アウローラ。
殺戮の為の殺戮を好む、慈悲の一かけらも無いという魔女。
ほとんど神話のような伝承にも登場し数多の国を滅ぼし
今も聖王オルトルードに呪いをかけ王女を殺したと言われている。
噂でも美しい女だとは聞いていた。
だが、まさかこれほどとは目にするまで思いも寄らなかった。
俺は人一倍女を見てきた。
誰よりも見てきただろう自信がある。
その俺でさえこんな女見た事ない。
サキュバスよりも白く艶やかな肌、夜が焼きついたような黒々とした目
唇は血のように紅く、美しい顔には皺の一つすら見当たらない。
ともすれば無垢な少女のようにあどけなく見える姿は
眼前に広がる死体と瓦礫の部屋を作り出したとは到底思えず
間違えて迷い込んだと言った方がよほど納得できる。

「どう?もう一度やってみる?
 そこの冒険者達の力を借りればかすり傷くらいならつけられるかもしれないわ」
柔らかく軽やかな声が狭い部屋を通り抜ける。
「お前に勝てるなどと・・・思ってはおらん・・・」
「あら?」
ぼろぼろにされた魔法使いの爺さんが振り絞るように声を出すのを
魔女は優美な態度で待っている。
「・・・わしは知りたいのじゃ。
 お前が何を望んでいるのかを」
これだけの言葉で既に爺さんは息を荒げている。
「不死の命を持ち、絶大なる魔力に通じたお前が一体何を欲しているのかを」
イーリスが見かねて支えに行こうとしたが老魔導士は手でそれを制止した。
「幾多の王国を滅ぼしても満たされず
 いかなる権力も財宝もお前の心を満たす事は無い」
「お前はその永劫の時の中で
 何を探し彷徨いつづけているのか?
 お前が望めばいかなるものでも手に入らぬものなどなかろうに・・・・
 ・・・・もうわしは長くない。
 できればそれを知って死に赴きたい。
 お前の望みとはなんだ?」
ようやく出きった爺さんの言葉を聞き魔女はかすかに微笑んで細い指を組んだ。
「大魔導士ウェズベルともあろうものが愚かなこと・・・。
 魔女と呼ばれ恐れられている私から
 一体何を聞き出すつもりかしら?」
ウェズベル・・・。
確かユグルタ魔法学院始まって以来の天才と呼ばれた男だ。
行方不明と聞いていたのがどうやらこの爺さんがそうらしい。
ま、いまさら驚きゃしない。
魔女だって来てるんだ、今のドゥーハンには誰がいたっておかしかねえ。
「どう?今から嘘をたくさん言ってあげるから
 その中から好きなものを選べばいい。
 そして死の闇の中で、絶望を感じながら死んでいきなさい」
爺さんの命をかけた言葉もアウローラには届かなかったようだ。
残念だろうが仕方無い。
俺みたいにいい男でもなきゃ女は冷たく我がままなもんさ。
「昔から嘘などは弱者が用いるものと相場が決まっておる」
これほどのいい女だ。
爺さんも諦めきれないのだろう、反撃に出た。
「お前にはそんなもの必要なかろう
 さあ、教えてくれぬか?
 お前は何を望み、何を探している?」
爺さんの熱い視線を受けてもアウローラは涼しい顔だ。
ただ、無視してる訳じゃないと思う。
何を考えているのかわからないが何かを考えてるのは確かだ。

なんだこの雰囲気。
魔女の眼中には爺さんしか入ってないらしい。
けっして友好的とはいえないが険悪ともいえないような
妙な雰囲気のまま睨み合ってやがる。
いいなあ爺さん。
どうやったら魔女の気をひけるんだ?
ちっとばかし妬けてくるぜ。
「私に手に入らないものなどない?
 光と闇の知識に通じ、魔神ですら従えたというお前が導き出した答えがそれなのか?
 ならば何も言う必要はない」
魔女の言葉にはどこか怒りや呆れが伴っているような雰囲気を感じさせた。
これまで表情は多少変えても全く感情というものを感じさせなかったにも関わらず、だ。
爺さんの言葉が魔女の心に触れる事が出来たという事だろうか?

