「お前・・・一体何を・・・」
俺が酒場で昼飯を食っているとおかっぱ頭の女が近づいてきた。
「何って?何か俺おかしいか?」
「何かってお前腕食われてるじゃないか!?」
どうやら、この女はテーブルの下で俺の左腕に噛り付いているボギーキャットを見て驚いたらしい。
この街で魔獣見て驚くとは新参だろうか?
「仕方無いだろ、こいつは人しか食えないんだし
そこらへんの奴をくわせるわけにゃあいかねえし。
俺だけ飯食ってこいつには無しってのも可哀想だろ」
「いやいやいや、違うだろう!
そんな危ないのをなんで連れてるんだ!?」
「おい、やめておけ、イーリス。
そいつがあのシランだ、常識など通用せんよ」
おかっぱ頭がさらに喚こうとした時、もっと変な髪形の女が横から口を出した。
なんとか・ムワッヒド。
たしかそんな名前の女だ。
「こいつが・・・」
「ああ、女の形をしてればモンスターだろうが何だろうがお構い無しの破廉恥野郎。
最低最悪の糞ったれだ!
それ以上近づくな、何をされるかわからんぞ」
人が飯食ってる時になんて事を言うんだろうか、こいつは。
碌なしつけを受けてないに違いない。
「全くこの国はどうなってしまうんだ・・・!
いくらあの迷宮攻略の為とはいえ
こんな奴が自由に歩ける国など間違っているというのに!」
「ヴェーラ、落ち着け」
ヴェーラってのはどうやらムワッヒドの事らしい。
「そうそう、なんてったってあの魔女アウローラがいるってんだからな。
お前ら見た事あるか?
絶世の美女だって話じゃないか、早くお目にかかりたいもん・・いてっ!」
俺がまだ見ぬ魔女に思いをはせようとすると
ごりっという音とともに腕に激痛が走った。
「ごめん、ごめん、お前も可愛いよ」
腕を咥えたまま睨むネコの頭を撫でる。
「・・・・魔女に会いたいなんて・・・正気か?
彼女に会って生きて帰ったものなど数えるほどしかいないと言うのに・・・」
「心配するのも止めておけ、イーリス。
こいつには死んでくれた方がありがたい」
「しかし、噂では蠢くものが出現したとか・・・。
オークどもの話ではあるが気をつけた方がいいぞ」
なんだか一人で鼻息の荒いムワッヒドをなだめイーリスはさらに警告を発した。
どうやらこの娘は本当に性格が良いみたいだ。
いつか犯る機会があれば優しく愛してやろうと思う。
「蠢くものか・・・すげえ気持ちよさそうな名前だよな」
俺はジョッキに残っていたビールを一気に飲み干した。
「・・・凄いな、君は。
変態というのは聞いていたが・・・。
絶対にパーティは組みたくないが
もしかしたらあの迷宮を攻略するのは君のような者かもしれないな」
イーリスは愉快そうに笑い、ムワッヒドは大きなため息を吐いた。
「じゃあまた」
「イーリス、そんなに親しくするな。
妊娠してもしらんぞ」
散々人の食事を邪魔したあげくようやく二人は帰っていった。
なんなんだ全く。
「なんだと!もういっぺん言ってみろ!」
「で、ですから、魔獣連れの方は泊められないと・・・」
飯を終えて帰ってきた俺に宿屋のおっさんはふざけた事を言い出した。
宙吊りにしてやったがおっさんは足をじたばたさせながら戯言を繰り返す。
「同じ事言ってんじゃねえ!
なんでこいつと一緒だったら駄目なんだよ!
ネコぐらいいいじゃねえかよ!」
「ほ、他のお客さんに迷惑になりますから!
こ、これ以上暴れるんなら騎士団の方を呼びますよ!」
「おう呼べ呼べ!
