今、俺ははっきり言って最悪の気分だ。
理由の一つはあの大家のクソガキ。
住み始めてから家賃を請求するなんて詐欺だと思わねえか?
何が、『タダなんて言った覚えはないわ、家賃の話をしなかっただけ』だ!
そのうえ一月500G、一年分前払いだと!ボッタクリだろ!
俺が街中の宿屋に出禁にされてるのをいいことに足元みやがって!
あのガキいつかケツの穴にしょんべんしてやる!
腹がたってるのはそれだけじゃねえ。
ドゥーハンは雰囲気が暗すぎる!
みんなゲロ吐いた後みたいにしんみりしてよお。
そのくせ女どもは俺を見ると我先にと逃げ出しやがる。
天国だと思っていた迷宮も二階は糞だ。
湿気が多くて寒いし床は苔が生えててすべるしムカムカする。
まあ湿気が多くて暑いよかマシだが住んでる奴らがつまんねえ。
こんなつまんねえ所さっさと抜けようと思ってたら
仕掛けだけは妙に複雑でどこをどう行けばいいのかさっぱり分からん。

「うわぁあ!」
散々迷ったあげく二階と一階をつなぐ階段の近くに戻って来た時
なんだか間の抜けた悲鳴が聞こえてきた。
この迷宮で悲鳴を気にしてたらキリがないが今日ばかりは全力で走った。
それは悲鳴の声が女だったって事ももちろんだが
何よりも聞き覚えのある声だったからだ。
「イーリス・・・!」
長い廊下の角を曲がった所にいたのは、やはりイーリスだった。
アンデッドコボルトに囲まれているイーリスは俺を見つけ口をぱくぱくさせた。
「どうした?ドジって麻痺でもくらったか?」
俺は急いで金縛りにあったように動かないイーリスの元へ駆け寄った。
「どうした?」
傍に寄ると俺はもう一度尋ねた。
イーリスの顔はバンシーのように真っ青で、体をぶるぶる震わせている。
「た、た、助けて・・・」
「毒か麻痺か食らったのか?
 回復呪文唱えてやろうか?」
見たところ毒でも麻痺でもないようだが、あまりにも顔色が悪い。
歯をカチカチと打ち鳴らしている姿に俺は胸がきゅんとなった。
「お、お願い・・・助けて・・・」
どうにかこうにかといった様子で言葉を発すると
イーリスは俺の胸に顔を押し付けてきた。
「ま、いいけどよ」
すがような目で俺を見上げるイーリスにそう返事をして
近くのアンデッドコボルトを蹴り飛ばした。
どさくさにまぎれて抱きしめたイーリスの尻を触ってみるが
気付いていないのか何も反応しない。
服の上からだが引き締まった良いお尻なのは伝わってくる。
イーリスの尻をぐにぐにと揉みながら
アンデッドコボルトを端から順に蹴り飛ばしていく。
尻を撫でていた手にじゅっくりとした感触が触れた。
へへ、どうやらイーリスも感じていたらしい。
派手に濡らして・・・・・・
いや・・・この感触は何か違う。
これはもしかして・・・
「お前・・・・」
俺の胸板に顔を押し付けているイーリスを見下ろすと
泣いてるような笑ってるような不思議な顔をしている。
「きゃぁっ!」
俺はイーリスを肩に担ぎ上げるとアンデッドコボルトの間を走り抜けた。
顔の横で揺れる尻から漂う小便の匂いに俺は少し興奮していた。



「・・・立てるか?」
「う、うん」
回廊の小部屋に入るとしゃがみ込んでそっとイーリスを床に下ろした。
地に足をつけると安心したのかイーリスはほっとため息を吐いた。
真っ青だった顔にも少し赤みが差してきた。
「あ、あの・・・これ・・その・・・」
イーリスが股間の前で指をこすり合わせもじもじし始める。
多分濡れたズボンが気持ち悪いのだろう。
俺はイーリスのズボンに手をかけた。
「な・・何を・・・!」
ズボンの腰にあたる部分を掴んだ俺の手にイーリスの手が重ねられる。
「何ってズボン脱ぎたいんじゃないのか?」