「愛、だろ?愛。
 素敵な彼氏探してるんだよな。
 だが、もうその必要はないぜアウローラ。
 俺が君の探していた男だ」
爺さんに見切りをつけ帰ろうとしていたアウローラが俺の言葉に立ち止まる。
やっぱりな、魔女だ魔女だと恐れられ長い事彼氏がいないんだろう。
女の探し物つったら男か宝石と相場は決まってる。
「・・・そうね。
 もしかしたらそうかもしれない」
表情は変わってないが、いやむしろそれこそがまんざら冗談でも無い事を示している。
ような気がする。
「もしお前がそうだというのなら見せてみなさい。
 じきに扉が開く。
 ・・間に合うといいわね」
いかなる魔法なのか謎めいた言葉を残しアウローラの姿態は宙に溶けた。

なんて美しさだろう。
まるでお伽噺のお姫様だ。
いくつもの国を滅ぼしてきたというがそれも納得できる美しさだ。
言うなれば傾国の美女、いや傾国の魔女だな。
ふっ、ちょっと上手い事言っちまった。
「おい、シラン!
 どうした!?まさか魔女に魔法でもかけられたのか!?」
魔法・・・魔法か。
確かに魔法かもしれん。
あの姿、声、仕草、かもし出す空気、全てが魔法としか思えないほど怪しい魅力を放っていた。
「シランってば!」
「うおっ!?」
突然、体を揺さぶられ思わずみっともない声を出しちまった。
「シラン、大丈夫か!?」
「何がだよ!俺がどっか怪我でもしてるように見えるのか!?」
「突然、動かなくなったら心配する!」
イーリスの怒ったような瞳を見て俺ははたと現実に気が付いた。
「すまんすまん。心配かけちまったか・・・あてっ!」
「ドサクサにまぎれて胸を触るな!」
ちぇっ、相変わらずケチだな。
「ごふッ・・!」
「おい、爺さん大丈夫か?
 怪我してるんなら治してやるぞ」
魔女が去って気力が抜けたのかウェズベルの爺さんが膝を曲げている。
「無念だ・・・わしにはもうあやつを追う力は残されておらん。
 冒険者よ、わしに代わってこの迷宮の最下層を目指してはくれぬか?
 そこにきっとあやつの秘密が・・・」
俺の言葉が聞こえていなかったのか爺さんは苦しそうに声を出している。
「爺さんに言われるまでもなく最下層にゃいくさ。
 あのとびっきりのいい女が待っててくれるんならどこへだって行かぁ。
 爺さんは安心して酒場の女でもひっかけてろ、な?」



「先ほどの老魔導士の情報ではこちらが五階に向かう階段です」
フリーダの無機質な声が赤い通路にこだまする。
四階は溶岩の流れる川まであるような最悪に熱い、熱すぎる所だ。
ウェズベル爺さんが五階への道を教えてくれたからまだいいものの
これまともに探索する奴は頭おかしいぜ。
「どうした、へばったか」
イーリスが汗すら乾き赤くなった顔を向け勝ち誇ったように言う。
「お前熱くないのか?脱いだ方がいいぞ」
「ふん、見え透いた事を・・・
 私を薄着にさせて何かいやらしい事でもしようと思ってるんだろ」
何故分かるんだ。
イーリスの奴、心が読めるのか?
「いいじゃねえか、ただ歩いてるのもつまんねえし
 おっぱいぐらい見してくれたってさ」
「それ楽しいのはお前だけだろ!」
「じゃあチンコ見るか?
 見たいだけ見ていいぞ」
「はぁ〜・・・」
怒ったかと思えばため息を吐いて忙しい奴だ。
「何、そんなにプリプリしてんだ?」
「知るか!」
なんなんだよ?
ま、女が怒るのに理由なんか無いしな。
もうすぐ五階だ、それまでにイーリスの機嫌が治ってるのを祈るとしよう。

五階への階段は意外にすぐ見つかった。
ま、爺さんの情報の正確さとフリーダの記憶力のおかげだがな。
しかし、順調にやって来た俺達に一つ問題が発生した。
五階への階段のほんの手前に扉が二つあり
片方の扉の中からワープゾーンが見えているという事だ。
「どうする?」
イーリスが少し弱気に問い掛けてくる。
「行ってみるべきだろうな。
 ワープゾーンってのは大体人間が作るもんだ。
 恐らくあの魔女討伐隊とかいうけしからん奴等が作ったもんだろ。
 飛び込んだ先がいきなり即死系の罠って事は、まず無い」
「そ、そうなんだ・・・」
イーリスは本格的に迷宮に入るのはここが初めてらしくこんな初歩的な情報も知らない。
元々は騎士団の情報を探る為の密偵だったらしいが
ここが初めてってのはつくづく運がない娘だ。
俺に出会ってなきゃもう四十回ぐらい死んでるんじゃねえか?
「それなりの力を持った魔法使い何人かが
 それぞれこっちとワープ先にいて魔方陣を作るんだよ。
 結構な時間も食うから魔法使いにゃ護衛もいる。
 騎士団みたいな結構な人数が統率とれてるパーティでもなきゃ作れん」
イーリスは俺の講義にすっかり感心している。
こんな素直な所は本当に可愛いんだけどな。
「じゃ、俺が先に行こう。
 安全そうならもう一度出てくる。
 しばらく待っても俺が出てこなかったら、気にせず帰還の薬を飲め」
イーリスの返事を聞いて俺は光の柱の中へ足を踏み入れた。