不当な魔獣差別する宿屋なんか騎士団が来る前に消し炭にしてやらあ」
「ちょっと!待ちなさいよ!」
宙吊りにされたおっさんの顔が真っ赤になった時
横から制止する声が聞こえてきた。
「ん?」
辺りを見渡しても声の主は見えない。
「どこ見てんのよ、ここよ、ここ」
その声でようやくちっこいガキが話し掛けてるのに気が付いた。
「なんだ、子供か」
「子供で悪かったわね。
あんた泊まるとこ無くて困ってんでしょ?うちに来ない?」
ちっさい不細工なガキは一応女らしいが妙に偉そうで可愛げがない。
「どう言う事だ?おまえん家は宿屋か?」
おっさんを床に落とすと鈍い音がする。
「うちに来たらわかるわよ。どうする?」
そのガキはおよそ子供らしくない表情で咳き込むおっさんを一瞥すると俺の顔を覗き込んできた。
こんなガキを狂わせるなんて俺も罪な男だ。
正直人間のガキなんて趣味じゃねえが宿をくれるってんなら抱いてやらない事も無い。
「わかったよ、ついていってやらあ」
つくづく俺は優しい奴だ。
おっさんはこれから毎晩首が繋がってるのを俺に感謝しなくちゃいけないと思うぜ。
「ここか?全然宿屋にゃみえねーな」
目の前に見える建物はガキの面そっくりに不細工で統一性が無い。
こんなとこに泊まる奴なんて碌な奴じゃねえだろう。
「いつうちが宿屋なんていった?
うちは商店よ、しょ・う・て・ん。
ヴィガー商店って聞いた事ない?」
ガキの物言いはいちいち腹立つが俺は大人だからぐっと堪えて答えてやる。
「ああ、そういやなんか話は聞いた事あるぜ。
オークが働いてるとかなんとか・・・」
「良かったあ、うちの店って結構有名なのね」
一瞬だけ、子供らしい笑いを浮かべたがまたガキは顔を不細工な面に戻した。
「こほん・・それでね、うちはオークが働いてるからなのか
オーナーが私みたいな美少女だからか知らないけど妙にチンピラに絡まれるのよね」
美少女だからってのは明らかに間違いだと思うが
オークが働いてるからとからかいに来る奴がいるってのはいかにもありそうな話だ。
「・・・まあ世の中には悪い奴も多いもんな。
みんなが俺みたいに善良だったらいいんだが・・・」
「・・・でね、あんた結構有名らしいじゃない。
変態ぶりもだけど強さも相当なんでしょ?
だから、あんたみたいなのがうちにいてくれたら
チンピラもびびってうちに来ないんじゃないかなあと思って」
なるほど、それで話が繋がった。
「うちの倉庫にだったらそのボギーキャットと一緒に泊まってもいいわよ」
ガキとオークが保護を求めてきてるんだ、一肌脱いでやるのが人情ってもんだろう。
「ああ、なるほど。
そりゃ助かるぜ・・って倉庫!?」
「当たり前でしょ?
あなたみたいな人型インキュバスと同じ家にいたら気の休まる暇なんて無いわ」
おめーみてーなガキ、頼まれても襲わねえよ、と言ってやりたかったが
俺のふとももに顔をすりすりしているネコの為だ、
俺はぐっと堪えてガキに倉庫を案内して貰う事にした。
色々あったが、今俺は迷宮の中にいる。
ネコは留守番だ。
倉庫の中はそりゃもう酷いありさまだった。
ガラクタだらけでホコリまみれ。
寝る場所なんかありゃしねえ。
しようがなくネコに掃除を任せて俺はベットでも買う金集めって事だ。
「はあ・・・」
思わず出てしまうため息を繰り返し吐きながら俺は一階の奥の方へと足を運んだ。
オークやインプを苛めて小銭集めるのも気が進まないからだ。
「うわあぁぁ!」
「いやぁぁー!」
しばらく歩いていくと金属のぶつかる音と悲鳴が聞こえてきた。
どうせ、馬鹿な初心者がやられているのだろう。
無視して先に行こうと思ったが、次に聞こえてきた音が俺の心を変えた。
「ォ――――・・・!」
静かに響くバンシーの声。
バンシーってのは元々妖精だが、ここにいるのはそんなしょぼくれた奴じゃねえ。
俺は浮き立つ心を抑えて声の聞こえる方へ走った。
行ってみると予想通りの光景が待っていた。
戦いにも慣れてねえような数人の冒険者達が
バンシーと二人の戦士に囲まれている。
この戦士ってのは元は人間だったが迷宮の闇に飲まれてモンスターになった奴だ。
「よお、大変そうだな」
横から声をかけると戦士達もひよこ冒険者達も俺に顔をむけた。
「たっ、助けてください!」
「お願いします!」
戦士とバンシーは見ただけだったが
ひよこ達の視線は驚きからすがるようなモノに変わっていった。
「お前ら、いくら持ってる?」
「・・・は?」
ひよこはとぼけた顔で聞き返してきた。
なかなか商売上手な奴らだ。
「有り金全部で助けてやるぞ。
どうだ?」
駆け引きも結構だが、命ぐらい大事にすべきだろう。
「そ、そんな・・・!」
まだとぼけてやがる。
俺は話を円滑に進める為、手前の戦士をぶん殴った。
闇に飲まれたとはいえ一階でうろうろしてるような奴だ。
ごきっと言う音をたてて簡単に地面に突っ伏した。
「有り金全部で残りも倒してやる。
いや、なら今眠ったこいつにウィルをかける。
さあ、どうする?」
俺がそう言うとさっきまで泣きじゃくっていた女が顔を上げた。
「仲間が一人死んだんです!
