今日はきっといい日になる。
しかし俺のそんな無邪気な期待は迷宮に入った途端、裏切られた。
何かあったのか今日に限って騎士団の連中がわんさかいやがる。
「現在生存者の探索作業がはかどっていないため
 申し訳ありませんがしばらくの間、騎士団の者以外の通行を禁止させて頂きます」
あげくの果てに抜かす言葉はこれだ。
「なんだってんだよ、一体?
 足止めしたいんならせめて何があったのか言いな。
 生存者の探索するのに冒険者を足止めする理由がわかんねえ」
俺が当然の疑問を投げかけるとイーリスから賛同する声があがる。
ネコも意味がわかってるのかニャ―ニャ―言っている。
俺が騎士団の奴に詰め寄ると奥の方から声が聞こえてきた。
「いや、その者はいい」
声をかけてきたのはドゥーハン騎士団の団長ベルグラーノだ。
騎士から言うに及ばず、平民からも人気の高い男だ。
騎士団の奴は、ベルグラーノの姿を認めると俊敏な動作で道を空けた。
なんだ?ベルグラーノの奴が俺をじっと見つめてくる。
まさかこいつ、そんな趣味なのか?気色悪い。
「君の話は色々と聞いているよ。
 魔獣を連れた変態騎士と聞いていたが、どうやらデマだったらしいな」
「俺みたいな爽やかで善良な好青年が狂戦士なわけねえだろ。
 それより何なんだ、これ?」
睨み返すとベルグラーノは口元を緩めたがすぐに顔を引き締めた。
「移送隊の死体が発見されたんだ。
 殺したのは魔物ではなく冒険者ではないかという噂があってな。
 それで騎士団の者だけで調査に当たっているのだ」
ベルグラーノの言葉は嘘では無さそうだ。
「言っても無駄かもしれんが俺じゃないぜ」
「・・・私もそう思うよ」
ベルグラーノの声は疑う事に疲れきっているようだった。

「君がシラン君かな?」
ベルグラーノの後ろから気障ったらしい声が聞こえてきた。
「城では君の噂で持ちきりだよ。
 魔獣をも押し倒す狂戦士だとね。
 申し遅れた。私はウェブスター公、フェリー=ルフォール。
 この国の宰相を務めている。
 これから何かと力を借りると思うが、よろしく頼むよ」
にこやかで偉そうなウェブスター公を見て俺は少し驚いた。
こいつ本当に貴族か?
ピラピラした服を着ていかにも貴族然とした格好だが目が違う。
どっちかというと盗賊団のボスみたいな雰囲気だぜ。
それもとびっきり残虐な。
「君の腕前は相当なものだと言うじゃないか。
 丸腰で迷宮に入ってきている様子を見るとどうやら本当らしい」
ウェブスター公は口角をあげた。
きっと本人はきまってるつもりでいるのだろう。
「お近づきの印に受け取ってくれないか?
 君には邪魔になるかもしれないがね」
ウェブスター公はそう言って大剣を差し出した。
「くれるってんなら貰っとくぜ。
 あんたの期待にそえるとは思えんがね」
にやっと笑って受け取る。
いかにも、あんたの言いたい事はわかってるって風にな。
さあ、これで後から何を頼んでくるか見物だぜ。
「城にあったところで何の役にも立たぬ物ばかりだ。
 それよりも冒険者達に使ってもらう方がどれ程役に立つことか」
チビでハゲてる割に自信たっぷりなおっさんだ。
「もう行っていいんだろ、じゃあな」
俺は話を打ち切ってさっさとその場を立ち去った。
これ以上男がひしめきあってる場所にいると気が狂う。



二階へ降りてイーリスの言うどおりに道を進んでいると
一匹のオークが駆け寄ってきた。
「シランくんじゃないかあ!」
「ヨッペンか」
オークの発するくぐもったこの声は聞き覚えがある。
「そうだよう。
 ネ、ネコちゃんも元気ぃ?」
「にゃ〜・・」
ヨッペンに挨拶されるとネコは少し嫌そうな声を出して俺の後ろに体を隠した。
「ぼ、僕だよう・・・オークと間違えちゃったのかな」
そう言いながらヨッペンが頭に手をかけるとオークよりも豚みたいな顔が出てくる。
「わっ!な、なんだ!?」
「あ、こいつヨッペン。
 こうやってオークの格好して迷宮をうろついてる魔物マニアだ」
驚くイーリスにヨッペンを紹介する。
ヨッペンは見た目は気持ち悪い魔物マニアだが中々便利な奴だ。
この間、ネコの涎付き枕を2000Gで買ってくれたし
ネコの愛液付きと言ったらシーツも4000Gで買ってくれた。
金づるってだけじゃなく魔物情報にも詳しいのがこいつのいい所だ。
「よ、よろしく」
「よろしく〜」
「今日はどうした?