イーリスは顔を真っ赤にして首を振った。
「ち、違う!誰にも言うなって言おうとしたの!」
「そうか、だがどの道脱がなきゃいけないだろ?」
ここで押し問答やっても仕方無い。
俺は力づくでズボンをずり下ろした。
「あっ!」
イーリスはすかさず長い上着の裾を下に引っ張った。
そのせいで下着は見えなかったが真っ白なふとももは目に痛いほどまぶしい。
むわっと広がった小便特有の刺激的な匂いが香ばしい。
「ちょっ・・!」
ズボンを下ろして下着に手をかけるとイーリスの手が俺の手を掴んだ。
「パ、パンツはいい!」
「パンツこそ汚れてんだろ。いいから脱げ」
「脱がなくていいってば!」
ずり下ろそうとする俺の手をイーリスは驚異的な力で上げようとする。
俺は手の力を抜いて油断させると上着の裾の中を覗くような仕草をした。
「きゃっ!」
簡単に引っかかってイーリスは慌てて裾の前側を押さえた。
手が解放された瞬間、俺はイーリスの下着をずり下ろしてしまった。
「ほら足上げて」
まるで乳母のような口調で言うとおずおずとイーリスの右足が上がった。
「はい、反対のほうも」
ズボンとパンツをまとめたのを片足ずつくぐらせ取り去った。
俺って本当に優しさの化身じゃないだろうかとすら思う。
じゅっくりと濡れたズボンとパンツを壊れたトロッコの上に広げる。
イーリスのパンツはあまり面白みの無いシンプルな奴だった。
「う〜〜〜」
顔とパンツを見比べてやろうと振り返ると
イーリスは真っ赤な顔で唸っていた。
まだ短めのワンピースのような上着の裾を一生懸命下に引っ張っている。
まぶしいほど白い脚を見せつけながら唸る姿は
もう俺を誘っているとしか思えない。
「なあ、何があったんだ?
 何か罠に引っかかったとか・・・」
興奮する気持ちを抑えて話し掛けるとイーリスは情けない顔をして俺を見つめ返した。
「・・・アンデッドが・・・・怖いんだ・・・」
「・・・・・・は?」
俺は耳を疑った。
繰り返し言うがアンデッドコボルトってのは相当な雑魚だ。
動きは遅い、攻撃力は低い、頭は悪い、呪文もない。
唯一のとりえは通常攻撃が効かないって事だが、魔法や聖なる攻撃なら一撃で死ぬ。
下手したらオークより弱い。
これが魔法のきれた魔法使いや
魔法剣も持ってないひよこ戦士ならびびるのもまあわかる。
しかし、イーリスはモンクだ。
俺の脳が腐ってなければモンクってのは殴るだけでアンデッドを倒せる
いわばアンデッド退治の専門家の事だったはずだ。
俺が知らない間にアンデッドコボルトは上級の悪魔にでもなっちまったのだろうか?

「怖いって・・・アンデッドコボルトが?」
念のために聞き返すとイーリスは泣きそうな顔になっている。
「アンデッドは全部・・・・
 見た目から何から、あいつらの立てる音だけでも
 嫌な寒気が走って動けなくなるんだ・・・」
思い出しくもないといった様子で語り終えるとイーリスは悲しそうにうつむいた。
「じゃ何でモンクになったんだ!?」
「モンクになって殴り殺せるようになったら平気になるかと思ったんだ!
 でも、結局・・・今でも怖くて・・・特訓するつもりで来たんだけど・・・」
漏らすほど怖いのに一人で戦おうとしたイーリスがいじらしくてむらむらしてくる。
仲間と来たくても来れなかったのだろう。
アンデッドが怖いモンクなど呪文を知らない魔法使いと同じだ。
使えない以前に恥でもある。

「よし、わかった!
 俺が協力してやる。
 今から特訓だ」
「え・・い、今からか?
 ありがたいんだが・・・明日とかじゃ駄目か?」
イーリスが嬉しいのか困ってるのかよくわからない変な顔をする。
「駄目だ!