この子を生き返らせるお金を残してください!
お願いします!お願い・・・」
女の涙は好きな方だが、こんな鼻水までたらして泣いてるのは別だ。
不細工な泣き顔にうんざりして俺はもう一人の戦士を殴りつけた。
「ォ―――・・・」
残ったバンシーがまた叫び声を上げた。
体中の血が冷え、心が落ちていくような感覚。
ゾクゾクと走る不快感に俺は興奮を禁じえずバンシーの身体に組み付いた。
「あ、あの・・・」
バンシーのスカートを掴んでめくり上げようとしているとひよこ達が声をかけてきた。
「あーっと、そうだったな。
ちっと待ってろ」
俺はバンシーを肩に担いでひよこ達の中心で寝てる奴の前に座った。
「あ・・・!」
呪文を唱えると真っ二つになっていた頭がひっついて体が輝きだす。
「い・・生き・・返った・・?」
呆然と呟くひよこども。
こいつらカーカスも見た事が無かったのだろうか?
「これで、生き返らす金も俺のもんだろ?」
俺の声が聞こえてないのかひよこどもは口々に仲間の名前を呼び合い喜んでいる。
「ありがとうございます。
ありがとう・・・」
生き返った奴が泣きながら頭を下げる。
つられたのか他の奴らまでまた泣いてやがる。
馬鹿か、こいつら。
「あの、あなたのお名前は・・?
よかったら聞かせてください!」
「知らん」
「シランさんですか!」
はあ。
俺だって自分の名前なんかしらねえんだよ。
「あの、1326Gしかないんですけど・・・」
「わかった、それでいいから、お前らもう帰れ」
本当かよ、と思ったがこれ以上関わるのはごめんだ。
俺は金を懐にねじこむと、じたばた暴れるバンシーを連れて場所を変える事にした。
「ここでいいか」
少し歩いた所にあった小部屋に入るとバンシーを肩から下ろした。
床に落ちたバンシーは真っ赤な目を俺に向けて叫び声を上げた。
「へへ、そそる声で鳴くじゃねえか」
床に倒れたバンシーに覆い被さるとじっくりと顔を見つめてみた。
ガラスのようにつるつるした青い肌は蝋細工のように綺麗で
涙を流しつづける真っ赤な瞳は新鮮な傷口より赤い。
「ン―――!」
たまらなくなってキスするとバンシーはますます激しく暴れだした。
氷のように冷たい口の中は歯がなく舌もなくヌメヌメとしている。
この中にチンコをいれる事を考えただけでゾクゾクする。
「おっと、おっぱいもなかなか大きいな」
ぐにぐにと固い胸を揉みながらそう言うとバンシーはいやいやするように顔を振った。
バンシーはアンデッドとはいえ割りと賢く言葉を理解できる。
元が妖精だからか身体も腐らないし脳も腐らないのだろう。
「じゃあ、そろそろ裸を見せてもらおうか」
もう一度キスをして服を襟元から引き裂いていく。
バンシーはペシペシを俺の頭を叩き続けている。
「おっとブラしてないのか。
でも、綺麗な形じゃないか」
青い乳房はつるつるとして少し固めなのがまた可愛らしい。
乳首が薄紫色に震えている。
隠そうとするバンシーの手をはがして口に含んでみると
思ったより温かく思ったよりも固い。
じゅうじゅうと音をたてて吸い揉みしだきながら
服をさらに下へと引き裂いた。
「おっと、パンツも履いてないのか。
まったく、いやらしい妖精だな。
え?ノーパンノーブラで冒険者を襲ってたのか。
このエロアンデッド!」
バンシーは涙を流しながら激しく首を振っている。
「しかも、毛が無いじゃないか?