 またピクシーの追っかけでもやってたのか」
俺がそう言うとヨッペンは汗まみれの顔をぶんぶんと横にふった。
「それが今日はなんかおかしいんだ。
 みんな食べられるとか騒いでてお話も出来ないんだ。
 逃げる準備を始めたりしてて・・・」
ヨッペンの言うみんなとはオークやコボルトの事だ。
「食べられる?・・・蠢くものって奴か!?」
「わかんないけどシラン君たちも気をつけてね」



俺は目の前にいる男を見た瞬間
ヨッペンの忠告を聞かなかったことを後悔した。
朝から男とばかり出くわしてたから嫌な予感はしてたんだ。
「ひひひ・・闇が・・闇の王が生まれたんだ・・・」
「シムゾン・・・」
完全に狂った目をしたシムゾンが囁いた。
「神様は死んじまった・・・・探したのにどこにもいねえんだ・・・」
「この人がシムゾン・・・?」
イーリスが困惑するのも無理は無い。
何かに怯えるように辺りを窺ている目の前の男からは高名な傭兵隊長の面影は無い。
「そうだ、サンラザールの悪魔のリーダー、シムゾンだ」
俺はそう言いながらどこか自分の言った言葉が信じられなかった。
サンラザールの悪魔というのはべノア大陸でもトップクラスに有名な傭兵隊だ。
そのリーダー、シムゾンは目の前にいる狂った男ではない。
「助けてくれよお・・・」
噂は聞いていた。
しかし、目にするまで信じられなかった。
死んだんならまだわかる。
それなりに強かったが巨人やドラゴン相手にヘマすりゃ死ぬ程度だった。
だが、狂うってのはただ事じゃない。
「呼んでる・・・闇の王が呼んでる・・・」
まるでシムゾンの言葉を待っていたように不気味な声が闇の中から染み出してきた。
『さあ、こっちへいらっしゃい』
『もう苦しまなくていいのよ』
『全てが終わるんだから』
女の声を真似た薄気味悪い声。
シムゾンはその声に惹かれるようにふらふらと闇にむかって歩いていった。



「イーリス、リープ使えるか?」
イーリスは俺の左腕をがっちりと抱きしめている。
「シ、シランは使えないのか!?