 明日になれば今日の事がトラウマになる。
 余計、克服するのが難しくなるんだ。
 今日、今からだ」
俺が最もらしい事を言うとイーリスは押し黙った。
美味しそうなおしっこの匂いを嗅いで
すらりとした脚を見せ付けられて
俺の息子は既にズボンを破りかねない勢いで勃ってしまっている。
明日まで待てるはずが無い。



「ただいま」
「ひっ!」
俺は群れからひきはがしたアンデッドコボルトを蹴り入れてから、部屋に入った。
もう一度アンデッドを蹴って部屋の隅に飛ばすと
硬直しているイーリスの傍に歩み寄る。
「あ・・・」
アンデッドコボルトから体を隠すようにイーリスは慌てて俺の背中の後ろにまわった。
「は、はやく倒してくれ!」
「俺が倒しちゃ意味無いだろ、ほら来い」
俺の腹にしがみつくイーリスを前に引きずり出す。
前に出されると今度は俺に背中をおしつけアンデッドコボルトを見つめている。
今日でますます苦手になってしまったのかもしれない、凄い怖がりようだ。
「まずはあいつに慣れる事だ。
 あいつの攻撃は俺が全部避けてやるからしばらく話でもしようぜ」
イーリスは一瞬だけ振り返って俺の顔を見たがまたすぐに向こうを向いてしまった。
「なあ、今日の朝飯何食った?」
「あ・・あっと・・・パンとミルク・・・」
イーリスは詰まりながらもなんとか答えたが
相変わらず緩慢な動作で起き上がるコボルトから目が離せないようだ。
「こっち向けよ」
「あ、ああ・・・」
返事は一応返ってきたもののイーリスはこっちを向く気配もない。
俺はそっとしゃがんでイーリスの裾を持つと上に放りあげた。
「っ!」
ぷりぷりの白くて小さなお尻が露わになる。
「何をする!」
真っ赤になってイーリスが振り返った。
「こっち向いてろ。
 あいつの事は気にするなって言ったろ?
 これからあいつの方見る度にめくるからな」
「なっ・・・!」
絶句するイーリスにさらにたたみ掛ける。
「別にあいつを見ててもいいんだぞ。
 ただ、今度はめくるだけじゃないからな。
 お前の尻を触るし、揉むし、舐めるし、匂いも嗅ぐ」
俺が意地悪くそう言うとイーリスの表情がどんどん曇っていく。
「どんな味がするのかな〜
 どんな匂いがするんだろうな〜
 すごく柔らかそうだったな〜」
言葉を浴びせていくとイーリスの目に涙がたまり始めた。
「わかったから!
 もうわかったからぁ!
 見ないよ!振り向かない!」
すでに半泣きだが声だけは大きい。
「よし、じゃあ何か話でもしようか」
ズズッと剣を引きずる音がするとイーリスがピクッと揺れる。
しかし、俺の脅しが効いているらしく振り向かずにうなずいた。
「何か好きなもんあるか?」
「え・・・えっと、あっ・・そ、そうだな・・・み、ミルク・・・」
グレーターデーモンに出くわしたオークのように
イーリスは目をきょろきょろさせ肩を震わせている。
衝動的に抱きしめたくなるがここはぐっと我慢。
俺は苛めて楽しんでるだけじゃなく
本気でイーリスの恐怖心を克服させようとも思っている。
イーリスは俺を見ても逃げない数少ない女の子だ。
いい子には不幸になって欲しくない。

それにしてもアンデッドコボルトの動きは本当に遅い。
あいつらの攻撃をギリギリで避けさせて
イーリスの恐怖心を麻痺させていこうと思っていたのに
だらだら歩きやがって全然こっちにまでたどり着いてくれない。
アンデッドコボルトのあまりの不甲斐なさに失望し
違う作戦を考え始めた時、ギイッという扉の開く音がした。
「なっ、何!?」
あーあ、もう振り返りやがった。
「ふ、増えた!?」
「ああ、増えたな」
イーリスの裾をめくり尻に話し掛ける。
イーリスは扉から新しいアンデッドコボルトが入ってきたのによほど驚いたのか
めくられたのに気付いてないらしく隠そうともしない。
しかしイーリスのお尻は見ればみるほど良い尻だ。
少し小さめで適度に引き締まって丸くて白くてつやつやしてる。
「さ、三匹目も来た!」
「そうか」
イーリスの尻が恐ろしそうに震えるのを見て俺は尻たぶを揉みあげた。
少しペトついてるがくにっと芯のある柔らかさ。
「ひっ!」
イーリスのかかとが浮いて、くっと力の入った尻にえくぼが出来る。
手で押さえられる前にと、俺はすかさず尻の谷間に鼻を押し付けた。
「だめぇっ!」
