/08/19(金) 17:47:53 ID:DdKm0lmC
容量が残り少なくなって来てるので
次に投下される職人さんは注意して下さい

417 :名無しさん@ピンキー:2005/08/19(金) 23:50:48 ID:fiy2hrF7
気が利くアナウンス。

そうか、雑談的な書き込みが減って、
SSの占める割合が上がっているから容量がきついのか?

SSを投下してもらい易い雰囲気の為にも、職人の妄想を刺激する意味でも、
ある程度はエロ雑談とかあっていい希ガス。

灰の状態から蘇生したらやっぱり素っ裸なの?とか
ダンジョンの中で催したらどう処理するの?とか
…幼稚くさい疑問ですか、そうですか。

418 :名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 00:22:19 ID:PNMYcTBP
灰から蘇生したらやっぱ裸でしょう
ダンジョンの中で催したら基本的にその場で、だと思う
女性メンバーが複数いたら連れションにいって
一人だけなら他の五人が壁となって囲むとか。
恥ずかしがって一人で離れてしようとする女冒険者を狙い撃ちにするモンスターがいて・・
とかよく妄想した。

419 :名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 00:52:13 ID:teWmGx+e
おむつ冒険者という新しい答え。
萎える事間違い無し。
萎えないものとしては、抑止する薬とか。

420 :名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 01:24:24 ID:wNNKVXKL
おむつで燃え上がる連中もいるぞ。

俺とか。

421 :名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 01:36:42 ID:jw2/dDNu
垂れ流しで戦う格闘士とかも居るぞ。




バキとか。

422 :名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 08:51:48 ID:tTOz5G+W
ワードナの迷宮には新陳代謝を抑えて、
飲食や排泄をしなくて良くなる魔法がかかってるんだよ。

423 :名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 09:27:33 ID:XaadF146
そうとでも解釈しないと、生物型モンスターの排泄物で迷宮内が凄絶な悪臭に満ち、
病原菌が蔓延し、冒険者が突入し難くなるのは分かる。分かるのだが。だがしかし。

スカトリアンとしては全面的に却下だ。

たぶんクリーピングコインよりも微細な、エンカウンター対象にもならないような
魔法細菌が大量に散布されていて、そいつらが迷宮内の汚物を分解しているんだよ。
これならモンスターの死体が何処にいくのかも説明つく。

424 :名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 12:24:08 ID:dlvNEeEG
>>423
迷宮自体に、死体はゾンビ化・汚物はクリーピングクラッドにする
魔法が罹ってるんだよ。

425 :名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 00:10:26 ID:KDanGZUX
事務所やら温泉やらタクシーやらがあるくらいだ、
公衆トイレぐらいあるんじゃないのか?

迷宮内のモンスターも冒険者も戦闘キャンプに関係なく利用している。
プリーステスも裸のニンジャも鎧姿の侍も、もよおせば手近な玄室にあるWCへ直行。
そして用を足す・・・・




   ”紙がない。探しますか?”

    はい
    いいえ


426 :名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 00:37:47 ID:hyrbD7Pe
迷宮内 トイレというキーワードがピピンと来たので何かなーと
記憶を探ってみたらエロゲーだった。

427 :名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 01:37:35 ID:7/apQvYJ
詳しく

428 :名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 01:43:42 ID:hyrbD7Pe
ttp://www.alicesoft.com/pastel2/index.html
冒険者養成所が作ったダンジョンなので目立たないようにトイレが設置してある、
というだけの話でしたとさ。

429 :名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 02:32:08 ID:KDanGZUX
剣と魔法の恋愛育成RPG⇒ぱすてるチャイム
剣と魔法の育成RPG⇒Wiz

430 :名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 04:19:42 ID:AuIBS2jQ
携帯トイレもあるよ、あの世界には<ぱすちゃ

431 :名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 16:29:38 ID:avc07lPg
腹減りメーターに気をつけて糧食を摂るダンマスのように
うんこメーターに気をつけて排泄するという、
すごいパイの狭いエロRPGがいつか出そう

432 :名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 18:15:51 ID:Zn3HMMKI
SSならもう短編しか入らない容量だしそろそろ新スレだと思うんだけど
新スレを立てるにあたってなんかテンプレ案とかある?
俺は今ん所、補完庫のURLを>>1に表記するぐらいしか思いつかないだけどさ

433 :名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 00:37:12 ID:IcSL8M/P
関連スレとかは?
無駄に多くなるか…

WIZ小説ウェブリングとかは?
微妙に意味ないか…

>>1を見るとWIZ1限定な感じもあるから、
それをどうにかするとか…

434 :名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 11:37:38 ID:Y5K0NuBM
個人的には#1〜#8、外伝、ディンギル、エンパイア、
さらに最新作のエクスまで、ウィザードリィなら何でもありって
書いてくれると嬉しいかな。
まあ、他の人からは猛反発を食らいそうだけど。

435 :名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 11:41:42 ID:RKZecfX7
>>1の口上は「歴代シリーズの…」ってかいてあるから問題ナサス
ざっと見た感じ獣人モンスターのSSが投下されたり読み手も多いようだし、
もしそのまま手を加えるとしたら
  プリーステス、サキュバス、獣人などの女モンスターやNPCをいいようにする冒険者達、いいようにされる冒険者達。
という感じ?