 私は初歩的な僧侶呪文しか・・・」
「俺も魔術師系は使えない」
俺がそう言いきるとイーリスが泣きそうな顔になった。
「ニャー・・・」
気配を察したのか俺の腰にしがみついているネコも
不安そうな顔で俺を見上げている。
この気配さえなきゃ女二人に抱きつかれて嬉しい状況なんだが
さすがに喜んでる場合じゃなさそうだ。
「ちっ、行くしかねえか・・・」
引き返そうにも俺達は落とし穴を何度か落ちてここに来ている。
登って引き返すのは無理だった。
「落ち着け。
 何がいるのかしらねえが俺達が負けるはずがねえ。
 ただ油断は禁物だ」
ネコの頭を撫でてイーリスを見る。
「もしも俺がやられたら逃げる事だけ考えろ。
 ・・・そんな顔すんな。
 もしもだ、もしも」
ただ、そのもしもはそこまで可能性の低いもしもじゃなさそうだがな。
俺は震えているイーリスを抱えると闇の中へ飛び降りた。



凄まじいほどの血の匂いがする。
死体があちこちに散乱し、死体と呼ぶ事も出来ないような肉片は数え切れない。
その地獄のような光景の中にシムゾンがいた。
「た、助けて・・・」
情けない声で訴えるシムゾンの腹が蛙のように膨らんでいる。
虫の這いまわるようなカサカサという音が聞こえてくる。
「ひいっ・・・!」
シムゾンの小さな悲鳴と同時にパンッという破裂音がしてシムゾンの腹が破れた。
声が出なかった。
破裂した腹から黒い虫がゾロゾロと這い出、シムゾンの体を包み込んだ。
猛烈に嫌な予感がする。
俺は今まで三回死んだ事がある
が、そのどれよりも嫌な雰囲気を感じる。
「離れろ!」
俺は魔力を練ってフィアケアをネコとイーリスに唱えた。
フィアケアが効いたらしくようやく二人は離れて戦闘態勢をとってくれた。
黒い虫は互いに食い合うように折り重なり蠢いて一つの姿になろうとしている。
蠢くものってのはこいつのことか!
こんなの詐欺じゃねえか!
蠢くものなんて気持ちよさそうな名前しやがってよぉ、
もっとチンポに絡み付いて蠢くような奴でいて欲しかったぜ!
「きったねえツラだな、おい・・・」
ネコとイーリスにプロテクトをかけおえた時
黒い虫は不細工な化け物へと変貌をとげていた。
ヨッペンより醜いツラに巨人並にでかい腕、俺より頭二つはでかい脚、
でっぷりとした腹は家一軒飲み込めそうだ。

「ウガアアアアアア!!!」
化け物がでっかい口を開けて下品な雄叫びを上げた時
散乱していた死体が叩き起こされたように立ち上がった。
「イーリス、ディスペルしろ!
 ネコ、イーリスを守れ!」
俺はウェブスター公に感謝して大剣を抜いた。
さすがにあの不細工面を素手で殴る気はしないぜ。
「おいこの豚面!帰るんなら今のうちだ!
 自殺するつもりならかかってきやがれ!」
吼えてはみたが、やっぱり化け物は引き下がるつもりは無いようだ。
それどころかこっちに突進して来る。
化け物から逃げるようにアンデッドどももこっちに向かって走り出した。
あいつらの攻撃ならどれだけ食らっても死にはしないだろう。
イーリスに任せて俺は化け物の攻撃を見極めるだけに集中した。
「ガアッ!ウガッ!ウガァッ!」
化け物の腕が真上から降ってくる。
そいつを切り払うともう一本の腕、最後に噛み付きに来たがこれも避けた。
はっきり言ってそれほど鋭い攻撃じゃない。
下位の悪魔でもこいつよりは鋭い攻撃をしてくる。
だが、それでも楽勝とは思えなかった。
こいつに殺されたら生き返るチャンスすらないだろうから。
「死ねっ!」
信じられない事が起きた。
反撃と剣を振った時、化け物は宙を飛んで元の位置に戻りやがった。
巨人より明らかにでかいくせにまるで忍者のように飛びのいたのだ。
「へっ!でかいくせにいちいち避けるなんて随分ヘタレだな」
言ってみて気付いたが、もしかしたら本当にヘタレなのかもしれない。
いちいち避けるってのは食らえば死ぬってことだ。
奴が悪魔のようにこっちをからかってる可能性はあえて考えない。
攻撃が通じると思い込む事で心に余裕が生まれてきた。
化け物が後ろを向くと馬鹿でかい尻尾が横殴りに飛んでくる。
「ニ゛ャッ!!」
俺はなんとか避けたがネコが食らったらしい。
ダメージは大した事無さそうだが脳が揺れたらしくふらついてる。
「ちっ!」
今ネコを襲われたらヤバイ。
慌ててかばいに行くと化け物が大きく息を吸い込んでるのが視界の隅に入った。
「伏せろ!!!」
直後に化け物の口から黒いゲップが吐き出された。
「ぐっ!」
「キャー!!」
凄まじく臭い息が叩きつけられる。
何食やこんな臭い息になるんだ!?歯磨け!