イーリスの手が俺の頭を押さえつける。
「ま、また来たぁあっ!」
小便の香りのするイーリスの尻はほんのり酸っぱい味がする。
ここで無理に中の具を味わおうとするのは素人だ。
処女が必死に引き締めている尻を味わわない手はない。
「だめぇ・・・お願いぃぃ倒してよぉ」
キスをしながら尻に頬擦りしているとイーリスが泣きの入った悲鳴をあげた。
やれやれ、とりあえずここまでらしい。
俺はイーリスを離し魔力を練った。
アモークを唱え、目前に迫っていたアンデッドコボルトを一掃する。
上手い具合に最初の一匹だけ離れてたので生き残ってくれた。
そいつの所にいき剣を持った手を蹴り飛ばす。
「イーリス」
放心しているイーリスの所に戻り腋の下に手を入れて抱き上げた。
イーリスは何の抵抗もせずぼんやりと宙を見つめている。
俺はイーリスを抱えたまま歩いていき
飛んでいった剣を拾おうとしていたアンデッドコボルトの腰を蹴った。
うつぶせに倒れたアンデッドの首元と腰骨に足を置く。
これだけでもうこいつは何も出来ない。
「イーリス、今何の上にいるかわかるか?」
「・・・・え?」
イーリスはのんびりとした動作で顔を下に向けた。
「わっ、わっ!」
イーリスは慌てて俺に抱きついて来た。
なんとイーリスの柔らかい事か。
「じゃあ今からセックスする」
おもむろに宣言するとイーリスの耳が俺の耳をぺしぺし叩く
「せ、せっ・・・だめ!やめて!」
口ではそう言っているがイーリスの俺の首にまわした腕は相変わらず強く
俺の腰を締め付ける脚にいたってはより力を入れている。
「これはイーリスのためでもあるんだ」
「なっ、そんなわけ・・・」
「そんなわけないと思うか?」
イーリスのあごが一瞬だけ肩を押す。
「あるんだよ、それが」
「お前処女だろ」
「ぁ・・・ぅ・・・・」
イーリスは固まったまま返事をしない。
まあ、返事がどうだろうと間違いなく処女だがな。
こいつは俺の自慢の一つなんだが顔を見たら処女かどうかわかるんだ。
「わかんないかもしれないが、セックスってのは人間が一番無防備になる時だ。
 そんな無防備な状況になってもこのアンデッドは何もできない。
 そんくらい弱いんだ、こいつらは」
実際今も手足をぎちぎちさせているだけで何も出来てない。
「それを体で教えてやる」
背中に回していた手を下に滑らせると剥き出しのお尻を掴む。
「んっ!」
イーリスの体がほんの少し跳ねる。
しかし、抱きついたまま離れようとはしない。
我ながら強引な理屈だと思ったがイーリスは納得してくれたようだ。
「怖がらなくていい」
右手をさらに滑らせ谷間にあてがう。
「んぁっ!」
胸を擦りつけるようにイーリスの体がしなる。
薄い茂みが指先にかすかに触れている。
大体の場所を感じ、一際あつく濡れている部分へ指を撫でつける。
「ぁぅ・・・っ・・・ゃぁっ・・・」
イーリスは内緒話をするように俺の耳に悲鳴を囁く。
処女である事を考慮し中指をあくまで浅くほんの少しだけ入れ掻く。
にゅくにゅくと指を揺らしていると少しずつ指が吸い込まれる。
壷口がちゅぽちゅぽと音をたて、イーリスの腰が浮き始める。
尻の穴もほじりたい所だが今日のところは止めておく。
あんまり無茶してセックス嫌いになられたくはないからな。
「じゃ、いくぞ」
ズボンを下ろし俺は肉棍をあてがった。
首にまわされた腕がさらに力強くしがみついてくる。
イーリスの尻を掴んでゆっくりと下げると肉棍の先が熱く包まれた。
「う、う、ぅぅ・・・」
少しずつめり込んでいくとイーリスの口からうめき声があがった。
こっそりとフィールを唱え痛みを和らげる。
破瓜の痛みを消すのは反則かもしれないが今日は事情があるから仕方無い。
半分ほど入ったところで俺は自分のを掴み侵入を防いだ。
イーリスは荒げた息で肩が熱い。
動きを止めて待っているとイーリスの息が少しずつ整いだした。
「今、俺達は何の上に乗ってる?」
しかし、イーリスはうめくだけで答えない。
俺は握っている手の親指で陰核を押さえた。
「あっああっ」
「言え、今どこにいる?」
ぐりぐりとこねるとイーリスの体がぐねぐねと暴れ出した。
「いうっ、いうから、ぃぅってばぁ・・・」
「ほら、言わないとまたグリグリするぞ」
「あ、あんでっどのうえぇ」
「そこで何してる?」
「な、なにって・・・あぅ!