「あっ、あなたシラン!?」
「なんだぁ?俺の事しってんのか?」
ワープした先はどこかなじみのある雰囲気の小さな部屋。
盗賊風の格好をした赤毛の色白女が一人いるだけだ。
「あ、あたしはベノアン書店の社長リディよ。
 聞いた事ない?ベノアン書店って」
「ない」
そう言うとリディと名乗った赤毛の女はあからさまにガッカリした顔をした。
「ま、あなたはそう言うと思ったけどね。
 それはもういいわ。
 今日はボギーキャット連れてないの?」
「ネコなら今日は留守番だ。
 最近はもう飼い猫状態で迷宮に来たがらないんだよな。
 ・・・お前なんで俺がボギーキャット飼ってる事知ってるんだ?」
リディは少し得意げな顔で鼻を鳴らした。
「まあね、言ったでしょベノアン書店の社長だって。
 迷宮やドゥーハンで起きてる事を知り記事として住民に伝えるのがあたしの仕事なの。
 あなたみたいに目立つ人の事調べないわけないでしょ」
目立つ、か。
確かに俺ほどのいい男となると目立ちたくなくても目立ってしまうもんだからな。
「本当言うとあたしの部下があなたの後を付けて迷宮冒険記を書く予定だったのよ。
 すぐ止めたけどね。
 だから、ちょっと詳しいのよ」
「ふうん、なんで止めたんだ?
 俺が主役ならバカ売れ間違い無しだろ」
そいでその本読んだ娘ッ子が実物に会いたい、抱かれたいと
こぞって俺の元へと詰め掛ける。
みんな幸せになる素晴らしい話じゃないか。
「あなたがすぐエッチな事ばっかりするからよ!
 あなたのやってる事忠実に書いたら冒険物じゃなくて官能小説になったの!」
「ふうん、そうか」
ちっ、ファンを片っ端から頂いていく作戦は早速崩れ去ったか。
まあ、しょうがねえけどなんでこのリディとやらがそんなに怒ってるんだ?
こいつに怒られる筋合いは全く無いと思うんだが。
「まあ、いいわ。
 それはもう終わった事だから。
 ねえ、その代わりちょっと頼まれてくれない?
 四階にインゴって盗賊がいるからそいつからここの鍵を貰ってきて欲しいのよ」
「はあ?なんでそんな頼みをきかなきゃなんねえんだ?
 その代わりって何の代わりだよ」
いくら俺が優しくても見知らぬ女をセックスも無しで助けるほどお人好しじゃない。
当然の事を言ったにも関わらず赤毛の女は眉を吊り上げた。
「いいじゃないの!
 あたしはあなたのせいで企画を損したのよ?
 それに部下もそれが没になったせいで自信なくして慰めるの大変だったんだから!」
「知るかよ、そんな事!
 さっきから勝手な事ばっかり言いやがって!
 ものを頼むってんなら、ケツの一つも差しだして
 ご自由にお使いください、ぐらいの事言いやがれってんだ!」
「どうしてあたしがあなたにお尻出さなきゃいけないのよ!」
「セックスもさせねえで頼みを聞いてもらえると思うな!」
「―――静かにしなさい!!」
真後ろから突然イーリスの怒鳴り声が響き
小さな部屋に驚きと静寂がもたらされた。