「無事か!?」
ラフィールを唱え無事を確認する。
「なんとか・・・!」
「ニャッ!」
今のブレスが気付になったのかネコが意識を取り戻した。
と思った途端、弾けるように飛び出し化け物に突進し始めた。
このままじゃなぶり殺しになるだけと感じたのだろう。
もっと余裕があるように見せれなかった俺のミスだ。
「くそっ!」
急いで追走し、ネコと並ぶ。
イーリスを置いてくのは心配だが
ネコを一人で突っ込ませるのは見捨てるようなもんだ。
俺は右手側、ネコは左手側を走る。
化け物はどっちを攻撃したらいいか迷ってるみたいだ。
俺は不思議な感覚と確信を同時に感じていた。
この攻撃は絶対に決まるような気がする。
その予感通りに攻撃が決まり、二人同時に腹を切り裂く。
そのまま腹を足場に二人で化け物の体を登り肩に乗ると、顔を引っ掻き頭を割った。
勝った。
そう思った瞬間、体が浮いた。
ネコが飛び降りるのが見えた時
ようやく化け物が俺を乗せたままジャンプした事に気付いた。
慌てて化け物からすべり落ちる。
直後に背後で轟音がする。
なんとか天井に挟み潰されるのは免れたようだ。
この高さから落ちれば只じゃすまないだろうが死にはしない。
多分な。
あの化け物天井にぶつかって死んだだろうか。
死んでたらいいが。
ゆっくりと近づく地面を見ながら俺は思考を統一させた。
痛みを感じた瞬間、ウィル。
痛みを感じた瞬間、にウィル。
イーリスの悲鳴がゆっくり聞こえる。
心配するな、下半身が砕ける程度だ、死にはしな―
「ゲホッ!!」
突然、腹を殴られた。
「ゴフッ!!」
地面に着地する寸前にもう一度。



いてぇ。
何が起きたのかわからないまま、ウィルを唱える。
痛みが消え、ふかふかの布団に気付いて、もう一度。
「ありがとな」
「ニャ―ン」
どうやら落ちる寸前にネコが拾いに来てくれたらしい。
柔らかい背中にこのまま眠りたい気分になる。
しかし、戦っていた相手を思い出し、すぐに立ち上がった。
『いひひひひひひ』
嘲弄するような気色の悪い笑い声が俺達の上に降り注ぐ。
天井に刺さった化け物の体は風に吹かれた煙のように消え始めていた。
化け物の体が完全に消えてしまうまで注意深く見守り
消えてしまった事を確認すると大きく息を吐いた。
あの様子じゃあいつは死んだわけじゃなさそうだ。
勝ったというより追い払っただけ、
しかしそれでも今日は生き残った。
地面に落ちた大剣を拾う。
ん?なんだこりゃ。
人間の頭・・・いや、鋼鉄で出来た人形の頭だ。
どうも女の顔みたいで割と可愛い顔だ。
なんとなく気になってその人形の頭を拾うと
へたり込んでいるイーリスの所で歩いていった。

「無事か?」
イーリスはしゃがんだまま呆けた顔を上げた。
よく見るとイーリスの座っている地面に水溜りが出来ていた。
「また漏らしたのか?」
イーリスは涙の跡を拭きもせず、ただ呆然と俺を見上げている。
漏らすのも無理は無い。
「よっと」
脇の下に手を入れ、子供をあやすようにイーリスを抱え上げる。
「・・・ん」
そのまま唇を近づけるとイーリスは何も抵抗せずに受け入れた。
あれ以来キスもさせてくれなかったのに。
「んんっ・・!」
からからに乾いているイーリスの口に唾液を注ぎいれ飲み込ませる。
イーリスの喉の音を聞いてから唇を離すと
ネコが自分もというように顔をふとももに擦りつけてきた。
「お前は後な」
そう言って頭を撫でるとネコは少し拗ねた顔をして離れた。
「セックスしようぜ」
イーリスはようやく光の戻ってきた瞳をパチパチと瞬かせた。
「さっきからいやーな気分がとれねえ。
 こんな時はやるのが一番なんだ」
「そ、そうなのか?