 あっあああっー」
もう一度こねくるとイーリスの体が背を反らしてくねる。
「いうっ!いいますっ!」
訴える声がすでに涙声になっている。
「なんだ?」
「せ、せ、せっくう・・・せっくうしてる・・・」
ようやく言ったので邪魔していた手を離した。
「んあっ!」
一気に入れてしまうとゆるやかに突き上げる。
「続けて」
「あ、あんれっろのうえれ・・・えっくういてう・・・」
後半が特に何いってるか分からなかったので腰を加速させる。
「あうっ・・あ、あんれっろのうえれれっくるりてまううう!」
何となく言おうとしてる事はわかったので許す事にした。
というより俺自身が限界に近い。
俺はイーリスを抱きしめると欲望を解放した。
イーリスの肉壷はやわらかく俺を締めあげる。
ほんの少し記憶が飛んで、気が付くと俺はイーリスにキスをしていた。
ふにゅっと柔らかい唇を奪い舌を舐める。
イーリスの吐息は優しい匂いがした。
「次いくか」
「えっ・・次って・・・」
トロンとした目で見てくるイーリスにキスをして微笑みかける。
「この下にいるのをイーリスがディスペルするんだ」
「あ、ああ・・・わかった」
イーリスが頷くと俺は腰の動きを再開させた。
ジュブジュブという濁った音が部屋に響きだす。
「あっ・・し、しながら・・・?」
「そう。
 セックスしながらディスペル出来るようになればどんな状況でも
 どのアンデッド相手でも大丈夫だ」
「うっ・・・んっ・・」
パンパンと肉のぶつかる音が水音と混じり部屋に満ち始める。
踏まれたまましょぼい抵抗をするアンデッドコボルトが
さすがに哀れな気がしてきて
ディスペルされないように何度も何度もイーリスを突き上げた。



「んしょっと」
イーリスがズボンを履き終わった。
それは行為が完全に終わったのを示していて物悲しくなる。
「乾いてるか?」
「ふふ、そっちこそ」
イーリスが言うように俺のズボンは大量の愛液がかかり濡れてしまっていて
これじゃどっちが漏らしたんだかわからないような状態だ。
「じゃ、帰るか」
「あ、一人で帰るよ」
悲しいほどあっさり断られた。
「大丈夫か?」
「ああ、もう大丈夫。
 アンデッドも怖くなくなった」
やりながらのディスペルに成功した時
イーリスにとってアンデッドはもう取るに足らない存在になった。
あくまで本人談だがテストとして連れてきたアンデッドコボルトを
目の前で粉砕したのできっと本当に克服したのだろう。
最初の予定とは違ったが結果的に成功したようだ。
「なんだかまだ変な感じがする・・・」
妙ながにまた歩きで扉まで行くとイーリスが振り返った。
「あ、あの・・・ありがとう」
扉に手をかけ恥ずかしそうにうつむく。
「ま、またな」
そう言うとうなじまで朱に染めてイーリスは慌しく部屋を出て行った。
前言を撤回させてもらう。
この迷宮は二階も天国だ!