「まったく、ワープゾーン越しに丸聞こえだったぞ」
イーリスは呆れた顔で俺の前に来るとじろりと睨んできた。
「ほんっと、女なら誰でもいいんだな。
 魔女に声をかけた時は素直に凄いと思ってしまったけど・・・
 ただのバカなのか凄い奴なのかわからなくなってきた」
魔女との邂逅後、爺さんと別れてからは凄い凄いと褒めてたくせに。
「ねえ、ちょっと魔女に声かけたって・・・
 あの魔女!?」
「今、シランは私と話してるんだ。
 割り込むな」
「いいじゃないの、あなたはいつでも話せるでしょ?
 夜にでも話しなさいよ。
 ねえ、それ本当?魔女と話したって・・・」
「よ、夜にだなんてそんな・・・」
イーリスが顔を赤くしてぶつぶつ言ってる隙に
リディはすかさず割り込んできた。
こう女から我先にと話し掛けられると嬉しくなるね。
「ああ、ついさっきな。
 つっても偶然だからここに呼べっても呼べねえぞ」
「凄い!凄いわ!
 何か話したの?
 魔女と会って生きてるなんて!
 ねえ、なに話したの?」
魔女と会った人間に会ったのがよほど嬉しいのかリディは目をキラキラさせている。
「それを教える義理はねえな。
 迷宮探索の重要なヒントになりうる事を只で教えるアホなんかいねえだろ?」
そう言うとリディは言葉に詰まり俺の顔を見ながら唸り始めた。
リディが唸りはじめ口を閉ざすとイーリスがひっそりと耳打ちしてきた。
「シランの事だからエッチな事と引き換えに教えるつもりなんだろ?
 だが、この女は知った情報を記事にしてばらまくぞ。
 教えない方がいい」
イーリスの言う事も確かにもっともだ。
普通の迷宮探索だけなら強い奴が勝つが
今のドゥーハンの事情だとちょっと違う。
法王庁まで乗り出してるし国の宰相のウェブスターはうさんくさいし
蠢くものにアウローラはいるしもう無茶苦茶な事になっている。
こいつらがどう絡んでいるのか、知らなければ生き残る事も難しいだろうし
知っていればドゥーハン救国の英雄への道が開けるだろう。
「決めた!いいわ、あなたの望む事してあげる」
だが、こう言われて断れる男がいるだろうか。
リディも割と可愛い面してるし肉付きもいい。
そんな女から股開かれて断る奴はチンコ付いてない奴だけだ。
「望む事ってのはずばりセックスだぜ。
 分かってるだろうな」
後からごねられちゃたまんねえから念押しに言うとリディはしっかりと頷いた。
「ちょっ、ちょっとシラン!?
 リディさんも本気で言ってるのか?この男は並大抵のスケベじゃないぞ!
 きっと後悔する!」
イーリスがつまんねえ事言い出したがリディは小さく首を振った。
「あたしは本気よ。
 蠢くものを倒し魔女と会って無事に生きてる。
 そんな男は彼しかいないわけだし
 有益な情報を掴んでくる可能性も非常に高いと思うわ。
 あたしじゃ危険すぎて四階より下の階層へはいけないし
 つまんない情報をちまちま買うより彼から買った方が合理的じゃない」
一気に捲くし立てるとりディはふっと小さく息を吐いた。
 「分かったらそこどいてくれる?」
リディの渾身の説得によりイーリスは何も言えなくなり悔しそうに引き下がった。
悪いなイーリス、後でたっぷり可愛がってやるから。
「あなたが持ってくる新しい情報一つにつき、一発。
 これでどうかしら?」
「おう、いいぜ。
 くれぐれも新情報を既に知ってたとかとぼけるんじゃねえぞ」
「見損ないでよ。
 こっちも情報屋の誇りがあるんだから」
リディはキッと俺をにらみつけるとすぐに顔をえへへと崩した。
「で、さぁ。
 とりあえずあの鍵を開けて欲しいんだけど、いい?
 これが開けば一階と繋がるから
 騎士団じゃないあたし達でもこのワープゾーンが使えるのよ」
「そりゃ開けてやりたいが俺は盗賊じゃねえぞ」
リディはぶんぶんと首を振ると俺の胸にそっと手を置いた。
「ワープゾーンの前の部屋にインゴって盗賊がいるのよ。
 あいつが持ってる鍵でいいの。
 あなたが言えばきっとくれるからさ」
「インゴ?聞いた事ねえんだがなんでそいつ俺が言ったらくれるんだ?」
「だってあなた三階で忍者に教われてたインゴを助けたじゃない。
 あいつ意外に義理堅いからあなたにならくれると思うんだ」
そういやそんな事もあったな。
あいつインゴって言うのか。
「それでぇー、その報酬なんだけどォ。
 場所が場所だし口でもいーい?
 次からはちゃんとあたしの家に呼ぶからぁ」
リディは体をくねくねさせながら指で俺の胸のつつき始めた。
どこで習ったんだその変な甘え方。
「いいよ、いいけどつつくな」