 ・・・わかった。
 シランがそう言うなら・・・」
落ち着いてきたのかイーリスは少し恥ずかしそうにうつむいた。
「あっ、ちょ、ちょっと待って」
イーリスは何か思い出したらしく、慌てて懐から緑色の小瓶を取り出した。
「なんだ?」
「妊娠しない薬・・・らしい。
 友達の錬金術師に貰ったんだ」
・・・・俺に抱かれる為にそんなもの貰ってきてたなんて・・・
なんていじらしい奴なんだろう。
へへ、期待通りたっぷり膣に注いでやるとするか。
「か、勘違いしないでくれよ。
 別に抱かれる事を想定して持ってたとかじゃないからな!
 もしかしてって思ってっていうか、その・・・」
言っているうちにイーリスの顔はどんどん赤みを増していく。
「ふっ、わかったわかった。
 いいから飲めよ」
「う、うん・・・」
イーリスが薬を飲んでる間にズボンとパンツを一緒にずり降ろす。
むせ返るような小便臭が血の匂いに慣れた鼻を癒してくれる。
ぷっくりとした恥丘は無毛で肌と変わらない色をしている。
割れ目の上の恥毛が濡れているせいで髪型と似た形になっていて面白い。
黒々と濡れた繊毛に鼻を付け胸一杯に愛らしい匂いを吸い込む。
縦に割れた唇にキスをすると、上からせつなげな声が降ってきた。
「シ、シラン?・・・いいからもう・・早く挿れてよ・・」
別にじらしたっていいんだが、俺は要求に従う事にした。
何より俺も早く挿れたかった。
イーリスの尻を持ち上げ垂直に近い角度でそそり立つ肉茎に陰唇をあてがう。
「いくぞ」
イーリスはちらっと俺を見ると肩に手を置いて目を伏せた。
「う゛っ・・ん・・」
ゆっくりとイーリスの体を落としていき先だけを入れて止める。
「くぅぅ・・・・」
少しずつ力を緩めるとイーリスの自重で深く突き刺さっていく。
「はぁぅ・・・」
ほとんど根元まで飲み込んでしまうとイーリスは深く息を吐いた。
浅く速く息をしている姿はまるでしゃくりをあげているようにも見える。
「・・生きてる・・・」
泣きそうな顔でイーリスが見つめてくる。
「生きてるねぇ・・・あたし達・・・」
イーリスがとろけるように微笑んだ。
「ああ・・・生きてる・・・」
こらえきれなくなって俺はイーリスをぎゅっと抱きしめた。
暖かくて柔らかくていい匂いがする。
生きている。
生きているし生きてて良かった。
イーリスの涙が俺のほほを熱く濡らしていた。

「あっあっあっ」
緩やかに華奢な体を揺さぶると規則的な喘ぎ声が耳元で鳴る。
二回目にしてイーリスは感じれているようだ。
痛みをフィールで消すという反則技を使ったせいもあるだろうが
それにしてもいやらしい女だ。
「うんっうんっうんっ」
イーリスの声を聴き俺はある事を思いついた。
「ネコ、イーリスのケツの穴を舐めてやってくれ」
イーリスの閉じていた目が見開いた。
「なっ、あっ、そん・・」
尻たぶを外側に開いた所にネコの顔がうずまる。
「うぁっ!」
俺からは見えないがイーリスの仰け反り様から見てもう舐め始めているようだ。
最近ずっと口を使っていたからネコは相当な舌技を身に付けている。
ザラザラの舌で粘膜を舐められると肉が持っていかれそうになるが