ただ、スレタイ・・・w
一応検索Hit数で確認したけど、
やっぱりウィザードリ「ィ」だよね・・・

436 :名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 11:43:43 ID:kE8cOXXR
【Wizardry】ウィザードリィのエロパロ3【シリーズ全般】

でどうだろうか。
【  】で囲うのに拒否反応が出ないならね。

437 :名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 12:15:19 ID:RKZecfX7
>【シリーズ全般】
(・∀・)ソレダ!!

>>433
関連スレの紹介もあれば広がりもあっていいと思う。
とりあえず、半二次のWIZARDRY総合スレとはすでに文中で相互関係。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1121793764/l50

キャラサロンに人外女性総合スレッドがあって、
そこでWIZARDRY迷宮内でのなりきりネタを扱ってる。
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1118623511/l50
他の板を考えると家ゲーとか、キリないか・・・

ここの板ではどうなんだろう、
冒険者同士のネタがありそうなダンジョンとか剣と魔法モノは見当たらない。
ライバルとしてなら、メガテンペルソナのエロパロスレがあるw
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1120996708/

他はない?

438 :テンプレ案 こんなんで :2005/08/22(月) 14:29:33 ID:IcSL8M/P
【Wizardry】ウィザードリィのエロパロ3【総合】



ワードナ率いるヴァンパイア軍団や、ローグ、オークその他のモンスターに凌辱される女冒険者たち。
プリーステス、ウィッチ、サキュバス、獣人などの女モンスターやNPCを凌辱する冒険者たち。

ここはそんな小説を読みたい人、書きたい人のメイルシュトローム。

凌辱・強姦に限らず、だだ甘な和姦や、(警告お断りの上でなら)特殊な属性などもどうぞ。
過去スレその他は、>>2-10辺り。

439 :テンプレ案 どないだ :2005/08/22(月) 14:30:46 ID:IcSL8M/P
●扱うシリーズ
 正伝#1〜#8、外伝、ディンギル、エンパイア、エクス、BUSINと、WIZ関連なら全般的にOKです。

●前スレ
 ウィザードリィのエロパロ2
 http://sakura03.bbspink.com/test/r.i/eroparo/1114358381/
 ウィザードリィのエロパロ
 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093861447/

●保管庫
 http://ascii2d.no-ip.info/user/wiz/wizsstop.html

●関連スレ
 半角二次元板のWIZARDRY総合スレ
 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1121793764/

440 :保管庫 :2005/08/22(月) 15:13:59 ID:/LsNCia3

盛り上がってますね。
当庫もテンプレとして加えて頂けるのなら光栄であります。

いちおう保管庫にリンクページみたいなのは設けております。
テンプレに乗せるまでもないけど備忘録としてどっかに残しておきたいとか、
いきなり2ちゃんのエロから常時テンプレ直リン状態というのもなんだか…な一般サイト様とかWebリングとか、
そういう所があれば言って下されば保管庫リンクで扱います。
リンク先としても、スレのテンプレとして晒されているよりは当庫がワンクッションとして間に入っているだけでも心象が良くなるではないかと思ってみるテスト。
 ……まぁやってる事はあまり変らないんでずが(´・ω・`)
それで、「一般リンクは保管庫のリンクから…」みたいな一文をテンプレに加えて頂けるのならはなおさら光栄といふことで、ご一考下さい。

ところで、得物屋さんってここの皆さんではデータベースサイトとしてはほとんどデフォですよね?
SS書く上での字引き代わりにリンクしてみました、どうぞご活用下さい。

441 :名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 18:14:05 ID:lUtnp3XE
>>438-439
でいいと思う。


442 :名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 10:02:31 ID:bSREh2RC
>>440
ごめん、いまいち何を言ってるのか(´・ω・)ワカラナス

443 :保管庫 :2005/08/23(火) 11:57:19 ID:xvU6lXdf
あ、すみません。
要はテンプレに入れるまでもない関連スレやサイトなどは
ウチのリンクページに順次追加していきますよ ってな事ですよ。

444 :名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 13:39:45 ID:bSREh2RC
なるほど。それなら上のほうのテンプレ案で必要十分じゃない?

445 :名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 22:49:15 ID:EvEX5iZc
じゃあもう立てていい?

446 :名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 23:34:28 ID:EvEX5iZc
無理だった。
誰か頼みます。

447 :名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 20:50:56 ID:BmlvKPqM
次スレ建てたよ。

http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124884172/

448 :名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 21:29:06 ID:dyHIVkNf
>447
乙です。

449 :ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2005/08/25(木) 22:03:47 ID:HJMnXh1x
>>447
乙カレです。

450 :名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 22:10:11 ID:s8DImG23
埋め

451 :名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 10:13:19 ID:sRapQUQG
ワードナin投票所

452 :名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 12:01:20 ID:whw3nLNd
保守

総レス数 452
475 KB



read.cgi ver 05.0.1.1 2005/06/02
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)