「んふふ、じゃあ前払いね」
そう言ってリディは背を伸ばし唇を吸ってくる。
貧弱な体形のわりに大きな胸の感触が服の上から伝わってくる。
舌で舌の侵入を阻みながら唇を食んでくる仕草。
「ぁん」
ベロを絡ませながら声を出しズボンの上からチンコを摩ってくる手際の良さ。
こいつ、慣れたもんだな。
リディはキスで唇を十分濡らすと俺の前にしゃがみズボンを脱がせ始めた。
「「うわっ」」
俺のイチモツが顔を出すとリディとイーリスの声が重なった。
「おっき・・・入るかな」
こいつは当然、自慢の一つだが俺のものは巨人族だ。
リディは少し困ったような顔をして根元を掴み擦り始めた。
そのまま先端をちろちろと舐められると半勃ちだったモノが膨張し始める。
膨張率の方はそう自慢できたもんでもないのが俺のチャームポイントだ。
「ん・・・」
先端にキスをして口に含んで濡らすとまた出してキスを繰り返す。
やべえ、こいつ上手い!
人間の口じゃネコの口に勝てねえと思ってたがこいつは違う。
いつの間にか玉まで揉んでるしねっとりと舌を這わせてくる。
歯茎と舌でごりゅごりゅとしごき上目で見ながらじゅるじゅる吸ってくる。
・・・なんだかもう何をされてるのかも分からなくなってくる。
唾液のこすれる音が規則的に流れ
意識が嫌でも下に集中する。
口の中の柔らかな粘膜に包まれてるのに
さらに穴に入れてるような感覚までし始める。
喉まで使ってきやがるのか・・・
久々に女に主導権を握られたまま俺は抵抗することなくリディの口に射精した。
「ん・・・ちゅっ」
リディは綺麗に舐めとり掃除するとキスをしてチンコを離した。
「ふう」
リディは立ち上がるとペロリと唇舐め挑発的な目を向けてくる。
「ちょっと待って・・・はい。
 この紙にあたしの家の住所書いてあるからここの鍵開けたら来て。
 魔女と会った時の話、ベットでじっくり聞きたいわ」
そう言うとリディは帰還の薬を出して飲み干した。
むう、すぐに消えてしまうとはテクニックは上手いが情緒がねえな。
ま、交換条件でしただけだからこんなもんかもしれない。
「ん、どしたイーリス?」
気が付かなかったがどうやらイーリスはずっと見てたらしい。
すぐに赤くなるからバレバレだ。
「はやくしまえ!」
おっとまだ出したまんまだったぜ。
「・・・シランは本当に誰でもいいんだな。
 あんなあからさまに下心のある女に・・・」
「それはお互い様だしいいじゃねえか。
 あいつだって慣れたもんだったし
 エッチぐらいで目新しい情報手に入れられるって喜んでるさ」
そう言うとイーリスはキッと睨みつけてきた。
「あの女はそりゃ喜ぶだろうさ!
 けど、シランは私に協力してくるんじゃなかったのか?
 なんでもかんでもあの女に報告されたら私は・・・」
「何も、全部の情報を言うなんて言ってないぜ」
イーリスはぽかーんと口を開けて俺を見上げている。
「なっ、あんな事させといて言わないつもりか!?
 かっ、可哀想とは思わないのか!?」
リディに協力して欲しいのかして欲しくないのかどっちなんだ。
「だから、それはお前が決めろよ」
「え?」
また口が開いてるぞ、イーリス。
「これは言って欲しくないって情報は先にいえ。
 それは俺もリディには教えないから」
「・・・・・そ、そんな・・・いいのか?」
いまいち飲み込めてない様子でイーリスが聞き返してくる。
「教えたくない情報1個につき、一発。
 これで対等だろ?」
イーリスは困ったような顔で止まってしまった。
「・・・どした?」
「・・・・分かっていたが本当に君は誰でもいいんだな。
 なんかもう・・・・・・」
イーリスはおおきなため息を吐いて肩を落とした。
「妬いてるのか?」
「だっ、誰が!」
「悪いな、確かに節操が無いのは認めるよ。
 けど、愛してないわけじゃないんだ。
 愛する女が一杯いる、それじゃ駄目なのか?」
イーリスは黙ったまま返事をしない。
俺を好いてくれて妬いてくれるのは嬉しいが他の女とやるなってのは無理な話だ。
それをどうにか分かってもらわないと。
「わ、私の事も?」
「勿論、誰よりも深く愛してるよ」
イーリスの顔が真っ赤になった。
わかりやすいなぁ。
「じゃ、鍵を開けたら早速リディに教えちゃいけない事を聞こうかな。
 ベットの上で」
肩にそっと手を置くと少しの間の後、イーリスは小さく頷いた。
くっくっく、これでどう転んでも気持ちいい事が出来る。
これぞ、大人の知恵って奴だな、全く笑いがとまんねえぜ。