その舌で優しくされると、もの凄く痒いところを掻いてもらったような感覚になるのだ。
「うあっ!」
イーリスが背を反って恥骨をぐりぐりと押し付けてくる。
本当にいやらしい女だ。
「はぅ!」
ぐっと肉棒を突き入れると今度は抱きついて来た。
俺はイーリスの背中をがっちりと抱いて動きを封じた。
「ほじってやって」
その言葉の直後イーリスは俺の肩に噛み付いた。
「ぅ゛ぅ゛ぅ゛〜」
ぎゅうぎゅうと俺を絞め殺す勢いで抱きしめ肩を噛みイーリスはないた。
「よしもういいぞ」
俺の肩を噛む力が緩み、ネコを切り上げさせた
イーリスは涎を流しながら虚ろな目で宙を見つめている。
突き入れながら、ぽっかりと開け放たれた口に舌を入れると
だらしなく放り出されていた舌が舐め返してきた。
白痴のような表情に理性が戻ったのは俺の後方から音が聞こえてきた時だった。

「あ・・・あんた達何やってんの!?」
扉の開く音の直後、声がした。
「いやぁっ!」
イーリスは慌てて俺の肩に顔を埋めた。
「何って見てわかんねえか?
 セックスに決まってるだろ、子供かよ」
くるりと反転して見てみるとぽっちゃりとした中年っぽい女と鎧に身を包んだ騎士二人がこっちを見ていた。
「そういう事じゃなくて、こ、こんなとこで・・!」
「こんなとこでも何も俺の勝手だ。
 いつまでも見てんじゃねえよ変態」
俺がそう言うとようやく女と騎士二人は後ろを向いた。
「やぁぁぁ・・・」
イーリスは俺の肩に顔を埋めたまま囁くように悲鳴をあげている。
「すげえ見られてるぜ、どうする?
 お前がほじられてるとこ凝視してるぜ」
もう女も騎士も見ちゃいないがイーリスは顔を伏せてるので気付いていない。
「やらぁっ・・・やぁらぁ・・・」
すすり泣くような声をあげて肩をごりごりする。
「お前の尻の穴見せてやろうか」
「やぁっ!やめて!おねがい、やめて!」
イーリスが顔をぶんぶん振って絶叫する。
尻たぶをつかんでかぱっと開くとイーリスがさらに強く抱きしめてきた。
「やァぁぁぁらぁ・・・」
俺はイーリスの鳴き声を合図に精液を注ぎ込んだ。

「うそだよ、あいつらこっち見てない」
「う・・・そ・・・」
注ぎいれながら囁くとイーリスの体からがくっと力が抜けた。
しかし中は優しく俺を包み込んで、蠢いている。
これだよ、蠢くって言葉はこういう素敵なものにしか使っちゃいけないよ、ほんと。
金玉が痛くなるほど出して、俺は改めて女体の魅力を思い知らされていた。
「お、終わった?」
余韻に浸っているとぽちゃ女が口を開いた。
空気読めない奴だな、こいつ。
「全然、終わってねえよ。
 何なんだ、お前ら邪魔ばっかしやがって」
「それこっちのセリフよ!」
うるせえ、馬鹿。
「立てる?」
「あ・・うん・・・大丈夫・・・」
イーリスの中から引き抜いて降ろすとぼたぼたと精液が落ちる。
「続きは帰ってからな?」
「うん・・・」
口を吸うとイーリスも吸い返してきたので唾液を交換しあった。
少しふらつきながらもイーリスは自分で立つと汚れたパンツをはき始めた。

「ネコ、おいで」
「うにゃっ!」
手招きすると、待ってましたと言わんばかりにネコは飛びついてきた。