剃ってるのか?それとも剃られたのか?」
そう言って俺が無毛の割れ目に手を伸ばした途端
バンシーの俺の頭を叩いていた手が激しさを増した。
俺はその手から逃げるように頭を下げてバンシーの秘部へと顔を埋めた。
「お前も小便とかするのか?
いい匂いがしやがるぜ」
意外にも強い力で足を閉じようとするバンシーだが
俺の動きを遮ることは出来ない。
足を持って浮かすと割れ目をべろべろと舐める。
「フォ―――!フォ―――!」
バンシーの口から出る叫びが今まで聞いた事もないような
必死さを帯びたものになってきた。
残念ながらバンシーにケツの穴は無いようだ。
人間の姿を模しているとはいえさすがは元妖精だ。
仕方なく割れ目を全力で愛撫する。
じっくりたっぷりしつこく舐めていると徐々にバンシーの身体から力が抜けてくる。
カチカチだった割れ目がふやけ舌が入りやすくなってきた。
ほんのり酸っぱかった味が消えると掴んでいた足を横に開かせた。
俺は素早くズボンを脱ぐとギンギンになった肉刀をあそこにあてがった。
バンシーは観念したらしく足を開いたまま閉じようともしない。
手もだらりと横に置いて顔をそむけている。
「力を抜いて」
優しく頬を撫でると腰をつかんで俺は一気に突き入れた。
「――!?」
バンシーの身体が跳ね、涙が飛び散る。
背筋から凍えそうなバンシーの中はきつく俺を締め付けてくる。
俺の自慢の一つはどんなに寒かろうと勃たせられる事だ。
固い陰唇をほぐすように、浅く速く突き入れ少しずつ深く侵入させていく。
なんだか俺だけ呼吸を荒くしているのが馬鹿みたいに思えてくるが
そんな事ではへこたれない。
「ォっ・・」
深く入れて腰を回すとバンシーの口から遂に叫び声ではない音が漏れた。
腰で文字を描きキスをして乳房を吸う。
お腹をさすって尻をつねり深く大きく突き入れる。
「フゥッ・・・ゥ――ッ・・」
ようやく中がほぐれてきて摩擦で温かくなってくると
バンシーも喘ぐような声を出し始めた。
「いくぞっ・・」
俺はバンシーを抱きしめると腰を加速させた。
「ゥッ・・ゥッ・・・」
俺が突き入れるたびにバンシーの口から声が漏れる。
その声を遮るようにキスをすると俺はバンシーの中に射精した。
大人しくキスを受け入れたバンシーを抱きしめながら
俺は自分の精液の熱さを感じていた。
「ハァッ・・・ハァッ・・ハア・・・ふー」
俺はバンシーを抱きしめたまま荒い息を整えると唇を離した。
そして涙の流れるほほを舐めて源流へ辿り赤い瞳に舌を伸ばした。
暴れもせずにバンシーは俺の舌を受け入れてくれ
俺はしょっぱい味のする瞳を出切る限り優しく舐めた。
なぜこんな事をしたのかわからない。
ただ、抱きしめたバンシーが可愛かったからとしか言い様が無い。
「・・・り・・が・・とう」
どこからか声が聞こえる。
俺は驚いて顔を上げた。
「あり・・・がと・・・」
なんとバンシーが微笑んで俺を見つめている。
「・・・愛・・して・・くれ・・て・」
真っ赤だった瞳は黒々とした光をたたえ涙は枯れている。
青かった肌は赤みを帯びて薔薇色に輝き
ごわごわと垂れていた髪はさらさらに流れている。
まさか・・・。
嫌な予感がした。
「やさしくあいしてくれて・・・・」
バンシーの身体が光に包まれる。
俺の予感は的中した。
「ありがとう・・・」
そう言い残すと光に包まれたバンシーの身体はあっという間に消え去ってしまった。
チンコをおっ勃ってた俺を残して。
「・・・なんだそりゃ!
まだ一杯したい事あったんだぞーーー!」
一人残された俺は悲しみの叫び声をあげる事しか出来ないのであった。