ふかふかした体を抱きしめるとネコは俺の顔をベロベロとなめまわす。
「なんだお前、もうびしょびしょだな。
 待ちきれなかったのか?」
「フニャーん・・・」
すでにギンギンと全開な肉棒をネコの穴にあてがう。
俺の自慢の一つはこの回復力だ。
バイタル無しでも一日15回は軽いもんだ。
入り口に先端をこすりつけ精液の残滓をぬりたくる。
「ニ゛ャッ!」
ぐいぐいと強引に押し込むと俺の両肩にネコの爪が食い込む。
「また!?いつまでやんのよ!?」
「俺達のが先にいたんだから俺達の勝手だろ」
俺とイーリスの行為を見てたっぷり濡らしていたみたいだが
それでもネコの中はきつい。
「ねえ凄い魔の反応があって来たんだけど
 ここに何かいなかった?」
「いたよ」
「にゃふゥゥゥン・・・」
奥のほうまで食べると猫背がピーンと伸びる。
浅くゆっくりなどといっていたら食いちぎられそうだ。
抜ける寸前まで一気に引き抜き、最奥まで一気に貫く。
「ニャッ・・ニャっ・・・ニャっ!」
「どんなの!?」
「多分、蠢くものって奴だ」
ガンガンに突き上げているとふらふらとイーリスが近づいてきて
俺の左肩に右手をのせた。
「う、蠢くものって・・・!
 本当に!?いやでもこの反応はそれとしか・・・でも・・」
「おっぱい揉んでやれよ」
イーリスは俺の顔を見るとおずおずとネコのおっぱいに手を伸ばした。
「いいおっぱいしてるだろ」
イーリスは少し恥ずかしそうにむにゅむにゅとおっぱいを揉み始めた。
「どうしたの、それで!?
 蠢くものはどこ行ったの!?」
「倒した」
「倒したって・・・・」
「にゃゥゥん・・!にゃゥゥン・・!」
ガンガンと容赦なく突き上げていると、すぐにネコが肉球で俺の顔を引っ掻き始めた。
「闇の眷属の王なのよ!
 全ての魔物が恐怖する魔物なのよ!
 倒したって・・ほんとに倒したの!?」
「ポポーさん、この人はおそらくシランさんです。
 ボギーキャットをお供に連れた色情魔人とか・・・。
 情報通りの方なら倒されててもおかしくないと・・・」
聞こえてるぞ、そこの騎士。
誰が色情魔人だ。
「ニャぉーん・・・・!」
肉球がぐぐっと俺の顔を強く挟む。
ネコがイッタのを確認して俺は二回目の射精をした。
「ふふ、可愛い」
ぴくぴくと震えているネコを見てイーリスが微笑む。
「蠢くものを倒したうえ・・・そこでこんな事してるなんて・・・!」
「恐れ入ったか?
 恐れ入ったら帰還の薬くれ。
 騎士団なら持ってるだろ」
まだ息の荒いネコを片手で持って、ズボンを履く。
剣と人形の頭は俺の後ろに隠れているイーリスに持ってもらった。
へへ、なんだか柄じゃねえが仲間がいるってのはいいもんだ。
「あ、あの出来れば状況等を教えてくれませんか?」
ようやく振り返った騎士が帰還の薬をふところから取り出した。
「明日にしてくれ、今日はもう疲れた」
それだけ言うと帰還の薬をひったくった。
何しろ今日はまだ沢山する事がある。
酒場でエールをガツンと飲んで、ウインナ―に芋と焼き鳥にスープも頼んで、
のんびり風呂にも入って、ベットでネコとイーリスをたっぷりと可愛がらなきゃいけない。
生きてるって楽しいな、チクショー!